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1章 謎の聖女は最強です!
聖女、悩む!
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その日、ガシュバイフェンはよく晴れていて、絶好の洗濯日和だった。メイドたちは忙しそうに走り回っている。
そんな中、リネン室で洗いたてのシーツを運んでいたエミが、快晴に相応しからぬどんよりとしたため息をついた。
「はあ……。バイブス下がるわぁ……」
一緒にシーツを運んでいた若いメイドが、エミのため息を聞いて気づかわしげに首を傾げた。
「どうしたんですか? エミ様がため息をつかれるなんて、珍しいですね」
「あー、ヤバ。無意識にため息ついちゃった。ハッピーが逃げちゃうかなあ」
エミはあいまいな微笑みを浮かべた。しかし、若いメイドは誤魔化そうとするエミにきゅっと眉をあげてみせる。
「もうっ、水臭いですわ、聖女様! 悩みごとがあるのなら、私たちに相談してくださいな」
「ん~、でもぉ……」
「聖女様の高尚なお悩みに、一介のメイドである私がうまくアドバイスできるかどうかは分かりません。それでも、少し話してみるだけでも、お心も晴れるかもしれませんよ」
メイドの一言に、たまたま近くでシーツにアイロンをかけていたメイドたちが一斉に頷く。皆、元気のないエミのことを心配して聞き耳を立てていたのだ。
エミは少し悩んだような顔をしたあと、観念したようにため息をついた。
「……あのねえ、最近ハクシャクがよそよそしいっていうか、冷たい気がして。ガチしょんぼり沈殿丸なんだよぉ~。マジぴえん……。あたし何かしたかなあ?」
深いため息をついたエミを前に、メイドたちは揃って顔を見合わせると、困った顔をした。ややあって、おずおずと赤髪の若いメイドが口を開く。
「お言葉ですが聖女様、それは気のせいでは? 私たちには、伯爵様はずっと同じに見えますよ」
「でもさあ、ハクシャクってば、この1週間くらいあたしが話をしてるときとか、マジ上の空で! 話しかけても急用を思い出したとか言ってどっか行っちゃうし、目も合わせてくれないし、ぜんぜん楽しくなさそうっていうかぁ……」
「伯爵様が楽しそうな顔をしているなんて、全く想像つかないのですが……」
「そーなの? ハクシャク、けっこう表情豊かで分かりやすいと思うよ?」
「ええーっ、伯爵様が表情豊かですか? あの伯爵様が? そんなことないと思いますけれど」
赤髪のメイドの一言に、リネン室にいたメイドたちが神妙な顔で一斉に頷いた。
そもそも、メイドたちに対してディルが向ける表情はほとんど同じ。整いすぎた顔には、近寄り辛い無表情張り付いているのみである。たまに機嫌が悪い時には眉間に皺が寄るが、それくらいの違いしかない。そのため、気難しい主人が「表情豊か」と評されることに釈然としない様子だ。
メイドたちは、ちょっと困った顔をしながら、とりあえずエミを代わる代わる慰めた。
「あまり気を落とさないでくださいな。そもそも、あの伯爵様が冷たくてよそよそしいのは通常運転じゃありませんか」
「あの氷のようなお心を持った伯爵様のことですから、お忙しさでぼんやりされているだけですわ。そこまで深い意味はないと思います」
「そうそう。最近お手紙をやりとりされている数もぐんと増えましたしねえ。王宮からの手紙がくると、伯爵様の機嫌っていつも最悪になるんですよねえ」
「王宮からの手紙を伯爵様に渡す役割だけは、たいていじゃんけんで決めますもんね。誰もやりたがらないから」
「まったく、エミ様はあんな理屈っぽくて気難しい伯爵様と定期的にお茶するなんて、よくやるなあって思いますもん。私だったら伯爵様と二人きりなんて、お給金を3か月分もらってもイヤかも」
エミを慰めていたはずのメイドたちだったが、途中から話題がディルの悪口に変わっていく。やれ「潔癖症過ぎて困る」だの「融通がきかない」だの、屋敷の主人に対してのメイドたちからの評価は散々だ。
リーダー格のメイドが、苦笑しながらディルの悪口から話題をもとにもどす。
「とにかく、エミ様は伯爵様にとっては間違いなく特別な方ですよ。だから、そう悩まないでくださいな。だって、今までこの屋敷にきた婚約者のお嬢さまがたなんて、ほとんど日常の会話すらしていませんでしたわ。ましてや、伯爵様とお茶をされる方なんて、エミ様が初めてなんですから」
「マジかあ。特別って言われると、なんか照れるう~♡」
「エミ様が特別なのは当然ですから、エミ様はもっと自信を持ってくださいまし」
メイドたちが口々にエミを慰めていたところ、メイド長のメアリーがリネン室のドアを開けて顔を覗かせた。
「聖女様、ここにいらっしゃいましたか! ……って、こらっ! お前たち、手が止まっているじゃない! またおしゃべりに夢中になっていたのかい!」
「あっ、メイド長だ~! 仕事に戻りまあす!」
叱られたメイドたちはきゃあきゃあ言いながら、持ち場に散っていく。
メアリーはエミをリネン室の外に連れ出すと、ぷりぷりしながら腕を組んだ。
「すみませんねえ、エミ様。うちのメイドたちったら、放っておくとすぐおしゃべりしはじめるんだから」
「待って、違うから~! メイドちゃんたちに私の悩みゴト聞いてもらってたんだよ。だから、悪いのはあたし!」
「あらまあ、エミ様に悩みごとですって!? なにかお屋敷での生活にご不満でも? それとも、伯爵様についに愛想をつかしてしまったとか……」
青い顔になってオロオロし始めるメアリーに、エミは笑いながらひらひらと手を振った。
「無問題(モーマンタイ)~! 最近、伯爵の態度ちょっと冷たくなった気がして悩んでたんだ。でもね、みんなに話を聞いてもらったらすっきりしちゃった」
「ええっ、ご主人様の態度が冷たいのなんていつものことじゃないですか! まったく、もっとエミ様に優しくすべきだとあの方には何度も申し上げているのに! 政治に関しては大変優秀なお方だとは聞いているけれど、レディの扱いは最低ですわ!」
「はいはいはい、メアちん、おこぷんダメ~! それより、なんでリネン室に来たの? なにか用事があったんじゃないの?」
「ああっ、そうでした。伯爵様より今すぐ書斎に来るようにと伝言を……」
「ええっ、ハクシャクがあたし呼ぶとか貴重すぎるんですけど! ヤバ、化粧とか大丈夫? さっきこすっちゃって、目の下のメイク落ちちゃった気がするう……」
「あらあら、エミ様はいつも通り可愛らしいですわよ」
「え~ん、あざまるぅ♡ ま、彼ぴが会いたいって言ってくれてるときに、化粧直してる場合じゃないよね。すぐ行く~!」
エミは顔をぱあっと輝かせて弾む足で書斎へ向かう。あっという間に去っていくエミの背中を、メアリーは微笑ましく見守ったあと、大きなため息をついた。
「健気な聖女様に愛されて、伯爵様は幸せ者ですわ。あの冷血伯爵ったら、もっとそこらへん自覚してくださらないと……」
メアリーがぽつりと呟いた途端、ハクシュン、と誰かの良く響く低音のくしゃみが屋敷のどこかで響き渡った。
そんな中、リネン室で洗いたてのシーツを運んでいたエミが、快晴に相応しからぬどんよりとしたため息をついた。
「はあ……。バイブス下がるわぁ……」
一緒にシーツを運んでいた若いメイドが、エミのため息を聞いて気づかわしげに首を傾げた。
「どうしたんですか? エミ様がため息をつかれるなんて、珍しいですね」
「あー、ヤバ。無意識にため息ついちゃった。ハッピーが逃げちゃうかなあ」
エミはあいまいな微笑みを浮かべた。しかし、若いメイドは誤魔化そうとするエミにきゅっと眉をあげてみせる。
「もうっ、水臭いですわ、聖女様! 悩みごとがあるのなら、私たちに相談してくださいな」
「ん~、でもぉ……」
「聖女様の高尚なお悩みに、一介のメイドである私がうまくアドバイスできるかどうかは分かりません。それでも、少し話してみるだけでも、お心も晴れるかもしれませんよ」
メイドの一言に、たまたま近くでシーツにアイロンをかけていたメイドたちが一斉に頷く。皆、元気のないエミのことを心配して聞き耳を立てていたのだ。
エミは少し悩んだような顔をしたあと、観念したようにため息をついた。
「……あのねえ、最近ハクシャクがよそよそしいっていうか、冷たい気がして。ガチしょんぼり沈殿丸なんだよぉ~。マジぴえん……。あたし何かしたかなあ?」
深いため息をついたエミを前に、メイドたちは揃って顔を見合わせると、困った顔をした。ややあって、おずおずと赤髪の若いメイドが口を開く。
「お言葉ですが聖女様、それは気のせいでは? 私たちには、伯爵様はずっと同じに見えますよ」
「でもさあ、ハクシャクってば、この1週間くらいあたしが話をしてるときとか、マジ上の空で! 話しかけても急用を思い出したとか言ってどっか行っちゃうし、目も合わせてくれないし、ぜんぜん楽しくなさそうっていうかぁ……」
「伯爵様が楽しそうな顔をしているなんて、全く想像つかないのですが……」
「そーなの? ハクシャク、けっこう表情豊かで分かりやすいと思うよ?」
「ええーっ、伯爵様が表情豊かですか? あの伯爵様が? そんなことないと思いますけれど」
赤髪のメイドの一言に、リネン室にいたメイドたちが神妙な顔で一斉に頷いた。
そもそも、メイドたちに対してディルが向ける表情はほとんど同じ。整いすぎた顔には、近寄り辛い無表情張り付いているのみである。たまに機嫌が悪い時には眉間に皺が寄るが、それくらいの違いしかない。そのため、気難しい主人が「表情豊か」と評されることに釈然としない様子だ。
メイドたちは、ちょっと困った顔をしながら、とりあえずエミを代わる代わる慰めた。
「あまり気を落とさないでくださいな。そもそも、あの伯爵様が冷たくてよそよそしいのは通常運転じゃありませんか」
「あの氷のようなお心を持った伯爵様のことですから、お忙しさでぼんやりされているだけですわ。そこまで深い意味はないと思います」
「そうそう。最近お手紙をやりとりされている数もぐんと増えましたしねえ。王宮からの手紙がくると、伯爵様の機嫌っていつも最悪になるんですよねえ」
「王宮からの手紙を伯爵様に渡す役割だけは、たいていじゃんけんで決めますもんね。誰もやりたがらないから」
「まったく、エミ様はあんな理屈っぽくて気難しい伯爵様と定期的にお茶するなんて、よくやるなあって思いますもん。私だったら伯爵様と二人きりなんて、お給金を3か月分もらってもイヤかも」
エミを慰めていたはずのメイドたちだったが、途中から話題がディルの悪口に変わっていく。やれ「潔癖症過ぎて困る」だの「融通がきかない」だの、屋敷の主人に対してのメイドたちからの評価は散々だ。
リーダー格のメイドが、苦笑しながらディルの悪口から話題をもとにもどす。
「とにかく、エミ様は伯爵様にとっては間違いなく特別な方ですよ。だから、そう悩まないでくださいな。だって、今までこの屋敷にきた婚約者のお嬢さまがたなんて、ほとんど日常の会話すらしていませんでしたわ。ましてや、伯爵様とお茶をされる方なんて、エミ様が初めてなんですから」
「マジかあ。特別って言われると、なんか照れるう~♡」
「エミ様が特別なのは当然ですから、エミ様はもっと自信を持ってくださいまし」
メイドたちが口々にエミを慰めていたところ、メイド長のメアリーがリネン室のドアを開けて顔を覗かせた。
「聖女様、ここにいらっしゃいましたか! ……って、こらっ! お前たち、手が止まっているじゃない! またおしゃべりに夢中になっていたのかい!」
「あっ、メイド長だ~! 仕事に戻りまあす!」
叱られたメイドたちはきゃあきゃあ言いながら、持ち場に散っていく。
メアリーはエミをリネン室の外に連れ出すと、ぷりぷりしながら腕を組んだ。
「すみませんねえ、エミ様。うちのメイドたちったら、放っておくとすぐおしゃべりしはじめるんだから」
「待って、違うから~! メイドちゃんたちに私の悩みゴト聞いてもらってたんだよ。だから、悪いのはあたし!」
「あらまあ、エミ様に悩みごとですって!? なにかお屋敷での生活にご不満でも? それとも、伯爵様についに愛想をつかしてしまったとか……」
青い顔になってオロオロし始めるメアリーに、エミは笑いながらひらひらと手を振った。
「無問題(モーマンタイ)~! 最近、伯爵の態度ちょっと冷たくなった気がして悩んでたんだ。でもね、みんなに話を聞いてもらったらすっきりしちゃった」
「ええっ、ご主人様の態度が冷たいのなんていつものことじゃないですか! まったく、もっとエミ様に優しくすべきだとあの方には何度も申し上げているのに! 政治に関しては大変優秀なお方だとは聞いているけれど、レディの扱いは最低ですわ!」
「はいはいはい、メアちん、おこぷんダメ~! それより、なんでリネン室に来たの? なにか用事があったんじゃないの?」
「ああっ、そうでした。伯爵様より今すぐ書斎に来るようにと伝言を……」
「ええっ、ハクシャクがあたし呼ぶとか貴重すぎるんですけど! ヤバ、化粧とか大丈夫? さっきこすっちゃって、目の下のメイク落ちちゃった気がするう……」
「あらあら、エミ様はいつも通り可愛らしいですわよ」
「え~ん、あざまるぅ♡ ま、彼ぴが会いたいって言ってくれてるときに、化粧直してる場合じゃないよね。すぐ行く~!」
エミは顔をぱあっと輝かせて弾む足で書斎へ向かう。あっという間に去っていくエミの背中を、メアリーは微笑ましく見守ったあと、大きなため息をついた。
「健気な聖女様に愛されて、伯爵様は幸せ者ですわ。あの冷血伯爵ったら、もっとそこらへん自覚してくださらないと……」
メアリーがぽつりと呟いた途端、ハクシュン、と誰かの良く響く低音のくしゃみが屋敷のどこかで響き渡った。
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