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2章 二人の前途は多難です!
メイド、叫ぶ!
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ガシュバイフェンの大きなお屋敷の炊事場に、赤髪のメイドが駆け込んできた。
「ちょっと聞いてよ! わたしさ、ディル様の部屋の掃除担当だったんだけど。さっき、ディル様に呼び止められちゃった」
カトラリーを拭いていたメイドたちが、一斉に驚いた顔をする。
「えっ、なになに? 何をしでかしたのよ」
「わたしってば、ディル様の寝室に落ちてた長い髪の毛を、うっかり見落としてたみたいで……」
話を聞いたメイドたちはサーッと青ざめた。
この屋敷の主人、ディル・K・ソーオンはとてつもなく潔癖症である。髪の毛一本でも部屋に落ちていることを絶対に許さない人物だ。
「や、やだぁ! まさかアンタ、クビって言われたんじゃないでしょうね!?」
「困るよぉ! この屋敷は万年人手不足なのに!」
メイドたちは思い思いに悲鳴をあげた。しかし、赤髪のメイドはゆっくりと首を振る。
「違うわ。ご主人様はね、こういったのよ。――『これは聖女の髪の毛か……。髪の毛一本だけでも可愛いものなのだな』って……」
一瞬の静寂がメイドたちの間に流れる。
「「気持ち悪――――ッッッッ!!」」
メイドたちの反応は、満場一致だった。
◇◆
「――ハクシュン!」
ソファにふんぞり返って腕を組んでいたディルが突然特大のくしゃみをしたため、目の前の不思議な形の壺をしげしげと眺めていたエミは勢いよく振り返った。
「えっ、ハクシャクもしかして風邪ひいた感じ!?」
心配するエミに、ディルは安心させるように軽く首を振ってみせる。
「心配するな。おおかた誰かがつまらない噂をしていただけだろう。しかし、エミよ、お前はそれだけで良いのか?」
ソーオン伯の屋敷に外商に来ている旅商人が、少し困ったような笑みを浮かべて揉み手をした。
部屋いっぱいに、ドレスや宝石、装飾品の類が広げられている。目が痛くなるほど鮮やかだ。これらはすべて、ディルに先日頼まれた旅商人がエミのために持ってきたものである。
「偉大なる聖女様、これらは全て高級品です。伯爵家の奥方様がお持ちになるには、適切なお品かと……」
「キャーッ、まだ奥方様じゃないってぇー♡ プロポーズもまだなのに~~~!」
エミは大げさなまでに手をブンブンと振る。旅商人はひどくリアクションに困った顔をした。
後ろにいたセバスチャンがおずおずと助け船を出す。
「エミ様、それはともかく、何か他にほしいものはありませんか? ディル様がせっかくなんでも買い与えると言っておられますのに、さすがに羽ペン一つだけでは……」
旅商人が世界中から様々な高級品をかき集めたのにもかかわらず、エミがほしいと言って選んだのは、小さなピンク色の羽ペンのみ。しかも、「可愛いからこれサクぴに送りたいな~」とのことである。もはやディルからの贈り物の体をなしていない。
旅商人はバタバタと箱を押しのけ、きらびやかなドレスを引っ張り出してきた。
「ほら、こちらなんていかがでしょう? とっておきのお品です! このドレスは今の王宮の流行りでして、こちらを着れば流行の最先端間違いなし! 社交界の華になることでしょう!」
「ああっ、そのドレスならエミ様の今の瞳の色によく似合われますよ! まあ、エミ様の目の色は『からこん』とやらでしょっちゅう変わりますが」
セバスチャンと旅商人がちらっとエミを見やると、当の本人はカラコンでヘーゼルグレーに着色されたくりくりの目を瞬きして、ちょっと困ったような顔をした。
「ああー、歩きにくい系の服はちょっと……。掃除する時ときひっかかるじゃん? 足元見えないし」
「伯爵家の奥方様が、掃除!?」
「キャーッ! だからまだあたしは奥方様じゃないってぇええ♡♡」
照れるエミが再び手をブンブンと振る。これでは堂々巡りだ。
旅商人とエミのやりとりを見ていたディルが、ついにため息をついて立ち上がった。
「もういい。聖女は物欲がなさすぎるようだ。代わりに私が選ばせてもらう。そうだな……。まず、それと、これと……」
「は、伯爵様ぁ! ありがとうございます!」
旅商人は拝むような勢いでディルに頭を下げる。せっかく大量に仕入れたものが、かたっぱしから在庫になるような状況は回避できたのだ。彼にとってディルは救世主である。
ディルはさらにいくつかのドレスや宝飾の類を選ぶ。どれも最高級品ばかりだ。エミは慌てた顔をした。
「そ、そんなにいらないよぉ! 特にそのアクセサリーとか、見るからに高そうだもん!」
「持っていて損はない。どうせいつか必要になる。私からの贈り物だと思って、受け取ってほしい」
ディルはふっと目元を緩め、エミの金髪をくしゃりと撫でた。エミの顔がボン、と赤くなる。
「ふぁあああ、デレ期ぱない……! サイコー……!」
「なんだ、私のでれ期とやらはまだ終わらないのか」
「終わってないよぉお! ドラゴンの一件からずっとデレ期だもん♡」
「よくわからんが、お前が幸せならいい。……ああ、そうだ。ところでエミ、この際だから婚約指輪も――、むごっ」
婚約指輪という単語を聞いた瞬間、ディルとエミの間にセバスチャンが老体とは思えない素早さで割って入ってきた。
「は、伯爵様―――ッ! ちょっと、ちょっとこちらへ!!」
きょとんとするエミを部屋に残し、セバスチャンとディルは廊下に出る。
急に外に引っ張り出されたディルは、あからさまに不機嫌な顔をした。
「セバスチャン、お前――」
「無礼を承知で申し上げます! プロポーズもまだのお方が婚約指輪を未来の奥方の前で買い求められるのは、なりません……ッ! せっかくのプロポーズが、失敗に終わってしまいます!」
プロポーズ失敗、と聞いたディルの頬が明らかに引きつった。
「……むっ、そういうものなのか」
「そういうものなのです! ディル様はプロポーズを甘く見ていらっしゃるようですが、そもそもプロポーズというものは、殿方が選んだ月給の2.5ケ月分の婚約指輪を小さい箱からパカっと取り出してやるものなのですぞ! しかも、ドキドキするようなシチュエーションでふたりきりのときに行い、計画の全ては秘密裏――つまり、サプライズで遂行せねばなりません!」
セバスチャンの価値観は古の聖女が持ち込んだらしい絶望的に古い伝統的な作法であったが、悲しいことにディルの婚約に対する知識はつゆほどもない。――というわけで、愚かにもディルはセバスチャンの言うことを鵜呑みにした。
「ドキドキするようなシチュエーション……、か。わかった。かなり高難易度だが、必ずや成し遂げよう」
ディルが大真面目に答え、セバスチャンはホッとした顔をする。二人は無言でうなずき合うと、再び部屋に戻った。
すでに旅商人は荷物をまとめており、部屋に入ってきたセバスチャンに請求書を渡す。商人から渡された請求書を見て、セバスチャンは涙した。
「まことに清貧な……。女性の買い物でこれほど少額なのも珍しいことにございます。これで伯爵家の資金繰りも安泰というもの。これぞ真の聖女様ですぞ……」
「ええ、ハクシャクってばめっちゃ高そうなモノいっぱい買ってたけど!?」
エミはギョッとした顔をした。一般的な庶民の金銭感覚しか持ち合わせていないエミは、未だに貴族たちの金銭感覚についていけていない。
「こちらとしては、商売あがったりですが……」
旅商人は苦笑しながら、重たい荷物を持ち上げて帰り際の挨拶をする。彼は去りざまにディルの横で足を止め、ボソリと彼の耳元で囁いた。
「まあ、今後とも伯爵様とはなにかとお付き合いして参りたい所存でございます。結婚式の際にはたくさんのお品がひつようでしょうから、どうぞ引き継ぎごひいきに……。それから、青い袋の中にサービスのお品をつけておりますので、夜にでも未来の奥方様と二人でご確認ください」
旅商人はグッと親指をあげ「幸運を祈りますぞ」とウインクしながら軽い足取りで屋敷を去っていった。
「ちょっと聞いてよ! わたしさ、ディル様の部屋の掃除担当だったんだけど。さっき、ディル様に呼び止められちゃった」
カトラリーを拭いていたメイドたちが、一斉に驚いた顔をする。
「えっ、なになに? 何をしでかしたのよ」
「わたしってば、ディル様の寝室に落ちてた長い髪の毛を、うっかり見落としてたみたいで……」
話を聞いたメイドたちはサーッと青ざめた。
この屋敷の主人、ディル・K・ソーオンはとてつもなく潔癖症である。髪の毛一本でも部屋に落ちていることを絶対に許さない人物だ。
「や、やだぁ! まさかアンタ、クビって言われたんじゃないでしょうね!?」
「困るよぉ! この屋敷は万年人手不足なのに!」
メイドたちは思い思いに悲鳴をあげた。しかし、赤髪のメイドはゆっくりと首を振る。
「違うわ。ご主人様はね、こういったのよ。――『これは聖女の髪の毛か……。髪の毛一本だけでも可愛いものなのだな』って……」
一瞬の静寂がメイドたちの間に流れる。
「「気持ち悪――――ッッッッ!!」」
メイドたちの反応は、満場一致だった。
◇◆
「――ハクシュン!」
ソファにふんぞり返って腕を組んでいたディルが突然特大のくしゃみをしたため、目の前の不思議な形の壺をしげしげと眺めていたエミは勢いよく振り返った。
「えっ、ハクシャクもしかして風邪ひいた感じ!?」
心配するエミに、ディルは安心させるように軽く首を振ってみせる。
「心配するな。おおかた誰かがつまらない噂をしていただけだろう。しかし、エミよ、お前はそれだけで良いのか?」
ソーオン伯の屋敷に外商に来ている旅商人が、少し困ったような笑みを浮かべて揉み手をした。
部屋いっぱいに、ドレスや宝石、装飾品の類が広げられている。目が痛くなるほど鮮やかだ。これらはすべて、ディルに先日頼まれた旅商人がエミのために持ってきたものである。
「偉大なる聖女様、これらは全て高級品です。伯爵家の奥方様がお持ちになるには、適切なお品かと……」
「キャーッ、まだ奥方様じゃないってぇー♡ プロポーズもまだなのに~~~!」
エミは大げさなまでに手をブンブンと振る。旅商人はひどくリアクションに困った顔をした。
後ろにいたセバスチャンがおずおずと助け船を出す。
「エミ様、それはともかく、何か他にほしいものはありませんか? ディル様がせっかくなんでも買い与えると言っておられますのに、さすがに羽ペン一つだけでは……」
旅商人が世界中から様々な高級品をかき集めたのにもかかわらず、エミがほしいと言って選んだのは、小さなピンク色の羽ペンのみ。しかも、「可愛いからこれサクぴに送りたいな~」とのことである。もはやディルからの贈り物の体をなしていない。
旅商人はバタバタと箱を押しのけ、きらびやかなドレスを引っ張り出してきた。
「ほら、こちらなんていかがでしょう? とっておきのお品です! このドレスは今の王宮の流行りでして、こちらを着れば流行の最先端間違いなし! 社交界の華になることでしょう!」
「ああっ、そのドレスならエミ様の今の瞳の色によく似合われますよ! まあ、エミ様の目の色は『からこん』とやらでしょっちゅう変わりますが」
セバスチャンと旅商人がちらっとエミを見やると、当の本人はカラコンでヘーゼルグレーに着色されたくりくりの目を瞬きして、ちょっと困ったような顔をした。
「ああー、歩きにくい系の服はちょっと……。掃除する時ときひっかかるじゃん? 足元見えないし」
「伯爵家の奥方様が、掃除!?」
「キャーッ! だからまだあたしは奥方様じゃないってぇええ♡♡」
照れるエミが再び手をブンブンと振る。これでは堂々巡りだ。
旅商人とエミのやりとりを見ていたディルが、ついにため息をついて立ち上がった。
「もういい。聖女は物欲がなさすぎるようだ。代わりに私が選ばせてもらう。そうだな……。まず、それと、これと……」
「は、伯爵様ぁ! ありがとうございます!」
旅商人は拝むような勢いでディルに頭を下げる。せっかく大量に仕入れたものが、かたっぱしから在庫になるような状況は回避できたのだ。彼にとってディルは救世主である。
ディルはさらにいくつかのドレスや宝飾の類を選ぶ。どれも最高級品ばかりだ。エミは慌てた顔をした。
「そ、そんなにいらないよぉ! 特にそのアクセサリーとか、見るからに高そうだもん!」
「持っていて損はない。どうせいつか必要になる。私からの贈り物だと思って、受け取ってほしい」
ディルはふっと目元を緩め、エミの金髪をくしゃりと撫でた。エミの顔がボン、と赤くなる。
「ふぁあああ、デレ期ぱない……! サイコー……!」
「なんだ、私のでれ期とやらはまだ終わらないのか」
「終わってないよぉお! ドラゴンの一件からずっとデレ期だもん♡」
「よくわからんが、お前が幸せならいい。……ああ、そうだ。ところでエミ、この際だから婚約指輪も――、むごっ」
婚約指輪という単語を聞いた瞬間、ディルとエミの間にセバスチャンが老体とは思えない素早さで割って入ってきた。
「は、伯爵様―――ッ! ちょっと、ちょっとこちらへ!!」
きょとんとするエミを部屋に残し、セバスチャンとディルは廊下に出る。
急に外に引っ張り出されたディルは、あからさまに不機嫌な顔をした。
「セバスチャン、お前――」
「無礼を承知で申し上げます! プロポーズもまだのお方が婚約指輪を未来の奥方の前で買い求められるのは、なりません……ッ! せっかくのプロポーズが、失敗に終わってしまいます!」
プロポーズ失敗、と聞いたディルの頬が明らかに引きつった。
「……むっ、そういうものなのか」
「そういうものなのです! ディル様はプロポーズを甘く見ていらっしゃるようですが、そもそもプロポーズというものは、殿方が選んだ月給の2.5ケ月分の婚約指輪を小さい箱からパカっと取り出してやるものなのですぞ! しかも、ドキドキするようなシチュエーションでふたりきりのときに行い、計画の全ては秘密裏――つまり、サプライズで遂行せねばなりません!」
セバスチャンの価値観は古の聖女が持ち込んだらしい絶望的に古い伝統的な作法であったが、悲しいことにディルの婚約に対する知識はつゆほどもない。――というわけで、愚かにもディルはセバスチャンの言うことを鵜呑みにした。
「ドキドキするようなシチュエーション……、か。わかった。かなり高難易度だが、必ずや成し遂げよう」
ディルが大真面目に答え、セバスチャンはホッとした顔をする。二人は無言でうなずき合うと、再び部屋に戻った。
すでに旅商人は荷物をまとめており、部屋に入ってきたセバスチャンに請求書を渡す。商人から渡された請求書を見て、セバスチャンは涙した。
「まことに清貧な……。女性の買い物でこれほど少額なのも珍しいことにございます。これで伯爵家の資金繰りも安泰というもの。これぞ真の聖女様ですぞ……」
「ええ、ハクシャクってばめっちゃ高そうなモノいっぱい買ってたけど!?」
エミはギョッとした顔をした。一般的な庶民の金銭感覚しか持ち合わせていないエミは、未だに貴族たちの金銭感覚についていけていない。
「こちらとしては、商売あがったりですが……」
旅商人は苦笑しながら、重たい荷物を持ち上げて帰り際の挨拶をする。彼は去りざまにディルの横で足を止め、ボソリと彼の耳元で囁いた。
「まあ、今後とも伯爵様とはなにかとお付き合いして参りたい所存でございます。結婚式の際にはたくさんのお品がひつようでしょうから、どうぞ引き継ぎごひいきに……。それから、青い袋の中にサービスのお品をつけておりますので、夜にでも未来の奥方様と二人でご確認ください」
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