【R18】ギャルは聖女で世界を救う! -王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!-

沖果南

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1章 謎の聖女は最強です!

聖女、参る! (2) ※

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 ディルはぐったりとしたエミをシーツに横たえ、無造作に頭を撫でた。

「……絶頂したようだな。これで準備は十分だろう」
「えっ……。まだ、するかんじぃ……?」
「当たり前だ。私は達していないからな。付き合ってもらうぞ」

 そう言うが早いが、ディルはさっと着ているものを脱いだ。
 闇の中、ディルの裸体が月明かりにぼんやりと照らされる。予期していた通り股間の一物はかなり大きく、彼の身体パーツでもひときわ存在感を放っている。
 しかし、それ抜きにしてもディルの均整の取れたバランスの良い体型は、目を惹くものがある。さながら名匠の手による彫刻のようだった。
 エミはとろんとした顔でうっとりとディルを見つめる。

「ヤバ、ハクシャクって、身体までイケメン……♡」
「なんだ、私を観察するとは、まだ余力があるな」
「ぴぇっ、そんなのもうないよぉ……」
「おい、逃げるな」

 半泣きで逃げようとするエミの脚首を、ディルはむんずと掴んで自分の方に引き寄せた。そして、往生際悪く身体をよじって逃げようとするエミの脚を大きく開き、ディルはさっと己の身体をねじ込む。
 秘所が丸見えとなり、エミは羞恥のあまり足を閉じようとした。しかし、両の脚の間にしっかり挟まっているディルの体躯がそれを邪魔する。

「ハクシャク、この体勢、ちょい、恥ずい……かも」
「脚を広げろ。今からまず指を挿入する。最初は試しに一本から、徐々に増やす」
「えっ、ま、まだ、心の準備が、………ひんッ!」

 エミの蜜口にぐぷぐぷとディルの長い指がはいっていく。膣口にあったらしい中の蜜が、とろりと垂れてディルの指を濡らした。熱を持った襞は、侵入してきた指をきゅうきゅう締め付ける。

「クッ……。絶頂したのに、やたらとキツいな……」
「ハクシャク、ちょっと……い、痛い、かも……」
「む、痛みを感じるのか……。指を抜いたほうがいいか?」
「うん……」
「……困った、これは想定していなかった。この場合は、最初からしたほうが良いのか? ……いい加減、そろそろ我慢の限界なんだが」

 ディルは荒い息を吐きながら、独り言のように呟く。彼らしくないどこか余裕のない態度を前に、エミははたと気づく。先ほどから、ディルから快感を一方的に与えられるだけでエミ自身は彼に何もしていない。
 そっとディルの股間の方に目を落としてみれば、彼の猛りは全く鎮まっていない。それどころか、先ほどより大きくなっている気がする。
 エミの胸の奥がきゅっと苦しくなる。

「……ハクシャク、苦しい? コルセット外すのにだって時間かかったし、気持ちよくしてくれてる間も、ずっと我慢してたんだよね。……それなのに、あたしってば、自分のことばっかり……。ぜんぜん気が回らなくてごめん」
「お、おい……」

 エミはそっと手を伸ばし、ディルの陰茎におそるおそる触れ、そっと自らの割れ目に導く。割れ目に湛えられていた蜜が、怒張した剛直を迎えたことによって行きどころをなくし、とろりと垂れた。

「ねえ、……スキにしていいよ?」
「どこでそんな、煽り文句を教えられたんだ……ッ?」

 あまりに煽情的な眺めに、ディルは眩暈を覚えた。

――目の前の蕩ける会陰の奥にある快感に、いますぐにでも到達してしまいたい。あふれ出した衝動のまま、この華奢な身体を蹂躙し、自分のものにしたい。

 心臓を焼くような欲望が胸の奥底でせりあがる。微かな苛立ちとともに。
 いくら考えないようにしても、エミの一挙手一投足に元婚約者の影がちらつくような気がしていた。何も知らない無垢な身体に、全てを教えこんだだろう相手を。

(いや、なにを考えているんだ私は。過去に婚約者がいてもなお、受け入れると決めたのは自分だ。嫉妬など、まったく合理的ではない。素数でも数えて冷静にならねば……)

 己の理性を総動員させながら、ディルは努めて冷静に言う。

「聖女、これ以上こちらの理性を試すようなことは止めろ。……後悔しても、知らんぞ」
「ん……。ダイジョーブだから、ね? ……れて?」
「……クッ」

 濡れた瞳に見つめられ、ねだられた瞬間、ディルの最後の理性の砦が崩壊した。この聖女の瞳には、なにか魔法がかかっているに違いないとディルは思った。
 ディルは己の陰茎を、エミの淫唇にそってゆるゆると腰を揺らす。エミの身体がびくびくと震えて応える。

「……その瞳で見つめられれば、きっとどんな男の理性でも陥落させるのだろうな。――たとえ、この国の王子であっても」
「……? なんで、いまエリックの話するの……、んむっ……!」
「私の前で、ほかの男の名を口にするな。何も知らぬ乙女のような顔で私を煽るが、どうせ初めてではないんだろう? ……聖女と名乗っておきながら、自分から挿入してほしいと誘うなど、中身はとんだ淫乱だな」

 ディルは噛みつくように、エミの唇にディルがキスを落とす。驚くエミを見つめる薄青色の瞳は、欲情してギラギラしていた。

「合意は得たことだし、お望み通り挿入れさせてもらおう」

 ぐぷり。

 卑猥な音をたてて、一気に蜜壺にディルは己を沈ませる。エミが背中をそらして声にならない悲鳴をあげる。あまりに狭い肉壁がディルの猛りを拒むように締め付ける。

「あぅ……、い、いたい…………」
「………ッ、力を、抜け……!」
「あっ、……で、できないぃ……」

 エミが苦しそうに空気を求めて息をつく。強い痛みを我慢しているのか、シーツを掴む手が震えている。眼からは大粒の涙がたえずポロポロと流れていく。
 ディルはエミのまなじりから涙を舐めとると、荒い息をついてゆっくりと律動を送り込みはじめる。エミがくぐもった悲鳴をあげた。
 あまりの洞肉の締め付けに、すぐに達してしまいそうになったディルは、小さく唸り声をあげる。

「はあ、…………なんで、こんな……、狭いんだ……」
「じ、実は、……えっちするの、初めてでぇ……」

 一瞬の間があった。

「あれ、ハクシャクどーしたの……?」
「はぁ?!」

 ディルの顔が一気にサーッと蒼くなる。どこかに霧散していた理性が、一斉に帰ってきた。

「……初めて、だと……!?」

 信じられない気持ちで、ディルは今しがたエミから発せられた言葉を聞き返す。エミはこくこくと頷いた。
 おそるおそる身体を離すと、確かに繋がっていたあたりの真っ白なシーツに鮮血がついている。
 ディルは大いに動揺した。
 先ほどまで抱いていた第一王子への身を焦がすような激しい嫉妬は、まるで見当違いだったというわけだ。

「な、なんで最初に言わなかった!?」
「い、言おうとしたけど、ハクシャクぜんぜん聞いてくれなくてぇ……。なんか必死だったし、あんまりジャマしちゃいけないかなーって……」
「そ、そんなはずは……」

 ディルは額に手を当て、自らのさきほどまでの行いを事細かに反駁した。
 思い当たる節が、ありすぎる。
 思い返せば、確かにエミは何かを言いたがっていたのに、ディルがそれを遮ってしまっていた。第一王子とエミに肉体関係があると決めつけて、嫉妬で焦るあまり相手の言わんとする言葉に耳を傾けようともしなかった。

『一般的に、女人は何においても初めてを重視するものです』

 セバスチャンの忠告がディルの胸の内でこだまする。しかし、ディルはエミにとっての「初めて」に関しては、もうとっくの昔に第一王子に奪われたとばかり思っていた。だからこそ、セバスチャンの警告を無視してしまったのだ。
 そしてこのザマである。
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