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1章 謎の聖女は最強です!
聖女、喜ぶ!
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重苦しい沈黙のあと、エミはつけまつ毛で縁どられた目をしばたかせて不思議そうな顔をした。
「え~~~、なんか反応薄くな~い? 塩対応~~! ココってもしかして、ハクシャクの部屋じゃない系?」
「……いかにも、ここはソーオン伯爵の書斎になります。反応が遅くなってしまいまして、申し訳ございません。予想外の出来事に、少々驚いてしまいまして……。その、何と言いますか、とりあえず部屋に入る前にはノックをしていただきたく……」
コホン、と一つ咳払いをして、セバスチャンが困惑しながらも精いっぱい丁寧に懇願した。そうでもしなければ、先ほどから見るからに不機嫌になってしまったディルの眉間にこれ以上深い皺が刻まれることになる。
出会いがしら早々にセバスチャンに苦言を呈されたエミは「あっ」と言った後、ブン、と音がしそうなほど勢いよく、深々と頭を下げた。
「や~ん、それは申し訳なさの極みー! あたし、あんまりトイレ以外でドアをノックする習慣がなくってさぁ。びっくりさせちゃってごめん! 次から気を付けるね♡」
意外とあっさりと謝られたセバスチャンは拍子抜けした顔をした。
「いっ、意外と素直なお方なのですね……。こちらこそ、挨拶をする前に、差し出がましいことを申し上げてしまいました。ご無礼をお許しください。……改めまして、聖女エミ様、ようこそガシュバイフェンへ。私はセバスチャン。このソーオン家に仕える執事です」
「はーい、これからよろぴ~~♡」
「はい、よろしくお願いいたします。そして、こちらが、ディル・K・ソーオン様です。ささ、ご主人様、聖女様にご挨拶を」
セバスチャンは先ほどから無言で固まっているディルに挨拶を促す。
「……私が、このガシュバイフェンの領主、ディル・K・ソーオンだ」
あからさまにムッとした顔をしながら、ディルは最低限の挨拶を口にした。椅子から立ち上がることなく、足を組んだまま。
しかし、ディルの不遜な態度をものともせず、エミはディルの顔をじーっと見つめる。そして、おもむろにそっと手で口を覆い、目をキラキラさせながら、ほう、とため息をついた。
「えー、ちょーイケメンじゃん……。やば……♡」
その場に衝撃が走った。
セバスチャンはもちろん、ディルも口を半開きにして、ぽかんとした顔をしている。確かに彼が人目を惹く容姿をしているのは事実だ。しかし、ディルに面と向かって「イケメン」などと俗っぽい言葉を口にする貴族令嬢なんて、今まで出会ったことがない。ただの一人も、である。
ディルにとって貴族令嬢というものは、一様に熱っぽい視線をぶつけて、あいまいな微笑みを浮かべ、まどろっこしい言葉で中身のないおしゃべりをするだけの存在だった。
そんな貴族令嬢たちと比べると、聖女エミの振る舞いは一線を画している。
瞬間的に奇妙な空気が流れたものの、セバスチャンは場をとりなすように、再びコホン、と咳払いをして、当初から気になって疑問を口にする。
「そ、そういえば、エミ様はなぜこのような時間に? お約束の時間は、まだかと存じますが……」
「マ!? あたしは2時出発って聞いてたんですけどぉ!?」
「は、はあ。しかし、第一王子からの手紙には、4時と書いてありましたような……」
セバスチャンはポケットから王室のサインの入った封筒を取り出す。手紙には、やはり「エミの魔法転移時間は午後4時」と整った字で書いてあった。
「ってことは、あたし、こっちに2時間も早く来ちゃったんだ? だから転移魔法でこっちに飛んできたとき、周りに誰もいなかったってワケね! 完全に把握した! ぶっちゃけ、こっちに来ても森と山しかないし、いやマジか~ってチョー困ったんだよねぇ……」
「それでは、森からここまで、エミ様はお一人で来られたのですか? 護衛の騎士はどうしたのです?」
「一人で来て、とりま歩いてたら、でかめの家があったからお邪魔して、荷物はそこら辺において、デカめのドアあったから開けてみた、的な♡」
「そ、そんな適当な……。いいですか、エミ様。ガシュバイフェンは魔の森も近く、モンスターが出ます。そもそも、高貴な女性が一人で外を出歩くのは、あまりに不用心です」
「あー、そこらへんはまあ、大丈夫っていうか~。あたし、なにげ聖女だからさあ」
「い、いくら聖女様でも危険なんですっ! もしその御身になにかありましたら、こちらに責任問題が……」
心配するセバスチャンに向かって、エミは「大丈夫だってぇ!」と、豪快に笑う。ことの重要さが分かっていないのか、それともよほど腕に自信があるのかのどちらかだろう。
しかし、一般的にガシュバイフェンに出没するモンスターは割と強い。モンスターを討伐するのは、訓練を受けた騎士や聖職者くらいで、モンスターの駆除を生業にする人々もいるほどだ。
いくら腕に自信があっても、うら若き乙女がモンスターと対峙するのは危険すぎる。
セバスチャン困った顔をした。
「いいですか、聖女様。モンスターどもを侮っては……」
「フン、黙って聞いていれば、なんとも哀れな聖女が来たものだ」
セバスチャンの言葉を遮って、それまで腕を組んで黙っていたディルがようやく口を開いた。
「護衛を付けられることもなく、早すぎる時間にここに到着するのも、到着して聖女一人ガシュバイフェンをさまようことになるのも、あの第一王子はちゃんと分かっていたはずだ。おおかた、わざと転移時間を間違えてこちらに知らせてきたのだろう」
それは冷たく、残酷な一言だった。明るく笑っていたエミの顔がにわかに凍り付く。
セバスチャンはひどく気まずい顔をした。
「主様は、なぜ人があえて言及を避けたことをおっしゃるのですか……」
「はっきりさせておくべき事項だと判断した。第一王子は、遠く見知らぬ土地に聖女を放り出して、困らせてやる気だった。王室からの正式な書面で、時間を間違えるようなミスをするなんて、まずありえないからな」
「第一王子は、なんのために嫌がらせのようなことをなさったのです……?」
「嫌がらせのような、ではなく、純然たる嫌がらせだ。そこの聖女は第一王子によっぽど嫌われたとみえる。……いったい、なにをしでかしたんだ?」
ディルは冷ややかな視線をエミに向ける。エミの目が落ち着きなく泳いだ。
「あー、えーっと……」
先ほどの溌剌とした明るい喋り方からは打って変わって、エミはなにやら言いにくそうにもごもごと言葉を濁しはじめる。よほど言いにくい事情があるのだろう。
ディルは特にそれ以上は言及せず、ただひらひらと手を振った。
「言いたくないなら、言わなくていい。私にとっては、お前の過去などつゆほども興味がないからな。いちおう確認しておくが、聖女は私の婚約者としてここに来たんだな? それならば近々結婚するとしよう」
「……へっ、あたしとハクシャクの結婚は決定ってコト!?」
「当たり前だ。王子からの勧めとなれば、もはやこの結婚は決定事項も同義。この国の貴族である以上、私に拒否権はない」
ディルのあくまでも事務的な言葉に、セバスチャンは顔をこわばらせた。これではあまりに聖女がかわいそうだ。言外に、「お前は望んで迎えた婚約者ではない」と言っているようなものなのだから。
案の定、エミは一瞬びっくりしたような顔をしたあと、おもむろに俯いて拳を震わせた。金色の前髪に隠されて、その表情をうかがい知ることはできない。
「主様、そのような言い方はあんまりです。聖女様があまりに哀れで……」
さすがに、ディルの態度は無礼すぎた。エミに同情したセバスチャンは、顔をしかめ、エミの肩を持つ。しかし、ディルは小馬鹿にした笑みを浮かべて肩をすくめただけだった。
「全て事実だ。しかし、救国の聖女とはいえ、これしきで泣いているようであれば、しょせんそこら辺の女どもの同じレベルの――……」
「や……」
「や?」
その瞬間、セバスチャンは覚悟した。きっと、聖女は「やっぱり最低」と言葉をつなげるのだろう、と。そして、神経質なディル・K・ソーオンは、婚約者をまたも逃してしまうのだ。こうして、再び「冷血ソーオン伯はやはり結婚できない」と陰で嘲笑われながら、ソーオン家の血筋は途絶え――……。
一瞬にして走馬灯のようにソーオン家断絶のシナリオがセバスチャンの頭の中を駆け抜けた矢先、エミが発した一言は、予想だにしない言葉だった。
「やりらふぃー!」
エミは、ぎゅっと握った拳をブン、と空に向かって振りかざし、これ以上ないほど嬉しそうに歓声をあげた。エミの顔に浮かんだ笑顔はまるで、とっておきのプレゼントを受け取った子供のような、それはそれは無邪気なものだった。
「え~~~、なんか反応薄くな~い? 塩対応~~! ココってもしかして、ハクシャクの部屋じゃない系?」
「……いかにも、ここはソーオン伯爵の書斎になります。反応が遅くなってしまいまして、申し訳ございません。予想外の出来事に、少々驚いてしまいまして……。その、何と言いますか、とりあえず部屋に入る前にはノックをしていただきたく……」
コホン、と一つ咳払いをして、セバスチャンが困惑しながらも精いっぱい丁寧に懇願した。そうでもしなければ、先ほどから見るからに不機嫌になってしまったディルの眉間にこれ以上深い皺が刻まれることになる。
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「いっ、意外と素直なお方なのですね……。こちらこそ、挨拶をする前に、差し出がましいことを申し上げてしまいました。ご無礼をお許しください。……改めまして、聖女エミ様、ようこそガシュバイフェンへ。私はセバスチャン。このソーオン家に仕える執事です」
「はーい、これからよろぴ~~♡」
「はい、よろしくお願いいたします。そして、こちらが、ディル・K・ソーオン様です。ささ、ご主人様、聖女様にご挨拶を」
セバスチャンは先ほどから無言で固まっているディルに挨拶を促す。
「……私が、このガシュバイフェンの領主、ディル・K・ソーオンだ」
あからさまにムッとした顔をしながら、ディルは最低限の挨拶を口にした。椅子から立ち上がることなく、足を組んだまま。
しかし、ディルの不遜な態度をものともせず、エミはディルの顔をじーっと見つめる。そして、おもむろにそっと手で口を覆い、目をキラキラさせながら、ほう、とため息をついた。
「えー、ちょーイケメンじゃん……。やば……♡」
その場に衝撃が走った。
セバスチャンはもちろん、ディルも口を半開きにして、ぽかんとした顔をしている。確かに彼が人目を惹く容姿をしているのは事実だ。しかし、ディルに面と向かって「イケメン」などと俗っぽい言葉を口にする貴族令嬢なんて、今まで出会ったことがない。ただの一人も、である。
ディルにとって貴族令嬢というものは、一様に熱っぽい視線をぶつけて、あいまいな微笑みを浮かべ、まどろっこしい言葉で中身のないおしゃべりをするだけの存在だった。
そんな貴族令嬢たちと比べると、聖女エミの振る舞いは一線を画している。
瞬間的に奇妙な空気が流れたものの、セバスチャンは場をとりなすように、再びコホン、と咳払いをして、当初から気になって疑問を口にする。
「そ、そういえば、エミ様はなぜこのような時間に? お約束の時間は、まだかと存じますが……」
「マ!? あたしは2時出発って聞いてたんですけどぉ!?」
「は、はあ。しかし、第一王子からの手紙には、4時と書いてありましたような……」
セバスチャンはポケットから王室のサインの入った封筒を取り出す。手紙には、やはり「エミの魔法転移時間は午後4時」と整った字で書いてあった。
「ってことは、あたし、こっちに2時間も早く来ちゃったんだ? だから転移魔法でこっちに飛んできたとき、周りに誰もいなかったってワケね! 完全に把握した! ぶっちゃけ、こっちに来ても森と山しかないし、いやマジか~ってチョー困ったんだよねぇ……」
「それでは、森からここまで、エミ様はお一人で来られたのですか? 護衛の騎士はどうしたのです?」
「一人で来て、とりま歩いてたら、でかめの家があったからお邪魔して、荷物はそこら辺において、デカめのドアあったから開けてみた、的な♡」
「そ、そんな適当な……。いいですか、エミ様。ガシュバイフェンは魔の森も近く、モンスターが出ます。そもそも、高貴な女性が一人で外を出歩くのは、あまりに不用心です」
「あー、そこらへんはまあ、大丈夫っていうか~。あたし、なにげ聖女だからさあ」
「い、いくら聖女様でも危険なんですっ! もしその御身になにかありましたら、こちらに責任問題が……」
心配するセバスチャンに向かって、エミは「大丈夫だってぇ!」と、豪快に笑う。ことの重要さが分かっていないのか、それともよほど腕に自信があるのかのどちらかだろう。
しかし、一般的にガシュバイフェンに出没するモンスターは割と強い。モンスターを討伐するのは、訓練を受けた騎士や聖職者くらいで、モンスターの駆除を生業にする人々もいるほどだ。
いくら腕に自信があっても、うら若き乙女がモンスターと対峙するのは危険すぎる。
セバスチャン困った顔をした。
「いいですか、聖女様。モンスターどもを侮っては……」
「フン、黙って聞いていれば、なんとも哀れな聖女が来たものだ」
セバスチャンの言葉を遮って、それまで腕を組んで黙っていたディルがようやく口を開いた。
「護衛を付けられることもなく、早すぎる時間にここに到着するのも、到着して聖女一人ガシュバイフェンをさまようことになるのも、あの第一王子はちゃんと分かっていたはずだ。おおかた、わざと転移時間を間違えてこちらに知らせてきたのだろう」
それは冷たく、残酷な一言だった。明るく笑っていたエミの顔がにわかに凍り付く。
セバスチャンはひどく気まずい顔をした。
「主様は、なぜ人があえて言及を避けたことをおっしゃるのですか……」
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「第一王子は、なんのために嫌がらせのようなことをなさったのです……?」
「嫌がらせのような、ではなく、純然たる嫌がらせだ。そこの聖女は第一王子によっぽど嫌われたとみえる。……いったい、なにをしでかしたんだ?」
ディルは冷ややかな視線をエミに向ける。エミの目が落ち着きなく泳いだ。
「あー、えーっと……」
先ほどの溌剌とした明るい喋り方からは打って変わって、エミはなにやら言いにくそうにもごもごと言葉を濁しはじめる。よほど言いにくい事情があるのだろう。
ディルは特にそれ以上は言及せず、ただひらひらと手を振った。
「言いたくないなら、言わなくていい。私にとっては、お前の過去などつゆほども興味がないからな。いちおう確認しておくが、聖女は私の婚約者としてここに来たんだな? それならば近々結婚するとしよう」
「……へっ、あたしとハクシャクの結婚は決定ってコト!?」
「当たり前だ。王子からの勧めとなれば、もはやこの結婚は決定事項も同義。この国の貴族である以上、私に拒否権はない」
ディルのあくまでも事務的な言葉に、セバスチャンは顔をこわばらせた。これではあまりに聖女がかわいそうだ。言外に、「お前は望んで迎えた婚約者ではない」と言っているようなものなのだから。
案の定、エミは一瞬びっくりしたような顔をしたあと、おもむろに俯いて拳を震わせた。金色の前髪に隠されて、その表情をうかがい知ることはできない。
「主様、そのような言い方はあんまりです。聖女様があまりに哀れで……」
さすがに、ディルの態度は無礼すぎた。エミに同情したセバスチャンは、顔をしかめ、エミの肩を持つ。しかし、ディルは小馬鹿にした笑みを浮かべて肩をすくめただけだった。
「全て事実だ。しかし、救国の聖女とはいえ、これしきで泣いているようであれば、しょせんそこら辺の女どもの同じレベルの――……」
「や……」
「や?」
その瞬間、セバスチャンは覚悟した。きっと、聖女は「やっぱり最低」と言葉をつなげるのだろう、と。そして、神経質なディル・K・ソーオンは、婚約者をまたも逃してしまうのだ。こうして、再び「冷血ソーオン伯はやはり結婚できない」と陰で嘲笑われながら、ソーオン家の血筋は途絶え――……。
一瞬にして走馬灯のようにソーオン家断絶のシナリオがセバスチャンの頭の中を駆け抜けた矢先、エミが発した一言は、予想だにしない言葉だった。
「やりらふぃー!」
エミは、ぎゅっと握った拳をブン、と空に向かって振りかざし、これ以上ないほど嬉しそうに歓声をあげた。エミの顔に浮かんだ笑顔はまるで、とっておきのプレゼントを受け取った子供のような、それはそれは無邪気なものだった。
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