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本編
好きだと言って R(2)
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抱きしめてくるイライアスの体が熱い。耳元をくすぐる吐息は、どこか甘い響きがして、ジェシカの心臓は早鐘を打った。
「本当に……いいの? 迷惑じゃない?」
「迷惑なわけがない。ジェシカは、もう少しわがままになってくれ」
イライアスの声は低く掠れている。抱きしめる腕の力は強い。逞しい胸から響く鼓動に耳を澄ませながら、ジェシカは勇気を振り絞って口を開いた。
「あのね……もう一度、イライアスとひとつになりたい」
「…………ッ!」
ジェシカを抱きしめていた腕に、グッと力が籠もった。痛いくらいの抱擁すら、心地よいと思ってしまうから重症だ。
「大事にするつもりではあるが、もう我慢しないからな」
イライアスは低い声でそれだけ言うと、ジェシカに覆いかぶさり、何度も口づけを落としながら、器用にジェシカの服を脱がしていく。彼の大きな手のひらが優しく脇腹を撫で上げ、ジェシカは身体を震わせた。
「ぜ、全部は、脱がせないで……」
「なんだ、自分で脱ぎたいのか?」
「ち、違うわよ! 私の身体は、傷痕だらけで、汚いから……」
ジェシカの声が、自信なさげにしぼんでいく。身体中に走る傷痕を見て、イライアスが幻滅しないか怖くてしかたない。それに、胸も尻も、男の目を悦ばせるような大きさではないことくらい、分かっている。
しかし、イライアスは問答無用でジェシカの服を全部脱がした。ジェシカは背中を丸めて隠すが、イライアスの手がジェシカの手を優しく掴み、それを阻む。
「ジェシカ、“仰向けになって”」
「あっ……♡」
コマンドによって、ジェシカはイライアスの下で全てを曝け出すような体勢になる。恥ずかしくてしかたないのに、肌を炙るような熱烈な視線に串刺しにされて、動けない。
「隠すな。こんなに魅力的で、綺麗な身体をしているのに……」
イライアスは臍の上あたりにある引き攣れた傷痕や、二の腕の内側にある縫合痕まで一つずつ丁寧に舌を這わしていく。イライアスの肉厚な舌が触れたところが、たちどころに熱を持ち、その熱が全身に広がる。
ジェシカは声を上ずらせた。
「綺麗なわけないでしょ! 胸だって、そんなに大きくな……、ひゃんっ!」
「大きさは関係ない。小ぶりだけど、可愛らしくて興奮する。感度もかなりよさそうだ」
イライアスの指が、ジェシカの慎まやかだが形のいい胸の先にある突起を摘まむ。その瞬間、電流にも似た鮮烈な快感が背筋を駆け上がり、ジェシカは甲高い声を上げた。
「あっ、だめ……。こんなの知らないっ……! やだぁっ……」
「嫌じゃないだろ。こっちは喜んでいるくせに」
イライアスが、ジェシカの固くなった胸の先を摘まみながら、もう片方の胸に舌を這わせる。舐めまわされると、もっと触ってほしそうに双丘の頂がぷっくらと立ち上がった。胸への刺激だけで、蜜口がじゅわりと潤むのを感じる。
やがて、舌で弄るだけでは物足りなくなったのか、イライアスはぱくりとそこに吸い付いた。大きな手が鎖骨から胸を優しくなでる。気持ちよく酩酊した時のような感覚がふわりと身体中に広がる。
「あっ……、ふあ……っ」
イライアスはもう片方の胸も揉みながら、その先端を舐めたり、軽く歯を立てたりと執拗に攻める。その度に、ジェシカの身体はびくびくと震えた。逃げようとしても、腰に巻きついた腕がジェシカを逃がしてくれない。
(あの夜と、全然違う……)
何もかも一足飛びに手順を飛ばして繋がってしまったあの夜と比べて、今日のイライアスは全てを味わい尽くすように丁寧で執拗だった。
ジェシカの身体は愛撫されるたびに敏感な場所を探し当てられ、ぐずぐずに溶かされていく。これ以上、イライアスに触れられたらおかしくなりそうだ。
やがて、イライアスの手が下肢へと伸びた。反射的に足を閉じようとしたものの、イライアスのギラギラした視線に制されて動けなくなってしまう。そこはすっかり潤んで、物欲しそうにくぱくぱと蠢いているのが自分でも分かる。
秘所はすっかり濡れそぼっていたらしく、イライアスの指が割れ目を優しくなぞっただけでくちゅりといやらしい水音がした。
「可愛い……。期待して濡れてる」
「あっ、あああ……」
快楽に蕩けた瞳でイライアスを見つめると、熱心にこちらを見つめていた瞳がふと意地悪な色を帯びて細められた。
「“恥ずかしいところ、見せて”」
低く囁かれるコマンドに、ジェシカは全身を火照らせた。
羞恥を感じながらも、ジェシカは自ら膝の裏に手をかけると、広げた両ひざを床について腰を反らす。ちょうど、イライアスに秘所を見せるような格好だ。トロリとした蜜が、ぽたぽたとベッドのシーツにこぼれた。
「ちゃんと俺のコマンドを聞いてくれてありがとう。……ああ、ココ、すごい蜜が溢れている。可愛いな。胸もほら、こんなにいやらしく尖って……」
「んうっ……♡」
この美しい男は今、自分だけを見ているのだという事実が、ジェシカの心をますます昂ぶらせた。もっと夢中になってほしくて、無意識のうちに腰が揺らめいてしまう。恥ずかしい。それなのに、それがたまらない。
ジェシカはDomに支配される喜びを完全に理解しはじめていた。
イライアスはこんなに恥ずかしい姿を見せたとしても、ジェシカを嘲ったり、冷笑したりすることはない。どんなに恥ずかしい姿を曝け出しても、全てを丸ごと受け入れてくれる存在がいるだけで、どれだけ心が満たされるだろう。
絶対に自分のすべてを曝け出してもなお大丈夫だと思える人に、身も心も全て委ねる倒錯的な享楽は、他の何にも変え難い。
ジェシカがこれほどまでに身も心も委ねられる相手は、この世界にたった一人だけだ。
(私、イライアス以外とこういうこと、したくない……)
ジェシカの理性はとうに焼き切れて、もう目の前のDomのこと以外何も考えられなかった。
もっと支配されたい、命令されたい。イライアスにされることなら何だって嬉しいし、どんなことだって従いたい。もっと欲しい。足りない。
「“俺を見て”」
コマンドに従って、ジェシカは恥ずかしい体勢のままイライアスを見つめた。見つめあうだけで、息が上がってしまう。
ジェシカの潤んだ瞳を見たイライアスは、獰猛な笑みを浮かべた。
「本当にきれいな瞳だ。その眼で見つめられるだけで、ゾクゾクする」
興奮を孕んで呟かれた声が、耳の奥をぞわりとさせた。
「本当に……いいの? 迷惑じゃない?」
「迷惑なわけがない。ジェシカは、もう少しわがままになってくれ」
イライアスの声は低く掠れている。抱きしめる腕の力は強い。逞しい胸から響く鼓動に耳を澄ませながら、ジェシカは勇気を振り絞って口を開いた。
「あのね……もう一度、イライアスとひとつになりたい」
「…………ッ!」
ジェシカを抱きしめていた腕に、グッと力が籠もった。痛いくらいの抱擁すら、心地よいと思ってしまうから重症だ。
「大事にするつもりではあるが、もう我慢しないからな」
イライアスは低い声でそれだけ言うと、ジェシカに覆いかぶさり、何度も口づけを落としながら、器用にジェシカの服を脱がしていく。彼の大きな手のひらが優しく脇腹を撫で上げ、ジェシカは身体を震わせた。
「ぜ、全部は、脱がせないで……」
「なんだ、自分で脱ぎたいのか?」
「ち、違うわよ! 私の身体は、傷痕だらけで、汚いから……」
ジェシカの声が、自信なさげにしぼんでいく。身体中に走る傷痕を見て、イライアスが幻滅しないか怖くてしかたない。それに、胸も尻も、男の目を悦ばせるような大きさではないことくらい、分かっている。
しかし、イライアスは問答無用でジェシカの服を全部脱がした。ジェシカは背中を丸めて隠すが、イライアスの手がジェシカの手を優しく掴み、それを阻む。
「ジェシカ、“仰向けになって”」
「あっ……♡」
コマンドによって、ジェシカはイライアスの下で全てを曝け出すような体勢になる。恥ずかしくてしかたないのに、肌を炙るような熱烈な視線に串刺しにされて、動けない。
「隠すな。こんなに魅力的で、綺麗な身体をしているのに……」
イライアスは臍の上あたりにある引き攣れた傷痕や、二の腕の内側にある縫合痕まで一つずつ丁寧に舌を這わしていく。イライアスの肉厚な舌が触れたところが、たちどころに熱を持ち、その熱が全身に広がる。
ジェシカは声を上ずらせた。
「綺麗なわけないでしょ! 胸だって、そんなに大きくな……、ひゃんっ!」
「大きさは関係ない。小ぶりだけど、可愛らしくて興奮する。感度もかなりよさそうだ」
イライアスの指が、ジェシカの慎まやかだが形のいい胸の先にある突起を摘まむ。その瞬間、電流にも似た鮮烈な快感が背筋を駆け上がり、ジェシカは甲高い声を上げた。
「あっ、だめ……。こんなの知らないっ……! やだぁっ……」
「嫌じゃないだろ。こっちは喜んでいるくせに」
イライアスが、ジェシカの固くなった胸の先を摘まみながら、もう片方の胸に舌を這わせる。舐めまわされると、もっと触ってほしそうに双丘の頂がぷっくらと立ち上がった。胸への刺激だけで、蜜口がじゅわりと潤むのを感じる。
やがて、舌で弄るだけでは物足りなくなったのか、イライアスはぱくりとそこに吸い付いた。大きな手が鎖骨から胸を優しくなでる。気持ちよく酩酊した時のような感覚がふわりと身体中に広がる。
「あっ……、ふあ……っ」
イライアスはもう片方の胸も揉みながら、その先端を舐めたり、軽く歯を立てたりと執拗に攻める。その度に、ジェシカの身体はびくびくと震えた。逃げようとしても、腰に巻きついた腕がジェシカを逃がしてくれない。
(あの夜と、全然違う……)
何もかも一足飛びに手順を飛ばして繋がってしまったあの夜と比べて、今日のイライアスは全てを味わい尽くすように丁寧で執拗だった。
ジェシカの身体は愛撫されるたびに敏感な場所を探し当てられ、ぐずぐずに溶かされていく。これ以上、イライアスに触れられたらおかしくなりそうだ。
やがて、イライアスの手が下肢へと伸びた。反射的に足を閉じようとしたものの、イライアスのギラギラした視線に制されて動けなくなってしまう。そこはすっかり潤んで、物欲しそうにくぱくぱと蠢いているのが自分でも分かる。
秘所はすっかり濡れそぼっていたらしく、イライアスの指が割れ目を優しくなぞっただけでくちゅりといやらしい水音がした。
「可愛い……。期待して濡れてる」
「あっ、あああ……」
快楽に蕩けた瞳でイライアスを見つめると、熱心にこちらを見つめていた瞳がふと意地悪な色を帯びて細められた。
「“恥ずかしいところ、見せて”」
低く囁かれるコマンドに、ジェシカは全身を火照らせた。
羞恥を感じながらも、ジェシカは自ら膝の裏に手をかけると、広げた両ひざを床について腰を反らす。ちょうど、イライアスに秘所を見せるような格好だ。トロリとした蜜が、ぽたぽたとベッドのシーツにこぼれた。
「ちゃんと俺のコマンドを聞いてくれてありがとう。……ああ、ココ、すごい蜜が溢れている。可愛いな。胸もほら、こんなにいやらしく尖って……」
「んうっ……♡」
この美しい男は今、自分だけを見ているのだという事実が、ジェシカの心をますます昂ぶらせた。もっと夢中になってほしくて、無意識のうちに腰が揺らめいてしまう。恥ずかしい。それなのに、それがたまらない。
ジェシカはDomに支配される喜びを完全に理解しはじめていた。
イライアスはこんなに恥ずかしい姿を見せたとしても、ジェシカを嘲ったり、冷笑したりすることはない。どんなに恥ずかしい姿を曝け出しても、全てを丸ごと受け入れてくれる存在がいるだけで、どれだけ心が満たされるだろう。
絶対に自分のすべてを曝け出してもなお大丈夫だと思える人に、身も心も全て委ねる倒錯的な享楽は、他の何にも変え難い。
ジェシカがこれほどまでに身も心も委ねられる相手は、この世界にたった一人だけだ。
(私、イライアス以外とこういうこと、したくない……)
ジェシカの理性はとうに焼き切れて、もう目の前のDomのこと以外何も考えられなかった。
もっと支配されたい、命令されたい。イライアスにされることなら何だって嬉しいし、どんなことだって従いたい。もっと欲しい。足りない。
「“俺を見て”」
コマンドに従って、ジェシカは恥ずかしい体勢のままイライアスを見つめた。見つめあうだけで、息が上がってしまう。
ジェシカの潤んだ瞳を見たイライアスは、獰猛な笑みを浮かべた。
「本当にきれいな瞳だ。その眼で見つめられるだけで、ゾクゾクする」
興奮を孕んで呟かれた声が、耳の奥をぞわりとさせた。
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