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2章 二人の前途は多難です!
悪女、気付く!
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「あの馬鹿王子、エミたそに接近禁止令がでてるからって代わりに婚約者のアレキセーヌをよこしたんだわ。普通、そこまでする?」
サクラは舌打ち混じりにつぶやいた。
先日、エリックは嫌がるエミに「妾になれ」と詰め寄った一件で、エミから一部始終を聞いたサクラは大激怒し、国王を通じて第一王子に厳重抗議した。事なかれ主義の国王もさすがに呆れたらしく、エリックにはしばらくエミに近づかないよう、接近禁止令が出たのだ。
父親である国王の命令には、さすがのエリックも従わざるをえない。そこで、エリックは知恵を絞って婚約者のアレキセーヌをサクラのパーティーに遣わせたのだ。
聖女二人の前に立ったアレキセーヌは、優雅にお辞儀をする。
「アレキセーヌ・フォン・ボルタリア、婚約者のエリック様に代わりまして、ここに推参いたしましたわ。まったく、第一王子とその婚約者をパーティーに呼んでくれないなんて、ずいぶんさみしいことをしてくださるのね! わたくし、拗ねてしまうところでしたわ」
「あんたたちふたりを、私のパーティーに招待するわけがないでしょ。パーティーが白けちゃうわ」
「あらあら、冷たいこと。まあ、サクラ様は第二王子の婚約者といえども、しょせん異世界からいらした方ですものね。これしきの非礼は不問にして差し上げましょう」
アレキセーヌは手をひらひらとさせる。アレキセーヌの目は、好戦的にらんらんと光っていた。さながら、歴戦の傭兵のような目だ。そんなアレキセーヌを、負けじとサクラは睨めつけた。
「招いていないパーティーに押しかけるほうが、よっぽどマナー違反だと思うけど?」
「まあ、噂通り揚げ足取りが上手だこと! 正論ばかりの女はモテませんわよぉ?」
「はあ? 余計なお世話なんですけど!」
「オホホ、自覚があるようなら、その癖は直したほうがいいんじゃなくて? 王宮で生きていくには、適当に受け流すことも大事ですわよ? ……とまあ、サクラ様とのお話はここまでにしましょう。聖女エミ様!」
アレキセーヌは、急にサクラの隣に座るエミをキッと睨めつける。
「話は聞きましてよ? エリック様の求愛を、エミ様はすげなく却下されたとか! エリック様ったらすっかり凹んでいてとにかくめんどくさ――、……いえ、なんでもありませんわ。とにかく、この国の第一王子に無礼を働いた自覚はありまして!?」
「や~ん、アッちゃん怒らないでぇ!」
「へっ……? ……あ、アッちゃん? ええっと、もしかしなくても、アレキセーヌのことをアッちゃんと呼んでいらっしゃるの?」
「あっ、勝手にあだ名つけてごめんちょ~! あたし、横文字苦手だから覚えられなくってさぁ」
エミは照れたようにへにゃっと笑って頭をかく。その顔に敵意は一切ない。まがりなりにも、一応アレキセーヌはエミの婚約者を奪った側なのだが、エミはそのことをすっかり忘れたかのような顔をしている。
アレキセーヌは肩透かしを食らったような顔をしたものの、小さくため息をついた。
「エミ様と喋ってると、なんだか調子が狂いますわ。……ま、まあ、第一王子のエリック様より伝言を預かっているので申し上げます。『お前は俺の女だ。覚悟を決めておくように』、とのこと」
「え、ええ……」
「なんですの、その反応は! これは誠に光栄なことなのですわよ? もっとお喜びになって!」
アレキセーヌは高笑いする。パーティー会場がいっせいにざわめいた。数ヶ月前に自分から婚約破棄を申し出たはずの第一王子が、元婚約者に対して「俺の女」呼ばわりをしたのだ。しかも、それを伝えたのが現婚約者のアレキセーヌである。突っこみどころ満載だ。
エミがなにか答える前に、激高したサクラが先に口を開いた。
「ふざけないでよっ!! エミたそがあの馬鹿王子の女? どの面下げてそんなことが言えるのよ!」
「王族は配偶者を複数持っても問題ありませんわ。現に、歴史上の国王たちも一夫多妻だった例もございますもの」
「だからといって、一方的に婚約者破棄したアイツが、今になってまたエミたそを妾にしたいだなんて、あんまりにも身勝手すぎるでしょ!」
いまにもアレキセーヌに掴みかからんばかりの勢いで、サクラは詰め寄った。周りの貴族たちも、エミやサクラに同情したような顔をしている。中には、声を潜めてと第一王子やアレキセーヌを批判するものもいた。
アレキセーヌは完全に孤立無援だったものの、相変わらず艶然と笑っている。この状況下でも一歩も引く気はないらしい。
パーティー会場の空気は冷え切っていた。冷たい木枯らしがただ広い庭の木々を揺らす。
緊迫した空気が漂うなか、すっかり蚊帳の外だったエミがおずおずと口を開いた。
「……えーっと、アっちゃんはそれでいいの?」
予期せぬ一言だった。アレキセーヌは不可解な顔をする。
「……なにをおっしゃっていますの? 別に構いませんことよ。わたくし、金と権力のある男の子種は人類の共有財産だと思ってますの。ですから、エリック様がエミ様を妾として王宮に迎えても、わたくしは歓迎します。なんでしたら、エリック様には酒池肉林してもらっても構わな……」
「ウワーッ! ちょっと、エミたその耳が穢れちゃうでしょ! それ以上喋るの止めてくれない!?」
「オホホ、サクラ様はまだまだ甘いですわねぇ。恋愛だの幸せだの、貴族の子女に生まれた以上は諦めればなりませんのよ。わたくしたちは、家門のために尽くすのがお役目ですもの」
きっぱりと言い放つアレキセーヌを、エミは相変わらずじっと見つめている。そのまっすぐな瞳は、心配そうな色が浮かんでいた。
ややあって、エミはおずおずとアレキセーヌに訊ねる。
「それって、本心なの? アッちゃんは、傷ついてない?」
「わ、わたくしが、傷ついて……?」
アレキセーヌの瞳が揺れた。
名家ボルタリア家の長女として、アレキセーヌはいつも周囲の人々の意見を優先させてきた。父親の命令で色仕掛けで第一王子を陥落させ、第一王子の婚約者として選ばれてからは、エリックの度が過ぎたわがままにも笑顔で従ってきた。
アレキセーヌの意思は、いつだって無視されてきたのだ。
現に、今日だってアレキセーヌはエリックのありえない命令に従ってここにいるだけ。貴族たちからどんなに非難され、冷たい目で見られても、アレキセーヌは命じられたまま、マリオネットのように完璧に理想的な令嬢として振る舞っている。それが自分の意志に沿うようなものでないとしても。
(だって、それがアレキセーヌの役割ですもの……)
しかし、目の前にいる聖女エミは、そんなアレキセーヌを心の底から心配している。軽視されてきたアレキセーヌの気持ちに、寄り添おうとしているのだ。過去に彼女の婚約者である第一王子を奪ったというのに。
エミは相変わらず、気づかわしげな目でアレキセーヌを見つめていた。
「アッちゃんマジで大丈夫そう? イヤだったらちゃんと言いなー? 頼りないだろうけど、あたしが味方になってもいいし」
「で、でも、わたくしが命令に従わなければ他の人の迷惑に……」
「迷惑かけたって、ぜんぜん大丈夫だって。人間、どうしても間違っちゃうことってあるじゃん? でもちゃんと理由を話して素直に謝れば、意外とみんなわかってくれるよ?」
エミの素直な言葉は、アレキセーヌの乾ききった心を潤していく。
「本当に、話したらわかってもらえるかしら?」
「もちろんじゃん! なんとかなるよ」
エミは親指をぐっと立てた。
エミの言っていることは、まったく根拠がない。それでも、エミがいうとなぜかなんとかなるような、妙な説得力があった。
ややあって、アレキセーヌは諦めたように微笑む。
「……っもう、最初から最後まで、わたくしはエミ様には敵いませんわねぇ。わたくしの完敗です。気分が悪くなったということにして、わたくしはこれで退散しましょう。実を言えば、わたくしだってこのようなことはしたくありませんもの」
アレキセーヌはパチンと手を叩いて、くるりと踵を返す。その顔は、先ほどまでと打って変わって、どこか吹っ切れたような顔だった。その足取りは、自信に満ちあふれている。
アレキセーヌは、去り際ににくるりとサクラのほうを振り向く。
「サクラ様、一言だけいいかしら」
「えっ、急に何よ?」
「例の騒動は、今日決行の予定ですわ。わたくしはただの時間稼ぎで来ただけです」
「……なんですって!?」
「信じるか信じないかはお任せいたしますけれど、お急ぎになったほうが良いのではなくて?」
アレキセーヌは口角をきゅっと上げて微笑み、片目をつぶる。それは意外なほどにチャーミングなウィンクだった。
サクラは舌打ち混じりにつぶやいた。
先日、エリックは嫌がるエミに「妾になれ」と詰め寄った一件で、エミから一部始終を聞いたサクラは大激怒し、国王を通じて第一王子に厳重抗議した。事なかれ主義の国王もさすがに呆れたらしく、エリックにはしばらくエミに近づかないよう、接近禁止令が出たのだ。
父親である国王の命令には、さすがのエリックも従わざるをえない。そこで、エリックは知恵を絞って婚約者のアレキセーヌをサクラのパーティーに遣わせたのだ。
聖女二人の前に立ったアレキセーヌは、優雅にお辞儀をする。
「アレキセーヌ・フォン・ボルタリア、婚約者のエリック様に代わりまして、ここに推参いたしましたわ。まったく、第一王子とその婚約者をパーティーに呼んでくれないなんて、ずいぶんさみしいことをしてくださるのね! わたくし、拗ねてしまうところでしたわ」
「あんたたちふたりを、私のパーティーに招待するわけがないでしょ。パーティーが白けちゃうわ」
「あらあら、冷たいこと。まあ、サクラ様は第二王子の婚約者といえども、しょせん異世界からいらした方ですものね。これしきの非礼は不問にして差し上げましょう」
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「招いていないパーティーに押しかけるほうが、よっぽどマナー違反だと思うけど?」
「まあ、噂通り揚げ足取りが上手だこと! 正論ばかりの女はモテませんわよぉ?」
「はあ? 余計なお世話なんですけど!」
「オホホ、自覚があるようなら、その癖は直したほうがいいんじゃなくて? 王宮で生きていくには、適当に受け流すことも大事ですわよ? ……とまあ、サクラ様とのお話はここまでにしましょう。聖女エミ様!」
アレキセーヌは、急にサクラの隣に座るエミをキッと睨めつける。
「話は聞きましてよ? エリック様の求愛を、エミ様はすげなく却下されたとか! エリック様ったらすっかり凹んでいてとにかくめんどくさ――、……いえ、なんでもありませんわ。とにかく、この国の第一王子に無礼を働いた自覚はありまして!?」
「や~ん、アッちゃん怒らないでぇ!」
「へっ……? ……あ、アッちゃん? ええっと、もしかしなくても、アレキセーヌのことをアッちゃんと呼んでいらっしゃるの?」
「あっ、勝手にあだ名つけてごめんちょ~! あたし、横文字苦手だから覚えられなくってさぁ」
エミは照れたようにへにゃっと笑って頭をかく。その顔に敵意は一切ない。まがりなりにも、一応アレキセーヌはエミの婚約者を奪った側なのだが、エミはそのことをすっかり忘れたかのような顔をしている。
アレキセーヌは肩透かしを食らったような顔をしたものの、小さくため息をついた。
「エミ様と喋ってると、なんだか調子が狂いますわ。……ま、まあ、第一王子のエリック様より伝言を預かっているので申し上げます。『お前は俺の女だ。覚悟を決めておくように』、とのこと」
「え、ええ……」
「なんですの、その反応は! これは誠に光栄なことなのですわよ? もっとお喜びになって!」
アレキセーヌは高笑いする。パーティー会場がいっせいにざわめいた。数ヶ月前に自分から婚約破棄を申し出たはずの第一王子が、元婚約者に対して「俺の女」呼ばわりをしたのだ。しかも、それを伝えたのが現婚約者のアレキセーヌである。突っこみどころ満載だ。
エミがなにか答える前に、激高したサクラが先に口を開いた。
「ふざけないでよっ!! エミたそがあの馬鹿王子の女? どの面下げてそんなことが言えるのよ!」
「王族は配偶者を複数持っても問題ありませんわ。現に、歴史上の国王たちも一夫多妻だった例もございますもの」
「だからといって、一方的に婚約者破棄したアイツが、今になってまたエミたそを妾にしたいだなんて、あんまりにも身勝手すぎるでしょ!」
いまにもアレキセーヌに掴みかからんばかりの勢いで、サクラは詰め寄った。周りの貴族たちも、エミやサクラに同情したような顔をしている。中には、声を潜めてと第一王子やアレキセーヌを批判するものもいた。
アレキセーヌは完全に孤立無援だったものの、相変わらず艶然と笑っている。この状況下でも一歩も引く気はないらしい。
パーティー会場の空気は冷え切っていた。冷たい木枯らしがただ広い庭の木々を揺らす。
緊迫した空気が漂うなか、すっかり蚊帳の外だったエミがおずおずと口を開いた。
「……えーっと、アっちゃんはそれでいいの?」
予期せぬ一言だった。アレキセーヌは不可解な顔をする。
「……なにをおっしゃっていますの? 別に構いませんことよ。わたくし、金と権力のある男の子種は人類の共有財産だと思ってますの。ですから、エリック様がエミ様を妾として王宮に迎えても、わたくしは歓迎します。なんでしたら、エリック様には酒池肉林してもらっても構わな……」
「ウワーッ! ちょっと、エミたその耳が穢れちゃうでしょ! それ以上喋るの止めてくれない!?」
「オホホ、サクラ様はまだまだ甘いですわねぇ。恋愛だの幸せだの、貴族の子女に生まれた以上は諦めればなりませんのよ。わたくしたちは、家門のために尽くすのがお役目ですもの」
きっぱりと言い放つアレキセーヌを、エミは相変わらずじっと見つめている。そのまっすぐな瞳は、心配そうな色が浮かんでいた。
ややあって、エミはおずおずとアレキセーヌに訊ねる。
「それって、本心なの? アッちゃんは、傷ついてない?」
「わ、わたくしが、傷ついて……?」
アレキセーヌの瞳が揺れた。
名家ボルタリア家の長女として、アレキセーヌはいつも周囲の人々の意見を優先させてきた。父親の命令で色仕掛けで第一王子を陥落させ、第一王子の婚約者として選ばれてからは、エリックの度が過ぎたわがままにも笑顔で従ってきた。
アレキセーヌの意思は、いつだって無視されてきたのだ。
現に、今日だってアレキセーヌはエリックのありえない命令に従ってここにいるだけ。貴族たちからどんなに非難され、冷たい目で見られても、アレキセーヌは命じられたまま、マリオネットのように完璧に理想的な令嬢として振る舞っている。それが自分の意志に沿うようなものでないとしても。
(だって、それがアレキセーヌの役割ですもの……)
しかし、目の前にいる聖女エミは、そんなアレキセーヌを心の底から心配している。軽視されてきたアレキセーヌの気持ちに、寄り添おうとしているのだ。過去に彼女の婚約者である第一王子を奪ったというのに。
エミは相変わらず、気づかわしげな目でアレキセーヌを見つめていた。
「アッちゃんマジで大丈夫そう? イヤだったらちゃんと言いなー? 頼りないだろうけど、あたしが味方になってもいいし」
「で、でも、わたくしが命令に従わなければ他の人の迷惑に……」
「迷惑かけたって、ぜんぜん大丈夫だって。人間、どうしても間違っちゃうことってあるじゃん? でもちゃんと理由を話して素直に謝れば、意外とみんなわかってくれるよ?」
エミの素直な言葉は、アレキセーヌの乾ききった心を潤していく。
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「もちろんじゃん! なんとかなるよ」
エミは親指をぐっと立てた。
エミの言っていることは、まったく根拠がない。それでも、エミがいうとなぜかなんとかなるような、妙な説得力があった。
ややあって、アレキセーヌは諦めたように微笑む。
「……っもう、最初から最後まで、わたくしはエミ様には敵いませんわねぇ。わたくしの完敗です。気分が悪くなったということにして、わたくしはこれで退散しましょう。実を言えば、わたくしだってこのようなことはしたくありませんもの」
アレキセーヌはパチンと手を叩いて、くるりと踵を返す。その顔は、先ほどまでと打って変わって、どこか吹っ切れたような顔だった。その足取りは、自信に満ちあふれている。
アレキセーヌは、去り際ににくるりとサクラのほうを振り向く。
「サクラ様、一言だけいいかしら」
「えっ、急に何よ?」
「例の騒動は、今日決行の予定ですわ。わたくしはただの時間稼ぎで来ただけです」
「……なんですって!?」
「信じるか信じないかはお任せいたしますけれど、お急ぎになったほうが良いのではなくて?」
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