19 / 70
19.天上の調べ
しおりを挟む
(すごい、すごい……!)
生まれて初めて目にする歌劇に、ロッティの心は完全に奪われていた。
宝石が散りばめられた華やかな衣装、軽快な台詞回し、そして優雅ながら目まぐるしいダンス……。
けれど、何より素晴らしいのは歌だった。
(歌姫、クリスティアナ……!)
舞台上に何人いようと、いつだって吸い寄せられるように彼女の姿を追ってしまう。ひとたび彼女が口を開けば、固唾を呑んで歌に聞き入ってしまう。
類まれなる歌声、人間離れした美しい容姿。
ロッティの目はもう舞台に釘付けで、興奮のため胸は高鳴りっぱなしだった。
隣のフィルはというと、劇が始まってからずっと身じろぎひとつしていない。どうやら彼も凄まじい集中力を発揮しているらしい。
一瞬だけ彼に思考が飛びかけたものの、クリスティアナが天上の調べを紡ぎ出した途端、ロッティは再びきらびやかな物語へと没入する。潤んだ目を細め、うっとりと歌に聞き惚れた。
――この物語の主人公もまた、歌姫だった。
歌うことを何よりも愛しているのに、彼女に与えられるのはいつも端役ばかり。歌どころか台詞ひとつなく、舞台の後方で踊るだけの日々を過ごしていた。
そんなある日、彼女は代役として歌を披露する機会に恵まれる。素晴らしい歌声で観衆を魅了した彼女は、一夜にして表舞台に躍り出た。
自信に満ちあふれてどんどん美しく変わっていく彼女に、主役の座を奪われた前の歌姫、そして二番手、三番手の歌い手達の醜い嫉妬が襲いかかる。
激しさを増していく嫌がらせに、彼女は次第に身の危険を感じるようになる。
不穏な雰囲気を残したまま、第一幕が終わった。
***
割れんばかりの拍手がホールに木霊する。
ロッティも夢中になって手を叩き、大興奮のままフィルを見上げた。
「歌姫さん、すごく素敵でしたっ。酷い嫌がらせにはらはらして、腹が立って、でも歌姫さんは強くて全然負けてなくて! 格好いいです、憧れます!」
主役を演じるクリスティアナは、おそらく二十そこそこといったところだろう。
黄金の長い髪が美しい、目鼻立ちのはっきりした美人だった。
「――でも、何よりあの瞳ですっ。紫水晶みたいな綺麗な色もそうですけど、凛とした意志の強さが宿ってて……! きっと、彼女は絶対に諦めないひとだと思うんですっ」
「ははは……。そう、ですね。おそらく、大正解だと思いますよ……?」
「……フィルさん?」
周りの観客達はもう立ち上がっているのに、フィルは座り込んだままだった。力なく背もたれに体を預け、虚ろな笑い声を響かせている。
「凄い、のか……? いや、凄いだけに最悪だ……。あああああ」
「フィルさーーーんっ!?」
とうとう頭を抱えこんでしまった彼を、ロッティは必死になって揺さぶった。
(一体、どうしちゃったの……!?)
あれほどの舞台を目にした直後だというのに、フィルのこの打ちひしがれよう。歌劇は好みではなかったのだろうか。
「あの、フィルさん……? もしも、気分がすぐれないのなら……」
「大丈夫です、問題ありません! 途中退席など死んでもできませんからっ!」
おずおずと声を掛けた途端、彼は弾かれたように顔を上げた。血相を変えたその様子に、ロッティはぱちくりと瞬きする。
「いえ、あの……。外の空気を吸いに行きませんか?って言うつもりで……」
「あ……っ」
フィルは赤面すると、やっと座席から立ち上がった。気取ったようにロッティに腕を差し伸べる。
「では、バルコニーに出ましょうか。きっと夜景も美しいことでしょう」
「……はい」
大真面目に頷いて、フィルの腕に手を掛けた。けれど内心、ロッティは懸命に笑いをこらえていた。
あれだけ挙動不審だったのに、女性をエスコートするとなると、まるで条件反射のように張り切りだす。
(フィルさんって……。面白いひと)
もはや、フィルに対する苦手意識は完璧に消えていた。
はにかみながら彼を見上げると、彼は幕の下りた舞台に視線を向けていた。
息苦しそうな、祈るようなその顔にロッティははっとする。同じような表情を、いつかどこかで見た覚えがあった。
フィルに案内されながら、ロッティはじっくり己の考えを咀嚼する。
「あ……っ。そっか!」
「ロッティ様?」
怪訝そうに首を傾げた彼に、笑顔でかぶりを振った。
ここに来てから、彼の態度がおかしくなった理由。その答えを見つけた気がしたのだ。
***
「わぁ……! 綺麗です……!」
バルコニーに出た途端、ロッティは歓声を上げてフィルから離れる。手すりにかじりつき、家々から漏れるやわらかな明かりに一心に見入った。
道の端、等間隔に並んだガス灯もぼんやりとした光を放っている。下から見上げることはあれど、ガス灯を遠くから見下ろすのは初めてだった。
ゆっくりと歩み寄ってきたフィルも、微笑みを浮かべてロッティの隣に立つ。
夜景に負けず劣らず美しい彼の横顔を見つめながら、ロッティはじんわりと感慨に浸った。
(不思議、だなぁ……)
したこともないお洒落をして、見たこともない景色を心の底から楽しんで。
自分にはこんな経験、全く縁がないと思っていた。
それなのに今、自分とは正反対の生活を送る人と、同じ時間を共有している。少し前までの自分に教えてあげたら、「嘘だぁ!」と全力で否定したに違いない。
思わず頬をゆるめると、フィルが不思議そうにロッティの顔を覗き込んだ。目顔で促され、ロッティは唇を湿らせてから口を開く。
「……フィルさんの、ご家族はどんなかた達なんですか?」
ロッティの突然の質問に、フィルは虚を衝かれたように瞳をしばたたかせた。けれど、ロッティにも意図があって聞いたことだ。
フィルはしばし沈黙して、夜景へと視線を戻す。
「……父はカイ殿と同じような、敏腕な商売人、かな。母は明るく優しいひとですよ。――血の繋がりは、ありませんが」
「え……」
目を丸くするロッティに、フィルは笑って頷いた。
「実の母は、僕が物心つく前に亡くなりました。十歳の頃、父が再婚して……義母は僕に、実の子供にするように惜しみなく愛情を注いでくれた」
「そう、だったんですね……」
――羨ましい。
反射的に飛び出しかけた言葉を慌てて飲み込み、ロッティも夜景に見入る振りをする。ガス灯の明かりが少しだけ滲んだ。
「再婚後に、弟と妹が生まれました。かなり年が離れているし――僕は十五で騎士を志し、故郷の街から王都へ出ましたから。決して仲が悪いわけではないですけど、さして親しいわけでもありません」
「……へ?」
あれ?
密かに首をひねるロッティには気付かず、フィルは「ロッティ様のご家族は?」と朗らかに問い掛ける。
ロッティは一瞬言葉に詰まったものの、素直に話すことにした。
「……私の父も、ずっと昔に亡くなりました」
途端に表情を曇らせたフィルに、急いで「でも!」と続ける。
「母は、私なんかと違って綺麗で、明るくて友達もいっぱいいて、すごく素敵なひとでした! 私のこと、何より大切にして愛してくれて」
胸が苦しくて言葉が出なくなる。
それでも、何度も深呼吸を繰り返し、小さな声で付け足した。
「私も母が、世界で一番大好きでした……」
消え入るような呟きに、フィルも何かを察したのだろう。ふわりと笑んで、壊れ物を扱うようにロッティの手を取った。
「あなたを見ていると、どんなに素敵なかただったか目に浮かびます。――さあ、そろそろ戻りましょう。第二幕が始まります」
「……はいっ」
目尻を拭い、歩き出す。
フィルは、気付かない振りをしてくれた。
生まれて初めて目にする歌劇に、ロッティの心は完全に奪われていた。
宝石が散りばめられた華やかな衣装、軽快な台詞回し、そして優雅ながら目まぐるしいダンス……。
けれど、何より素晴らしいのは歌だった。
(歌姫、クリスティアナ……!)
舞台上に何人いようと、いつだって吸い寄せられるように彼女の姿を追ってしまう。ひとたび彼女が口を開けば、固唾を呑んで歌に聞き入ってしまう。
類まれなる歌声、人間離れした美しい容姿。
ロッティの目はもう舞台に釘付けで、興奮のため胸は高鳴りっぱなしだった。
隣のフィルはというと、劇が始まってからずっと身じろぎひとつしていない。どうやら彼も凄まじい集中力を発揮しているらしい。
一瞬だけ彼に思考が飛びかけたものの、クリスティアナが天上の調べを紡ぎ出した途端、ロッティは再びきらびやかな物語へと没入する。潤んだ目を細め、うっとりと歌に聞き惚れた。
――この物語の主人公もまた、歌姫だった。
歌うことを何よりも愛しているのに、彼女に与えられるのはいつも端役ばかり。歌どころか台詞ひとつなく、舞台の後方で踊るだけの日々を過ごしていた。
そんなある日、彼女は代役として歌を披露する機会に恵まれる。素晴らしい歌声で観衆を魅了した彼女は、一夜にして表舞台に躍り出た。
自信に満ちあふれてどんどん美しく変わっていく彼女に、主役の座を奪われた前の歌姫、そして二番手、三番手の歌い手達の醜い嫉妬が襲いかかる。
激しさを増していく嫌がらせに、彼女は次第に身の危険を感じるようになる。
不穏な雰囲気を残したまま、第一幕が終わった。
***
割れんばかりの拍手がホールに木霊する。
ロッティも夢中になって手を叩き、大興奮のままフィルを見上げた。
「歌姫さん、すごく素敵でしたっ。酷い嫌がらせにはらはらして、腹が立って、でも歌姫さんは強くて全然負けてなくて! 格好いいです、憧れます!」
主役を演じるクリスティアナは、おそらく二十そこそこといったところだろう。
黄金の長い髪が美しい、目鼻立ちのはっきりした美人だった。
「――でも、何よりあの瞳ですっ。紫水晶みたいな綺麗な色もそうですけど、凛とした意志の強さが宿ってて……! きっと、彼女は絶対に諦めないひとだと思うんですっ」
「ははは……。そう、ですね。おそらく、大正解だと思いますよ……?」
「……フィルさん?」
周りの観客達はもう立ち上がっているのに、フィルは座り込んだままだった。力なく背もたれに体を預け、虚ろな笑い声を響かせている。
「凄い、のか……? いや、凄いだけに最悪だ……。あああああ」
「フィルさーーーんっ!?」
とうとう頭を抱えこんでしまった彼を、ロッティは必死になって揺さぶった。
(一体、どうしちゃったの……!?)
あれほどの舞台を目にした直後だというのに、フィルのこの打ちひしがれよう。歌劇は好みではなかったのだろうか。
「あの、フィルさん……? もしも、気分がすぐれないのなら……」
「大丈夫です、問題ありません! 途中退席など死んでもできませんからっ!」
おずおずと声を掛けた途端、彼は弾かれたように顔を上げた。血相を変えたその様子に、ロッティはぱちくりと瞬きする。
「いえ、あの……。外の空気を吸いに行きませんか?って言うつもりで……」
「あ……っ」
フィルは赤面すると、やっと座席から立ち上がった。気取ったようにロッティに腕を差し伸べる。
「では、バルコニーに出ましょうか。きっと夜景も美しいことでしょう」
「……はい」
大真面目に頷いて、フィルの腕に手を掛けた。けれど内心、ロッティは懸命に笑いをこらえていた。
あれだけ挙動不審だったのに、女性をエスコートするとなると、まるで条件反射のように張り切りだす。
(フィルさんって……。面白いひと)
もはや、フィルに対する苦手意識は完璧に消えていた。
はにかみながら彼を見上げると、彼は幕の下りた舞台に視線を向けていた。
息苦しそうな、祈るようなその顔にロッティははっとする。同じような表情を、いつかどこかで見た覚えがあった。
フィルに案内されながら、ロッティはじっくり己の考えを咀嚼する。
「あ……っ。そっか!」
「ロッティ様?」
怪訝そうに首を傾げた彼に、笑顔でかぶりを振った。
ここに来てから、彼の態度がおかしくなった理由。その答えを見つけた気がしたのだ。
***
「わぁ……! 綺麗です……!」
バルコニーに出た途端、ロッティは歓声を上げてフィルから離れる。手すりにかじりつき、家々から漏れるやわらかな明かりに一心に見入った。
道の端、等間隔に並んだガス灯もぼんやりとした光を放っている。下から見上げることはあれど、ガス灯を遠くから見下ろすのは初めてだった。
ゆっくりと歩み寄ってきたフィルも、微笑みを浮かべてロッティの隣に立つ。
夜景に負けず劣らず美しい彼の横顔を見つめながら、ロッティはじんわりと感慨に浸った。
(不思議、だなぁ……)
したこともないお洒落をして、見たこともない景色を心の底から楽しんで。
自分にはこんな経験、全く縁がないと思っていた。
それなのに今、自分とは正反対の生活を送る人と、同じ時間を共有している。少し前までの自分に教えてあげたら、「嘘だぁ!」と全力で否定したに違いない。
思わず頬をゆるめると、フィルが不思議そうにロッティの顔を覗き込んだ。目顔で促され、ロッティは唇を湿らせてから口を開く。
「……フィルさんの、ご家族はどんなかた達なんですか?」
ロッティの突然の質問に、フィルは虚を衝かれたように瞳をしばたたかせた。けれど、ロッティにも意図があって聞いたことだ。
フィルはしばし沈黙して、夜景へと視線を戻す。
「……父はカイ殿と同じような、敏腕な商売人、かな。母は明るく優しいひとですよ。――血の繋がりは、ありませんが」
「え……」
目を丸くするロッティに、フィルは笑って頷いた。
「実の母は、僕が物心つく前に亡くなりました。十歳の頃、父が再婚して……義母は僕に、実の子供にするように惜しみなく愛情を注いでくれた」
「そう、だったんですね……」
――羨ましい。
反射的に飛び出しかけた言葉を慌てて飲み込み、ロッティも夜景に見入る振りをする。ガス灯の明かりが少しだけ滲んだ。
「再婚後に、弟と妹が生まれました。かなり年が離れているし――僕は十五で騎士を志し、故郷の街から王都へ出ましたから。決して仲が悪いわけではないですけど、さして親しいわけでもありません」
「……へ?」
あれ?
密かに首をひねるロッティには気付かず、フィルは「ロッティ様のご家族は?」と朗らかに問い掛ける。
ロッティは一瞬言葉に詰まったものの、素直に話すことにした。
「……私の父も、ずっと昔に亡くなりました」
途端に表情を曇らせたフィルに、急いで「でも!」と続ける。
「母は、私なんかと違って綺麗で、明るくて友達もいっぱいいて、すごく素敵なひとでした! 私のこと、何より大切にして愛してくれて」
胸が苦しくて言葉が出なくなる。
それでも、何度も深呼吸を繰り返し、小さな声で付け足した。
「私も母が、世界で一番大好きでした……」
消え入るような呟きに、フィルも何かを察したのだろう。ふわりと笑んで、壊れ物を扱うようにロッティの手を取った。
「あなたを見ていると、どんなに素敵なかただったか目に浮かびます。――さあ、そろそろ戻りましょう。第二幕が始まります」
「……はいっ」
目尻を拭い、歩き出す。
フィルは、気付かない振りをしてくれた。
10
お気に入りに追加
264
あなたにおすすめの小説

【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

雪解けの白い結婚 〜触れることもないし触れないでほしい……からの純愛!?〜
川奈あさ
恋愛
セレンは前世で夫と友人から酷い裏切りを受けたレスられ・不倫サレ妻だった。
前世の深い傷は、転生先の心にも残ったまま。
恋人も友人も一人もいないけれど、大好きな魔法具の開発をしながらそれなりに楽しい仕事人生を送っていたセレンは、祖父のために結婚相手を探すことになる。
だけど凍り付いた表情は、舞踏会で恐れられるだけで……。
そんな時に出会った壁の花仲間かつ高嶺の花でもあるレインに契約結婚を持ちかけられる。
「私は貴女に触れることもないし、私にも触れないでほしい」
レインの条件はひとつ、触らないこと、触ることを求めないこと。
実はレインは女性に触れられると、身体にひどいアレルギー症状が出てしまうのだった。
女性アレルギーのスノープリンス侯爵 × 誰かを愛することが怖いブリザード令嬢。
過去に深い傷を抱えて、人を愛することが怖い。
二人がゆっくり夫婦になっていくお話です。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

訳あり侯爵様に嫁いで白い結婚をした虐げられ姫が逃亡を目指した、その結果
柴野
恋愛
国王の側妃の娘として生まれた故に虐げられ続けていた王女アグネス・エル・シェブーリエ。
彼女は父に命じられ、半ば厄介払いのような形で訳あり侯爵様に嫁がされることになる。
しかしそこでも不要とされているようで、「きみを愛することはない」と言われてしまったアグネスは、ニヤリと口角を吊り上げた。
「どうせいてもいなくてもいいような存在なんですもの、さっさと逃げてしまいましょう!」
逃亡して自由の身になる――それが彼女の長年の夢だったのだ。
あらゆる手段を使って脱走を実行しようとするアグネス。だがなぜか毎度毎度侯爵様にめざとく見つかってしまい、その度失敗してしまう。
しかも日に日に彼の態度は温かみを帯びたものになっていった。
気づけば一日中彼と同じ部屋で過ごすという軟禁状態になり、溺愛という名の雁字搦めにされていて……?
虐げられ姫と女性不信な侯爵によるラブストーリー。
※小説家になろうに重複投稿しています。

「白い結婚の終幕:冷たい約束と偽りの愛」
ゆる
恋愛
「白い結婚――それは幸福ではなく、冷たく縛られた契約だった。」
美しい名門貴族リュミエール家の娘アスカは、公爵家の若き当主レイヴンと政略結婚することになる。しかし、それは夫婦の絆など存在しない“白い結婚”だった。
夫のレイヴンは冷たく、長く屋敷を不在にし、アスカは孤独の中で公爵家の実態を知る――それは、先代から続く莫大な負債と、怪しい商会との闇契約によって破綻寸前に追い込まれた家だったのだ。
さらに、公爵家には謎めいた愛人セシリアが入り込み、家中の権力を掌握しようと暗躍している。使用人たちの不安、アーヴィング商会の差し押さえ圧力、そして消えた夫レイヴンの意図……。次々と押し寄せる困難の中、アスカはただの「飾りの夫人」として終わる人生を拒絶し、自ら未来を切り拓こうと動き始める。
政略結婚の檻の中で、彼女は周囲の陰謀に立ち向かい、少しずつ真実を掴んでいく。そして冷たく突き放していた夫レイヴンとの関係も、思わぬ形で変化していき――。
「私はもう誰の人形にもならない。自分の意志で、この家も未来も守り抜いてみせる!」
果たしてアスカは“白い結婚”という名の冷たい鎖を断ち切り、全てをざまあと思わせる大逆転を成し遂げられるのか?


白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる