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41.爆弾発言ー!
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「え? 魔素のことは口外するなって?」
カイルさんがすっとんきょうな声を上げる。
騎士団本部、ヴィクターの執務室。
キースさんからプレゼントされた絵本の山に座り込み、私は重々しく頷いた。
「馬車の中で確認させていただいたのですがね、これもどうやら月の女神ルーナ様のご意思のようなのです。そうですね、シーナ・ルー様?」
「ぱえっ」
頼もしく補足してくれるキースさんに、短い手を振って元気よく応じる。ちなみに不機嫌大爆発ヴィクターは、本部に到着するなり訓練に行ってしまった。
(付いていきたかったけど、カイルさんにも魔素のことをお願いしとかなきゃだしね……)
ヴィクターってば本当、何をいきなり怒っていたんだか。キレポイントが謎すぎる。
しっぽを抱き締めていじけていると、突然体がふわっと浮いた。カイルさんが私を抱き上げたのだ。
なんだかうわの空な様子で私を膝に載せ、カイルさんは「そうかぁ……」と低くうなる。
「なるべく早く、魔素について知りたかったんだけどなぁ。人に聞くのは駄目ってことか」
「おや、カイル。どうやらあなたも知識欲に目覚めたようですね?」
目を輝かせるキースさんに、カイルさんは「全然」とあっさり首を振る。指先で私の毛並みをくすぐり、複雑そうな笑みを浮かべた。
「ヴィクターと人間シーナちゃんの間に立ちふさがる障害を、取り除く手伝いをしたかったんだよ。だってどう考えても可哀想だろ? 魔素のせいでお互い近寄れないんじゃあ、二人は会話どころか、手を繋ぐことすらできないじゃないか」
「ぷぅっ」
私は思いっきり噴いてしまう。
(べ、べべべ別に私っ、ヴィクターと手を繋ぎたいだなんて、これぽっちも思ってませんけど!?)
焦ってわたわたと手を振り回せば、カイルさんとキースさんが顔を見合わせた。にやり、と二人同時に悪い顔になる。
「ふぅむ、なるほどなるほど。シーナ・ルー様はヴィクター殿下とは全くもって触れ合いたくない、と。むしろ触れてくれるな、とおっしゃっているようにお見受けしますねぇ」
「ふぅん、へえぇ。そうなのかぁ~。それを聞いたら、ヴィクターもさぞかし悲しがるだろうなぁ~」
「……っ」
私はびっくりして固まった。
いやそんな、全然触れたくないとまでは言ってないし! 触るなとかも思ってないしっ!
(だって……)
ヴィクターに抱き締められて眠った夜。
どん底まで落ち込んでいたはずなのに、心がぽかぽか温かくなったのだ。なんかこう、しっぽが勝手に揺れる程度には……嬉しかった、っていうか?
「ぱ、ぱうぅ」
へにゃりと耳を垂らし、顔を隠してうずくまる。意地悪な男性陣二人の、明るい笑い声が降ってきた。
◇
しばらく待ってもヴィクターが戻ってこないので、私とカイルさんは訓練場に向かうことにした。
ちなみにキースさんは聖堂へと帰っていった。アリバイ作りのため本当に買った絵本は、後日ゆっくり読み聞かせてくれるらしい。ちょっと楽しみ。
カイルさんは特に急ぐ様子もなく、のんびりした足取りで廊下を進んでいく。彼の手の中でくつろいでいると、カイルさんは小さく含み笑いした。
「ああ、楽しかったなぁ。ヴィクターがいないお陰で、久しぶりにシーナちゃんの毛並みを思う存分堪能できたよ」
「……ぱぇ?」
いや、別にヴィクターがいたって撫でればいいじゃん?
カイルさんは動物の扱いが丁寧だし、どこが心地いいかのツボも心得ている。だからいつでも大歓迎。
シーナちゃんの時には私の感覚も人間時と変わっているらしく、異性から撫でられることに羞恥心はない。よって、どんどん好きにもふるがよい。
伸び上がるようにして彼を見上げ、そんな感じのことをぱえぱえ訴えた。カイルさんが苦笑する。
「何を言ってるか、大体わかる気がするけど。それは駄目なんだよ、シーナちゃん。オレも最近知ったばっかだけど、ヴィクターって実はね……」
声をひそめた瞬間、廊下の曲がり角でばったりヴィクターと行き合った。カイルさんの手の中の私を見て、ヴィクターはなぜかみるみる表情を険しくする。
「ぱぇぱぁ?」
くく、とカイルさんが笑った。
すばやくヴィクターの肩に私を移動させ、ひらひらと手を振る。
「じゃ、オレは先にお昼行ってくるね。ヴィクターは認可待ちの書類の決裁をよろしく」
「……ああ」
嫌そうに首肯して、足早に執務室の方向へと歩き出した。ヴィクターの肩に爪を立てつつ、私は遠ざかるカイルさんを振り返る。
(ねえ、カイルさん。さっき言いかけたのって……?)
「あっ、そうそうシーナちゃん!」
さっと身を翻すと、カイルさんは大きく叫んだ。
「ヴィクターって実はね、すっごいヤキモチ焼きなんだよ! だからあんまり、他の人間に撫でさせちゃ駄目だよ~!」
「な……っ!? おいカイル、貴様っ」
ヴィクターが途端に目元を赤く染め上げた。
私はびっくりして、ヴィクターとカイルさんを見比べる。カイルさんはさらに口角を吊り上げ、にやっと笑った。
「ヴィクターもね。隠してるけど、シーナちゃんって本当はヴィクターと触れ合うのが大好きみたいだよ? さっきそう指摘したら、耳を垂らして照れてたからね!」
「ぱぅええぇっ!!?」
ちょっ、カイルさんんん!?
何をいきなり話を捏造! いや事実無根……、ってわけでもないけれど!
(なんてこと言うの~~~っ!!)
ヴィクターが驚いたように私を見る。
どきっとして大慌てでうつむいた。……いや、これじゃあ認めたようなもの、か?
大混乱しているうちに、カイルさんの姿はもう消えていた。ヴィクターが足早に歩き出す。
結局執務室に戻るまで、ヴィクターも私も一言も口をきかないまま。気まずい沈黙に腹が立つやら、いたたまれないやら。
もう、カイルさん!
罰として、しばらくはシーナちゃんをもふるの禁止だからね!
カイルさんがすっとんきょうな声を上げる。
騎士団本部、ヴィクターの執務室。
キースさんからプレゼントされた絵本の山に座り込み、私は重々しく頷いた。
「馬車の中で確認させていただいたのですがね、これもどうやら月の女神ルーナ様のご意思のようなのです。そうですね、シーナ・ルー様?」
「ぱえっ」
頼もしく補足してくれるキースさんに、短い手を振って元気よく応じる。ちなみに不機嫌大爆発ヴィクターは、本部に到着するなり訓練に行ってしまった。
(付いていきたかったけど、カイルさんにも魔素のことをお願いしとかなきゃだしね……)
ヴィクターってば本当、何をいきなり怒っていたんだか。キレポイントが謎すぎる。
しっぽを抱き締めていじけていると、突然体がふわっと浮いた。カイルさんが私を抱き上げたのだ。
なんだかうわの空な様子で私を膝に載せ、カイルさんは「そうかぁ……」と低くうなる。
「なるべく早く、魔素について知りたかったんだけどなぁ。人に聞くのは駄目ってことか」
「おや、カイル。どうやらあなたも知識欲に目覚めたようですね?」
目を輝かせるキースさんに、カイルさんは「全然」とあっさり首を振る。指先で私の毛並みをくすぐり、複雑そうな笑みを浮かべた。
「ヴィクターと人間シーナちゃんの間に立ちふさがる障害を、取り除く手伝いをしたかったんだよ。だってどう考えても可哀想だろ? 魔素のせいでお互い近寄れないんじゃあ、二人は会話どころか、手を繋ぐことすらできないじゃないか」
「ぷぅっ」
私は思いっきり噴いてしまう。
(べ、べべべ別に私っ、ヴィクターと手を繋ぎたいだなんて、これぽっちも思ってませんけど!?)
焦ってわたわたと手を振り回せば、カイルさんとキースさんが顔を見合わせた。にやり、と二人同時に悪い顔になる。
「ふぅむ、なるほどなるほど。シーナ・ルー様はヴィクター殿下とは全くもって触れ合いたくない、と。むしろ触れてくれるな、とおっしゃっているようにお見受けしますねぇ」
「ふぅん、へえぇ。そうなのかぁ~。それを聞いたら、ヴィクターもさぞかし悲しがるだろうなぁ~」
「……っ」
私はびっくりして固まった。
いやそんな、全然触れたくないとまでは言ってないし! 触るなとかも思ってないしっ!
(だって……)
ヴィクターに抱き締められて眠った夜。
どん底まで落ち込んでいたはずなのに、心がぽかぽか温かくなったのだ。なんかこう、しっぽが勝手に揺れる程度には……嬉しかった、っていうか?
「ぱ、ぱうぅ」
へにゃりと耳を垂らし、顔を隠してうずくまる。意地悪な男性陣二人の、明るい笑い声が降ってきた。
◇
しばらく待ってもヴィクターが戻ってこないので、私とカイルさんは訓練場に向かうことにした。
ちなみにキースさんは聖堂へと帰っていった。アリバイ作りのため本当に買った絵本は、後日ゆっくり読み聞かせてくれるらしい。ちょっと楽しみ。
カイルさんは特に急ぐ様子もなく、のんびりした足取りで廊下を進んでいく。彼の手の中でくつろいでいると、カイルさんは小さく含み笑いした。
「ああ、楽しかったなぁ。ヴィクターがいないお陰で、久しぶりにシーナちゃんの毛並みを思う存分堪能できたよ」
「……ぱぇ?」
いや、別にヴィクターがいたって撫でればいいじゃん?
カイルさんは動物の扱いが丁寧だし、どこが心地いいかのツボも心得ている。だからいつでも大歓迎。
シーナちゃんの時には私の感覚も人間時と変わっているらしく、異性から撫でられることに羞恥心はない。よって、どんどん好きにもふるがよい。
伸び上がるようにして彼を見上げ、そんな感じのことをぱえぱえ訴えた。カイルさんが苦笑する。
「何を言ってるか、大体わかる気がするけど。それは駄目なんだよ、シーナちゃん。オレも最近知ったばっかだけど、ヴィクターって実はね……」
声をひそめた瞬間、廊下の曲がり角でばったりヴィクターと行き合った。カイルさんの手の中の私を見て、ヴィクターはなぜかみるみる表情を険しくする。
「ぱぇぱぁ?」
くく、とカイルさんが笑った。
すばやくヴィクターの肩に私を移動させ、ひらひらと手を振る。
「じゃ、オレは先にお昼行ってくるね。ヴィクターは認可待ちの書類の決裁をよろしく」
「……ああ」
嫌そうに首肯して、足早に執務室の方向へと歩き出した。ヴィクターの肩に爪を立てつつ、私は遠ざかるカイルさんを振り返る。
(ねえ、カイルさん。さっき言いかけたのって……?)
「あっ、そうそうシーナちゃん!」
さっと身を翻すと、カイルさんは大きく叫んだ。
「ヴィクターって実はね、すっごいヤキモチ焼きなんだよ! だからあんまり、他の人間に撫でさせちゃ駄目だよ~!」
「な……っ!? おいカイル、貴様っ」
ヴィクターが途端に目元を赤く染め上げた。
私はびっくりして、ヴィクターとカイルさんを見比べる。カイルさんはさらに口角を吊り上げ、にやっと笑った。
「ヴィクターもね。隠してるけど、シーナちゃんって本当はヴィクターと触れ合うのが大好きみたいだよ? さっきそう指摘したら、耳を垂らして照れてたからね!」
「ぱぅええぇっ!!?」
ちょっ、カイルさんんん!?
何をいきなり話を捏造! いや事実無根……、ってわけでもないけれど!
(なんてこと言うの~~~っ!!)
ヴィクターが驚いたように私を見る。
どきっとして大慌てでうつむいた。……いや、これじゃあ認めたようなもの、か?
大混乱しているうちに、カイルさんの姿はもう消えていた。ヴィクターが足早に歩き出す。
結局執務室に戻るまで、ヴィクターも私も一言も口をきかないまま。気まずい沈黙に腹が立つやら、いたたまれないやら。
もう、カイルさん!
罰として、しばらくはシーナちゃんをもふるの禁止だからね!
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