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1章 謎の聖女は最強です!
聖女、倒す!
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まさかの一撃だった。
ドラゴンの身体をエミが放った灼熱の炎が包み込む。情け容赦なく、徹底的に。
(ああ、国王の「聖女エミは危険」とは、こういうことか……)
ディルは一瞬で頓悟した。
『ナ、ナンダト!? アノフザケタ聖女フゼイガ、一撃デ……! 馬鹿ナ! 馬鹿ナァアアアアア!!!』
「あ、ヤバい。なんか久しぶりに魔法つかったら、やりすぎた感……」
『ギ、ギャアアア――――ッ!!』
ドラゴンは耳をつんざくような断末魔の叫びをあげ、首都の南北を走る運河に突っこんでいった。派手な水しぶきとともに、あたりにもうもうと白煙が立ち込める。
あたりは静まり返った。騎士たちは生唾を飲む。
運河の水面は何事もなかったように朝日に輝き、いくら待っても、ドラゴンが水底から再び浮上することはなかった。
こうして、伝説のドラゴンは実にあっさりと聖女エミによって倒されたのである。
そこにいる誰もが呆然としていた。伝説のドラゴンと対峙するとなれば、ある程度の損害は免れないと覚悟していたからだ。
しかし、実際はといえば、異世界からやってきた聖女が、ものの数秒足らずで伝説のドラゴンを討伐してしまった。首都は無傷。損害と言えば、ドラゴンが行く先々で平らげた家畜くらいのものである。
朝日の光のなかの街はあっという間に静寂を取りもどした。それは、不気味なほど静かな静寂だった。
「ば、バケモノめ……」
静寂を破ったのは、腰を抜かして一部始終を見ていた第一王子の口から飛び出た一言だった。明確な嘲りの言葉だ。
サクラが、怒りで顔を真っ赤にさせる。
「ちょっと、アンタ! なんて失礼なこと言ってるのよ! エミたそは、この国をまた救ってくれたんだよ!? それなのに、バケモノって!」
「お前も見ただろ、あの圧倒的な力を! あれはどう考えてもバケモノだ! あのドラゴンは、初代の聖女が7年も戦ったすえ、ようやく封印したという伝説のドラゴンだぞ!? それを、コイツは一撃で倒しやがった。強すぎるんだよ! このまま放っておけば、王国の脅威になりかねない!」
「エミたそは、強い力を悪用するような子じゃない!」
「ハッ、どうだかな! 異国人の聖女なんて、百年に一度の災禍が終われば用済みだ!」
「――ッ、この最低男! 優しいエミたそにどうしてそんなヒドいこと言えるのよ!」
烈火のごとく怒り、エリックに詰め寄るサクラを止めたのは、エミだった。
「サクぴ、大丈夫だよ。あたしまた力の加減ができなくて、びっくりさせちゃったっぽい? もー、またやっちゃったよ~。あたし、やっぱバカだからさあ。ホント、ごめんね?」
「エミたそが謝ることなんてないよ! エミたそは、この国をまた救ってくれたんだよ!? 本当は、いっぱい感謝されて崇められて、大事にされなきゃダメなのにっ!」
「いいんだってぇ。こーゆーの、さすがにこっちの世界に来て慣れたし」
エミは無理やり笑ってみせる。眼にはやるせない諦めの色が浮かんでいた。サクラは悔しそうに歯噛みする。
「エミたそのそんな顔、もう見たくないよ。……ねえ、なんで誰も『ありがとう』すらエミたそに言わないの……ッ?」
サクラの呼びかけに応える者は誰もいない。むしろ、その場にはエリックに同調するような空気が流れていた。
圧倒的な力を前に、エミを見つめる騎士たちの視線は、巨大なドラゴンを見た時とそう変わらない。ロイすら、サクラの肩を持つのをためらっている様子だ。
聖女エミは、間違いなくサンクトハノーシュ王国一強い。百年に一度の災禍であるドラゴンですら、一瞬で葬ってしまうほどに。もう誰も、聖女エミに敵う者はいない。
だからこそ、あまりにも強すぎる聖女は、もはや崇拝の対象ではなく、畏怖すべき恐怖の対象になりつつあった。
気まずい沈黙の中、意外な人物が口を開けた。
「おい、何をごちゃごちゃ言っておるのだ。ドラゴンが運河に落ちたのだから、早いところなんとかする必要がある。さもなくば運河の水が汚染され、人々の生活に影響が出るぞ。物流にも影響が出る。伝令で国王と宰相どもに、その旨を伝えに走るように」
冷静なディルの一言に、そこにいた一同がハッとした顔をした。確かに、運河はサンクトハノーシュ王国の動脈とも称される、交通と生活の要だ。城下町にその巨体が墜落しなかったのは幸運であったものの、運河に落ちてしまったドラゴンの回収は急がねばならない。
ディルは流れるように指示を始めた。サンクトハノーシュ王国一の頭脳を持つ彼の指示は適切で無駄がない。彼に指揮権はないものの、誰も異を唱えるものはいなかった。
「引き上げは慎重に行え。ドラゴンの身体には謎が多い。もしかしたら身体に毒が含まれているかもしれないと思って扱うように。なるだけドラゴンの身体に傷をつけぬよう気をつけろ。魔導士を片っ端から集めて、浮遊呪文でも使えば良い」
「は、はい! 第二隊は魔導士の確保にあたります!」
「残りの騎士は街を巡回せよ。混乱に乗じてよからぬことをする不届き者が必ず出てくるからな」
「御意に!」
精鋭ぞろいの第一騎士団だけあって、騎士たちの行動は迅速だった。あっという間に、騎士たちはディルの指示通りに持ち場に散っていく。
ドラゴンの身体をエミが放った灼熱の炎が包み込む。情け容赦なく、徹底的に。
(ああ、国王の「聖女エミは危険」とは、こういうことか……)
ディルは一瞬で頓悟した。
『ナ、ナンダト!? アノフザケタ聖女フゼイガ、一撃デ……! 馬鹿ナ! 馬鹿ナァアアアアア!!!』
「あ、ヤバい。なんか久しぶりに魔法つかったら、やりすぎた感……」
『ギ、ギャアアア――――ッ!!』
ドラゴンは耳をつんざくような断末魔の叫びをあげ、首都の南北を走る運河に突っこんでいった。派手な水しぶきとともに、あたりにもうもうと白煙が立ち込める。
あたりは静まり返った。騎士たちは生唾を飲む。
運河の水面は何事もなかったように朝日に輝き、いくら待っても、ドラゴンが水底から再び浮上することはなかった。
こうして、伝説のドラゴンは実にあっさりと聖女エミによって倒されたのである。
そこにいる誰もが呆然としていた。伝説のドラゴンと対峙するとなれば、ある程度の損害は免れないと覚悟していたからだ。
しかし、実際はといえば、異世界からやってきた聖女が、ものの数秒足らずで伝説のドラゴンを討伐してしまった。首都は無傷。損害と言えば、ドラゴンが行く先々で平らげた家畜くらいのものである。
朝日の光のなかの街はあっという間に静寂を取りもどした。それは、不気味なほど静かな静寂だった。
「ば、バケモノめ……」
静寂を破ったのは、腰を抜かして一部始終を見ていた第一王子の口から飛び出た一言だった。明確な嘲りの言葉だ。
サクラが、怒りで顔を真っ赤にさせる。
「ちょっと、アンタ! なんて失礼なこと言ってるのよ! エミたそは、この国をまた救ってくれたんだよ!? それなのに、バケモノって!」
「お前も見ただろ、あの圧倒的な力を! あれはどう考えてもバケモノだ! あのドラゴンは、初代の聖女が7年も戦ったすえ、ようやく封印したという伝説のドラゴンだぞ!? それを、コイツは一撃で倒しやがった。強すぎるんだよ! このまま放っておけば、王国の脅威になりかねない!」
「エミたそは、強い力を悪用するような子じゃない!」
「ハッ、どうだかな! 異国人の聖女なんて、百年に一度の災禍が終われば用済みだ!」
「――ッ、この最低男! 優しいエミたそにどうしてそんなヒドいこと言えるのよ!」
烈火のごとく怒り、エリックに詰め寄るサクラを止めたのは、エミだった。
「サクぴ、大丈夫だよ。あたしまた力の加減ができなくて、びっくりさせちゃったっぽい? もー、またやっちゃったよ~。あたし、やっぱバカだからさあ。ホント、ごめんね?」
「エミたそが謝ることなんてないよ! エミたそは、この国をまた救ってくれたんだよ!? 本当は、いっぱい感謝されて崇められて、大事にされなきゃダメなのにっ!」
「いいんだってぇ。こーゆーの、さすがにこっちの世界に来て慣れたし」
エミは無理やり笑ってみせる。眼にはやるせない諦めの色が浮かんでいた。サクラは悔しそうに歯噛みする。
「エミたそのそんな顔、もう見たくないよ。……ねえ、なんで誰も『ありがとう』すらエミたそに言わないの……ッ?」
サクラの呼びかけに応える者は誰もいない。むしろ、その場にはエリックに同調するような空気が流れていた。
圧倒的な力を前に、エミを見つめる騎士たちの視線は、巨大なドラゴンを見た時とそう変わらない。ロイすら、サクラの肩を持つのをためらっている様子だ。
聖女エミは、間違いなくサンクトハノーシュ王国一強い。百年に一度の災禍であるドラゴンですら、一瞬で葬ってしまうほどに。もう誰も、聖女エミに敵う者はいない。
だからこそ、あまりにも強すぎる聖女は、もはや崇拝の対象ではなく、畏怖すべき恐怖の対象になりつつあった。
気まずい沈黙の中、意外な人物が口を開けた。
「おい、何をごちゃごちゃ言っておるのだ。ドラゴンが運河に落ちたのだから、早いところなんとかする必要がある。さもなくば運河の水が汚染され、人々の生活に影響が出るぞ。物流にも影響が出る。伝令で国王と宰相どもに、その旨を伝えに走るように」
冷静なディルの一言に、そこにいた一同がハッとした顔をした。確かに、運河はサンクトハノーシュ王国の動脈とも称される、交通と生活の要だ。城下町にその巨体が墜落しなかったのは幸運であったものの、運河に落ちてしまったドラゴンの回収は急がねばならない。
ディルは流れるように指示を始めた。サンクトハノーシュ王国一の頭脳を持つ彼の指示は適切で無駄がない。彼に指揮権はないものの、誰も異を唱えるものはいなかった。
「引き上げは慎重に行え。ドラゴンの身体には謎が多い。もしかしたら身体に毒が含まれているかもしれないと思って扱うように。なるだけドラゴンの身体に傷をつけぬよう気をつけろ。魔導士を片っ端から集めて、浮遊呪文でも使えば良い」
「は、はい! 第二隊は魔導士の確保にあたります!」
「残りの騎士は街を巡回せよ。混乱に乗じてよからぬことをする不届き者が必ず出てくるからな」
「御意に!」
精鋭ぞろいの第一騎士団だけあって、騎士たちの行動は迅速だった。あっという間に、騎士たちはディルの指示通りに持ち場に散っていく。
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