3 / 19
弐.
侵入者
しおりを挟む
えっ、なんだ……!!
今の、何か大きなものが引っくり返ったような振動と重みを含んだ音。
「 昂、何やってるの?」
僕も仰天したけど、階下にいた母さんも驚いたようで、様子を伺いに階段を上って来ようとしている!
「コケただけだって! 大丈夫だから!」
この汚部屋を母さんに覗かれたくない!
見られたが最後、片付けるまで、ずっとクドクド言われ続けるに決まってるから!
……良かった!
母さんが階段を下りて行く足音が聴こえて来る。
それにしても……
さっきの音と振動は何だったんだ?
ここが、震源の地震とか?
んなわけないか……
あれっ、何でハンモック引っくり返っているんだ?
しかも、その下にストックしといたポテチやとんが〇コーンの袋や箱が潰れて、あ~あ、ポテチの方は飛び出してるし……!
おかしくないか、これって……?
さっき学校から戻った時には、そんな事にはなってなかったはずだ……
部屋に入った時、何も違和感無かったし。
たとえぱ今、無自覚のマイクロスリープに襲われていたとして……こんな哀しくなるような状態に、寝ぼけてでも僕がするわけがない!
だからって、家族は入らせてない!
ここは2階だし、窓も締め切っているから、猫とか獣系が侵入したとは思えない!
……だとしたら、考えられる事はただ1つしかない。
この状態は、アレだ!!
僕の部屋に、透明人間がいるに違いない!!
そうだ!!
それ以外に有り得ない!!
「どこだ! 出て来い! 透明人間め~」
透明人間は見えなくても、確かにそこに存在しているのだから、そこに触感は有るはずなんだ!
僕が、こうして、手をバタバタさせているうちに、身体のどこかのパーツが手に触れるに決まっている!
「逃げても無駄だ! 僕の大事なお菓子をこんな事にしやがって~!」
こうやって、SF的な発想に頭が占拠された行動を取りつつも、心の中では、そんなわけなんて無いって決め付けている、どこか冷めている自分もいた。
あの時、微かな手応えを感じるまでは……
今の、何か大きなものが引っくり返ったような振動と重みを含んだ音。
「 昂、何やってるの?」
僕も仰天したけど、階下にいた母さんも驚いたようで、様子を伺いに階段を上って来ようとしている!
「コケただけだって! 大丈夫だから!」
この汚部屋を母さんに覗かれたくない!
見られたが最後、片付けるまで、ずっとクドクド言われ続けるに決まってるから!
……良かった!
母さんが階段を下りて行く足音が聴こえて来る。
それにしても……
さっきの音と振動は何だったんだ?
ここが、震源の地震とか?
んなわけないか……
あれっ、何でハンモック引っくり返っているんだ?
しかも、その下にストックしといたポテチやとんが〇コーンの袋や箱が潰れて、あ~あ、ポテチの方は飛び出してるし……!
おかしくないか、これって……?
さっき学校から戻った時には、そんな事にはなってなかったはずだ……
部屋に入った時、何も違和感無かったし。
たとえぱ今、無自覚のマイクロスリープに襲われていたとして……こんな哀しくなるような状態に、寝ぼけてでも僕がするわけがない!
だからって、家族は入らせてない!
ここは2階だし、窓も締め切っているから、猫とか獣系が侵入したとは思えない!
……だとしたら、考えられる事はただ1つしかない。
この状態は、アレだ!!
僕の部屋に、透明人間がいるに違いない!!
そうだ!!
それ以外に有り得ない!!
「どこだ! 出て来い! 透明人間め~」
透明人間は見えなくても、確かにそこに存在しているのだから、そこに触感は有るはずなんだ!
僕が、こうして、手をバタバタさせているうちに、身体のどこかのパーツが手に触れるに決まっている!
「逃げても無駄だ! 僕の大事なお菓子をこんな事にしやがって~!」
こうやって、SF的な発想に頭が占拠された行動を取りつつも、心の中では、そんなわけなんて無いって決め付けている、どこか冷めている自分もいた。
あの時、微かな手応えを感じるまでは……
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
幽愁のモラトリアム
都築よう子
SF
理人は壮絶な戦いの後、病室で意識を取り戻す。過去の記憶と現在の痛みが交錯する中、母の死と未解決の家族の秘密に苦悩する。内面の葛藤と安楽死の現実に直面し、彼は自身の生き方と未来を模索する。
108人のキャラクターたちと織りなす近未来SF文芸シリーズ・第一弾『視窓のフリンジ』のスピンオフ作品ではございますが、読み切りなので初見でも楽しめる内容です。
↓
視窓のフリンジ(現在は非公開)
https://kakuyomu.jp/works/16817330664483020434
★ 幽愁のモラトリアムの登場人物★
⚪︎理人・タイラー:物語の主人公で法医学部生。ミヤビとの運命の出会いにより、雷と風のエレメンタルフォースが使えるようになるも、ヴァンロードとの戦闘で負傷をし、病院に入院した。
⚪︎杏・タイラー:理人の母親。幼き理人の身代わりとなって交通事故で死亡している。
⚪︎ヘンリー・タイラー:理人の父親で生物学と遺伝工学の科学者。現在は、クローン技術を違法に応用した罪で最凶死刑囚として収監されている。
⚪︎鞠 凛:杏の妹で理人の育ての親。蹴鞠(けまり)の創始者だった祖の流れを受け継ぐ鞠一族の末裔。
⚪︎アレクサンダー・フィールズ:理人の主治医であり、経験豊富な医師。過去に杏とヘンリーに因縁がある。
⚪︎ジュディ・アンドール:先進的な人工知能と感情認識技術を搭載したナースロイド。
⚪︎ミヤビ:口伝詩、魔法遺産(オーパーツ)を修めた賢者の石を守護すべく生み出された一族の末裔。運命共同体として理人にエレメンタルフォースを授けた。
⚪︎宙太:古書店「迷子書房」の店主。常連客の理人とは探偵と助手のような間柄。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
INFECTION<感染>
fwix7301
SF
地球の周回軌道を回っていたロシアの軍事衛星に小さな隕石が衝突した。その隕石には未知の微生物が付着しており、人工衛星は病原体を撒き散らしながら大気圏に突入してしまった。そして拡散した微生物は戸外にいた人間全てに感染してしまった。これに感染すると無事だった人たちを襲い感染者を増やしていくという恐るべき病原体だった。
元自衛官の高橋秀人は高校の先輩である藤岡義明のマンションを訪れていた。この災害に遭遇してしまった高橋たちが生き抜く事は決して容易ではなかった。
そして、米軍の核兵器紛失、自衛隊戦車中隊の反乱など様々な事が起こる中、高橋はある人のため必死に戦うのだが…
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
SEVEN TRIGGER
匿名BB
SF
20xx年、科学のほかに魔術も発展した現代世界、伝説の特殊部隊「SEVEN TRIGGER」通称「S.T」は、かつて何度も世界を救ったとされる世界最強の特殊部隊だ。
隊員はそれぞれ1つの銃器「ハンドガン」「マシンガン」「ショットガン」「アサルトライフル」「スナイパーライフル」「ランチャー」「リボルバー」を極めたスペシャリストによって構成された部隊である。
その中で「ハンドガン」を極め、この部隊の隊長を務めていた「フォルテ・S・エルフィー」は、ある事件をきっかけに日本のとある港町に住んでいた。
長年の戦場での生活から離れ、珈琲カフェを営みながら静かに暮らしていたフォルテだったが、「セイナ・A・アシュライズ」との出会いをきっかけに、再び戦いの世界に身を投じていくことになる。
マイペースなフォルテ、生真面目すぎるセイナ、性格の合わない2人はケンカしながらも、互いに背中を預けて悪に立ち向かう。現代SFアクション&ラブコメディー
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる