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第三章
第52話 ランダール王国の長い夜!
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「――今年も残すところあと僅かとなった! この一年を大過なく過ごせたのも、すべては皆の献身と精霊の加護があればこそ! 皆で力を合わせ、来年もまた良き年としようではないか!」
――うおおおおおっ!!
ガイウス陛下の朗々とした呼びかけに、大広間に集まった全員がこぶしを振り上げて呼応した。メイベルと私も笑顔を見合わせ、割れんばかりに手を叩く。
ぐいと一息にお酒をあおったイアンが、空のジョッキを突き上げた。
「おーいガイウスーっ! 今年最大の出来事を報告し忘れてるぞーっ!」
「う、うるさいっ! 今まさに言おうとしていたところで……っ!」
濃紺の礼服を身に纏ったガイウス陛下が、毛むくじゃらの腕を振り上げて弁解する。おほんと空咳して私に視線を移した。
「リ、リリリリリアーナ。こここここちらへ」
……うぅん。
改まった格好をしていようが、今日も今日とて陛下はとっても可愛いらしいわ。
彼に向かってにっこり頷きかけ、しずしずとしとやかに進み出る。足元を見ずに気取って歩いていたら、思いっきりドレスの裾を踏んづけた。
「きゃああああっ!?」
「リリアーナッ!!」
つんのめりかけた私を、光の速さで飛んできた陛下が抱きとめてくれる。ほっとして彼にもたれかかると、そのまま足をすくわれた。
「……っ」
「皆の者っ。我が婚約者、イスレア王国のリリアーナ姫だ! 来年は、晴れて婚約者ではなくなって……えぇとそう。あの……きっと俺、いやわたしの……いわゆる……妃、的な? むぎゅ」
もごもごと口ごもり出したので、すばやく陛下の大きなお口に手の平を押し当てる。お姫様抱っこされたまま、周囲の皆に笑顔を振りまいた。
「皆さん、不慣れなわたくしを受け入れてくださって本当にありがとう! お陰様でとっても充実した年になったわ!」
ガイウス陛下を熱っぽく見つめ、つ、と彼の鬣に指をすべらせる。陛下は黄金色の瞳をまんまるに見開くと、しっぽをぶわりと膨らませた。
動揺する彼に嫣然と微笑みかける。
「どうぞ皆さん、末永くわたくし達を見守ってくださいませ。……さ、陛下からも」
小声で促すと、陛下は弾かれたようにピンと背筋を伸ばした。
「リ、リリアーナの言う通りそういう事だこれからもよろしく頼むっ。さあ皆思い思いにパーティを楽しむが良い!!」
鬣を逆立てて早口でまくし立てる陛下に、温かな笑い声がどっと上がる。
歓声と共にそこかしこでグラスを合わせる音が鳴り響き、広間の扉が開け放たれた。立食形式のテーブルの上に、運ばれてきた大皿料理が所狭しと並べられていく。
――こうして、ランダール王国の賑やかな年越しが始まった。
***
「まあ。これは――東方の国の『おにぎり』という料理ねっ。炊いたお米を食べやすく握ってあるんだわ」
確か、手で掴んで食べるのが流儀なのだっけ。
意気揚々とひとつ掴み、山の形をしたおにぎりのてっぺんを一口かじる。ほんのりした塩味がお米の甘さを引き立てて、素朴ながらもとても味わい深い。
にこにこ咀嚼する私につられたように、メイベルもおにぎりに手を伸ばした。真っ白な山を半分に割って、しげしげと眺める。
「本当にお詳しいですね、リリアーナ殿下。……あら。このおにぎり、中にほぐしたお魚の身が入っているのね?」
「むっ、魚だと!? そういうことなら猫獣人たるこの私が食べないわけにいかないなっ!」
大皿を占領してもりもり料理を平らげていたディアドラが、カッと目を見開く。すぐさまおにぎりのあるテーブルへと一直線に駆け出した。
……と、思いきや。
自らの手作りしっぽに引っかかり、ズドンと派手にすっ転んだ。
「大丈夫、ディアドラ!?」
慌てて駆け寄って助け起こすと、ディアドラはギリィッと奥歯を噛み締めた。
「一体どこのどいつだ、この私にこんな動きにくい尻尾を付けた阿呆はっ!?」
「いやアンタでしょ」
美味しそうにおにぎりを食べながら、メイベルがすげなく突っ込む。指に付いた米粒まで綺麗に平らげて、満足気な吐息をついた。
「とっても美味しかったわ。ですけど、おにぎりってもっと後に食べるべきじゃないかしら。さっぱりしたお味でお腹にたまりますもの。例えば……そのう……」
ちらっちらっと後ろを振り返る。
メイベルの視線の先――壁際のテーブルには色とりどりの瓶が並べられていて、ああ、と私は手を打った。
「好きなお酒を選んでらっしゃいよ、メイベル。今夜は無礼講だもの、皆飲んでるんだから遠慮することなんてないわ」
「そ、そうですか? リリアーナ殿下は――……」
正直に目を輝かせる彼女に、笑ってかぶりを振ってみせる。
「お酒はほとんど飲んだことないの。眠くなっちゃいそうだし、私は遠慮しておくわ」
というのも、この年越しパーティはどうやら明け方まで続くらしい。
私は途中で抜けて構わないと言われているけれど、せっかくランダールで迎える初めての年越しなのだ。この目が潰れない限りは居座りたい。
鼻息荒く決意したところで、スッと横から美しいグラスを差し出された。
驚いて振り返ると、すぐ側に灰白色の髪を豪奢に結い上げた貴婦人が立っていた。私と視線を絡ませて、くっきりとした紅に彩られた唇をほころばせる。
「えっ……? あ、の……?」
華やかな目鼻立ちの美女からは、香水の良い香りがふんわりと漂ってきた。どぎまぎして一歩下がろうとするものの、彼女はお構いなしに距離を詰めてくる。私の鼻先にグラスを押し付けた。
「どうぞリリアーナ様、一口だけでも。果実酒を割ってありますから、それほど強くはありません。このわたしでも飲めるぐらいです」
「…………」
声、低――……って。
この、聞き覚えのある声。そして髪の色。
もしかして、もしかしなくても。
『エリオットーーーッ!!?』
メイベルと声を合わせて大絶叫してしまう。
艶やかな紫色のドレスに身を包んだエリオットは、どこからか取り出した扇で優雅に自身を扇いだ。上機嫌で私達を見比べる。
「ふふ、あまりの美女っぷりに驚いたようですね。何を隠そう、『ランダールわっしょい年越し祭り』悪ノリ派筆頭とはこのわたしの事です」
そんな名前のパーティだったっけ?
首をひねる私をよそに、まだ床でいじけていたディアドラが立ち上がった。憤然としてエリオットを睨みつける。
「聞き捨てならないな、弟よ! 悪ノリ派筆頭はこの私だっ!」
「いーえ違います、我が妹よ。その程度の仮装で筆頭を名乗るとはおこがましい。見た目だけではなく、立ち居振る舞いまで含めてこその仮装なのです。せいぜい精進して、また来年出直すことですね」
エリオットはグラスを私に手渡すと、「口ほどにもない仔猫ちゃんだこと、オーッホッホッホッ!」と高笑いしながら去っていった。
……なるほど。
言うだけあって徹底してるわ。
感心しつつ、せっかくなのでと果実酒を口に含んでみる。うんうん、甘くて口当たりがやわらかくって美味しいわ。
ふわんと体が温もって、ますます楽しくなってくる。上機嫌な私をよそに、ディアドラは屈辱に打ち震えていた。
メイベルが優しく彼女の肩を叩く。
「完敗ね。この敗北を糧に、来年また頑張りなさいな。あたしでよければ裁縫を教えてあげるわよ」
「ぐぐぐぐ……!!」
エリオットの去った方角を悔しげに睨み、激しく地団駄を踏むディアドラであった。
――うおおおおおっ!!
ガイウス陛下の朗々とした呼びかけに、大広間に集まった全員がこぶしを振り上げて呼応した。メイベルと私も笑顔を見合わせ、割れんばかりに手を叩く。
ぐいと一息にお酒をあおったイアンが、空のジョッキを突き上げた。
「おーいガイウスーっ! 今年最大の出来事を報告し忘れてるぞーっ!」
「う、うるさいっ! 今まさに言おうとしていたところで……っ!」
濃紺の礼服を身に纏ったガイウス陛下が、毛むくじゃらの腕を振り上げて弁解する。おほんと空咳して私に視線を移した。
「リ、リリリリリアーナ。こここここちらへ」
……うぅん。
改まった格好をしていようが、今日も今日とて陛下はとっても可愛いらしいわ。
彼に向かってにっこり頷きかけ、しずしずとしとやかに進み出る。足元を見ずに気取って歩いていたら、思いっきりドレスの裾を踏んづけた。
「きゃああああっ!?」
「リリアーナッ!!」
つんのめりかけた私を、光の速さで飛んできた陛下が抱きとめてくれる。ほっとして彼にもたれかかると、そのまま足をすくわれた。
「……っ」
「皆の者っ。我が婚約者、イスレア王国のリリアーナ姫だ! 来年は、晴れて婚約者ではなくなって……えぇとそう。あの……きっと俺、いやわたしの……いわゆる……妃、的な? むぎゅ」
もごもごと口ごもり出したので、すばやく陛下の大きなお口に手の平を押し当てる。お姫様抱っこされたまま、周囲の皆に笑顔を振りまいた。
「皆さん、不慣れなわたくしを受け入れてくださって本当にありがとう! お陰様でとっても充実した年になったわ!」
ガイウス陛下を熱っぽく見つめ、つ、と彼の鬣に指をすべらせる。陛下は黄金色の瞳をまんまるに見開くと、しっぽをぶわりと膨らませた。
動揺する彼に嫣然と微笑みかける。
「どうぞ皆さん、末永くわたくし達を見守ってくださいませ。……さ、陛下からも」
小声で促すと、陛下は弾かれたようにピンと背筋を伸ばした。
「リ、リリアーナの言う通りそういう事だこれからもよろしく頼むっ。さあ皆思い思いにパーティを楽しむが良い!!」
鬣を逆立てて早口でまくし立てる陛下に、温かな笑い声がどっと上がる。
歓声と共にそこかしこでグラスを合わせる音が鳴り響き、広間の扉が開け放たれた。立食形式のテーブルの上に、運ばれてきた大皿料理が所狭しと並べられていく。
――こうして、ランダール王国の賑やかな年越しが始まった。
***
「まあ。これは――東方の国の『おにぎり』という料理ねっ。炊いたお米を食べやすく握ってあるんだわ」
確か、手で掴んで食べるのが流儀なのだっけ。
意気揚々とひとつ掴み、山の形をしたおにぎりのてっぺんを一口かじる。ほんのりした塩味がお米の甘さを引き立てて、素朴ながらもとても味わい深い。
にこにこ咀嚼する私につられたように、メイベルもおにぎりに手を伸ばした。真っ白な山を半分に割って、しげしげと眺める。
「本当にお詳しいですね、リリアーナ殿下。……あら。このおにぎり、中にほぐしたお魚の身が入っているのね?」
「むっ、魚だと!? そういうことなら猫獣人たるこの私が食べないわけにいかないなっ!」
大皿を占領してもりもり料理を平らげていたディアドラが、カッと目を見開く。すぐさまおにぎりのあるテーブルへと一直線に駆け出した。
……と、思いきや。
自らの手作りしっぽに引っかかり、ズドンと派手にすっ転んだ。
「大丈夫、ディアドラ!?」
慌てて駆け寄って助け起こすと、ディアドラはギリィッと奥歯を噛み締めた。
「一体どこのどいつだ、この私にこんな動きにくい尻尾を付けた阿呆はっ!?」
「いやアンタでしょ」
美味しそうにおにぎりを食べながら、メイベルがすげなく突っ込む。指に付いた米粒まで綺麗に平らげて、満足気な吐息をついた。
「とっても美味しかったわ。ですけど、おにぎりってもっと後に食べるべきじゃないかしら。さっぱりしたお味でお腹にたまりますもの。例えば……そのう……」
ちらっちらっと後ろを振り返る。
メイベルの視線の先――壁際のテーブルには色とりどりの瓶が並べられていて、ああ、と私は手を打った。
「好きなお酒を選んでらっしゃいよ、メイベル。今夜は無礼講だもの、皆飲んでるんだから遠慮することなんてないわ」
「そ、そうですか? リリアーナ殿下は――……」
正直に目を輝かせる彼女に、笑ってかぶりを振ってみせる。
「お酒はほとんど飲んだことないの。眠くなっちゃいそうだし、私は遠慮しておくわ」
というのも、この年越しパーティはどうやら明け方まで続くらしい。
私は途中で抜けて構わないと言われているけれど、せっかくランダールで迎える初めての年越しなのだ。この目が潰れない限りは居座りたい。
鼻息荒く決意したところで、スッと横から美しいグラスを差し出された。
驚いて振り返ると、すぐ側に灰白色の髪を豪奢に結い上げた貴婦人が立っていた。私と視線を絡ませて、くっきりとした紅に彩られた唇をほころばせる。
「えっ……? あ、の……?」
華やかな目鼻立ちの美女からは、香水の良い香りがふんわりと漂ってきた。どぎまぎして一歩下がろうとするものの、彼女はお構いなしに距離を詰めてくる。私の鼻先にグラスを押し付けた。
「どうぞリリアーナ様、一口だけでも。果実酒を割ってありますから、それほど強くはありません。このわたしでも飲めるぐらいです」
「…………」
声、低――……って。
この、聞き覚えのある声。そして髪の色。
もしかして、もしかしなくても。
『エリオットーーーッ!!?』
メイベルと声を合わせて大絶叫してしまう。
艶やかな紫色のドレスに身を包んだエリオットは、どこからか取り出した扇で優雅に自身を扇いだ。上機嫌で私達を見比べる。
「ふふ、あまりの美女っぷりに驚いたようですね。何を隠そう、『ランダールわっしょい年越し祭り』悪ノリ派筆頭とはこのわたしの事です」
そんな名前のパーティだったっけ?
首をひねる私をよそに、まだ床でいじけていたディアドラが立ち上がった。憤然としてエリオットを睨みつける。
「聞き捨てならないな、弟よ! 悪ノリ派筆頭はこの私だっ!」
「いーえ違います、我が妹よ。その程度の仮装で筆頭を名乗るとはおこがましい。見た目だけではなく、立ち居振る舞いまで含めてこその仮装なのです。せいぜい精進して、また来年出直すことですね」
エリオットはグラスを私に手渡すと、「口ほどにもない仔猫ちゃんだこと、オーッホッホッホッ!」と高笑いしながら去っていった。
……なるほど。
言うだけあって徹底してるわ。
感心しつつ、せっかくなのでと果実酒を口に含んでみる。うんうん、甘くて口当たりがやわらかくって美味しいわ。
ふわんと体が温もって、ますます楽しくなってくる。上機嫌な私をよそに、ディアドラは屈辱に打ち震えていた。
メイベルが優しく彼女の肩を叩く。
「完敗ね。この敗北を糧に、来年また頑張りなさいな。あたしでよければ裁縫を教えてあげるわよ」
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