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2章 二人の前途は多難です!
伯爵、命令する!
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(あの国王はいつもこうだ! こちらの事情を無視して、自分のことしか考えない! どうせこの部屋を選んだのも、『部屋近ければ、その分仕事が頼みやすい』とかそういう理由に決まっている!)
ディルは腕組みをして部屋を歩き回る。与えられた部屋は広く、調度品は一流のものばかりだ。
そして、なによりも目を引くのは真ん中に置かれた書斎机だった。机の上にはすでに書類が山ほど積まれている。さすがのディルもめまいを覚える量だ。
「これを、これから処理するのか……」
「おお、ソーオン伯よ! 待ちわびておったぞ」
ノックもなく突然部屋に入ってきたのは、サンクトハノーシュ王国の国王、サンドリッヒ三世ことサンドリッヒ・アレクサンドル・ハノーラーだった。
でっぷりした身体つきに、肉に埋もれた落ち着きなくきょろきょろ動く小さなブルーの目。ピカピカの王冠がのっている頭は、だいぶ禿げあがっている。服装は白い立派な軍服に赤いマントなのだが、どうも服に着られている感が否めない。
急に現れた国王を、ディルは睨みつけた。
「よりにもよって、なぜ国王の寝室の隣で過ごさなければならないのです! 今すぐ部屋を変えてください!」
本来なら国王と出会った際の長々しい形式ばった挨拶があるのだが、この際省略である。国王もまたディルの態度には慣れた様子で、特に咎めもしない。
「部屋近ければ、その分仕事が頼みやすい。お前の好きな『合理的』とか言うヤツだろう」
「合理性というのは、双方の合意があって成り立つものです。これだから、もう二度とこの王宮には戻ってこないつもりだったのに……」
「な、なぜだ? 儂はお前に馬鹿呼ばわりされても阿呆呼ばわりされても赦しているというのに! こんなに心の広い国王は他にいないじゃろうて。それなのに、早く王宮に戻って来いと儂が命じても、やれ領地業が忙しいだの、国境近くの警備が手薄になるだの理由をつけて辺境に引きこもりよって!」
プリプリと怒る国王に、ディルは低く唸る。
賢王と呼ばれた先代の国王の一人息子であり、権力争いもなく平和的かつ機械的に国王になったサンドリッヒ三世は、彼自身が政治手腕に長けているとは言い難い。
国家運営に関しては、国王自身は基本的に優秀な臣下に丸投げで、そのせいもあって王宮勤めはサンクトハノーシュ一の激務である。
「……私は春までには婚約者と領地で結婚式を挙げたいと考えているため、可及的速やかに帰還します」
「なっ……! お前、まさかあの珍奇な聖女と本気で結婚する気なのか!?」
国王が目を皿のように丸くする。よほど意外だったのだろう。ディルは鼻を鳴らした。
「今さらなにを。聖女エミを私の婚約者として下賜すると決定したのは、王族では」
「いや、それはそうなのだが、儂はただ、お前にあの聖女のお目付役になってほしかっただけじゃ。だからこそ、もし危険であればあの聖女を殺せと命じたわけだし……」
「馬鹿げた命令を……」
物騒な言葉に、ディルは額に手を当てて、頭を振る。
『聖女エミは、危険につき常に監視すべし。もし危険と判断した場合、すみやかに殺せ』
聖女エミがガシュバイフェンにやってきた際、国王直々の手紙はそう書いてあった。ディルはそれを、国王の戯言として完璧に無視していたのだ。
「断言しますが、私は聖女エミを危険だと思ったことは一度もありません」
「しかし、ドラゴンの一件もあっただろう。あの伝説のドラゴンを、あの女め、一撃で倒したそうじゃないか。何と恐ろしい! あれが危険でなくて、なんだと言うのだ!」
「ドラゴンからこの国を救ったのは、間違いなく聖女エミ自身です。その点をお忘れならぬよう」
「いや、それはそうなのだが、その賢い頭でよく考えればわかることだろう。あの珍奇な聖女の魔力は、あまりにも危険すぎる。エリックも常々言っていたが、あの聖女がこの国に居座られては困るのだ。お前だって――」
ガン、というテーブルを叩く鈍い音が、国王の長々とした言葉を遮った。ディルがマホガニーでできたテーブルを拳で叩いたのだ。
サンドリッヒの巨躯が一瞬にして縮こまった。
「そ、そこまで怒らなくてもいいではないか! ディルのいけず!」
「聖女エミは、私の大事な婚約者です。私の婚約者の身を脅かすような発言を繰り返す場合は、彼女を連れて国外逃亡も視野に入れましょう。実は隣国の宰相から右腕にならないかとスカウトされているのですよ」
「そ、そんな……! 儂と婚約者、どっちが大事なんじゃ!」
「婚約者に決まっているでしょうが!」
きっぱりと言い捨てられ、国王はすこぶるショックを受けた顔をした。
「そ、そんなぁ……」
「そんな目で見つめられても、私は意見を曲げません。なにがなんでも、婚約者は私が守り抜く」
ディルの瞳に、強い光が閃いた。確固たる強い意志は、誰にも代えられないだろう。――例え、それがサンクトハノーシュ王国の国王であっても。
ややあって、国王は大きくため息をつく。
「わかったわかった。聖女エミは、お前に任せよう。しかし、危険人物であることには変わらない。ゆめゆめ警戒は怠るなよ」
「……御意」
「しかし、それほどまでに強硬にあの珍奇な聖女を庇うとは、まったく思いつきもしなかった。これはもしかして、あの冷血漢と呼ばれた男が、ついに恋を知ってしまったということなのか……?」
サンドリッヒの淀んだ目が、一瞬好奇心でキラキラときらめいた。この国王は、意外とロマンチックなところがあり、恋バナの類いが大好きなのである。
しかし、ディルが氷のように冷たい目でひと睨みすると、すぐに怯えた顔をした。
「じょ、冗談じゃ! それはさておき、儂は仕事が残っておる。これにて失敬……」
これ以上話をすればディルが機嫌を損ねてまた領地に引きこもりかねないと判断したサンドリッヒは、さっさと部屋を出て行く。
部屋にひとり残されたディルは苦々しくため息をついた。まったく、慌ただしいことこの上ない。
「この先が思いやられるな……。しかしまあ、せっかく首都に来たのだから、やるべきことはやらねばなるまい」
ディルはすぐに侍従を呼ぶベルを鳴らした。すぐに侍従が飛んでくる。
「は、はい! どうなされましたか?」
「問おう。お前は首都に詳しいか?」
「へっ、首都ですか!? ま、まあ、一応は……。出身は城下町ですので、人並みには慣れ親しんではおりますが……」
「では、極秘でお前にミッションを課す」
「ご、極秘でございますか? 重要な案件でしたら、侍従のわたくしめではなく、もっとふさわしい方がいるのでは……」
怯える侍従に、ディルはささやくような声で命令した。
「首都にある婚約指輪の取り扱いがある店をすべてリストアップしろ。あくまでも、極秘に」
「……ッ、へぇ!?」
意表を突かれて間の抜けた返事をしてしまった侍従に、ディルは大真面目に重々しく頷いた。
ディルは腕組みをして部屋を歩き回る。与えられた部屋は広く、調度品は一流のものばかりだ。
そして、なによりも目を引くのは真ん中に置かれた書斎机だった。机の上にはすでに書類が山ほど積まれている。さすがのディルもめまいを覚える量だ。
「これを、これから処理するのか……」
「おお、ソーオン伯よ! 待ちわびておったぞ」
ノックもなく突然部屋に入ってきたのは、サンクトハノーシュ王国の国王、サンドリッヒ三世ことサンドリッヒ・アレクサンドル・ハノーラーだった。
でっぷりした身体つきに、肉に埋もれた落ち着きなくきょろきょろ動く小さなブルーの目。ピカピカの王冠がのっている頭は、だいぶ禿げあがっている。服装は白い立派な軍服に赤いマントなのだが、どうも服に着られている感が否めない。
急に現れた国王を、ディルは睨みつけた。
「よりにもよって、なぜ国王の寝室の隣で過ごさなければならないのです! 今すぐ部屋を変えてください!」
本来なら国王と出会った際の長々しい形式ばった挨拶があるのだが、この際省略である。国王もまたディルの態度には慣れた様子で、特に咎めもしない。
「部屋近ければ、その分仕事が頼みやすい。お前の好きな『合理的』とか言うヤツだろう」
「合理性というのは、双方の合意があって成り立つものです。これだから、もう二度とこの王宮には戻ってこないつもりだったのに……」
「な、なぜだ? 儂はお前に馬鹿呼ばわりされても阿呆呼ばわりされても赦しているというのに! こんなに心の広い国王は他にいないじゃろうて。それなのに、早く王宮に戻って来いと儂が命じても、やれ領地業が忙しいだの、国境近くの警備が手薄になるだの理由をつけて辺境に引きこもりよって!」
プリプリと怒る国王に、ディルは低く唸る。
賢王と呼ばれた先代の国王の一人息子であり、権力争いもなく平和的かつ機械的に国王になったサンドリッヒ三世は、彼自身が政治手腕に長けているとは言い難い。
国家運営に関しては、国王自身は基本的に優秀な臣下に丸投げで、そのせいもあって王宮勤めはサンクトハノーシュ一の激務である。
「……私は春までには婚約者と領地で結婚式を挙げたいと考えているため、可及的速やかに帰還します」
「なっ……! お前、まさかあの珍奇な聖女と本気で結婚する気なのか!?」
国王が目を皿のように丸くする。よほど意外だったのだろう。ディルは鼻を鳴らした。
「今さらなにを。聖女エミを私の婚約者として下賜すると決定したのは、王族では」
「いや、それはそうなのだが、儂はただ、お前にあの聖女のお目付役になってほしかっただけじゃ。だからこそ、もし危険であればあの聖女を殺せと命じたわけだし……」
「馬鹿げた命令を……」
物騒な言葉に、ディルは額に手を当てて、頭を振る。
『聖女エミは、危険につき常に監視すべし。もし危険と判断した場合、すみやかに殺せ』
聖女エミがガシュバイフェンにやってきた際、国王直々の手紙はそう書いてあった。ディルはそれを、国王の戯言として完璧に無視していたのだ。
「断言しますが、私は聖女エミを危険だと思ったことは一度もありません」
「しかし、ドラゴンの一件もあっただろう。あの伝説のドラゴンを、あの女め、一撃で倒したそうじゃないか。何と恐ろしい! あれが危険でなくて、なんだと言うのだ!」
「ドラゴンからこの国を救ったのは、間違いなく聖女エミ自身です。その点をお忘れならぬよう」
「いや、それはそうなのだが、その賢い頭でよく考えればわかることだろう。あの珍奇な聖女の魔力は、あまりにも危険すぎる。エリックも常々言っていたが、あの聖女がこの国に居座られては困るのだ。お前だって――」
ガン、というテーブルを叩く鈍い音が、国王の長々とした言葉を遮った。ディルがマホガニーでできたテーブルを拳で叩いたのだ。
サンドリッヒの巨躯が一瞬にして縮こまった。
「そ、そこまで怒らなくてもいいではないか! ディルのいけず!」
「聖女エミは、私の大事な婚約者です。私の婚約者の身を脅かすような発言を繰り返す場合は、彼女を連れて国外逃亡も視野に入れましょう。実は隣国の宰相から右腕にならないかとスカウトされているのですよ」
「そ、そんな……! 儂と婚約者、どっちが大事なんじゃ!」
「婚約者に決まっているでしょうが!」
きっぱりと言い捨てられ、国王はすこぶるショックを受けた顔をした。
「そ、そんなぁ……」
「そんな目で見つめられても、私は意見を曲げません。なにがなんでも、婚約者は私が守り抜く」
ディルの瞳に、強い光が閃いた。確固たる強い意志は、誰にも代えられないだろう。――例え、それがサンクトハノーシュ王国の国王であっても。
ややあって、国王は大きくため息をつく。
「わかったわかった。聖女エミは、お前に任せよう。しかし、危険人物であることには変わらない。ゆめゆめ警戒は怠るなよ」
「……御意」
「しかし、それほどまでに強硬にあの珍奇な聖女を庇うとは、まったく思いつきもしなかった。これはもしかして、あの冷血漢と呼ばれた男が、ついに恋を知ってしまったということなのか……?」
サンドリッヒの淀んだ目が、一瞬好奇心でキラキラときらめいた。この国王は、意外とロマンチックなところがあり、恋バナの類いが大好きなのである。
しかし、ディルが氷のように冷たい目でひと睨みすると、すぐに怯えた顔をした。
「じょ、冗談じゃ! それはさておき、儂は仕事が残っておる。これにて失敬……」
これ以上話をすればディルが機嫌を損ねてまた領地に引きこもりかねないと判断したサンドリッヒは、さっさと部屋を出て行く。
部屋にひとり残されたディルは苦々しくため息をついた。まったく、慌ただしいことこの上ない。
「この先が思いやられるな……。しかしまあ、せっかく首都に来たのだから、やるべきことはやらねばなるまい」
ディルはすぐに侍従を呼ぶベルを鳴らした。すぐに侍従が飛んでくる。
「は、はい! どうなされましたか?」
「問おう。お前は首都に詳しいか?」
「へっ、首都ですか!? ま、まあ、一応は……。出身は城下町ですので、人並みには慣れ親しんではおりますが……」
「では、極秘でお前にミッションを課す」
「ご、極秘でございますか? 重要な案件でしたら、侍従のわたくしめではなく、もっとふさわしい方がいるのでは……」
怯える侍従に、ディルはささやくような声で命令した。
「首都にある婚約指輪の取り扱いがある店をすべてリストアップしろ。あくまでも、極秘に」
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