36 / 61
2章 二人の前途は多難です!
聖女、錯乱する!(サクラ視点)
しおりを挟む
話は少々遡る。
サンクトハノーシュ王国の白亜の城の木々は、鮮やかに色づき始めていた。
空は快晴で、中庭の廊下を歩く聖女サクラの漆黒の髪を、秋の爽やかな風が揺らす。
「聖女様、ご機嫌麗しゅう! 今日も一段と美しいですな!」
「偉大なる聖女様、万歳! この国に恵みをお与えください!」
すれ違う人々がサクラの顔を見ると恭しく挨拶をする。この国では、漆黒の髪は珍しく、聖女サクラはどこにいても、自然と人々の耳目を集める。
サクラは行き交う人々に微笑みを浮かべ、礼をして応えた。その所作は、非の打ち所がないほど完璧だ。
王子の婚約者としてふさわしい振る舞いに、すれ違う人々はみな一様に好意的な反応だった。
『異世界から来られたというのに、サクラ様は生まれながらにサンクトハノーシュの貴族として育ったようなお方だ』
『第二王子様も、サクラ様のような完璧な婚約者に出会えて幸せだろうなぁ。俺もあんな恋人がほしいよ』
『それに比べて、第一王子様の新しい婚約者ときたら、いまいちパッとしないな。名家の娘ではあるが……』
人々は口々にサクラを絶賛する。王宮内での第二王子の婚約者である聖女サクラの人気は、今やうなぎ上りだった。
しかし、それはサクラのかりそめの姿である。
廊下を抜け、王宮の一角にある婚約者のロイの豪華絢爛な執務室にたどり着いたサクラは、笑顔でメイドたちを下がらせる。
メイドたちがドアをぱたんと閉め、足音が完全に遠くなったその瞬間、サクラは笑顔の仮面をかなぐり捨て、盛大にため息をついた。
「はぁぁあー、本当に嫌になっちゃう! 毎日愛想笑いしなきゃいけないんだもの。頬っぺたが常に引きつりそう。それに、貴族のヤツらったら、媚びへつらってくるくせにちゃっかり見返りを求めてくるから厚かましいったらありゃしない」
天鵞絨張りのソファにどっかと座り、背もたれに全体重を預けたサクラは、もう一度肺の中の空気をすべて吐くようなため息をつく。よほど無理をしているらしい。
執務机で書類に眼を通していたロイは、心配そうにサクラを見つめた。
「君は完璧な婚約者だけど、ちょっと気を張りすぎだ。もうちょっと楽にしてくれてもいいよ」
「大丈夫。この王宮で、私は一瞬たりとも弱みを見せるつもりはないわ」
サクラはぴしゃりと言う。日々の努力は、すべてもう一人の聖女 エミのためだ。
聖女エミ。サクラがこの国で出会った、たった一人の親友である。
「私はね、できるだけ早く、第一王子を凌ぐ権力を手に入れたいの。そして、早く第一王子を失脚させて、エミたそを王宮に戻すのよ! エミたそには、なんとしてでも幸せになってもらうから」
「エミ嬢には、ソーオン伯がいるじゃないか」
「アイツはダメよ! なんか見るからに陰険そうな顔をしていたし、あんな奴、私の可愛いエミたそにふさわしくないわ。なんとしてでも、引きはがしてあげないと……。じっくり、確実に……。ふふ、ふふふふ……」
「サクラ、顔が怖いよ……」
ロイは引きつった笑みを浮かべたあと、さりげなく話題を変えた。
「……そういえば、ついさっきガシュバイフェンから商人が来て、エミ嬢からサクラにって贈り物が届いたよ。僕が代わりに受け取っておいたけど……」
「ええっ、エミたそから!? なんでそれを早く言わないのよ!」
一瞬でサクラの眼がきらきらと輝いた。ロイは乾いた笑みを漏らす。
「エミ嬢への興味のひとかけらでも、僕に向けてほしいなぁ」
「失礼ね。ロイのこともそこそこ気をかけてるわよ。……それにしても、エミたそからプレゼントだなんて!」
サクラはロイからプレゼントを受け取ると、さっそく開封する。
「まったく、エミたそったら全然連絡くれないんだから。まあ、筆不精なのもエミたそらしくて憎めないんだけど――」
ガシュバイフェンの商人が届けたという高級そうな包みから出てきたのは、ピンク色の羽ペンだった。相手に負担にならない程度の、普段使いできる品だ。センスもいい。
ロイは感心したようにため息をつく。
「ふぅん、良いプレゼントだ。エミ嬢はああ見えて、気遣いができるタイプだよねえ……、ってあれ? サクラったらどうしたの?」
「な、なによ、これ……!」
羽ペンを見つめるサクラの形相に、ロイはギョッとした。羽ペンを握りしめるサクラは、わなわなと震えている。
「ど、どうしたの?」
「ねえ、ロイはおかしいと思わないの? エミたそから久しぶりに連絡がきたと思ったら、羽ペンだけ送られてきたのよ!? この意味が分かる?」
「うーん……、ちょっとよく分かんないかな」
「これはきっと、エミたそは手紙も送れないような環境にいるってことよ……! つまり、エミたそはあの冷血伯爵に監禁されてるのッ!!」
「んんん?」
まさかの迷推理に、ロイは面食らう。どこをどう解釈すればそうなるのか。全く理解できない。
「いや、そもそも、この類の軽いプレゼントに手紙が入っていなかったとしても、不自然なことではないと思うんだけど。エミ嬢の筆不精は最初からわかってたことだし……」
「それは違うわ! エミたその隠されたメッセージはちゃんと読み解かないとダメじゃない!」
常識的な指摘をしたロイは、なぜか怒られた。
サクラは落ち着きなく部屋中を歩き回る。
「あの冷血伯爵、可愛くてラブリーなエミたそを地下牢に監禁の上、あんなことやこんなことをしてるのに違いないわ……ッ! だって、エミたそは可愛いものッ……!! 羽ペンを送ってきたってことは、『鳥になって逃げたい』っていう地下牢に繋がれて籠の中の鳥になってしまったエミたその密やかなメッセージなのよ! これは絶対間違いない!」
「サクラ、ちょっと落ち着こう! 邪推だよそれ! 怪しげな恋愛小説の読みすぎだって! 君はたぶん、ソーオン伯を大いに誤解してるよ。彼は意外と常識人だし、同性の僕から見たら、エミ嬢にかなり惚れてたように見えたけど……」
ロイのツッコミに、サクラはもはや聞く耳を持たなかった。
「どうしよう! 時間をかけてでも確実にエミたそを助けようとしてたけど、このままじゃダメ! 今すぐにでも対策を打たなくちゃ。落ち着きなさい私、きっと打開策はあるわ……」
「いや、本当にちょっと落ち着こう!?」
普段は周りの人々が驚くほど明晰な頭脳を持つサクラだったが、もう一人の聖女エミ関係になると冷静さを欠いてしまうという、大いなる欠点がある。ロイは苦い顔をしたものの、こうなるとサクラはだれにも止められない。――そう、婚約者であるロイでさえも。
「こうしちゃいられないわ! エミたそは絶対私が助ける!」
「助けなくていいと思うけど……! エリック兄さんだって、なんだか怪しい動きをしている。こんな時にエミ嬢をこちらに呼んだら、さらに悪いことになるんじゃないかなぁ」
「エミたそに身の危険が迫ってる今、エリックのことなんてどうだっていいわ! 私、いますぐ国王様に会って、エミたそを首都に呼ぶように説得してくる! まずはどうにかしてあの冷血伯爵とエミたそを引きはがすのが先決よ!」
「ああー……」
笑顔のまま、ロイは逡巡する。
(……うーんまあ、ソーオン伯は頑張ってくれ)
サクラの説得をあっさり放棄して、王の間に走るサクラをロイは追いかけ始めた。
こうして、聖女サクラの涙ながらの懇願、第一王子の熱心な働きかけ、ドラゴンの一件によるゴタゴタとその他の宰相の不祥事のあれやこれやすったもんだがあり、ガシュバイフェンにいるソーオン伯とその婚約者エミは、至急国王の勅命で首都へ召致されたのだった。
サンクトハノーシュ王国の白亜の城の木々は、鮮やかに色づき始めていた。
空は快晴で、中庭の廊下を歩く聖女サクラの漆黒の髪を、秋の爽やかな風が揺らす。
「聖女様、ご機嫌麗しゅう! 今日も一段と美しいですな!」
「偉大なる聖女様、万歳! この国に恵みをお与えください!」
すれ違う人々がサクラの顔を見ると恭しく挨拶をする。この国では、漆黒の髪は珍しく、聖女サクラはどこにいても、自然と人々の耳目を集める。
サクラは行き交う人々に微笑みを浮かべ、礼をして応えた。その所作は、非の打ち所がないほど完璧だ。
王子の婚約者としてふさわしい振る舞いに、すれ違う人々はみな一様に好意的な反応だった。
『異世界から来られたというのに、サクラ様は生まれながらにサンクトハノーシュの貴族として育ったようなお方だ』
『第二王子様も、サクラ様のような完璧な婚約者に出会えて幸せだろうなぁ。俺もあんな恋人がほしいよ』
『それに比べて、第一王子様の新しい婚約者ときたら、いまいちパッとしないな。名家の娘ではあるが……』
人々は口々にサクラを絶賛する。王宮内での第二王子の婚約者である聖女サクラの人気は、今やうなぎ上りだった。
しかし、それはサクラのかりそめの姿である。
廊下を抜け、王宮の一角にある婚約者のロイの豪華絢爛な執務室にたどり着いたサクラは、笑顔でメイドたちを下がらせる。
メイドたちがドアをぱたんと閉め、足音が完全に遠くなったその瞬間、サクラは笑顔の仮面をかなぐり捨て、盛大にため息をついた。
「はぁぁあー、本当に嫌になっちゃう! 毎日愛想笑いしなきゃいけないんだもの。頬っぺたが常に引きつりそう。それに、貴族のヤツらったら、媚びへつらってくるくせにちゃっかり見返りを求めてくるから厚かましいったらありゃしない」
天鵞絨張りのソファにどっかと座り、背もたれに全体重を預けたサクラは、もう一度肺の中の空気をすべて吐くようなため息をつく。よほど無理をしているらしい。
執務机で書類に眼を通していたロイは、心配そうにサクラを見つめた。
「君は完璧な婚約者だけど、ちょっと気を張りすぎだ。もうちょっと楽にしてくれてもいいよ」
「大丈夫。この王宮で、私は一瞬たりとも弱みを見せるつもりはないわ」
サクラはぴしゃりと言う。日々の努力は、すべてもう一人の聖女 エミのためだ。
聖女エミ。サクラがこの国で出会った、たった一人の親友である。
「私はね、できるだけ早く、第一王子を凌ぐ権力を手に入れたいの。そして、早く第一王子を失脚させて、エミたそを王宮に戻すのよ! エミたそには、なんとしてでも幸せになってもらうから」
「エミ嬢には、ソーオン伯がいるじゃないか」
「アイツはダメよ! なんか見るからに陰険そうな顔をしていたし、あんな奴、私の可愛いエミたそにふさわしくないわ。なんとしてでも、引きはがしてあげないと……。じっくり、確実に……。ふふ、ふふふふ……」
「サクラ、顔が怖いよ……」
ロイは引きつった笑みを浮かべたあと、さりげなく話題を変えた。
「……そういえば、ついさっきガシュバイフェンから商人が来て、エミ嬢からサクラにって贈り物が届いたよ。僕が代わりに受け取っておいたけど……」
「ええっ、エミたそから!? なんでそれを早く言わないのよ!」
一瞬でサクラの眼がきらきらと輝いた。ロイは乾いた笑みを漏らす。
「エミ嬢への興味のひとかけらでも、僕に向けてほしいなぁ」
「失礼ね。ロイのこともそこそこ気をかけてるわよ。……それにしても、エミたそからプレゼントだなんて!」
サクラはロイからプレゼントを受け取ると、さっそく開封する。
「まったく、エミたそったら全然連絡くれないんだから。まあ、筆不精なのもエミたそらしくて憎めないんだけど――」
ガシュバイフェンの商人が届けたという高級そうな包みから出てきたのは、ピンク色の羽ペンだった。相手に負担にならない程度の、普段使いできる品だ。センスもいい。
ロイは感心したようにため息をつく。
「ふぅん、良いプレゼントだ。エミ嬢はああ見えて、気遣いができるタイプだよねえ……、ってあれ? サクラったらどうしたの?」
「な、なによ、これ……!」
羽ペンを見つめるサクラの形相に、ロイはギョッとした。羽ペンを握りしめるサクラは、わなわなと震えている。
「ど、どうしたの?」
「ねえ、ロイはおかしいと思わないの? エミたそから久しぶりに連絡がきたと思ったら、羽ペンだけ送られてきたのよ!? この意味が分かる?」
「うーん……、ちょっとよく分かんないかな」
「これはきっと、エミたそは手紙も送れないような環境にいるってことよ……! つまり、エミたそはあの冷血伯爵に監禁されてるのッ!!」
「んんん?」
まさかの迷推理に、ロイは面食らう。どこをどう解釈すればそうなるのか。全く理解できない。
「いや、そもそも、この類の軽いプレゼントに手紙が入っていなかったとしても、不自然なことではないと思うんだけど。エミ嬢の筆不精は最初からわかってたことだし……」
「それは違うわ! エミたその隠されたメッセージはちゃんと読み解かないとダメじゃない!」
常識的な指摘をしたロイは、なぜか怒られた。
サクラは落ち着きなく部屋中を歩き回る。
「あの冷血伯爵、可愛くてラブリーなエミたそを地下牢に監禁の上、あんなことやこんなことをしてるのに違いないわ……ッ! だって、エミたそは可愛いものッ……!! 羽ペンを送ってきたってことは、『鳥になって逃げたい』っていう地下牢に繋がれて籠の中の鳥になってしまったエミたその密やかなメッセージなのよ! これは絶対間違いない!」
「サクラ、ちょっと落ち着こう! 邪推だよそれ! 怪しげな恋愛小説の読みすぎだって! 君はたぶん、ソーオン伯を大いに誤解してるよ。彼は意外と常識人だし、同性の僕から見たら、エミ嬢にかなり惚れてたように見えたけど……」
ロイのツッコミに、サクラはもはや聞く耳を持たなかった。
「どうしよう! 時間をかけてでも確実にエミたそを助けようとしてたけど、このままじゃダメ! 今すぐにでも対策を打たなくちゃ。落ち着きなさい私、きっと打開策はあるわ……」
「いや、本当にちょっと落ち着こう!?」
普段は周りの人々が驚くほど明晰な頭脳を持つサクラだったが、もう一人の聖女エミ関係になると冷静さを欠いてしまうという、大いなる欠点がある。ロイは苦い顔をしたものの、こうなるとサクラはだれにも止められない。――そう、婚約者であるロイでさえも。
「こうしちゃいられないわ! エミたそは絶対私が助ける!」
「助けなくていいと思うけど……! エリック兄さんだって、なんだか怪しい動きをしている。こんな時にエミ嬢をこちらに呼んだら、さらに悪いことになるんじゃないかなぁ」
「エミたそに身の危険が迫ってる今、エリックのことなんてどうだっていいわ! 私、いますぐ国王様に会って、エミたそを首都に呼ぶように説得してくる! まずはどうにかしてあの冷血伯爵とエミたそを引きはがすのが先決よ!」
「ああー……」
笑顔のまま、ロイは逡巡する。
(……うーんまあ、ソーオン伯は頑張ってくれ)
サクラの説得をあっさり放棄して、王の間に走るサクラをロイは追いかけ始めた。
こうして、聖女サクラの涙ながらの懇願、第一王子の熱心な働きかけ、ドラゴンの一件によるゴタゴタとその他の宰相の不祥事のあれやこれやすったもんだがあり、ガシュバイフェンにいるソーオン伯とその婚約者エミは、至急国王の勅命で首都へ召致されたのだった。
11
お気に入りに追加
266
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!
美杉。祝、サレ妻コミカライズ化
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』
そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。
目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。
なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。
元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。
ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。
いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。
なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。
このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。
悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。
ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――

偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……
【完結】幼な妻は年上夫を落としたい ~妹のように溺愛されても足りないの~
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
恋愛
この人が私の夫……政略結婚だけど、一目惚れです!
12歳にして、戦争回避のために隣国の王弟に嫁ぐことになった末っ子姫アンジェル。15歳も年上の夫に会うなり、一目惚れした。彼のすべてが大好きなのに、私は年の離れた妹のように甘やかされるばかり。溺愛もいいけれど、妻として愛してほしいわ。
両片思いの擦れ違い夫婦が、本物の愛に届くまで。ハッピーエンド確定です♪
ハッピーエンド確定
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/07/06……完結
2024/06/29……本編完結
2024/04/02……エブリスタ、トレンド恋愛 76位
2024/04/02……アルファポリス、女性向けHOT 77位
2024/04/01……連載開始
落ちぶれて捨てられた侯爵令嬢は辺境伯に求愛される~今からは俺の溺愛ターンだから覚悟して~
しましまにゃんこ
恋愛
年若い辺境伯であるアレクシスは、大嫌いな第三王子ダマスから、自分の代わりに婚約破棄したセシルと新たに婚約を結ぶように頼まれる。実はセシルはアレクシスが長年恋焦がれていた令嬢で。アレクシスは突然のことにとまどいつつも、この機会を逃してたまるかとセシルとの婚約を引き受けることに。
とんとん拍子に話はまとまり、二人はロイター辺境で甘く穏やかな日々を過ごす。少しずつ距離は縮まるものの、時折どこか悲し気な表情を見せるセシルの様子が気になるアレクシス。
「セシルは絶対に俺が幸せにしてみせる!」
だがそんなある日、ダマスからセシルに王都に戻るようにと伝令が来て。セシルは一人王都へ旅立ってしまうのだった。
追いかけるアレクシスと頑なな態度を崩さないセシル。二人の恋の行方は?
すれ違いからの溺愛ハッピーエンドストーリーです。
小説家になろう、他サイトでも掲載しています。
麗しすぎるイラストは汐の音様からいただきました!
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
5分前契約した没落令嬢は、辺境伯の花嫁暮らしを楽しむうちに大国の皇帝の妻になる
西野歌夏
恋愛
ロザーラ・アリーシャ・エヴルーは、美しい顔と妖艶な体を誇る没落令嬢であった。お家の窮状は深刻だ。そこに半年前に陛下から連絡があってー
私の本当の人生は大陸を横断して、辺境の伯爵家に嫁ぐところから始まる。ただ、その前に最初の契約について語らなければならない。没落令嬢のロザーラには、秘密があった。陛下との契約の背景には、秘密の契約が存在した。やがて、ロザーラは花嫁となりながらも、大国ジークベインリードハルトの皇帝選抜に巻き込まれ、陰謀と暗号にまみれた旅路を駆け抜けることになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる