このお迎えが最高の出逢いとなるように

ゆりえる

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1. 誕生日の贈り物

このお迎えが最高の出逢いとなるように

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「恵梨奈ちゃん、朝からずっと、御機嫌だね~、どうしたの?」

 南小学校の通学路では、たすきを掛けた年配のボランティアさん達に見守られる中、小学生達が並んで騒がしく下校している。

「杏ちゃん、知らないの?今日は、恵梨奈ちゃんのお誕生日だからだよ」

 近所に住む小学1年生の恵梨奈、杏、千佳は仲良しで、登下校中はいつも一緒に雑談しながら歩いていた。
 特に、恵梨奈と千佳は幼稚園から一緒で、杏よりも、お互いの事をよく知っていた。

「そうなんだ!おめでとう、恵梨奈ちゃん!家に戻ると、お誕生日プレゼントとか用意してくれているのかな?」

「うん、可愛いワンちゃんお願いしたの!」

 家に戻ると用意されている犬との対面が、楽しみでならない恵梨奈。

「どんなワンちゃんにしたの?大きいの、小さいの?」

「小さくて可愛いの!杏ちゃんの家の子のように、フワフワな毛並みのリボンが似合いそうな可愛いワンちゃん!マッチングペットショップっていう、新しいやり方をしているお店でね、相性もいい子を選ぶために、ちゃんとアンケートもしたの!」

 ペットショップの店頭で好みの犬を選んで決めると思っていた杏や千佳にとっては、恵梨奈が言っていた相性を計るためのアンケートを取るという、マッチングペットショップのシステムが、とても不思議に感じられた。

「相性なんて、飼ってみないと分からなそうなのに」

「うん、だから、お試し期間も有るみたい」

 両親からは、そういう内容までは聞いていたが、実際、恵梨奈にもピーンと来なかったから、杏や千佳の反応も無理も無いと思った。

「お試し期間でイヤだったら、そのワンちゃんを飼うの止めて、他の子にしていいの?」

「今までずっと、飼い主との相性はピッタリだったみたいだけど、もしもダメだったら、チェンジしてもいいって、ママが言ってた」

「ふーん、そうなんだ。それなら、安心だね!可愛くて、お利口な子に会えるまで何度でも色んなワンちゃんで試したらいいんだね!」

「うん、せっかく飼うんだから、恵梨奈にとって、最高のワンちゃんがいいもん!」

 1回で気に入らなかったら、何度でも取り換えて、気に入る犬と出会えるまで試す気満々でいた恵梨奈。

「今度、紹介してね~、恵梨奈ちゃんのワンちゃん」

 杏と千佳も楽しみにしている様子。
 いつか、可愛い犬を連れて散歩して、2人に見せる未来を想像して、家が近付き、2人と別れてからも、ますます顔が緩まずにいられなかった恵梨奈。

 帰宅すると、可愛い犬が、玄関まで恵梨奈を出迎えに来てくれるはずだった。
 どんな犬が出迎えてくれるのかと、ワクワクしながらドアを開けた。
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