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24.和解の二人
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事情を説明してもらう前にまずは夕食を、ということになり、ロッティ達は連れ立って近くのレストランへと向かった。ここもまたオールディス商会の経営である。
「個室、空いてるか?」
カイが軽く尋ねると、すぐさま二階の別室へと案内された。さすがは経営者一族である。
個室の入口にはしっかりと扉が付いていて、これなら密談しても問題はなさそうだ。
きょろきょろと物珍しく周りを見回すロッティに、カイが胡乱な視線を向ける。
「……にしても、まさかお前が大人しく付いてくるなんてなぁ。いつもなら『外で食事なんて無理ですぅ~!』って逃げるクセに、どういう風の吹き回しだ?」
「そ、そんなしゃべり方してませんよっ」
ですぅ~の部分だけやけに強調され、ロッティは真っ赤になってフィルを窺った。フィルは優しく微笑みかけてくれたので、安堵したロッティはメニューに手を伸ばす。
気取った仕草でローブのフードを払い、茜色の豊かな髪をあらわにした。顎を反らし、精一杯ツンとして取り澄ます。
「わ、私だってレストランで食事したことぐらいありますから。……ねぇフィルさん?」
「そうですね。カイ殿とはなくても、僕とはありますからね」
にっこりと同調するフィルに、カイの眉が跳ね上がった。大げさに肩をすくめると、「誰がそんな安い挑発に乗るかよ」とせせら笑う。
バチバチと睨み合う二人をよそに、ロッティは熱心にメニューを覗き込んでいた。
昨日フィルと行ったレストランもそうだったが、ここにも美味しそうな料理がたくさんある。量はそう食べられないだろうから、何を選ぶか慎重に決めなければ。
そこまで考え、ロッティははっとする。
昨日のレストランでの一時を思い出し――無言の攻防戦を繰り広げている二人に、大興奮で身を乗り出した。
「カイさん、フィルさんっ。もしかすると皆で少しずつ分けあえば、いろんな料理が食べられるんじゃないでしょうかっ」
さも名案を思いついたと言わんばかりのロッティに、二人は束の間言葉を失った。まじまじと顔を見合わせ、同時にぷっと噴き出す。
カイがくくっと楽しげに笑い声を上げた。
「そうかそうか。そりゃあいい考えだ。全っ然思いつきもしなかったわ」
「そうですね。では、全メニューを頼んでみましょうか」
フィルの台詞に、カイがあきれ果てた顔をする。どうやら冗談だと思ったらしい。
ロッティが説明するより早く、フィルが卓上のベルをチリチリと鳴らした。
注文を取りに来た店員に、大層美しく華やかな笑みを向ける。
「料理を上から下まで、全てひとつずつ」
***
「ふう。ご馳走様でした」
「…………」
紙ナプキンで優雅に口をぬぐうフィルを、カイはあんぐりと口を開けて見守った。テーブル上を隙間なく埋め尽くす、綺麗に空になった皿に愕然と視線を落とす。
顔を引きつらせるカイなどそっちのけで、フィルはまたしてもメニューに手を伸ばした。デザートのページをロッティに向けながら、「ケーキも全制覇しましょう」と楽しげに提案する。
ロッティが情けなさそうに眉を下げた。
「た、食べたい……ですけど。もう、お腹がいっぱいです……」
胃を押さえるロッティに、フィルは至極残念そうな顔を向ける。「わかりました」と静かに頷き、卓上のベルを高らかに鳴らした。
「デザートを上から下まで、全てひとつずつ」
「いや頼むんかいっ!!」
思わず全力で突っ込むカイに、フィルは目をしばたたかせる。何か問題でも?と言いたげなその表情に、カイは思いっきり脱力した。
「何でもねぇよ……。毎度ありっつーか、ぜひともウチの店の常連になって欲しいっつーか……」
いや、マジで。
小さく呟くと、カイは突然大爆笑し始めた。
唖然とするロッティ達に、苦しそうに腹を抱えながら涙目で笑いかける。
「アンタ、つくづく見た目と違うよなぁ! 最初会った時は女タラシで傲慢な、最低最悪野郎と思ったけどよっ」
「……はあ?」
眉根を寄せたフィルが、地を這うような低い声を出す。
びくりと身をすくませるロッティに、カイはすばやく目配せした。「デザートが来る前に手洗いに行ってこいよ」と強引に腕を取って立たせる。
「えっ!?」
「食い終わったらすぐ、茶を飲みつつ騎士サマに事情を話してもらうんだ。途中で席を立ったりしたら、話の腰を折っちまって悪いだろ?」
さあさあと追い立てられ、ロッティはあっという間に個室から締め出されてしまった。
入口の扉に耳を付けたカイは、遠ざかっていく足音を確認して椅子に戻る。フィルに向かってからかうように目を細めた。
「別に嫌味で言ってるわけじゃないんだぜ? むしろ褒めてる」
「決してそうは聞こえないが?」
皮肉げに唇を歪めるフィルに、「いやいやホントだって」とカイは熱を込めて言う。
「だってよ。女慣れしてるヤツが、あんな馬鹿の一つ覚えみたいに花ばっか贈るかぁ? 慣れないロッティだからこそ喜んでたけどよ、工夫もクソもねぇじゃねーか。つか、はっきり言ってありがた迷惑?」
「…………」
フィルがぴくりと頬を引きつらせた。
しかしカイは気にしたふうもなく、くつくつとこもった笑い声を立てる。
(多分、この男は……)
これまで女を振り向かせるために、必死で努力した経験などないのだろう。
なぜならその端正な顔で微笑むだけで、美しい声で歌うように褒めそやすだけで、女達はたちまちフィルの虜になってしまうから。
だからこそ、勝手の違うロッティ相手にはちぐはぐなアプローチしかできなかったのだ。
気付いてしまえばすとんと腑に落ちて、カイの中からこの男に対する苦手意識が消えていく。
「――安心したぜ、騎士サマ。ロッティの友人になるんだか違うんだかは置いといて、どうかこれからもアイツと仲良くしてやってくれ」
握手しようと手を差し伸べると、フィルは聞こえよがしな吐息をついた。じろりとカイを睨みつける。
「君に言われるまでもない。――そして、いつまでも友人に甘んじるつもりもない」
きっぱりと宣言して、「それから」と語気を強める。
「僕の名は、フィルだ。いい加減『騎士様』呼ばわりはやめてもらおうか」
「おお、そーか。そんじゃあ改めてよろしくな、フィル?」
ニカッと笑い掛けると、フィルもやっと頬をゆるめた。音を立ててカイの手を叩き落とし、澄まし顔で微笑む。
「生憎、僕はライバルと馴れ合うつもりは無いんだ。カイ」
「勝手にライバル認定すんなっ! オレは単にアイツの保護者代わりだってぇの!」
なごやかになりかけた雰囲気が一気に霧散して、二人は再び睨み合った。けれど、すぐさま同時に噴き出してしまう。
その瞬間、激しい音を立てて扉が開かれた。
「たっ、ただ今戻りました! 二人とも喧嘩なんかして――……へ?」
ロッティが勢いよく開いた扉の先では、男二人が仲良さそうに笑い合っていた。殺伐とした空気は消え去り、まるで気心の知れた長年来の友人のようだ。
(えっ? えっ?)
目を白黒させていると、背後からケーキが満載のお盆を持った店員が入室してくる。慌てて脇に避けたロッティに目礼し、手際よくテーブルに皿を並べていく。
カイがヒュウッと口笛を鳴らした。
「すっげぇ量だな。マジで食えんのか、フィル?」
「当然。まだ腹八分目だからね」
「どんだけだよお前ッ!」
げらげらと笑うカイに、満更でもなさそうなフィル。
トイレに行く前とは百八十度変わった二人の態度に、ロッティはひとり大混乱に陥った。
(ふ、二人が仲良くなったなら、嬉しいけど……!)
嬉しいが、だがしかし。
(そこはかとなく、仲間はずれ感があるのはどうして…!?)
ちょっぴり孤独を感じ、涙目になるロッティであった。
「個室、空いてるか?」
カイが軽く尋ねると、すぐさま二階の別室へと案内された。さすがは経営者一族である。
個室の入口にはしっかりと扉が付いていて、これなら密談しても問題はなさそうだ。
きょろきょろと物珍しく周りを見回すロッティに、カイが胡乱な視線を向ける。
「……にしても、まさかお前が大人しく付いてくるなんてなぁ。いつもなら『外で食事なんて無理ですぅ~!』って逃げるクセに、どういう風の吹き回しだ?」
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ですぅ~の部分だけやけに強調され、ロッティは真っ赤になってフィルを窺った。フィルは優しく微笑みかけてくれたので、安堵したロッティはメニューに手を伸ばす。
気取った仕草でローブのフードを払い、茜色の豊かな髪をあらわにした。顎を反らし、精一杯ツンとして取り澄ます。
「わ、私だってレストランで食事したことぐらいありますから。……ねぇフィルさん?」
「そうですね。カイ殿とはなくても、僕とはありますからね」
にっこりと同調するフィルに、カイの眉が跳ね上がった。大げさに肩をすくめると、「誰がそんな安い挑発に乗るかよ」とせせら笑う。
バチバチと睨み合う二人をよそに、ロッティは熱心にメニューを覗き込んでいた。
昨日フィルと行ったレストランもそうだったが、ここにも美味しそうな料理がたくさんある。量はそう食べられないだろうから、何を選ぶか慎重に決めなければ。
そこまで考え、ロッティははっとする。
昨日のレストランでの一時を思い出し――無言の攻防戦を繰り広げている二人に、大興奮で身を乗り出した。
「カイさん、フィルさんっ。もしかすると皆で少しずつ分けあえば、いろんな料理が食べられるんじゃないでしょうかっ」
さも名案を思いついたと言わんばかりのロッティに、二人は束の間言葉を失った。まじまじと顔を見合わせ、同時にぷっと噴き出す。
カイがくくっと楽しげに笑い声を上げた。
「そうかそうか。そりゃあいい考えだ。全っ然思いつきもしなかったわ」
「そうですね。では、全メニューを頼んでみましょうか」
フィルの台詞に、カイがあきれ果てた顔をする。どうやら冗談だと思ったらしい。
ロッティが説明するより早く、フィルが卓上のベルをチリチリと鳴らした。
注文を取りに来た店員に、大層美しく華やかな笑みを向ける。
「料理を上から下まで、全てひとつずつ」
***
「ふう。ご馳走様でした」
「…………」
紙ナプキンで優雅に口をぬぐうフィルを、カイはあんぐりと口を開けて見守った。テーブル上を隙間なく埋め尽くす、綺麗に空になった皿に愕然と視線を落とす。
顔を引きつらせるカイなどそっちのけで、フィルはまたしてもメニューに手を伸ばした。デザートのページをロッティに向けながら、「ケーキも全制覇しましょう」と楽しげに提案する。
ロッティが情けなさそうに眉を下げた。
「た、食べたい……ですけど。もう、お腹がいっぱいです……」
胃を押さえるロッティに、フィルは至極残念そうな顔を向ける。「わかりました」と静かに頷き、卓上のベルを高らかに鳴らした。
「デザートを上から下まで、全てひとつずつ」
「いや頼むんかいっ!!」
思わず全力で突っ込むカイに、フィルは目をしばたたかせる。何か問題でも?と言いたげなその表情に、カイは思いっきり脱力した。
「何でもねぇよ……。毎度ありっつーか、ぜひともウチの店の常連になって欲しいっつーか……」
いや、マジで。
小さく呟くと、カイは突然大爆笑し始めた。
唖然とするロッティ達に、苦しそうに腹を抱えながら涙目で笑いかける。
「アンタ、つくづく見た目と違うよなぁ! 最初会った時は女タラシで傲慢な、最低最悪野郎と思ったけどよっ」
「……はあ?」
眉根を寄せたフィルが、地を這うような低い声を出す。
びくりと身をすくませるロッティに、カイはすばやく目配せした。「デザートが来る前に手洗いに行ってこいよ」と強引に腕を取って立たせる。
「えっ!?」
「食い終わったらすぐ、茶を飲みつつ騎士サマに事情を話してもらうんだ。途中で席を立ったりしたら、話の腰を折っちまって悪いだろ?」
さあさあと追い立てられ、ロッティはあっという間に個室から締め出されてしまった。
入口の扉に耳を付けたカイは、遠ざかっていく足音を確認して椅子に戻る。フィルに向かってからかうように目を細めた。
「別に嫌味で言ってるわけじゃないんだぜ? むしろ褒めてる」
「決してそうは聞こえないが?」
皮肉げに唇を歪めるフィルに、「いやいやホントだって」とカイは熱を込めて言う。
「だってよ。女慣れしてるヤツが、あんな馬鹿の一つ覚えみたいに花ばっか贈るかぁ? 慣れないロッティだからこそ喜んでたけどよ、工夫もクソもねぇじゃねーか。つか、はっきり言ってありがた迷惑?」
「…………」
フィルがぴくりと頬を引きつらせた。
しかしカイは気にしたふうもなく、くつくつとこもった笑い声を立てる。
(多分、この男は……)
これまで女を振り向かせるために、必死で努力した経験などないのだろう。
なぜならその端正な顔で微笑むだけで、美しい声で歌うように褒めそやすだけで、女達はたちまちフィルの虜になってしまうから。
だからこそ、勝手の違うロッティ相手にはちぐはぐなアプローチしかできなかったのだ。
気付いてしまえばすとんと腑に落ちて、カイの中からこの男に対する苦手意識が消えていく。
「――安心したぜ、騎士サマ。ロッティの友人になるんだか違うんだかは置いといて、どうかこれからもアイツと仲良くしてやってくれ」
握手しようと手を差し伸べると、フィルは聞こえよがしな吐息をついた。じろりとカイを睨みつける。
「君に言われるまでもない。――そして、いつまでも友人に甘んじるつもりもない」
きっぱりと宣言して、「それから」と語気を強める。
「僕の名は、フィルだ。いい加減『騎士様』呼ばわりはやめてもらおうか」
「おお、そーか。そんじゃあ改めてよろしくな、フィル?」
ニカッと笑い掛けると、フィルもやっと頬をゆるめた。音を立ててカイの手を叩き落とし、澄まし顔で微笑む。
「生憎、僕はライバルと馴れ合うつもりは無いんだ。カイ」
「勝手にライバル認定すんなっ! オレは単にアイツの保護者代わりだってぇの!」
なごやかになりかけた雰囲気が一気に霧散して、二人は再び睨み合った。けれど、すぐさま同時に噴き出してしまう。
その瞬間、激しい音を立てて扉が開かれた。
「たっ、ただ今戻りました! 二人とも喧嘩なんかして――……へ?」
ロッティが勢いよく開いた扉の先では、男二人が仲良さそうに笑い合っていた。殺伐とした空気は消え去り、まるで気心の知れた長年来の友人のようだ。
(えっ? えっ?)
目を白黒させていると、背後からケーキが満載のお盆を持った店員が入室してくる。慌てて脇に避けたロッティに目礼し、手際よくテーブルに皿を並べていく。
カイがヒュウッと口笛を鳴らした。
「すっげぇ量だな。マジで食えんのか、フィル?」
「当然。まだ腹八分目だからね」
「どんだけだよお前ッ!」
げらげらと笑うカイに、満更でもなさそうなフィル。
トイレに行く前とは百八十度変わった二人の態度に、ロッティはひとり大混乱に陥った。
(ふ、二人が仲良くなったなら、嬉しいけど……!)
嬉しいが、だがしかし。
(そこはかとなく、仲間はずれ感があるのはどうして…!?)
ちょっぴり孤独を感じ、涙目になるロッティであった。
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