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2章 二人の前途は多難です!
聖女、錯乱する!(サクラ視点)
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話は少々遡る。
サンクトハノーシュ王国の白亜の城の木々は、鮮やかに色づき始めていた。
空は快晴で、中庭の廊下を歩く聖女サクラの漆黒の髪を、秋の爽やかな風が揺らす。
「聖女様、ご機嫌麗しゅう! 今日も一段と美しいですな!」
「偉大なる聖女様、万歳! この国に恵みをお与えください!」
すれ違う人々がサクラの顔を見ると恭しく挨拶をする。この国では、漆黒の髪は珍しく、聖女サクラはどこにいても、自然と人々の耳目を集める。
サクラは行き交う人々に微笑みを浮かべ、礼をして応えた。その所作は、非の打ち所がないほど完璧だ。
王子の婚約者としてふさわしい振る舞いに、すれ違う人々はみな一様に好意的な反応だった。
『異世界から来られたというのに、サクラ様は生まれながらにサンクトハノーシュの貴族として育ったようなお方だ』
『第二王子様も、サクラ様のような完璧な婚約者に出会えて幸せだろうなぁ。俺もあんな恋人がほしいよ』
『それに比べて、第一王子様の新しい婚約者ときたら、いまいちパッとしないな。名家の娘ではあるが……』
人々は口々にサクラを絶賛する。王宮内での第二王子の婚約者である聖女サクラの人気は、今やうなぎ上りだった。
しかし、それはサクラのかりそめの姿である。
廊下を抜け、王宮の一角にある婚約者のロイの豪華絢爛な執務室にたどり着いたサクラは、笑顔でメイドたちを下がらせる。
メイドたちがドアをぱたんと閉め、足音が完全に遠くなったその瞬間、サクラは笑顔の仮面をかなぐり捨て、盛大にため息をついた。
「はぁぁあー、本当に嫌になっちゃう! 毎日愛想笑いしなきゃいけないんだもの。頬っぺたが常に引きつりそう。それに、貴族のヤツらったら、媚びへつらってくるくせにちゃっかり見返りを求めてくるから厚かましいったらありゃしない」
天鵞絨張りのソファにどっかと座り、背もたれに全体重を預けたサクラは、もう一度肺の中の空気をすべて吐くようなため息をつく。よほど無理をしているらしい。
執務机で書類に眼を通していたロイは、心配そうにサクラを見つめた。
「君は完璧な婚約者だけど、ちょっと気を張りすぎだ。もうちょっと楽にしてくれてもいいよ」
「大丈夫。この王宮で、私は一瞬たりとも弱みを見せるつもりはないわ」
サクラはぴしゃりと言う。日々の努力は、すべてもう一人の聖女 エミのためだ。
聖女エミ。サクラがこの国で出会った、たった一人の親友である。
「私はね、できるだけ早く、第一王子を凌ぐ権力を手に入れたいの。そして、早く第一王子を失脚させて、エミたそを王宮に戻すのよ! エミたそには、なんとしてでも幸せになってもらうから」
「エミ嬢には、ソーオン伯がいるじゃないか」
「アイツはダメよ! なんか見るからに陰険そうな顔をしていたし、あんな奴、私の可愛いエミたそにふさわしくないわ。なんとしてでも、引きはがしてあげないと……。じっくり、確実に……。ふふ、ふふふふ……」
「サクラ、顔が怖いよ……」
ロイは引きつった笑みを浮かべたあと、さりげなく話題を変えた。
「……そういえば、ついさっきガシュバイフェンから商人が来て、エミ嬢からサクラにって贈り物が届いたよ。僕が代わりに受け取っておいたけど……」
「ええっ、エミたそから!? なんでそれを早く言わないのよ!」
一瞬でサクラの眼がきらきらと輝いた。ロイは乾いた笑みを漏らす。
「エミ嬢への興味のひとかけらでも、僕に向けてほしいなぁ」
「失礼ね。ロイのこともそこそこ気をかけてるわよ。……それにしても、エミたそからプレゼントだなんて!」
サクラはロイからプレゼントを受け取ると、さっそく開封する。
「まったく、エミたそったら全然連絡くれないんだから。まあ、筆不精なのもエミたそらしくて憎めないんだけど――」
ガシュバイフェンの商人が届けたという高級そうな包みから出てきたのは、ピンク色の羽ペンだった。相手に負担にならない程度の、普段使いできる品だ。センスもいい。
ロイは感心したようにため息をつく。
「ふぅん、良いプレゼントだ。エミ嬢はああ見えて、気遣いができるタイプだよねえ……、ってあれ? サクラったらどうしたの?」
「な、なによ、これ……!」
羽ペンを見つめるサクラの形相に、ロイはギョッとした。羽ペンを握りしめるサクラは、わなわなと震えている。
「ど、どうしたの?」
「ねえ、ロイはおかしいと思わないの? エミたそから久しぶりに連絡がきたと思ったら、羽ペンだけ送られてきたのよ!? この意味が分かる?」
「うーん……、ちょっとよく分かんないかな」
「これはきっと、エミたそは手紙も送れないような環境にいるってことよ……! つまり、エミたそはあの冷血伯爵に監禁されてるのッ!!」
「んんん?」
まさかの迷推理に、ロイは面食らう。どこをどう解釈すればそうなるのか。全く理解できない。
「いや、そもそも、この類の軽いプレゼントに手紙が入っていなかったとしても、不自然なことではないと思うんだけど。エミ嬢の筆不精は最初からわかってたことだし……」
「それは違うわ! エミたその隠されたメッセージはちゃんと読み解かないとダメじゃない!」
常識的な指摘をしたロイは、なぜか怒られた。
サクラは落ち着きなく部屋中を歩き回る。
「あの冷血伯爵、可愛くてラブリーなエミたそを地下牢に監禁の上、あんなことやこんなことをしてるのに違いないわ……ッ! だって、エミたそは可愛いものッ……!! 羽ペンを送ってきたってことは、『鳥になって逃げたい』っていう地下牢に繋がれて籠の中の鳥になってしまったエミたその密やかなメッセージなのよ! これは絶対間違いない!」
「サクラ、ちょっと落ち着こう! 邪推だよそれ! 怪しげな恋愛小説の読みすぎだって! 君はたぶん、ソーオン伯を大いに誤解してるよ。彼は意外と常識人だし、同性の僕から見たら、エミ嬢にかなり惚れてたように見えたけど……」
ロイのツッコミに、サクラはもはや聞く耳を持たなかった。
「どうしよう! 時間をかけてでも確実にエミたそを助けようとしてたけど、このままじゃダメ! 今すぐにでも対策を打たなくちゃ。落ち着きなさい私、きっと打開策はあるわ……」
「いや、本当にちょっと落ち着こう!?」
普段は周りの人々が驚くほど明晰な頭脳を持つサクラだったが、もう一人の聖女エミ関係になると冷静さを欠いてしまうという、大いなる欠点がある。ロイは苦い顔をしたものの、こうなるとサクラはだれにも止められない。――そう、婚約者であるロイでさえも。
「こうしちゃいられないわ! エミたそは絶対私が助ける!」
「助けなくていいと思うけど……! エリック兄さんだって、なんだか怪しい動きをしている。こんな時にエミ嬢をこちらに呼んだら、さらに悪いことになるんじゃないかなぁ」
「エミたそに身の危険が迫ってる今、エリックのことなんてどうだっていいわ! 私、いますぐ国王様に会って、エミたそを首都に呼ぶように説得してくる! まずはどうにかしてあの冷血伯爵とエミたそを引きはがすのが先決よ!」
「ああー……」
笑顔のまま、ロイは逡巡する。
(……うーんまあ、ソーオン伯は頑張ってくれ)
サクラの説得をあっさり放棄して、王の間に走るサクラをロイは追いかけ始めた。
こうして、聖女サクラの涙ながらの懇願、第一王子の熱心な働きかけ、ドラゴンの一件によるゴタゴタとその他の宰相の不祥事のあれやこれやすったもんだがあり、ガシュバイフェンにいるソーオン伯とその婚約者エミは、至急国王の勅命で首都へ召致されたのだった。
サンクトハノーシュ王国の白亜の城の木々は、鮮やかに色づき始めていた。
空は快晴で、中庭の廊下を歩く聖女サクラの漆黒の髪を、秋の爽やかな風が揺らす。
「聖女様、ご機嫌麗しゅう! 今日も一段と美しいですな!」
「偉大なる聖女様、万歳! この国に恵みをお与えください!」
すれ違う人々がサクラの顔を見ると恭しく挨拶をする。この国では、漆黒の髪は珍しく、聖女サクラはどこにいても、自然と人々の耳目を集める。
サクラは行き交う人々に微笑みを浮かべ、礼をして応えた。その所作は、非の打ち所がないほど完璧だ。
王子の婚約者としてふさわしい振る舞いに、すれ違う人々はみな一様に好意的な反応だった。
『異世界から来られたというのに、サクラ様は生まれながらにサンクトハノーシュの貴族として育ったようなお方だ』
『第二王子様も、サクラ様のような完璧な婚約者に出会えて幸せだろうなぁ。俺もあんな恋人がほしいよ』
『それに比べて、第一王子様の新しい婚約者ときたら、いまいちパッとしないな。名家の娘ではあるが……』
人々は口々にサクラを絶賛する。王宮内での第二王子の婚約者である聖女サクラの人気は、今やうなぎ上りだった。
しかし、それはサクラのかりそめの姿である。
廊下を抜け、王宮の一角にある婚約者のロイの豪華絢爛な執務室にたどり着いたサクラは、笑顔でメイドたちを下がらせる。
メイドたちがドアをぱたんと閉め、足音が完全に遠くなったその瞬間、サクラは笑顔の仮面をかなぐり捨て、盛大にため息をついた。
「はぁぁあー、本当に嫌になっちゃう! 毎日愛想笑いしなきゃいけないんだもの。頬っぺたが常に引きつりそう。それに、貴族のヤツらったら、媚びへつらってくるくせにちゃっかり見返りを求めてくるから厚かましいったらありゃしない」
天鵞絨張りのソファにどっかと座り、背もたれに全体重を預けたサクラは、もう一度肺の中の空気をすべて吐くようなため息をつく。よほど無理をしているらしい。
執務机で書類に眼を通していたロイは、心配そうにサクラを見つめた。
「君は完璧な婚約者だけど、ちょっと気を張りすぎだ。もうちょっと楽にしてくれてもいいよ」
「大丈夫。この王宮で、私は一瞬たりとも弱みを見せるつもりはないわ」
サクラはぴしゃりと言う。日々の努力は、すべてもう一人の聖女 エミのためだ。
聖女エミ。サクラがこの国で出会った、たった一人の親友である。
「私はね、できるだけ早く、第一王子を凌ぐ権力を手に入れたいの。そして、早く第一王子を失脚させて、エミたそを王宮に戻すのよ! エミたそには、なんとしてでも幸せになってもらうから」
「エミ嬢には、ソーオン伯がいるじゃないか」
「アイツはダメよ! なんか見るからに陰険そうな顔をしていたし、あんな奴、私の可愛いエミたそにふさわしくないわ。なんとしてでも、引きはがしてあげないと……。じっくり、確実に……。ふふ、ふふふふ……」
「サクラ、顔が怖いよ……」
ロイは引きつった笑みを浮かべたあと、さりげなく話題を変えた。
「……そういえば、ついさっきガシュバイフェンから商人が来て、エミ嬢からサクラにって贈り物が届いたよ。僕が代わりに受け取っておいたけど……」
「ええっ、エミたそから!? なんでそれを早く言わないのよ!」
一瞬でサクラの眼がきらきらと輝いた。ロイは乾いた笑みを漏らす。
「エミ嬢への興味のひとかけらでも、僕に向けてほしいなぁ」
「失礼ね。ロイのこともそこそこ気をかけてるわよ。……それにしても、エミたそからプレゼントだなんて!」
サクラはロイからプレゼントを受け取ると、さっそく開封する。
「まったく、エミたそったら全然連絡くれないんだから。まあ、筆不精なのもエミたそらしくて憎めないんだけど――」
ガシュバイフェンの商人が届けたという高級そうな包みから出てきたのは、ピンク色の羽ペンだった。相手に負担にならない程度の、普段使いできる品だ。センスもいい。
ロイは感心したようにため息をつく。
「ふぅん、良いプレゼントだ。エミ嬢はああ見えて、気遣いができるタイプだよねえ……、ってあれ? サクラったらどうしたの?」
「な、なによ、これ……!」
羽ペンを見つめるサクラの形相に、ロイはギョッとした。羽ペンを握りしめるサクラは、わなわなと震えている。
「ど、どうしたの?」
「ねえ、ロイはおかしいと思わないの? エミたそから久しぶりに連絡がきたと思ったら、羽ペンだけ送られてきたのよ!? この意味が分かる?」
「うーん……、ちょっとよく分かんないかな」
「これはきっと、エミたそは手紙も送れないような環境にいるってことよ……! つまり、エミたそはあの冷血伯爵に監禁されてるのッ!!」
「んんん?」
まさかの迷推理に、ロイは面食らう。どこをどう解釈すればそうなるのか。全く理解できない。
「いや、そもそも、この類の軽いプレゼントに手紙が入っていなかったとしても、不自然なことではないと思うんだけど。エミ嬢の筆不精は最初からわかってたことだし……」
「それは違うわ! エミたその隠されたメッセージはちゃんと読み解かないとダメじゃない!」
常識的な指摘をしたロイは、なぜか怒られた。
サクラは落ち着きなく部屋中を歩き回る。
「あの冷血伯爵、可愛くてラブリーなエミたそを地下牢に監禁の上、あんなことやこんなことをしてるのに違いないわ……ッ! だって、エミたそは可愛いものッ……!! 羽ペンを送ってきたってことは、『鳥になって逃げたい』っていう地下牢に繋がれて籠の中の鳥になってしまったエミたその密やかなメッセージなのよ! これは絶対間違いない!」
「サクラ、ちょっと落ち着こう! 邪推だよそれ! 怪しげな恋愛小説の読みすぎだって! 君はたぶん、ソーオン伯を大いに誤解してるよ。彼は意外と常識人だし、同性の僕から見たら、エミ嬢にかなり惚れてたように見えたけど……」
ロイのツッコミに、サクラはもはや聞く耳を持たなかった。
「どうしよう! 時間をかけてでも確実にエミたそを助けようとしてたけど、このままじゃダメ! 今すぐにでも対策を打たなくちゃ。落ち着きなさい私、きっと打開策はあるわ……」
「いや、本当にちょっと落ち着こう!?」
普段は周りの人々が驚くほど明晰な頭脳を持つサクラだったが、もう一人の聖女エミ関係になると冷静さを欠いてしまうという、大いなる欠点がある。ロイは苦い顔をしたものの、こうなるとサクラはだれにも止められない。――そう、婚約者であるロイでさえも。
「こうしちゃいられないわ! エミたそは絶対私が助ける!」
「助けなくていいと思うけど……! エリック兄さんだって、なんだか怪しい動きをしている。こんな時にエミ嬢をこちらに呼んだら、さらに悪いことになるんじゃないかなぁ」
「エミたそに身の危険が迫ってる今、エリックのことなんてどうだっていいわ! 私、いますぐ国王様に会って、エミたそを首都に呼ぶように説得してくる! まずはどうにかしてあの冷血伯爵とエミたそを引きはがすのが先決よ!」
「ああー……」
笑顔のまま、ロイは逡巡する。
(……うーんまあ、ソーオン伯は頑張ってくれ)
サクラの説得をあっさり放棄して、王の間に走るサクラをロイは追いかけ始めた。
こうして、聖女サクラの涙ながらの懇願、第一王子の熱心な働きかけ、ドラゴンの一件によるゴタゴタとその他の宰相の不祥事のあれやこれやすったもんだがあり、ガシュバイフェンにいるソーオン伯とその婚約者エミは、至急国王の勅命で首都へ召致されたのだった。
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