45 / 70
45.魔法街区へ
しおりを挟む
ロッティの自宅を出た二人は、早速魔法街区を目指すことにした。
並んで歩き始めてすぐ、フィルがためらいがちに口を開く。
「魔法街区、ですか。それって確か……。えぇと、ですね。失礼かもしれませんが……」
気まずそうに言いよどむフィルを見て、ロッティはいたずらっぽく首を傾げた。
「はっきり言っていただいても大丈夫ですよ? いかがわしい……ですよね?」
「えっ! い、いやそのっ!」
赤くなって慌てる彼に噴き出してしまう。くすくす笑いながら、弾む足取りでフィルを追い越した。
「いいんです。私も、あの場所は『いかがわしい』とか『胡散臭い』って言葉がぴったりだと思ってますから」
フィルは足を速めてまた隣に並ぶと、バツが悪そうに頬を掻く。
「ま、まあそうですね……。怪しげな壺を売りつけられたとか、占い代として法外な料金を請求されたとか、悪い噂には事欠かない場所ですから」
王都の北東の外れにある魔法街区。
怪しげな雑貨店や魔法薬店が立ち並ぶ、昼でもなお薄暗い鬱々とした通り。しかし実は魔法街区は、王都の旅行客に人気の観光地でもあったりする。
好きな人を振り向かせる惚れ薬、持ち主に不幸をもたらす呪い人形、運気を高めるブレスレット……。
効果のほどは不明だが、見た目だけはそれらしく作ってあるらしい。観光客は半信半疑ながらも、面白がってお土産にと買い求めていくのだ。
「魔法学校時代の恩師が言うには、魔法街区は虚実入り混じった場所だそうなんです。確かに本物も存在するものの、大半は毒にも薬にもならないガラクタばかりだって」
――大切なのは、真実を見極める目。
凛と宣言したロッティは、すぐにへにゃりと眉を下げてしまう。
「……で、私はもちろんそんなのは苦手なので。王都に住んではや四年……。とうとう私も、初めて魔法街区に足を踏み入れる時が来ましたっ」
こぶしを握り締めての宣言に、にこやかに相槌を打っていたフィルの笑顔が凍りついた。
足を止めてロッティの肩を引っ掴む。
「ちょっ、待ってください! 初めて!? それじゃあ今まで、原石の仕入れはどうしていたんです!?」
「あ、ガサッと木箱にいっぱい配達していただいて、いらないのはそのまま返品って感じでした。ちなみに配達も返送も、全部カイさんが代行してくれてたので。実は私、お店のひとに会うのすら初めてなんですー」
照れくさそうに笑うロッティに、フィルは開いた口が塞がらない。背中をじっとりと嫌な冷や汗がつたった。
(これは……もの凄く危険だぞ……!?)
観光客から口八丁で金を巻き上げる魔法街区の人々。
法に触れるスレスレのところで、強かに生きている彼ら。
(そんなところに、気の弱いロッティがのこのこと出て行こうものならっ)
きっと、あっという間に全財産むしり取られてしまうに違いない。さながら狼に捕食される子ウサギといったところだろう。
容易に想像できてしまい、フィルは引きつった顔をロッティに向けた。
「……ロッティ」
「はい?」
こてんと首を傾げる彼女に、ぎこちなく笑いかける。
「今日は、僕が一緒だからいいですが。ロッティは絶対に一人では……いや。僕やカイ以外の人間とは! 絶っっっっ対に魔法街区に立ち入ってはいけませんよ!?」
ずいっと力を入れて詰め寄られ、ロッティは目を白黒させてしまう。
距離の近さに頬を赤らめながら、何度もこくこくと頷いた。
***
古ぼけた赤煉瓦の積み重ねられた、丸太ほどある太い柱。
天高くそびえ立つ二本の柱の間を抜ければ、そこがもう魔法街区だった。
ロッティが嬉しげにフィルの袖を引く。
「見てください、フィルさん! ちゃんと『魔法街区』って書いてありますよっ。さすがは観光地、わかりやすいんですね!」
「ははは……。本当、ですね……」
フィルは虚ろな笑い声を立てると、ため息をついて入口の柱を眺めた。柱の横に立てられた薄汚い看板には、おどろおどろしい文字でこう書き連ねられていた。
『この先、魔法街区。覚悟無き者は立ち入るべからず』
「へえ、ここが魔法街区かぁ~」
「幸運のお守り売ってるかな?」
「恋占いしてもらおうよ!」
観光案内らしきチラシを持った若い女性三人が、黄色い声を上げながら側をすり抜けていく。それを見たロッティも、待ちきれない様子でぴょんと跳ねた。
「フィルさん、さあ行きましょうっ」
「ああ……、はい……」
しぶしぶフィルも歩を進める。
中に立ち入ってすぐ、大通りの両側には露店が立ち並んでいた。食欲のそそる香りが漂ってきて、ロッティが目を輝かせる。
きょろきょろとせわしなく首を動かす彼女を、フィルは微笑ましく見守った。
「魔法街区の入口は、いつもこんなふうにお祭り状態らしいですよ。メニュー名に『魔女の』とか『魔法の』なんて名前が付いてはいますが、実際は単なる屋台料理だそうです」
「フィルさん、詳しいんですね?」
目を丸くするロッティに、フィルは「一応、王立騎士団所属なもので」と胸を張る。
とは言っても一般的知識だけで、フィルも実際に魔法街区に足を踏み入れるのは初めてだった。とりあえず屋台で『魔法のふあふあ』なる謎の菓子を購入し、食べ歩きしながら屋台を冷やかす。
雲のような見た目の『魔法のふあふあ』は、口に入れた途端にすっと溶けてしまう。どうやら飴の一種であるようだ。
ロッティはあっという間に完食すると、名残惜しげに棒を舐めた。
「この辺りは観光地ですね。魔法使いの用をたす、本物の魔法街区はもっと奥――……ああっ!?」
「ど、どうしました!?」
突然大声を上げたロッティは、一目散に駆け出していく。
慌ててその後ろ姿を追えば、どうやら目指しているのは『魔法用具店』という看板の下げられた店らしい。
店の窓にぴったり張り付くと、ロッティは感嘆したように長い息を吐いた。
「わああ……。見てください、フィルさん。魔法の杖が売ってますよ!」
「へええ……って。ロッティだって魔法使いなんですから、杖なんて珍しくもなんともないのでは?」
苦笑するフィルに、ロッティは杖を見つめたままかぶりを振る。
先がくるりと丸まった、背丈ほどある細長い木の杖。ロッティの視線はもうそれに釘付けだった。
「いいなぁ、素敵だなぁ……。杖がなくても魔法は使えるんですけど、やっぱりあった方が見栄えがするじゃないですか。でもやっぱり、持つのはちょっぴり気恥ずかしいような……。『私、魔女なんです!』って全身で主張してる気がして……」
もじもじと言葉を濁す彼女に噴き出して、フィルは朗らかな笑い声を立てる。優雅に一礼すると、うやうやしく手を差し伸べた。
「お手をどうぞ、高名なる『宝玉の魔女』様? よろしければこのわたしが、魔法用品店にお供いたしましょう」
並んで歩き始めてすぐ、フィルがためらいがちに口を開く。
「魔法街区、ですか。それって確か……。えぇと、ですね。失礼かもしれませんが……」
気まずそうに言いよどむフィルを見て、ロッティはいたずらっぽく首を傾げた。
「はっきり言っていただいても大丈夫ですよ? いかがわしい……ですよね?」
「えっ! い、いやそのっ!」
赤くなって慌てる彼に噴き出してしまう。くすくす笑いながら、弾む足取りでフィルを追い越した。
「いいんです。私も、あの場所は『いかがわしい』とか『胡散臭い』って言葉がぴったりだと思ってますから」
フィルは足を速めてまた隣に並ぶと、バツが悪そうに頬を掻く。
「ま、まあそうですね……。怪しげな壺を売りつけられたとか、占い代として法外な料金を請求されたとか、悪い噂には事欠かない場所ですから」
王都の北東の外れにある魔法街区。
怪しげな雑貨店や魔法薬店が立ち並ぶ、昼でもなお薄暗い鬱々とした通り。しかし実は魔法街区は、王都の旅行客に人気の観光地でもあったりする。
好きな人を振り向かせる惚れ薬、持ち主に不幸をもたらす呪い人形、運気を高めるブレスレット……。
効果のほどは不明だが、見た目だけはそれらしく作ってあるらしい。観光客は半信半疑ながらも、面白がってお土産にと買い求めていくのだ。
「魔法学校時代の恩師が言うには、魔法街区は虚実入り混じった場所だそうなんです。確かに本物も存在するものの、大半は毒にも薬にもならないガラクタばかりだって」
――大切なのは、真実を見極める目。
凛と宣言したロッティは、すぐにへにゃりと眉を下げてしまう。
「……で、私はもちろんそんなのは苦手なので。王都に住んではや四年……。とうとう私も、初めて魔法街区に足を踏み入れる時が来ましたっ」
こぶしを握り締めての宣言に、にこやかに相槌を打っていたフィルの笑顔が凍りついた。
足を止めてロッティの肩を引っ掴む。
「ちょっ、待ってください! 初めて!? それじゃあ今まで、原石の仕入れはどうしていたんです!?」
「あ、ガサッと木箱にいっぱい配達していただいて、いらないのはそのまま返品って感じでした。ちなみに配達も返送も、全部カイさんが代行してくれてたので。実は私、お店のひとに会うのすら初めてなんですー」
照れくさそうに笑うロッティに、フィルは開いた口が塞がらない。背中をじっとりと嫌な冷や汗がつたった。
(これは……もの凄く危険だぞ……!?)
観光客から口八丁で金を巻き上げる魔法街区の人々。
法に触れるスレスレのところで、強かに生きている彼ら。
(そんなところに、気の弱いロッティがのこのこと出て行こうものならっ)
きっと、あっという間に全財産むしり取られてしまうに違いない。さながら狼に捕食される子ウサギといったところだろう。
容易に想像できてしまい、フィルは引きつった顔をロッティに向けた。
「……ロッティ」
「はい?」
こてんと首を傾げる彼女に、ぎこちなく笑いかける。
「今日は、僕が一緒だからいいですが。ロッティは絶対に一人では……いや。僕やカイ以外の人間とは! 絶っっっっ対に魔法街区に立ち入ってはいけませんよ!?」
ずいっと力を入れて詰め寄られ、ロッティは目を白黒させてしまう。
距離の近さに頬を赤らめながら、何度もこくこくと頷いた。
***
古ぼけた赤煉瓦の積み重ねられた、丸太ほどある太い柱。
天高くそびえ立つ二本の柱の間を抜ければ、そこがもう魔法街区だった。
ロッティが嬉しげにフィルの袖を引く。
「見てください、フィルさん! ちゃんと『魔法街区』って書いてありますよっ。さすがは観光地、わかりやすいんですね!」
「ははは……。本当、ですね……」
フィルは虚ろな笑い声を立てると、ため息をついて入口の柱を眺めた。柱の横に立てられた薄汚い看板には、おどろおどろしい文字でこう書き連ねられていた。
『この先、魔法街区。覚悟無き者は立ち入るべからず』
「へえ、ここが魔法街区かぁ~」
「幸運のお守り売ってるかな?」
「恋占いしてもらおうよ!」
観光案内らしきチラシを持った若い女性三人が、黄色い声を上げながら側をすり抜けていく。それを見たロッティも、待ちきれない様子でぴょんと跳ねた。
「フィルさん、さあ行きましょうっ」
「ああ……、はい……」
しぶしぶフィルも歩を進める。
中に立ち入ってすぐ、大通りの両側には露店が立ち並んでいた。食欲のそそる香りが漂ってきて、ロッティが目を輝かせる。
きょろきょろとせわしなく首を動かす彼女を、フィルは微笑ましく見守った。
「魔法街区の入口は、いつもこんなふうにお祭り状態らしいですよ。メニュー名に『魔女の』とか『魔法の』なんて名前が付いてはいますが、実際は単なる屋台料理だそうです」
「フィルさん、詳しいんですね?」
目を丸くするロッティに、フィルは「一応、王立騎士団所属なもので」と胸を張る。
とは言っても一般的知識だけで、フィルも実際に魔法街区に足を踏み入れるのは初めてだった。とりあえず屋台で『魔法のふあふあ』なる謎の菓子を購入し、食べ歩きしながら屋台を冷やかす。
雲のような見た目の『魔法のふあふあ』は、口に入れた途端にすっと溶けてしまう。どうやら飴の一種であるようだ。
ロッティはあっという間に完食すると、名残惜しげに棒を舐めた。
「この辺りは観光地ですね。魔法使いの用をたす、本物の魔法街区はもっと奥――……ああっ!?」
「ど、どうしました!?」
突然大声を上げたロッティは、一目散に駆け出していく。
慌ててその後ろ姿を追えば、どうやら目指しているのは『魔法用具店』という看板の下げられた店らしい。
店の窓にぴったり張り付くと、ロッティは感嘆したように長い息を吐いた。
「わああ……。見てください、フィルさん。魔法の杖が売ってますよ!」
「へええ……って。ロッティだって魔法使いなんですから、杖なんて珍しくもなんともないのでは?」
苦笑するフィルに、ロッティは杖を見つめたままかぶりを振る。
先がくるりと丸まった、背丈ほどある細長い木の杖。ロッティの視線はもうそれに釘付けだった。
「いいなぁ、素敵だなぁ……。杖がなくても魔法は使えるんですけど、やっぱりあった方が見栄えがするじゃないですか。でもやっぱり、持つのはちょっぴり気恥ずかしいような……。『私、魔女なんです!』って全身で主張してる気がして……」
もじもじと言葉を濁す彼女に噴き出して、フィルは朗らかな笑い声を立てる。優雅に一礼すると、うやうやしく手を差し伸べた。
「お手をどうぞ、高名なる『宝玉の魔女』様? よろしければこのわたしが、魔法用品店にお供いたしましょう」
10
お気に入りに追加
264
あなたにおすすめの小説

【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

雪解けの白い結婚 〜触れることもないし触れないでほしい……からの純愛!?〜
川奈あさ
恋愛
セレンは前世で夫と友人から酷い裏切りを受けたレスられ・不倫サレ妻だった。
前世の深い傷は、転生先の心にも残ったまま。
恋人も友人も一人もいないけれど、大好きな魔法具の開発をしながらそれなりに楽しい仕事人生を送っていたセレンは、祖父のために結婚相手を探すことになる。
だけど凍り付いた表情は、舞踏会で恐れられるだけで……。
そんな時に出会った壁の花仲間かつ高嶺の花でもあるレインに契約結婚を持ちかけられる。
「私は貴女に触れることもないし、私にも触れないでほしい」
レインの条件はひとつ、触らないこと、触ることを求めないこと。
実はレインは女性に触れられると、身体にひどいアレルギー症状が出てしまうのだった。
女性アレルギーのスノープリンス侯爵 × 誰かを愛することが怖いブリザード令嬢。
過去に深い傷を抱えて、人を愛することが怖い。
二人がゆっくり夫婦になっていくお話です。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

訳あり侯爵様に嫁いで白い結婚をした虐げられ姫が逃亡を目指した、その結果
柴野
恋愛
国王の側妃の娘として生まれた故に虐げられ続けていた王女アグネス・エル・シェブーリエ。
彼女は父に命じられ、半ば厄介払いのような形で訳あり侯爵様に嫁がされることになる。
しかしそこでも不要とされているようで、「きみを愛することはない」と言われてしまったアグネスは、ニヤリと口角を吊り上げた。
「どうせいてもいなくてもいいような存在なんですもの、さっさと逃げてしまいましょう!」
逃亡して自由の身になる――それが彼女の長年の夢だったのだ。
あらゆる手段を使って脱走を実行しようとするアグネス。だがなぜか毎度毎度侯爵様にめざとく見つかってしまい、その度失敗してしまう。
しかも日に日に彼の態度は温かみを帯びたものになっていった。
気づけば一日中彼と同じ部屋で過ごすという軟禁状態になり、溺愛という名の雁字搦めにされていて……?
虐げられ姫と女性不信な侯爵によるラブストーリー。
※小説家になろうに重複投稿しています。

「白い結婚の終幕:冷たい約束と偽りの愛」
ゆる
恋愛
「白い結婚――それは幸福ではなく、冷たく縛られた契約だった。」
美しい名門貴族リュミエール家の娘アスカは、公爵家の若き当主レイヴンと政略結婚することになる。しかし、それは夫婦の絆など存在しない“白い結婚”だった。
夫のレイヴンは冷たく、長く屋敷を不在にし、アスカは孤独の中で公爵家の実態を知る――それは、先代から続く莫大な負債と、怪しい商会との闇契約によって破綻寸前に追い込まれた家だったのだ。
さらに、公爵家には謎めいた愛人セシリアが入り込み、家中の権力を掌握しようと暗躍している。使用人たちの不安、アーヴィング商会の差し押さえ圧力、そして消えた夫レイヴンの意図……。次々と押し寄せる困難の中、アスカはただの「飾りの夫人」として終わる人生を拒絶し、自ら未来を切り拓こうと動き始める。
政略結婚の檻の中で、彼女は周囲の陰謀に立ち向かい、少しずつ真実を掴んでいく。そして冷たく突き放していた夫レイヴンとの関係も、思わぬ形で変化していき――。
「私はもう誰の人形にもならない。自分の意志で、この家も未来も守り抜いてみせる!」
果たしてアスカは“白い結婚”という名の冷たい鎖を断ち切り、全てをざまあと思わせる大逆転を成し遂げられるのか?


白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる