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そして、別れの時
この余韻に包まれながら......
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『記憶は......記憶として浅間さんにだけ留めておく事は可能です。ただ、誰にも話さないと約束出来るのであれば......』
『約束を破った途端、おじいさんになってしまうとか......』
浦島太郎の玉手箱を連想して俺が思うと、ミレーユさんの口元が緩んだ。
『おじいさんにはならないですが、その時点で、浅間さんの今までの全ての記憶が無くなります!』
『そんな.....ホラーじゃないか!!』
『危険な選択ですよね。だから、道下さんや今までお会いした方々の記憶から、私は削除させてもらっているのです。浅間さんにも、それをお勧めしたいのですが、そこをどうしても、私との記憶を残したいのでしたら、必ず約束は守って頂かなくてはなりません』
いつになく厳しい口調のミレーユさん。
ミレーユさんが伝えている事は、決して脅しなんかではなく、真実なのだろう。
全ての記憶を失ってしまう......
もちろん、一番大切なミレーユさんさんとの記憶を含めてだ.....
確かに、俺が認知症のように記憶を無くしたら
その前に思わず口が滑ってしまったミレーユさんとの事も
気が触れたと思われて、誰も信じないだろうな......
俺は一生かけて
ミレーユさんとの思い出を守秘する約束を
守り切れるのだろうか?
『俺は......どんなに危険な選択だとしても、俺はミレーユさんと一緒にいた幸せな時間の記憶を1秒たりとも失いたくない!!』
その俺の心の大きな声に、ミレーユさんの瞳は大きく見開かれた。
こんなにミレーユさんの表情が変化するのを見たのは初めてだ。
こんな最後になって......
こんな嬉しい時間が用意されていたとは!
『分かりました、浅間さんの記憶は削除しないので、くれぐれも他言しないように気を付けて下さいね』
いつもの柔らかい表情で柔らかい口調のミレーユさんに戻った!
「終了です!お2人とも、ご協力ありがとうございました!」
ミレーユさんの口から、「また明日」という言葉は無かった。
少し離れてから振り返ると、東屋にかかる西日はいつもより色濃くミレーユさんの後ろ姿を照らしていた。
いや、後ろ姿ではなく、ミレーユさんも、振り返って見ていた!
俺達の方を......!!
目が合った!!
俺の方をと思いたいが、俺達の方だな、きっと。
道下の役割の方が大きかったのだから、道下だけかも知れないが
それじゃあ、俺があまりにも可哀想過ぎるから......
俺達の方を見ていたのだと思い込もう!
いや、幸いにも......
道下は、今、前を向いているから、目が合っているのは、俺とだけだ!
初恋の思い出に美しい終止符を打ってくれたような、最後の最後にして淡い期待が芽生えるような時間は、道下と公園の突き当りを右折する事によって、瞬く間に過ぎ去り、ミレーユさんは視界から消えてしまったが......
どういう思いで、こっちを見ていたのだろう?
宇宙人に感情の起伏が有るのかは分からないが......
地球を離れる事を
少しは寂しく思える気持ちとか有るのだろうか?
俺がミレーユさんを想う10分の1でもいいから
そういう気持ちになってくれている事を期待するのは無理なのかな......
『約束を破った途端、おじいさんになってしまうとか......』
浦島太郎の玉手箱を連想して俺が思うと、ミレーユさんの口元が緩んだ。
『おじいさんにはならないですが、その時点で、浅間さんの今までの全ての記憶が無くなります!』
『そんな.....ホラーじゃないか!!』
『危険な選択ですよね。だから、道下さんや今までお会いした方々の記憶から、私は削除させてもらっているのです。浅間さんにも、それをお勧めしたいのですが、そこをどうしても、私との記憶を残したいのでしたら、必ず約束は守って頂かなくてはなりません』
いつになく厳しい口調のミレーユさん。
ミレーユさんが伝えている事は、決して脅しなんかではなく、真実なのだろう。
全ての記憶を失ってしまう......
もちろん、一番大切なミレーユさんさんとの記憶を含めてだ.....
確かに、俺が認知症のように記憶を無くしたら
その前に思わず口が滑ってしまったミレーユさんとの事も
気が触れたと思われて、誰も信じないだろうな......
俺は一生かけて
ミレーユさんとの思い出を守秘する約束を
守り切れるのだろうか?
『俺は......どんなに危険な選択だとしても、俺はミレーユさんと一緒にいた幸せな時間の記憶を1秒たりとも失いたくない!!』
その俺の心の大きな声に、ミレーユさんの瞳は大きく見開かれた。
こんなにミレーユさんの表情が変化するのを見たのは初めてだ。
こんな最後になって......
こんな嬉しい時間が用意されていたとは!
『分かりました、浅間さんの記憶は削除しないので、くれぐれも他言しないように気を付けて下さいね』
いつもの柔らかい表情で柔らかい口調のミレーユさんに戻った!
「終了です!お2人とも、ご協力ありがとうございました!」
ミレーユさんの口から、「また明日」という言葉は無かった。
少し離れてから振り返ると、東屋にかかる西日はいつもより色濃くミレーユさんの後ろ姿を照らしていた。
いや、後ろ姿ではなく、ミレーユさんも、振り返って見ていた!
俺達の方を......!!
目が合った!!
俺の方をと思いたいが、俺達の方だな、きっと。
道下の役割の方が大きかったのだから、道下だけかも知れないが
それじゃあ、俺があまりにも可哀想過ぎるから......
俺達の方を見ていたのだと思い込もう!
いや、幸いにも......
道下は、今、前を向いているから、目が合っているのは、俺とだけだ!
初恋の思い出に美しい終止符を打ってくれたような、最後の最後にして淡い期待が芽生えるような時間は、道下と公園の突き当りを右折する事によって、瞬く間に過ぎ去り、ミレーユさんは視界から消えてしまったが......
どういう思いで、こっちを見ていたのだろう?
宇宙人に感情の起伏が有るのかは分からないが......
地球を離れる事を
少しは寂しく思える気持ちとか有るのだろうか?
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