【R18】女騎士は冷徹幼馴染の溺愛コマンドに屈しない! -Dom/Subユニバース-

沖果南

文字の大きさ
上 下
90 / 96
番外編

恋とはどういうものかしら ※レオナルド視点 (2)

しおりを挟む
「な、なんで、お前はそれを……っ」
「おっと、その反応だと、俺の勘は当たったらしいな」

 その瞬間、鎌をかけられたと気づいたイライアスは、レオナルドをきつく睨む。
 イライアスの反応で、レオナルドは笑みを深めた。

「やっぱり、ジェシカ嬢が第一騎士団の入団テストを受けるわけだな。それで、お前は彼女を尻を追って騎士団に入りたがってるわけだ。いい加減、初恋の呪縛から解放されたらどうなんだ。しつこい男は嫌われるぞ?」
「レオ!」
 
 わざと嫌味な言い方をするレオナルドに、イライアスはあからさまに苛立った顔をした。ジェシカの話になると、イライアスはとにかくわかりやすい男になる。
 両親の不仲が原因で、イライアスはローデ夫人の実家に一時期身を寄せていた。その時、近くに住んでいたのがウォグホーン子爵家だったらしい。ウォグホーン子爵家の長女ジェシカとイライアスは、同い年ということもあってすぐに仲良くなったという。
 そして、イライアスはジェシカに恋に落ちたらしい。
 寡黙なイライアスが、ジェシカに対する想いをはっきりと言葉にしたことはない。しかし、その話しぶりや態度から、イライアスがジェシカを憎からず思っているのは明らかだった。
 イライアスは、ジェシカの話をする時だけ、年相応の顔をする。普段が無表情なだけに、その変化は顕著だ。
 その上、ジェシカに首ったけなイライアスは、社交界の女たちに見向きもしない。毎日舞い込んできているだろう婚姻話も、一切進めていないと聞いている。現に、今日のティーパーティーでも、ちらちらと熱い視線を注がれているのに、彼はどんな美しい令嬢にも全く興味がないようだった。
 イライアスがこれほどまでに惚れ込んでいるのだ。ジェシカ・ウォグホーンはさぞかし美人なのだろうと思うのだが、残念ながらレオナルドは一度も彼女に会ったことがない。
 とにかく、イライアスがジェシカ・ウォグホーンを憎からず思っているのは事実だ。そして、レオナルドがそれを苦々しく思っていることも。

(そういえば、誰かが恋する男は馬鹿になると言っていたな。まさか、イライアスがその典型例になるとは……)
 
 王族として生を享けたレオナルドは、自分の立場はよく弁えているつもりでいる。いつかは政略結婚をするだろうが、相手は自分にとって最大のメリットをもたらす相手にすると決めていた。
 彼の人生にとって、色恋の類いは邪魔になるものという認識だ。現に、目の前に座るイライアスが、恋愛に振り回されている。
 
「馬鹿め。女一人ごときで人生を棒に振る気か。理解できないな」
「……ジェシカは特別なんだ」

 イライアスの口から発せられた彼女の名前は、聞いているこちらがドキッとしてしまうような、甘い響きを含んでいた。遠い目をするイライアスの横顔は、心なしか切なげで、――幸せそうだ。
 レオナルドは不思議だった。どうして、ジェシカという女の話をするたびに、イライアスがこんな顔をするのかが分からない。いくら相手が特別だからとはいえ、この変わりようは異常だ。

「そんなに特別なら、お前が騎士団に入るなんてまどろっこしいことをせずに、ジェシカ嬢と結婚すればいい。伯爵家のお前から申し込めば、ウォグホーン子爵家も断れないだろう。金を積めばいうことなしだ」
「それは、良くない。……ジェシカはSubではなく、Normalなんだ」
「それがどうした。DomとNormalの結婚なんて、珍しくない。俺たち貴族にとって、ダイナミクスのパートナーと結婚相手は別だ。妾を持つ者だって少なくない。ひとまずジェシカ嬢と結婚して、Subの相手は別に用意すればいい」

 イライアスとレオナルドのダイナミクスは、Domだ。つまり、支配したいという欲求が人並以上に強い。人口の大半を占めるNormalには、この欲求は理解しがたい。結局のところ、Domの欲求を埋めることができるのは、Subだけなのだ。
 つまり、NormalとDomが結ばれたとしても、DomはSubを求めてしまう。だからこそ、ダイナミクスの不一致が起こりやすい政略結婚では、結婚相手以外にダイナミクスのパートナーを持つのが貴族の間では通例となっている。特に高位貴族のDomは支配欲求が強い者も多く、複数人のSubを囲っていることがざらにある。
 長い沈黙の後、イライアスは首を振った。

「……俺の母はNormalで、Domの父から不当な扱いを受け続け、不幸になった。俺は、父のようにジェシカを不幸にしたくない」
「でも、ジェシカ嬢の近くにはいたい。だから、騎士団に入ってそばにいるってか?」
「ただそばにいる分には、問題ないだろう」

 なにか痛みを堪えるような顔をして遠い目をするイライアスに、レオナルドはもはやため息をつくしかない。この男は本気で、ジェシカと結ばれようとは夢にも思っていないらしい。
 イライアスは普段、ほとんど自分の我を出さない男だが、ときおり頑固な一面を見せる。こうなると、イライアスは梃子でも動かない。

(まったく、面倒なことになった。俺の将来のために、イライアスを出世させたいと思ってたのに……)

 レオナルドは内心、舌打ちが止まらなかった。
 イライアスのような便利な駒は、なるだけ手元に置いておきたいが、まさかその当人が、恋愛ごときで出世の道を捨ててしまうとは。
 だいたい、恋愛でおかしくなってしまうような輩は、自制心が足りないのだ。自分の立場を弁えていれば、そんなくだらない感情に流されはしないはずなのに。
 なんとか説得できないかと考えあぐね、庭の方を見ると、ふと若いメイドの姿が目に入った。なにやら、庭園の片隅でオロオロしている。お仕着せのメイド服から判断するに、どうやら招待客が連れて来たメイドだろう。
 イライアスも、レオナルドの視線を追って、遅れて異変に気付いた。

「庭の方で問題があったらしいな」
「ああ。まあ、様子を見に行くか」

 面倒なことに気付いてしまったと、一瞬眉根を寄せたレオナルドだったが、無視するわけにもいかない。こういう時に、他人に親切にして貸しを作っておくと、のちのち便利なことをレオナルドはよく知っている。
 レオナルドは、イライアスを連れて大広間から庭に通じる階段に出る。

(やれやれ、面倒な問題でなければいいんだが……)

 レオナルドは人好きのする笑顔を浮かべると、メイドと貴族令嬢に近づく。
 
「ご機嫌よう、レディ」
 
 そう問いかけると、若いメイドが驚いた顔をする。突然あらわれた一国の王子に、親しげに声を掛けられたのだから、その反応も当然だ。
 
「れ、レオナルド殿下!? 栄えある王国の御子に、ご挨拶を――」
「そこまで畏まることはない。それより、なにかお困りのようだが?」
「実は、お嬢さまが胸がドキドキすると仰って、倒れられてしまって……」
 
 メイドは縋るようにレオナルドを見つめている。
 体調を崩してしまった主人を、若いメイド一人で運ぼうとするのは無理があるため、助けを求めていたらしい。
 お嬢さま、と呼ばれた人物は、庭の木陰のベンチに苦しそうに胸を押さえて座っていた。輝くような亜麻色の髪をした令嬢だ。俯いているため顔は見えないが、おそらくレオナルドより年下に見えた。薄桃色のフワフワとしたドレスは真新しく、デビュタントしたばかりなのだろう。

(ふむ、『見知らぬ令嬢を助けた第二王子』という構図も、なかなか悪くはない)
 
 打算的なことを考えたレオナルドは、安心させるように微笑んだ。

「それは大変だ。王宮医のところに連れて行きましょう。幸いにも、ここに馬鹿力だけが取り柄の男がいる」
「だれが馬鹿力だけが取り柄だ」

 散々な言い草に、イライアスは不満そうな顔をした。レオナルドはそれを華麗に無視スルーして、木陰にいる令嬢に声をかける。

「失礼、小さなレディ――」

 声を掛けられた令嬢がゆっくりと顔を上げた。亜麻色の髪がさらさらと肩口からこぼれ、けぶるような長い睫毛に縁取られた瞳が、ゆっくりと開かれる。
 そして、二人の視線が絡み合った。

「――――――――………………」

 レオナルドは思わず息を呑んだ。
 これほどまでに美しい女性を、レオナルドは見たことがなかった。
 甘く整った顔立ちは、全てのパーツが完璧な位置に配置されている。体調が悪いためか、白皙の頬は青白いが、今すぐに触れたくなるほどに滑らかだ。
 風が吹けばすぐに飛んでいってしまいそうなほど華奢な身体は、見ているだけで庇護欲が刺激されて仕方ない。
 そして、なによりもレオナルドの心を容赦なく揺さぶったのは、潤んだ菫色の瞳だった。
 光の加減によって色を変える輝く瞳は、まさにアメジストの宝石のようだ。レオナルドはその美しい瞳を、いつまでも見つめられると思った。その瞳に、自分しか映したくないという苛烈な独占欲が、レオナルドの胸を支配する。
 
(好きだ。俺のものに、したい――……)

 レオナルドを見つめる菫色の瞳の令嬢もまた、レオナルドから視線が逸らせないようだった。澄んだ大きな瞳が、徐々に熱を帯びて潤んでいく。
 まるで魔法にかかってしまったように、二人はお互いを見つめ合う。
 彼女は、レオナルドが生まれてはじめて感じた衝動を、一瞬にして引きずり出した。
 そして、頓悟する。これが恋なのだ。
 抗うことなど到底不可能で、いつも冷静なイライアスすら、冷静でなくなってしまうような。
 レオナルドの背後で、イライアスがメイドが喋っている内容が、断片的に耳に入る。

「心拍数の上昇と意識混濁という症状か。これはダイナミクス初期発現時の、典型的な症状だ。ダイナミクスが分かった時、こうして体調を崩すことがよくある」
「……もしかしたら、お嬢様はSubになられたのかもしれません。奥様もSubでいらっしゃいますし、家系的にもSubの方が多く……」

 この不思議な魅力をたたえた少女は、Subらしい。そう気づいた瞬間、耳の奥で荘厳な鐘の音が鳴り響き、目の前が明るく開けた気がした。世界が一変してしまったような、そんな気さえする。

「君は、Subなのか……?」

 思わず訊ねると、亜麻色の髪の令嬢はかすかに頬を赤らめてコクリと頷いた。

「そうなのかも、しれません……」
 
 ぽってりした唇から紡がれた一言は、まるで鈴の音や小鳥の歌声のように可憐だった。その声は、レオナルドの心を奥底から甘く掻き乱す。
 自分がDomであることに、これ以上の歓びを感じたことはない。この苦しんでいる可憐な令嬢を自分が救ってやらなくてはならない。Domとしての本能が、そうレオナルドに告げていた。
 運命の相手に出会ってしまったのだ。運命のSubに。
 レオナルドは、勢いよくイライアスを振り返った。

「イライアス! 正直な話をすれば、長らく片思いをしているお前を、先ほどまで心底馬鹿にしていた。自制心がないから、恋なんかに溺れるんだと。しかし、俺が間違っていた。前言撤回だ」
「はあ?」

 イライアスは怪訝そうな顔をした。レオナルドは構わず続ける。
 
「お前はNormalに恋をしてしまった可哀想なヤツだ。心底同情する。幸せになれ」
 
 そこまで一気に言うと、レオナルドは再び美しい令嬢に向かいあった。アメジストのような双眸が、レオナルドをひたむきに見上げている。その輝きが、他の何よりも美しい。

「美しい人よ。名前を聞いても?」
「……リーデ・シャルロットと申します」
「リーデ……」

 レオナルドは彼女の名前を舌の上で転がした。何度も呼びたくなるほど、可愛らしい名前だ。
 普段のレオナルドであれば、シャルロット家がどのような家門だったかを抜け目なく考えていたはずだ。王族として、相手は自分にとって最大のメリットをもたらす相手と結婚すると決めていた。
 しかし、運命の相手に出会ってしまった今、シャルロット家がどんな家門であれ、どうでもいい。今はこの令嬢リーデしか、考えられないのだから。
 レオナルドは、勢いよく跪き、リーデの白い手をそっと持ち上げる。
 
「リーデ、“俺と結婚しろ”」
「レオ、お前は何を言っているんだ!?」

 レオナルドが口にしたのは、DomがSubを支配するためのコマンドだった。常識人であるイライアスは面食らった顔をする。
 そして、さらにイライアスをギョッとさせたのは――、

「――はい♡」

 リーデがうっとりした顔で、しかしハッキリとそれに頷いたことである。
 ――その場にいる全員が大パニックになったのは、言うまでもない。
しおりを挟む
感想 23

あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

過去の名君は仮初の王に暴かれる

沖果南
恋愛
とある騎士の長い長い片思いのお話です。しょっぱなからせっせしてるので注意してください。

【完結】私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね

江崎美彩
恋愛
 王太子殿下の婚約者候補を探すために開かれていると噂されるお茶会に招待された、伯爵令嬢のミンディ・ハーミング。  幼馴染のブライアンが好きなのに、当のブライアンは「ミンディみたいなじゃじゃ馬がお茶会に出ても恥をかくだけだ」なんて揶揄うばかり。 「私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね! 王太子殿下に見染められても知らないんだから!」  ミンディはブライアンに告げ、お茶会に向かう…… 〜登場人物〜 ミンディ・ハーミング 元気が取り柄の伯爵令嬢。 幼馴染のブライアンに揶揄われてばかりだが、ブライアンが自分にだけ向けるクシャクシャな笑顔が大好き。 ブライアン・ケイリー ミンディの幼馴染の伯爵家嫡男。 天邪鬼な性格で、ミンディの事を揶揄ってばかりいる。 ベリンダ・ケイリー ブライアンの年子の妹。 ミンディとブライアンの良き理解者。 王太子殿下 婚約者が決まらない事に対して色々な噂を立てられている。 『小説家になろう』にも投稿しています

若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!

古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。 そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は? *カクヨム様で先行掲載しております

婚約破棄の甘さ〜一晩の過ちを見逃さない王子様〜

岡暁舟
恋愛
それはちょっとした遊びでした

お兄様の指輪が壊れたら、溺愛が始まりまして

みこと。
恋愛
お兄様は女王陛下からいただいた指輪を、ずっと大切にしている。 きっと苦しい片恋をなさっているお兄様。 私はただ、お兄様の家に引き取られただけの存在。血の繋がってない妹。 だから、早々に屋敷を出なくては。私がお兄様の恋路を邪魔するわけにはいかないの。私の想いは、ずっと秘めて生きていく──。 なのに、ある日、お兄様の指輪が壊れて? 全7話、ご都合主義のハピエンです! 楽しんでいただけると嬉しいです! ※「小説家になろう」様にも掲載しています。

処理中です...