上 下
16 / 21
最後のチャンス

この余韻に包まれながら......

しおりを挟む

「お先に、道下さんから、どうぞ」

 道下が、ミレーユさんの隣に座り、あのドキドキ過ぎる儀式をし始めた。1週間ぶりのはずだが、俺と違い、つら~っとしている道下!
 動揺している俺を滑稽に思えていたんだろうな.......
 逆の立場になって初めて分かった!

「これで、この場を離れてから約30分後に、これまでの記憶は全て無くなります」

 今のは聞き間違い......?
 記憶が全て無くなる!

 ここでこうして......
   ミレーユさんと夢のような時間を過ごした宝物のような思い出が
 全てが消されてしまう!!

「では、浅間さん、お願いします!」

 道下は全く動じてない!!
 今の、聴こえてなかったのか?
 ミレーユさんとの思い出が無くなるのに!!

「浅間さん、まずは五芒星からですね」

 五芒星、忘れていた!
 今までの心の声、ミレーユさんに丸聴こえだった!!
 
 マスクとメガネでは隠し切れないマヌケ面を晒したかも知れないが
 もう今更だ!!
 五芒星は必要無い!!

 最後にしっかりと俺の心の声だけでも
 ミレーユさんに届けたい!!

 いつもの儀式が始まったはずだが
 何だか、いつもと違う!

『浅間さん......』

 耳を通してではなく、頭の中に勝手に声が聴こえて来た!
 ヤバイ、幻聴か?

 いや、待て......

 幻聴というより......

 聴き間違える事の無い、ミレーユさんの声だ!

 って事は......
 これは、テレパシー!!

『本当なら、これは法外なのだけど......宇宙人の私を相手に、こんなにも想ってくれた浅間さんの気持ちに少しだけでも応えられたらと思って......』

 ミレーユさんは口を動かしてない!

 ミレーユさんの心の声だ!
 
 法外だって言っていた!
 そこを敢えて、ミレーユさんは、こうしてテレパシーで会話してくれている!
 
 道下には聞かれてない!
 もう今しかチャンスは無いから、伝えるんだ!!

『ミレーユさんとのお別れは辛いけど、この幸せだった日々の思い出さえあれば、俺は明日からも今まで通りに生きていける!頼むから、記憶だけは残して欲しい!!』
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた

楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。 この作品はハーメルン様でも掲載しています。

シチュボの台本詰め合わせ(女性用)

勇射 支夢
恋愛
書いた台本を適当に置いておきます。 フリーなので好きにお使いください。

美咲の初体験

廣瀬純一
ファンタジー
男女の体が入れ替わってしまった美咲と拓也のお話です。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

一人用声劇台本

ふゎ
恋愛
一人用声劇台本です。 男性向け女性用シチュエーションです。 私自身声の仕事をしており、 自分の好きな台本を書いてみようという気持ちで書いたものなので自己満のものになります。 ご使用したい方がいましたらお気軽にどうぞ

処理中です...