69 / 70
エピローグ
しおりを挟む
「あれっ、ロッティ?」
不思議そうな声に、ロッティはおしゃべりをやめて振り向いた。帽子を目深に被った少年が、買い物かごを手にこちらを見ている。
ロッティはぱっと顔を輝かせると、大急ぎで彼に駆け寄った。
「こんにちは! クリスさんもお買い物ですか?」
「うん、アナから頼まれて夕飯の買い出しに」
引退公演も終わって落ち着いたことだしね、とクリスが小声で付け加える。
ロッティの後ろでは、年配の女性が興味津々で聞き耳を立てていた。ここオールディス商会経営の食料品店の、店長であるクレアだった。
たった今までロッティとおしゃべりしていた彼女は、面白そうにロッティとクリスを見比べる。
「ロッティちゃん、もしやこの美少年がアンタの『いいひと』かい? カイさんから聞いてるよぉ、金髪の色男だって!」
「へっ!?」
にやにやと笑み崩れるクレアに、ロッティは目を白黒させてしまう。ぽかんとクリスと顔を見合わせて、慌てふためきながら首を横に振った。
「ちっ、ちちち違っ」
「おれの彼女がいつもお世話になってマースっ!」
「クリスさんも乗らないでぇ!?」
半泣きになるロッティに、クリス達は腹を抱えて大笑いする。「冗談だよ、さすがに年の差がありすぎるもんね?」と舌を出すクレアに見送られつつ、ロッティとクリスは店を後にした。
夕暮れの街並みを眺め、クリスが大きく伸びをする。
「まさかロッティと会うと思わなかった。今日はフィルと夕飯デートだって聞いてたからさ。フィルのやつ、初めて一緒に酒を飲むんだぞーなんて自慢してきて、うざいのなんの」
おかしそうに暴露するクリスに、ロッティもくすくす笑った。買い物袋を揺らし、買ったばかりの野菜を見せる。
「そのための買い出しなんです。フィルさんはお店を予約してくれるって言ったけど、私は家でゆっくり飲むのが好きだから。せめてサラダぐらいは作ろうかなって」
それ以外は出来合いです、と白状すると、クリスはなぜか束の間動きを止めた。「いいなぁ」とぽつんと呟き、目を逸らす。
「……おれも、早く大人になりたい。大人になって……早く、もう一度舞台に立ちたいな」
さみしげな横顔に、ロッティははっと胸を衝かれた。衝動的に買い物袋を放り出して、クリスの手を両手で包み込む。
「きっと、きっとすぐです。だから焦らず、クリスさんはクリスさんのペースで――」
「うん。わかってる」
くすぐったそうに笑うと、クリスはロッティの手を外して買い物袋を拾い上げた。はい、と渡して大きく胸を張る。
クリスの胸元で魔石が揺れた。
ロッティの贈った透明な魔石は、今は夕陽を反射して赤みを帯びている。
こぼれるような美しい輝きに、二人は言葉を失って見惚れてしまう。
「……おれは、何色にだってなれるんだから」
不意に、クリスが噛み締めるように呟いた。
ロッティが顔を上げるより早く、クリスはさっさと踵を返した。数歩進んで振り返り、嬉しそうに胸を叩く。
「この魔石が教えてくれるんだ。焦るんじゃない、おれはまだ途中なんだ、無限大なんだって。――だから、おれは絶対大丈夫!」
力強く宣言すると、クリスはぴょんぴょん飛び跳ねるようにして行ってしまった。元気いっぱいの後ろ姿が見えなくなるまで、ロッティは大きく手を振り続ける。
買い物袋の土を払い、ロッティもまた歩き出した。
街外れへと続く道を辿り、住み慣れた自宅の屋根が見えてくる。
ドアノブに鍵を差し込もうとして、すでに開いていることに気が付いた。くすりと笑って扉を開く。
「――ああ。お帰り、ロッティ」
すぐにフィルが出迎えてくれた。
今日の彼は私服姿で、大きな箱を両手に抱えている。
ただいま、と答えながらロッティが覗き込むと、箱の中には大小様々な酒瓶がぎっしりと詰まっていた。
「えええええっ!?」
「ロッティは大層な酒豪なのだから、このぐらいは用意しておくべきだ、とカイから助言をもらいまして」
フィルが楽しげに説明してくれるが、ロッティには返す言葉が見つからない。それでも目は箱に釘付けで、色とりどりの瓶をしげしげと見つめた。
「売りつけられてる自覚はあったんですが、別に構わないでしょう? 今日で全部飲みきらなくたって、時間ならいくらでもあるんですから」
「そ……っ、そう、ですね」
やっとの思いで返事をして、二人無言で見つめ合う。ややあって同時に噴き出した。
買い物袋と大量の酒瓶を持って、一緒に居間へと移動する。テーブルにはフィルがすでに料理を並べてくれていた。
「ロッティはサラダを作ってくれるんですよね? 楽しみだな」
台所に向かうロッティの後ろを、フィルも当然の顔をして付いてくる。ロッティは大得意で頷いた。
「えへへ。エレナさん直伝、名付けて『豪快サラダ』です! 簡単だけど、とっても美味しいんですよ」
「なるほど、人参の丸かじりではなく」
「それはもう忘れてくださいぃ!!」
賑やかに騒ぎながら、手伝いを申し出てくれたフィルと共に調理する。ここに来るまでに偶然クリスと会ったことを報告すると、フィルは優しげに目を細めた。
「もどかしい思いを抱えてはいるでしょうが、あいつならきっと大丈夫。ロッティの魔石が支えてくれます」
「魔石だけじゃなくフィルさんも、ですよ。フィルさんの話をするクリスさんは、いつだってとっても楽しそうなんですから」
口を尖らせて主張すると、フィルは照れたように頷いた。
サラダとグラスを居間に運び、ロッティが選んだ深緑の瓶のコルクを抜く。揃いのグラスに、美しい赤色が満たされる。
「さて、それでは乾杯しますか」
「はいっ。クリスさんの魔石の完成を祝って――」
「違います」
声を弾ませるロッティを遮って、フィルがきっぱりと首を振った。きょとんとしたロッティが、不思議そうに首をひねる。
「え、じゃあ……。クリスティアナさんが、全公演やり通せたことを祝って?」
「ちょっと僕の弟から離れましょうか」
またしても駄目出しされ、ロッティは眉根を寄せて考え込んだ。
「私とフィルさんの魔石交換記念……」
「惜しい」
「今日、フィルさんが初めてうちの合鍵を使った記念……」
「もう一声!」
「――あっ! わかりましたっ!!」
初めて二人で一緒にお酒を飲む記念!
今度こそ自信満々で回答すると、フィルがわざとらしくずっこけた。しかつめらしい顔で手を伸ばし、ロッティの額をピンと弾く。
おでこを押さえたロッティに、フィルはおごそかに答えを教えてくれる。
「正解は『晴れて僕らが恋人になった記念』です」
「……あっ、ああああ!」
一番大事なところがすっぽり抜けていた。
恥ずかしさのあまりロッティはテーブルに突っ伏して、そのままぴくりとも動かなくなる。
フィルは笑いを噛み殺すと、恋人の茜色の髪に指を絡ませた。つんつんと優しく引けば、ロッティがようやく真っ赤な顔を上げる。
からかうように目を細めるフィルに、ロッティは拗ねて視線を落とした。が、今度は自分の手にある青の魔石が目に飛び込んできた。
どこを見てもフィルからは逃れられない。
「なかなか慣れませんね?」
頭を抱えるロッティに、フィルが笑みを深くする。ロッティはむっと頬を膨らませた。
「わ、私もクリスさんと同じく、まだまだこれからなのでっ」
赤い顔のまま開き直って胸を張ると、フィルがぱちぱちと瞬きした。ややあって納得したように頷き、テーブルのグラスに手を伸ばす。
「なるほど、確かに。……ではそろそろ乾杯しましょうか」
ロッティが慌ててグラスを持ち上げるのを待ち、フィルがいたずらっぽく片目をつぶった。
「恋人として、まだまだこれからな僕とロッティに」
「うっ……。ま、まだまだこれからな私達にっ」
ロッティもやけっぱちで声を張り上げる。
チン、と澄んだ音を立て、二つのグラスが合わさった。
――了――
不思議そうな声に、ロッティはおしゃべりをやめて振り向いた。帽子を目深に被った少年が、買い物かごを手にこちらを見ている。
ロッティはぱっと顔を輝かせると、大急ぎで彼に駆け寄った。
「こんにちは! クリスさんもお買い物ですか?」
「うん、アナから頼まれて夕飯の買い出しに」
引退公演も終わって落ち着いたことだしね、とクリスが小声で付け加える。
ロッティの後ろでは、年配の女性が興味津々で聞き耳を立てていた。ここオールディス商会経営の食料品店の、店長であるクレアだった。
たった今までロッティとおしゃべりしていた彼女は、面白そうにロッティとクリスを見比べる。
「ロッティちゃん、もしやこの美少年がアンタの『いいひと』かい? カイさんから聞いてるよぉ、金髪の色男だって!」
「へっ!?」
にやにやと笑み崩れるクレアに、ロッティは目を白黒させてしまう。ぽかんとクリスと顔を見合わせて、慌てふためきながら首を横に振った。
「ちっ、ちちち違っ」
「おれの彼女がいつもお世話になってマースっ!」
「クリスさんも乗らないでぇ!?」
半泣きになるロッティに、クリス達は腹を抱えて大笑いする。「冗談だよ、さすがに年の差がありすぎるもんね?」と舌を出すクレアに見送られつつ、ロッティとクリスは店を後にした。
夕暮れの街並みを眺め、クリスが大きく伸びをする。
「まさかロッティと会うと思わなかった。今日はフィルと夕飯デートだって聞いてたからさ。フィルのやつ、初めて一緒に酒を飲むんだぞーなんて自慢してきて、うざいのなんの」
おかしそうに暴露するクリスに、ロッティもくすくす笑った。買い物袋を揺らし、買ったばかりの野菜を見せる。
「そのための買い出しなんです。フィルさんはお店を予約してくれるって言ったけど、私は家でゆっくり飲むのが好きだから。せめてサラダぐらいは作ろうかなって」
それ以外は出来合いです、と白状すると、クリスはなぜか束の間動きを止めた。「いいなぁ」とぽつんと呟き、目を逸らす。
「……おれも、早く大人になりたい。大人になって……早く、もう一度舞台に立ちたいな」
さみしげな横顔に、ロッティははっと胸を衝かれた。衝動的に買い物袋を放り出して、クリスの手を両手で包み込む。
「きっと、きっとすぐです。だから焦らず、クリスさんはクリスさんのペースで――」
「うん。わかってる」
くすぐったそうに笑うと、クリスはロッティの手を外して買い物袋を拾い上げた。はい、と渡して大きく胸を張る。
クリスの胸元で魔石が揺れた。
ロッティの贈った透明な魔石は、今は夕陽を反射して赤みを帯びている。
こぼれるような美しい輝きに、二人は言葉を失って見惚れてしまう。
「……おれは、何色にだってなれるんだから」
不意に、クリスが噛み締めるように呟いた。
ロッティが顔を上げるより早く、クリスはさっさと踵を返した。数歩進んで振り返り、嬉しそうに胸を叩く。
「この魔石が教えてくれるんだ。焦るんじゃない、おれはまだ途中なんだ、無限大なんだって。――だから、おれは絶対大丈夫!」
力強く宣言すると、クリスはぴょんぴょん飛び跳ねるようにして行ってしまった。元気いっぱいの後ろ姿が見えなくなるまで、ロッティは大きく手を振り続ける。
買い物袋の土を払い、ロッティもまた歩き出した。
街外れへと続く道を辿り、住み慣れた自宅の屋根が見えてくる。
ドアノブに鍵を差し込もうとして、すでに開いていることに気が付いた。くすりと笑って扉を開く。
「――ああ。お帰り、ロッティ」
すぐにフィルが出迎えてくれた。
今日の彼は私服姿で、大きな箱を両手に抱えている。
ただいま、と答えながらロッティが覗き込むと、箱の中には大小様々な酒瓶がぎっしりと詰まっていた。
「えええええっ!?」
「ロッティは大層な酒豪なのだから、このぐらいは用意しておくべきだ、とカイから助言をもらいまして」
フィルが楽しげに説明してくれるが、ロッティには返す言葉が見つからない。それでも目は箱に釘付けで、色とりどりの瓶をしげしげと見つめた。
「売りつけられてる自覚はあったんですが、別に構わないでしょう? 今日で全部飲みきらなくたって、時間ならいくらでもあるんですから」
「そ……っ、そう、ですね」
やっとの思いで返事をして、二人無言で見つめ合う。ややあって同時に噴き出した。
買い物袋と大量の酒瓶を持って、一緒に居間へと移動する。テーブルにはフィルがすでに料理を並べてくれていた。
「ロッティはサラダを作ってくれるんですよね? 楽しみだな」
台所に向かうロッティの後ろを、フィルも当然の顔をして付いてくる。ロッティは大得意で頷いた。
「えへへ。エレナさん直伝、名付けて『豪快サラダ』です! 簡単だけど、とっても美味しいんですよ」
「なるほど、人参の丸かじりではなく」
「それはもう忘れてくださいぃ!!」
賑やかに騒ぎながら、手伝いを申し出てくれたフィルと共に調理する。ここに来るまでに偶然クリスと会ったことを報告すると、フィルは優しげに目を細めた。
「もどかしい思いを抱えてはいるでしょうが、あいつならきっと大丈夫。ロッティの魔石が支えてくれます」
「魔石だけじゃなくフィルさんも、ですよ。フィルさんの話をするクリスさんは、いつだってとっても楽しそうなんですから」
口を尖らせて主張すると、フィルは照れたように頷いた。
サラダとグラスを居間に運び、ロッティが選んだ深緑の瓶のコルクを抜く。揃いのグラスに、美しい赤色が満たされる。
「さて、それでは乾杯しますか」
「はいっ。クリスさんの魔石の完成を祝って――」
「違います」
声を弾ませるロッティを遮って、フィルがきっぱりと首を振った。きょとんとしたロッティが、不思議そうに首をひねる。
「え、じゃあ……。クリスティアナさんが、全公演やり通せたことを祝って?」
「ちょっと僕の弟から離れましょうか」
またしても駄目出しされ、ロッティは眉根を寄せて考え込んだ。
「私とフィルさんの魔石交換記念……」
「惜しい」
「今日、フィルさんが初めてうちの合鍵を使った記念……」
「もう一声!」
「――あっ! わかりましたっ!!」
初めて二人で一緒にお酒を飲む記念!
今度こそ自信満々で回答すると、フィルがわざとらしくずっこけた。しかつめらしい顔で手を伸ばし、ロッティの額をピンと弾く。
おでこを押さえたロッティに、フィルはおごそかに答えを教えてくれる。
「正解は『晴れて僕らが恋人になった記念』です」
「……あっ、ああああ!」
一番大事なところがすっぽり抜けていた。
恥ずかしさのあまりロッティはテーブルに突っ伏して、そのままぴくりとも動かなくなる。
フィルは笑いを噛み殺すと、恋人の茜色の髪に指を絡ませた。つんつんと優しく引けば、ロッティがようやく真っ赤な顔を上げる。
からかうように目を細めるフィルに、ロッティは拗ねて視線を落とした。が、今度は自分の手にある青の魔石が目に飛び込んできた。
どこを見てもフィルからは逃れられない。
「なかなか慣れませんね?」
頭を抱えるロッティに、フィルが笑みを深くする。ロッティはむっと頬を膨らませた。
「わ、私もクリスさんと同じく、まだまだこれからなのでっ」
赤い顔のまま開き直って胸を張ると、フィルがぱちぱちと瞬きした。ややあって納得したように頷き、テーブルのグラスに手を伸ばす。
「なるほど、確かに。……ではそろそろ乾杯しましょうか」
ロッティが慌ててグラスを持ち上げるのを待ち、フィルがいたずらっぽく片目をつぶった。
「恋人として、まだまだこれからな僕とロッティに」
「うっ……。ま、まだまだこれからな私達にっ」
ロッティもやけっぱちで声を張り上げる。
チン、と澄んだ音を立て、二つのグラスが合わさった。
――了――
11
お気に入りに追加
264
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

雪解けの白い結婚 〜触れることもないし触れないでほしい……からの純愛!?〜
川奈あさ
恋愛
セレンは前世で夫と友人から酷い裏切りを受けたレスられ・不倫サレ妻だった。
前世の深い傷は、転生先の心にも残ったまま。
恋人も友人も一人もいないけれど、大好きな魔法具の開発をしながらそれなりに楽しい仕事人生を送っていたセレンは、祖父のために結婚相手を探すことになる。
だけど凍り付いた表情は、舞踏会で恐れられるだけで……。
そんな時に出会った壁の花仲間かつ高嶺の花でもあるレインに契約結婚を持ちかけられる。
「私は貴女に触れることもないし、私にも触れないでほしい」
レインの条件はひとつ、触らないこと、触ることを求めないこと。
実はレインは女性に触れられると、身体にひどいアレルギー症状が出てしまうのだった。
女性アレルギーのスノープリンス侯爵 × 誰かを愛することが怖いブリザード令嬢。
過去に深い傷を抱えて、人を愛することが怖い。
二人がゆっくり夫婦になっていくお話です。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

訳あり侯爵様に嫁いで白い結婚をした虐げられ姫が逃亡を目指した、その結果
柴野
恋愛
国王の側妃の娘として生まれた故に虐げられ続けていた王女アグネス・エル・シェブーリエ。
彼女は父に命じられ、半ば厄介払いのような形で訳あり侯爵様に嫁がされることになる。
しかしそこでも不要とされているようで、「きみを愛することはない」と言われてしまったアグネスは、ニヤリと口角を吊り上げた。
「どうせいてもいなくてもいいような存在なんですもの、さっさと逃げてしまいましょう!」
逃亡して自由の身になる――それが彼女の長年の夢だったのだ。
あらゆる手段を使って脱走を実行しようとするアグネス。だがなぜか毎度毎度侯爵様にめざとく見つかってしまい、その度失敗してしまう。
しかも日に日に彼の態度は温かみを帯びたものになっていった。
気づけば一日中彼と同じ部屋で過ごすという軟禁状態になり、溺愛という名の雁字搦めにされていて……?
虐げられ姫と女性不信な侯爵によるラブストーリー。
※小説家になろうに重複投稿しています。

「白い結婚の終幕:冷たい約束と偽りの愛」
ゆる
恋愛
「白い結婚――それは幸福ではなく、冷たく縛られた契約だった。」
美しい名門貴族リュミエール家の娘アスカは、公爵家の若き当主レイヴンと政略結婚することになる。しかし、それは夫婦の絆など存在しない“白い結婚”だった。
夫のレイヴンは冷たく、長く屋敷を不在にし、アスカは孤独の中で公爵家の実態を知る――それは、先代から続く莫大な負債と、怪しい商会との闇契約によって破綻寸前に追い込まれた家だったのだ。
さらに、公爵家には謎めいた愛人セシリアが入り込み、家中の権力を掌握しようと暗躍している。使用人たちの不安、アーヴィング商会の差し押さえ圧力、そして消えた夫レイヴンの意図……。次々と押し寄せる困難の中、アスカはただの「飾りの夫人」として終わる人生を拒絶し、自ら未来を切り拓こうと動き始める。
政略結婚の檻の中で、彼女は周囲の陰謀に立ち向かい、少しずつ真実を掴んでいく。そして冷たく突き放していた夫レイヴンとの関係も、思わぬ形で変化していき――。
「私はもう誰の人形にもならない。自分の意志で、この家も未来も守り抜いてみせる!」
果たしてアスカは“白い結婚”という名の冷たい鎖を断ち切り、全てをざまあと思わせる大逆転を成し遂げられるのか?

白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。

覚悟はありますか?
翔王(とわ)
恋愛
私は王太子の婚約者として10年以上すぎ、王太子妃教育も終わり、学園卒業後に結婚し王妃教育が始まる間近に1人の令嬢が発した言葉で王族貴族社会が荒れた……。
「あたし、王太子妃になりたいんですぅ。」
ご都合主義な創作作品です。
異世界版ギャル風な感じの話し方も混じりますのでご了承ください。
恋愛カテゴリーにしてますが、恋愛要素は薄めです。
命を狙われたお飾り妃の最後の願い
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】
重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。
イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。
短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。
『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる