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リゼットの想い
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リゼットの言葉に、水筒から飲んでいた水を思わず吹き出しそうになった。
「えっ、ちょっと待って! もしかして、リゼットって......」
「私、実は......ここに向かっている時からずっと、隊長の事が好きだったの」
「え~っ! 隊長って、あの隊長だよね? えっ、他の隊の隊長とかって、わけじゃないよね?」
私に告られたわけでもなくて、相手は隊長なのに、私まで動揺せずにいられないんだけど!
「もちろん、隊長のジェイクよ。いつでも、私を守ってくれていて、優しくて、頼りがいが有って! あんな紳士的で素敵な男性は、今まで、私の周りにいなかったの......」
そりゃあ、隊長みたいな人が、あっちこっちに量産していようもんだったら、私が非常に困るんだけど!
リゼットがまさか、そんな目で、隊長を追っていたなんて......
驚き以外の何ものでも無いんだけど!
大体、私なんて、隊長の名前がジェイクだったって事すら、すっかり忘れていたのに!
リゼットは、あの朦朧とした状態でも、その事を認識出来ていて覚えていられたって事は、やっぱりそれは、隊長への恋心ゆえなのかな?
そういえば、隊長だって、いつもリゼットを人一倍目をかけて、熱い眼差し向けていたじゃない!
という事は、2人は両想いなんだ!
私が、隊長のペアなんて事に気付かずにいたら、2人は当然の成り行きのように結ばれようとしていたんだ!
いや、待って!
私がペアでも、別にそれは、恋愛面でのペアじゃなくて、あくまでも仕事面でのパートナーというだけ!
私生活で、その2人が恋愛していても、私は、そこに口出しする筋合い無い!
「私としては、もしもそういう事が可能なら、喜んで、ペアという立場をリゼットに代わってあげられたらと思うけど、それは多分出来ないんだと思う。それに、私って、隊長がいないと、取り柄が何一つ無いヘッポコみたいだから」
「ううん、まさか! 私、隊長とペアになりたいとか、ティアナと代わってもらいたいなんて思ってないわ」
「そう? それなら、良かった!」
そんなよく分からない事なんかで、せっかくルームメイトになったリゼットに恨まれるなんてイヤだもの!
それにしても、まだ信じられない!
だって、まさかリゼットが、隊長を想っていたなんて......
あの隊長だよ!
一体全体、どこに、好きになれる要素なんて有るのだろう?
それは永遠の疑問になりそうだけど......
とりあえず、そうと知ったからには、私は、2人の恋路の邪魔をしないように、極力離れて......
なんて気遣いしようかと思ったけど......
考えてみたら、元々、リゼットは隊長の横に寄り添っていたし、私は、わりと離れて行動する事が多かったから、それは全く問題無いと思う!
リゼットは、私の同期であり、同じグループの仲間であり、ルームメイト!
唯一の大事な同性の友達なんだから!
友達だよね?
そう思っているの私だけじゃないよね?
うん、多分、リゼットから敵意なんて感じさせられたこと無いし、そこは大丈夫......と願いたい!
だからこそ、リゼットになるべく、協力するように心がけないと!
「ティアナは、隊長の事、どう思っているの?」
その前まで話が途切れていたから、考え事しながら、また水筒を口に運んだ瞬間に、たまたまなのか、狙っていたのか分からないけど、リゼットがそんな質問し出したから、また吹き出しそうになってしまった!
「えっ、どうって......? 隊長って、あの隊長でしょう? 別に、好きとかなんて気持ちの事だったら、無いから! うん、私は全然、そんな気持ち無いから! 安心して、リゼット!」
「本当に、全く、隊長の事を想ってないの?」
私の言葉をすぐに鵜吞みには出来ない様子のリゼット。
「ホントにホント! 信じて! いつの間にか、勝手にペアなんて事になっちゃっているけど! 仕事の時だって、よっぽどの事が無い限り、隊長とペアだなんて事、意識しないで、これからだって過ごすつもりだし」
隊長だって、きっと、そんな束縛なんてイヤだと思う!
お互い、極力、そんなペアなんてしがらみからは解放されていたいよね!
「そうなの......? 隊長は、あんなに素敵な人なのに......」
えっ!
ステキ......だろうか?
あの隊長だよ~!
見た目だったら、ウェイドとかエリックの方が、断然ステキで好みなんだけど!
まあ、価値観は人それぞれだから、そこは深追いしないようにしなきゃ。
「私には、そうは思えないな~! うん、ホントに! だから、もちろんリゼットに協力してあげる!」
「本当に協力してくれるの? 嬉しい! ありがとう、ティアナ!」
こんなに素直な感じで喜んでもらえるなんて......
リゼット、ホントに隊長の事、かなり好きみたい!
隊長だって、その気ムンムン伝わって来るし!
ところで、こっちの居住区の人達も、こういう相思相愛の男女の場合は、結婚という形態をとるのかな?
それじゃあ、リゼットと隊長は、いずれは結婚?
なんか、ごく身近な2人が結婚するって、想像もあまり出来ない、想像力の乏し過ぎる自分。
「えっ、ちょっと待って! もしかして、リゼットって......」
「私、実は......ここに向かっている時からずっと、隊長の事が好きだったの」
「え~っ! 隊長って、あの隊長だよね? えっ、他の隊の隊長とかって、わけじゃないよね?」
私に告られたわけでもなくて、相手は隊長なのに、私まで動揺せずにいられないんだけど!
「もちろん、隊長のジェイクよ。いつでも、私を守ってくれていて、優しくて、頼りがいが有って! あんな紳士的で素敵な男性は、今まで、私の周りにいなかったの......」
そりゃあ、隊長みたいな人が、あっちこっちに量産していようもんだったら、私が非常に困るんだけど!
リゼットがまさか、そんな目で、隊長を追っていたなんて......
驚き以外の何ものでも無いんだけど!
大体、私なんて、隊長の名前がジェイクだったって事すら、すっかり忘れていたのに!
リゼットは、あの朦朧とした状態でも、その事を認識出来ていて覚えていられたって事は、やっぱりそれは、隊長への恋心ゆえなのかな?
そういえば、隊長だって、いつもリゼットを人一倍目をかけて、熱い眼差し向けていたじゃない!
という事は、2人は両想いなんだ!
私が、隊長のペアなんて事に気付かずにいたら、2人は当然の成り行きのように結ばれようとしていたんだ!
いや、待って!
私がペアでも、別にそれは、恋愛面でのペアじゃなくて、あくまでも仕事面でのパートナーというだけ!
私生活で、その2人が恋愛していても、私は、そこに口出しする筋合い無い!
「私としては、もしもそういう事が可能なら、喜んで、ペアという立場をリゼットに代わってあげられたらと思うけど、それは多分出来ないんだと思う。それに、私って、隊長がいないと、取り柄が何一つ無いヘッポコみたいだから」
「ううん、まさか! 私、隊長とペアになりたいとか、ティアナと代わってもらいたいなんて思ってないわ」
「そう? それなら、良かった!」
そんなよく分からない事なんかで、せっかくルームメイトになったリゼットに恨まれるなんてイヤだもの!
それにしても、まだ信じられない!
だって、まさかリゼットが、隊長を想っていたなんて......
あの隊長だよ!
一体全体、どこに、好きになれる要素なんて有るのだろう?
それは永遠の疑問になりそうだけど......
とりあえず、そうと知ったからには、私は、2人の恋路の邪魔をしないように、極力離れて......
なんて気遣いしようかと思ったけど......
考えてみたら、元々、リゼットは隊長の横に寄り添っていたし、私は、わりと離れて行動する事が多かったから、それは全く問題無いと思う!
リゼットは、私の同期であり、同じグループの仲間であり、ルームメイト!
唯一の大事な同性の友達なんだから!
友達だよね?
そう思っているの私だけじゃないよね?
うん、多分、リゼットから敵意なんて感じさせられたこと無いし、そこは大丈夫......と願いたい!
だからこそ、リゼットになるべく、協力するように心がけないと!
「ティアナは、隊長の事、どう思っているの?」
その前まで話が途切れていたから、考え事しながら、また水筒を口に運んだ瞬間に、たまたまなのか、狙っていたのか分からないけど、リゼットがそんな質問し出したから、また吹き出しそうになってしまった!
「えっ、どうって......? 隊長って、あの隊長でしょう? 別に、好きとかなんて気持ちの事だったら、無いから! うん、私は全然、そんな気持ち無いから! 安心して、リゼット!」
「本当に、全く、隊長の事を想ってないの?」
私の言葉をすぐに鵜吞みには出来ない様子のリゼット。
「ホントにホント! 信じて! いつの間にか、勝手にペアなんて事になっちゃっているけど! 仕事の時だって、よっぽどの事が無い限り、隊長とペアだなんて事、意識しないで、これからだって過ごすつもりだし」
隊長だって、きっと、そんな束縛なんてイヤだと思う!
お互い、極力、そんなペアなんてしがらみからは解放されていたいよね!
「そうなの......? 隊長は、あんなに素敵な人なのに......」
えっ!
ステキ......だろうか?
あの隊長だよ~!
見た目だったら、ウェイドとかエリックの方が、断然ステキで好みなんだけど!
まあ、価値観は人それぞれだから、そこは深追いしないようにしなきゃ。
「私には、そうは思えないな~! うん、ホントに! だから、もちろんリゼットに協力してあげる!」
「本当に協力してくれるの? 嬉しい! ありがとう、ティアナ!」
こんなに素直な感じで喜んでもらえるなんて......
リゼット、ホントに隊長の事、かなり好きみたい!
隊長だって、その気ムンムン伝わって来るし!
ところで、こっちの居住区の人達も、こういう相思相愛の男女の場合は、結婚という形態をとるのかな?
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