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番外編
聖女と老いた魔導士
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城下町の爆発騒ぎより少し前に、話は遡る。
「では、先ほど教えた通りにやってみてくだされ」
王宮の広い庭園の片隅で、聖女エミと年老いた魔導士が向かいあっていた。
「よっしゃ、じゃ、いっちょかますよお~♡」
エミが片手をあげると、巨大な煙のようなものが膨れ上がった。その煙は雲となって太陽の光を遮り、やがて雷雨となり、エミのいる辺り一帯だけ暴風雨となっていく。
エミのすさまじい魔法を見た魔導士が「ふおお」と驚嘆の声を上げる。
「なんと……! 古の魔法の再来じゃ……」
「ぎゃーっ、マジでちょ~雨降ってる! ヤバいって! メイクが崩れるって! ツケマが取れちゃう!」
エミは大慌てで片手を振る。すると、雲はあっという間に霧散して消え失せた。
魔導士はすっかりずぶ濡れになったコートを重そうに引きずりながら、エミの近くに走り寄る。
「……すばらしい、すばらしいですぞ! 聖女様の力がこれほどまでとは!」
「えへへ~、せんせーってば、何やっても褒めてくれるんだもん。照れるってばぁ」
「何をおっしゃるのです! これほどの魔力を完璧に制御するなど、並大抵の魔法使いでは不可能! エミ様は間違いなく稀代の天才です。儂からはもうなにも教えることはありませぬ」
深紫色のローブを纏った魔導士が、惜しみない賛辞をエミに送る。腰の曲がった魔道士の名前はオルコ・フィラルコ。通称老オルコと呼ばれる彼は、フィラルコ家の前筆頭である。現在は、高齢を理由に引退生活をしているものの、いまだにサンクトハノーシュ王国一の魔導士として名高い。王族からの信頼も厚く、数々の勲章を授けられている。
そんな優れた魔導士とエミがなぜ対峙しているのかといえば、魔法を習いたいと言うエミに、はりきったサクラが最高の講師を探してきたのだ。
エミが老オルコから手ほどきをうけるのは、今日で三回目である。しかし、老オルコはこれ以上エミにはなにも教えられないと悟った。
「いやはや、大したものです。聖女様に魔法を教えるなどという大役をサクラ様から仰せつかり、儂にできることがあればと喜んでお引き受けしましたが、エミ様がこれほどまでにすばらしい才能をお持ちだとは……」
老オルコは興奮したようにまくしたてる。エミは「それほどでもないよぉ」と本気の謙遜をしているが、当然ながらとんでもないことをやってのけている。
そもそもエミに与えられた魔力の量は段違いであり、ポテンシャルが高すぎるのだ。「ちょい見てて~」と、エミが鼻歌交じりに無詠唱で高度魔法を展開したとき、オルコは興奮のあまり失神しかけた。
老オルコはたっぷりとたくわえたあごひげをしきりに撫で、思案げな顔をする。
「うーむ、我が家門だけの知識では、聖女様には物足りぬことでしょう。次回はベビヒアン家のショーレンを呼びましょうか。あの家門であれば古の魔法の知識もあることでしょう」
「めっちゃ楽しそう! でも、それでいいの? 魔導士の人たちって、あんまり外部の人たちに魔法を教えたがらないって、魔法の授業のとき聞いた気がするんだけど」
「それは過去の話です。サンクトハノーシュ王国の魔法使いの家門は、代々魔法の知識を秘匿にし、独占してきました。しかし、独占することで我々は切磋琢磨を怠り、ついに魔力すらも衰えていき、術式と呪文に頼る魔導士に成り下がった。魔法使いは、ついに滅びた……」
老オルコは、己の過去を恥じるように残念そうに目を伏せた。
「その流れを変えたのが、貴女様の婚約者、ソーオン伯です。彼は若くして才覚を現し、古代の書物から魔法研究を行った。正直なことを申し上げますと、当初は我が同胞たちもソーオン伯を侮っておりました。ソーオン家は魔導士を排出する家門ではなかったゆえ……」
「……そうなんだ」
「しかし、ソーオン伯はたったおひとりで魔法研究をやりとげました。才能ではなく、知識と機転、家門に囚われない自由な発想で、滅びたはずの魔法知識を再構築したのです。儂ら魔導士はソーオン伯の研究結果に驚き、大いに自らの驕りを恥じました。そして三年前、ついに魔道士たちは家門の利害を超えた協力関係を築く協定を結んだのです」
魔道士を多く排出する家門が協定を結んでからというもの、魔道士同士の交流は活発になった。そのおかげで、多くの知識と知識が結びつき、サンクトハノーシュ王国の魔術はまさにいま、少しずつ発展しつつある。
「このようなきっかけを作ってくださったのは、ソーオン伯他なりません」
「わーお、マジで!? ハクシャクってめっちゃスゴい人だったんだ!」
「ええ、貴女様の婚約者様は、間違いなくこの国の魔法研究に大きな影響を残した人物として歴史に名を刻むことになるでしょう。まあ、もっぱらそれは生物学や薬理学、法学にも言えることですが……」
「んふふ、ハクシャクのこと、やって褒めてもらえると、あたしまで誇らしくなっちゃうな~。さすがあたしのダーリン♡」
「ええ、ソーオン伯様の研究は多岐にわたりますからね。そういえば、つい二週間前にソーオン伯は老ジョン・サーンの提唱についての論文を発表しておりましたな。まったく、あの方の研究には毎回驚かされる。あの研究は聖女エミ様のご助力あってこそと伺っております」
「え~~、あたし大したことしてないってぇ! でも、ちょっとでも力になれたんだったら、超うれぴー♡」
はにかむエミが赤くなった頬を両手でおさえる。老オルコは眼を細めた。
「聖女様が婚約者になられて、ソーオン伯も幸せでしょう」
「えっ、なになに、急に褒められると照れピなんですけど! でも、あたしだってまだまだだよぉ」
「前向きかつ謙虚で、親しみやすいそのお人柄に、ソーオン伯は救われるところも多いでしょう。天才は、孤立するものです。ソーオン伯も例外ではない」
「…………」
「だからこそ、支えてあげてくだされ」
「うん、もちろん!」
エミは力強く、迷いなく頷いた。そんなエミをまぶしそうに見つめて、老オルコはゆったりと立ち上がる。そろそろおしゃべりの時間は終わりだ。
「それでは、もう少しだけ講義を続けましょう。次はどんな魔法がよろしいか」
「えーっと、メイクが崩れないタイプの魔法がいい!」
「ほほう、いいですぞ。それでは雷の魔法なんていうのはどうですかな?」
「おけまるー!」
雲一つないうららかな昼下がりの庭園に超巨大な雷が落ちて大騒ぎになったのは、それから数分後のことだった。
「では、先ほど教えた通りにやってみてくだされ」
王宮の広い庭園の片隅で、聖女エミと年老いた魔導士が向かいあっていた。
「よっしゃ、じゃ、いっちょかますよお~♡」
エミが片手をあげると、巨大な煙のようなものが膨れ上がった。その煙は雲となって太陽の光を遮り、やがて雷雨となり、エミのいる辺り一帯だけ暴風雨となっていく。
エミのすさまじい魔法を見た魔導士が「ふおお」と驚嘆の声を上げる。
「なんと……! 古の魔法の再来じゃ……」
「ぎゃーっ、マジでちょ~雨降ってる! ヤバいって! メイクが崩れるって! ツケマが取れちゃう!」
エミは大慌てで片手を振る。すると、雲はあっという間に霧散して消え失せた。
魔導士はすっかりずぶ濡れになったコートを重そうに引きずりながら、エミの近くに走り寄る。
「……すばらしい、すばらしいですぞ! 聖女様の力がこれほどまでとは!」
「えへへ~、せんせーってば、何やっても褒めてくれるんだもん。照れるってばぁ」
「何をおっしゃるのです! これほどの魔力を完璧に制御するなど、並大抵の魔法使いでは不可能! エミ様は間違いなく稀代の天才です。儂からはもうなにも教えることはありませぬ」
深紫色のローブを纏った魔導士が、惜しみない賛辞をエミに送る。腰の曲がった魔道士の名前はオルコ・フィラルコ。通称老オルコと呼ばれる彼は、フィラルコ家の前筆頭である。現在は、高齢を理由に引退生活をしているものの、いまだにサンクトハノーシュ王国一の魔導士として名高い。王族からの信頼も厚く、数々の勲章を授けられている。
そんな優れた魔導士とエミがなぜ対峙しているのかといえば、魔法を習いたいと言うエミに、はりきったサクラが最高の講師を探してきたのだ。
エミが老オルコから手ほどきをうけるのは、今日で三回目である。しかし、老オルコはこれ以上エミにはなにも教えられないと悟った。
「いやはや、大したものです。聖女様に魔法を教えるなどという大役をサクラ様から仰せつかり、儂にできることがあればと喜んでお引き受けしましたが、エミ様がこれほどまでにすばらしい才能をお持ちだとは……」
老オルコは興奮したようにまくしたてる。エミは「それほどでもないよぉ」と本気の謙遜をしているが、当然ながらとんでもないことをやってのけている。
そもそもエミに与えられた魔力の量は段違いであり、ポテンシャルが高すぎるのだ。「ちょい見てて~」と、エミが鼻歌交じりに無詠唱で高度魔法を展開したとき、オルコは興奮のあまり失神しかけた。
老オルコはたっぷりとたくわえたあごひげをしきりに撫で、思案げな顔をする。
「うーむ、我が家門だけの知識では、聖女様には物足りぬことでしょう。次回はベビヒアン家のショーレンを呼びましょうか。あの家門であれば古の魔法の知識もあることでしょう」
「めっちゃ楽しそう! でも、それでいいの? 魔導士の人たちって、あんまり外部の人たちに魔法を教えたがらないって、魔法の授業のとき聞いた気がするんだけど」
「それは過去の話です。サンクトハノーシュ王国の魔法使いの家門は、代々魔法の知識を秘匿にし、独占してきました。しかし、独占することで我々は切磋琢磨を怠り、ついに魔力すらも衰えていき、術式と呪文に頼る魔導士に成り下がった。魔法使いは、ついに滅びた……」
老オルコは、己の過去を恥じるように残念そうに目を伏せた。
「その流れを変えたのが、貴女様の婚約者、ソーオン伯です。彼は若くして才覚を現し、古代の書物から魔法研究を行った。正直なことを申し上げますと、当初は我が同胞たちもソーオン伯を侮っておりました。ソーオン家は魔導士を排出する家門ではなかったゆえ……」
「……そうなんだ」
「しかし、ソーオン伯はたったおひとりで魔法研究をやりとげました。才能ではなく、知識と機転、家門に囚われない自由な発想で、滅びたはずの魔法知識を再構築したのです。儂ら魔導士はソーオン伯の研究結果に驚き、大いに自らの驕りを恥じました。そして三年前、ついに魔道士たちは家門の利害を超えた協力関係を築く協定を結んだのです」
魔道士を多く排出する家門が協定を結んでからというもの、魔道士同士の交流は活発になった。そのおかげで、多くの知識と知識が結びつき、サンクトハノーシュ王国の魔術はまさにいま、少しずつ発展しつつある。
「このようなきっかけを作ってくださったのは、ソーオン伯他なりません」
「わーお、マジで!? ハクシャクってめっちゃスゴい人だったんだ!」
「ええ、貴女様の婚約者様は、間違いなくこの国の魔法研究に大きな影響を残した人物として歴史に名を刻むことになるでしょう。まあ、もっぱらそれは生物学や薬理学、法学にも言えることですが……」
「んふふ、ハクシャクのこと、やって褒めてもらえると、あたしまで誇らしくなっちゃうな~。さすがあたしのダーリン♡」
「ええ、ソーオン伯様の研究は多岐にわたりますからね。そういえば、つい二週間前にソーオン伯は老ジョン・サーンの提唱についての論文を発表しておりましたな。まったく、あの方の研究には毎回驚かされる。あの研究は聖女エミ様のご助力あってこそと伺っております」
「え~~、あたし大したことしてないってぇ! でも、ちょっとでも力になれたんだったら、超うれぴー♡」
はにかむエミが赤くなった頬を両手でおさえる。老オルコは眼を細めた。
「聖女様が婚約者になられて、ソーオン伯も幸せでしょう」
「えっ、なになに、急に褒められると照れピなんですけど! でも、あたしだってまだまだだよぉ」
「前向きかつ謙虚で、親しみやすいそのお人柄に、ソーオン伯は救われるところも多いでしょう。天才は、孤立するものです。ソーオン伯も例外ではない」
「…………」
「だからこそ、支えてあげてくだされ」
「うん、もちろん!」
エミは力強く、迷いなく頷いた。そんなエミをまぶしそうに見つめて、老オルコはゆったりと立ち上がる。そろそろおしゃべりの時間は終わりだ。
「それでは、もう少しだけ講義を続けましょう。次はどんな魔法がよろしいか」
「えーっと、メイクが崩れないタイプの魔法がいい!」
「ほほう、いいですぞ。それでは雷の魔法なんていうのはどうですかな?」
「おけまるー!」
雲一つないうららかな昼下がりの庭園に超巨大な雷が落ちて大騒ぎになったのは、それから数分後のことだった。
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