エロゲで戦闘力特化で転生したところで、需要はあるか?

天之雨

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エロいモンスターだけだと思った?

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 これで四天王はそろう。後は俺がそのスライムを倒せれば、いいだけだ。



「それでそのスライムの特徴だが、大きさや色とかも教えてもらっていいか?あと出現した場所とかも。」



 ジャガーからの話を聞いた結果をまとめると次のような感じだ。



・大きさは中にいる人の量に応じて量がましていき、10m近くある。

・色はピンク。

・中に入ったものは小刻みに震えて気絶する。







…うん。







 エロゲのモンスターだな。

 壮大に語られたせいで、最初はピンとこなかったものの特徴は間違いなくエロゲ特有のすけべモンスター。



 感度3000倍スライム。



 確かにネタとしては、そういうモンスターがいたがそんなに強いかといわれるとそうでもない。攻撃はしてくるものの、状態異常攻撃が主で攻撃力がほとんどないモンスターだ。高ステータスを誇る獣人がやられるのだろうかという疑問も感じる。



「頼む。」



 特徴を聞いて、厳しい顔をしたのがよくなかったのか、ジャガーの頭がより地面に近く下がる。ごめん、無駄に真剣な顔して。



「とりあえず、その場所に案内してくれない?」

「っ、ああ。ありがとう。」



 そして俺たちはスライムのいる場所に向かうのだった。











Side:ゾルディス



 陛下と別れて、私、姫、ガルドは魔王城に一度戻ることとなった。危険ではないかとの不安もカイザー様はあったようだが、もともとランドに喜んで仕えているものなど少ない。甘い汁をすすえると近寄ったものか、恐怖で無理やり支配されたもののどちらかだ。

 それにランドがいなくなれば、私たちに抗おうとするものも少ない。前魔王の頃から最前線を務めていたガルドの復帰、そして現四天王の私がいるなら特におかしな真似をするものもいないだろう。



 なのに、



「ぷぷぷぷぷっ。マヌケどもが帰ってきた也。」



 まさかすでに魔王に攻めこまれているとは夢にも思わなかった。



「はい、ルテン様。奴らが逃げ出した四天王に我が国が誇る美姫です。」



「グルデンっ!!!貴様っ、裏切ったか!!!」

「裏切ったとは人聞きの悪い、新たな王に忠誠を誓っただけです。」



 元四天王グルデン。新たな四天王に半殺しにされてからは部隊長に降格にされたものの、確かな実力者。その奴が自分の国に新たな魔王を招き入れていた。



「碌な報酬を与えられたわけではない。ほとんどただ働き、なのに逆らうなと。ならばこちらも新たな道を探すしかないだろう。」



 ランドが魔王になってから、多くの不満は確かに蔓延していた。だが、こんなにも早くそれが爆発するとは思わなかった。



「わが身可愛さに四天王を連れて逃げた姫と、確かな力を持った王。その二つから未来がある方を選んだだけです。」

「しかし、ランドを倒したものがいるとは思わなかったのか。」



「思いましたよ。そのうえで勝てると踏んだまでです。ルテン様はランドよりも上位種の魔王、まあ先にランドを倒されてしまいましたが、無駄な戦闘を避けられたと見て問題はないでしょう。」

「…貴様のほかの部下はどうした?」

「ランドを倒したものをルテン様の配下にするために捕獲しろと命じたら、一目散に逃げだしましたよ、まったく私の部下ながら情けない。」



 絶対的な自信がグルデンのまとう威厳を強くする。しかしそれを見る三人の眼はどことなく可哀そうなものを見るような目だった。兵士の気持ちもわかる、カイザーを、ランドを一撃で倒したものを捕まえろ、まだよその魔王勢力に歯向かう方が生存率は高い。



 しかし実際、ここにカイザーがいないのも事実。

 隣の姫様がゾルディス、ガルドと目合わせし、ルテンに話しかける。体長3Mほどの小巨人であり、明らかな肥満体質だった。



「魔王ルテン。すぐに私の領地から出ていきなさい!さもなければ、あなたに処罰を下します。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っぷぷぷぷぷぷぷぷ。はははははははははっ、何をどうするぷ?今なら許しを請えば、俺のペットに位はしてやるぷ。」

「交渉は決裂ですね。」



 恐らく分かっていただろう結果に、エリスは腰にかけていた手の腕ほどの笛を取り出した。

 

 そして思い切りっ、



 吹き鳴らす。



 重厚で力強い音がその場を支配する。どこか威圧を感じるような音に誰もが動きを止める。



 敵は失笑する。

 こちらは警戒する。

 空は支配される。



 ある声を模したものに反応し、天より来るのは、



 一匹の巨大な龍だった。


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