思いがけず、生き延びて

その日はやってきた

思いがけず、生き延びて

『拡散希望！
　上空に待機している宇宙人からの伝言です！
　あと23時間くらいで、地球人を消滅させるそうです！
　
　PS
　私同様、宇宙人からのテレパシーが聴こえた方がいたら、メッセージ下さい！』

　30分以上かかったけど、何とか、上空に待機しているUFOの画像も添付してツイート出来た！
　私のフォロワーは700人弱しかいないけど、その人達の目に付いて、リツイートしてくれたら、上手く拡散出来るかも知れない。
　
　デタラメと思われる人々の方が多くても、伝わって欲しい人には必ず伝わるはず！

　そのうち、誰か、私以外にも、テレパシーを聞き取れた人がいて、その人がツイートしたり、私のツイートにリプライしてくれさえすれば、真実味が増すだろうから！

　誰か、お願い！
　私に届いたテレパシーを裏付けて！

　取り敢えず、家に戻ろう！

　せっかくメッセージが届いても、ガラケーからだと、上手く返答を打ち込めないうちに、誤操作してしまったり、誤送信させられてしまいそうだから。
　
　巨大UFO母船は、全く動く様子無く、陽の光を遮り続けていた。
　その後、テレパシーの続きは無かった。
　私の取った行動は、間違ってなかったのかも知れない。

　いつもと変わらないように動く人々の間を縫うように急いで、私は家に戻った。
　帰宅後、すぐにパソコンを立ち上げると、Twitterにメッセージが届いているのを確認出来た。
　picoさんというアカウント名のフォロワーだが、今まで、メッセージのやり取りはした事の無い人からだった。

『私にも、聴こえました。
　でも、2度目には、地球人ほとんどが聴こえてないようだから、
　24時間という猶予時間の意味が無いような事も聴こえて来ました』

　同じだ！
　picoさんにも、私と同じ内容で、テレパシーが2回届いていた！

　良かった！
　私と同じくテレパシーを受信出来る人が他にもいた！

　私の拡散希望のツイートは、気付くと3桁のリツイート数になっていた！
　picoさん自身も、その私のをリツイート後、自分でもツイートし、リツイート数がどんどん増えて行った。
　
　信じる、信じないは、それぞれの勝手だ。

　どれほどの人が信じてくれるかも分からないし、もしかするとデマだと拡散されるかも知れないが、そんな事を恐れていたら、何も出来ない！
　
　私が、今できる事は、宇宙人からの伝言を、より多くの人々に届けようとする事！

　知ってもらって、信じてくれる人だけでも構わないから、残されている今後23時間の行動が有意義なものとなるように動いてもらいたい。
　こうして拡散させる事が、今の私の使命だと信じて、私は、生まれて初めて、他の人々の為を思い有意義な事が出来ているような思いに満たされていた。

　こんな私にも出来る事が有って、本当に良かった！