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1章 謎の聖女は最強です!

伯爵、愛す! (2)※

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 大人しくディルの愛撫を受け入れていたエミだったが、そのうちに子宮の奥がズクズクとうずくような感覚に襲われて、ちいさく身体を震わせた。
 愛撫の間に服を脱ぎ捨てるディルの脇腹を、エミはちょん、と人差し指で触れる。ディルは怪訝そうな顔をした。

「あの、ハクシャク……、そろそろ……」

 その先をねだるように、エミのすらっとした足がディルの太ももに絡みつく。エミの秘所は、ショーツの布越しでもわかるほどに濡れていた。
 ディルは一瞬顔をしかめたあと、脱ぎかけだったトラウザーズを一足飛びに脱ぎ捨てる。そして、俊敏な肉食動物を思わせる動きで、エミの脚の間に自らの身体をねじ込むと、秘所に自分の剛直をこすりつけた。

「ひゃあんっ!」

 薄い布ごしに剛直で膨らみかけた陰核を刺激されたエミは、甲高い悲鳴をあげる。ディルはじらすように緩々と腰を動かした。

「……自分から誘うなど、本当にお前はとんだ淫乱だな」
「んん……だってぇ……」
「望み通りにしてやる」

 それからのディルは、まるで飢えた獣のようだった。
 ショーツの紐をするりと解いてエミを一糸纏わぬ姿にすると、しとどに濡れた秘所に自らをこすりつけながら、まるで貪るようにエミの身体中に口づけをする。時には繊細に、時には噛みつくように。あっという間に、夕日の光に照らされたエミの無垢な身体に赤い花が散っていく。

「あっ……。はぁ……」

 彼の緩やかな腰の動きに翻弄され、エミは淫らにあえいだ。柔らかなあわいから、蜜がとめどなく溢れる。その蜜を潤滑剤にして、ディルは己の陰茎を、エミの淫唇にそって滑らかにグラインドさせる。時々下生えの下の敏感な部分にあたるのか、エミの薄い体がびくびくと跳ねた。
 甘やかな口づけと気まぐれな快楽に翻弄され、エミは切なげな声を漏らす。

「あっ、うぅ……。……んぁ……」
「くっ、よく……濡れているな。気を抜くと達してしまいそうだ……」
「んっ……♡ ハクシャクも、気持ちいいの……? うれしい……」

 エミはディルの厚い背中に腕をまわし、甘えるように鼻先を胸に頬をすり寄せた。ディルもそれに応え、エミを抱き寄せる。
 そして、それと同時に、散々じらされて濡れそぼった蜜壺に、ディルの長い指が差し入れられた。まだ経験の少ないそこは、ねっとりと抵抗しながらも受け入れる。
 時間をかけてようやく隘路の最果てにディルの指の先が達した時、エミは快感のあまり声にならない悲鳴をあげた。

「はぁ、……ああっ、ああ……。うう……」

 物欲しそうにひくついていた場所をゆっくりと刺激され、エミ身体に淫らな快楽が押し寄せる。静かな部屋の中に淫らな水音がぴちゃぴちゃと響いた。指の動きは次第に早くなり、すぐにエミの感じやすい場所を的確にとらえた。

「そ、そこ……。いや……」
「ああ、ここか……。ふん、まったくわかりやすいものだ……」
「ひゃっ……! まって、まって……」

 口では嫌がっているくせに、エミの媚肉はディルの指にからみついて離さない。ディルは内側のコリコリした部分を弾くように指をうごかす。それと同時に、親指がピンと尖った蕾を優しく撫であげてやると、いよいよエミの抵抗は弱まり、一方的に与えられる快楽をただただ受けいれることしかできない。
 エミの嬌声が一段と高くなった時、彼女の脳天の中で何かがはじけた。

「あっ……!」

 一瞬頭のなかが真っ白になったあと、身体中に流れ込むように抗いがたい強い刺激が身体を駆け抜ける。エミの細い腰がガクガクと痙攣した。

「……達したか?」
「た、たぶん……?」
「それは僥倖」

 ディルは満足そうに頷くと、ぼんやりと脱力するエミを横たえ、優しく彼女に口づける。
 彼もそろそろ限界だった。愛しい人の中に入りたいと、彼の本能が叫んでいる。
 彼は慎重にエミの蜜壺にそり立った肉棒を押し当てる。明るい光の中あられもなく晒された蜜壺がひくりと震え、一筋の愛液がつつ、とこぼれ落ちた。その光景があまりに官能的で、ディルの剛直がさらにそそり立つ。
 ディルの欲情した視線に気づいたエミは顔を真っ赤にさせる。

「き、汚いから、見ないで……!」
「そんなことない。お前は美しい。可愛くて、綺麗で……」
「ハクシャク……きゃっ……」
「全て、ほしくなる」

 ずず、と隘路をこじ開けながら、ディルの強ばりがエミの中に入っていく。エミが大きく目を見開いた。まなじりから涙が流れる。

「……相変わらず、なんてキツさだ。こら、……く、唇を噛むな。……声を出していい、から……」
「ハクシャク、はあっ……はあっ……」
「そんなにナカを絞めるな……っ、力を抜け……!」
「わ、わかんないよぉ……」

 一思いに突いて最果てまでたどり着きたい衝動を抑えつつ、ディルはエミに口づける。最初は強張っていたエミだったが、やがて意識がキスにそれたのか、頑なだった隘路も彼を受け入れ始める。

「……いいじゃないか。さあ、息を吐け……。もう少し……」
「くふぅ……。い、痛ぃ……」
「くっ……すまない。もう少し耐えてくれ」

 ディルは、せめてエミが痛がらないようにゆっくりと腰をすすめた。
 一度彼のものを収めたことがあるはずの陰口は、しかし、必死で抵抗しているように彼自身をきゅうきゅうと締め付けた。その上、トロトロに蕩けた凹凸が、絶えず彼を刺激する。
 あまりに強すぎる快感に、ディルは眉をしかめた。

 やがて、ディルの腰とエミの腰がようやく触れるか触れないかまで進んだ。
 ついにエミの最奥に鈴口がぐっと押し当てられた時、エミが喘ぎながら小さく呟く。

「やっと、やっと最後まで、……ひとつになれた」

 その声はあまりに優しく健気で、――彼の胸に押し寄せた愛しさは、張り詰めた意識を緩めるには十分だった。

「ぐっ……」

 ディルは熱い吐息を漏らすとそのままエミの奥に自らの精を放つ。
 強い快感が入り混じった荒い息を吐くディルを、頬を染めてエミはぼうっと見つめた。身体の奥が、熱い何かで満たされるのを感じる。自らの身体に穿たれた楔は、ビクン、ビクンと不規則に震えた。

(……これで、終わったってことで良いんだよね……?)

 快感に変わる前の痛みの残滓に顔をしかめつつ、エミはほっと溜息をつく。男性は一度絶頂すれば性交は終わるものだと耳年増なサクラから聞いたことがある。
 ディルがなかなか動かないのを不審に思ってか、エミは恐る恐るディルの銀髪に触れた。

「ええっと、ハクシャク…? これで終わり、だよね? ちょっとあたし、シャワーあびたいかなーとか……」
「……足りない」
「えっ」
「これだけで足りるものか」

 確かに、彼女の中のソレは、未だに硬度を保っている。彼は再び緩々と腰を動かし始めた。愛液とともに彼の精がまじり、白濁した液体が結合部から溢れ出す。
 先ほどまでとうってかわって、ディルの表情にはどこか余裕がある。彼はぺろりと唇を舐めた。まるで、とっておきの餌を目の前にしている肉食獣のように。その仕草は、大人の色香が滲んでいる。
 エミは驚きのあまり目を白黒させた。

「……ええっ、ちょっと、こんなの聞いてないんですけどぉ~~!……はぁんっ♡」

 エミの悲鳴は、やがて甘えるような嬌声に変わった。二人の情事は、まだしばらく終わりそうにない。
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