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いくら仲良しでも適度な距離は必要です。

いくら仲を深めると言っても同意の上でないといけません④

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長いキスが終わった後、俺の隣に横になった晴人はじっと俺の顔を見つめて複雑そうな顔をした。

「な、何…?晴人」

「なんか…反応が意外で」

そう呟いて、ベッドサイドに置いてあったミネラルウォーターを取って俺の頰に当てた。

「わっ、何すんだよ」

「水飲みたいってさっき言ってただろ?熱中症になったら困るから水分補給」

「う、うん」

さっきまで寝てたし気がつけば喉はカラカラで、さっき射精した余韻で力の入らない身体を何とか起こしてペットボトルを受け取ったけど、手がちょっと震えた。

「……悠太、貸して」

晴人の家は夏になるとミネラルウォーターを凍らせたペットボトルを常備してて、よく冷えたのを飲ませてくれた。

「飲ませてやろうか」

「じ、自分で飲めるし…」

どうやって飲ませるつもりなんだよ!

「……冗談だよ。エロい顔やめろ、悠太」

あっさり蓋を開けてはいって渡された半分溶けたミネラルウォーターを一気に喉に流し込んだら、頭が痛くなるくらい冷たくて身体に染み渡った。

「冷たい?俺も飲む」

「うん?あっ」

取り上げられたペットボトルをそのまま口に持っていった晴人は、迷う事なく当たり前みたいにそれを飲み干した。

「あぁっ!何で俺の飲むんだよ…!自分の飲めよ…っ」

口つけたやつとか平気で飲まれると間接キスを想像して、思わず変な事でキレてみたりして恥ずかしくてごまかすのが大変だった。

「…いや、いつもこれくらいシェアしてなかったか…?」

「だって、溶けた部分、なくなっちゃったじゃん…俺まだ飲みたかったのに…」

ああ、ごめんって謝ってくれる幼なじみに何だか悪いと思ってタオルケットを引っ張って握り締める。

「んー、そっか。持ってれば溶けるからちょっと待てって。後でもう一本冷凍庫から持ってくるし」

ペットボトルの凍った部分を持って上下に振りながら、一生懸命溶かそうとしてくれる幼なじみの姿が可愛いから少し安心して笑った。

汗ばんだ髪の毛を軽くかき上げて立ち上がった晴人は当然だけど真っ裸で、目のやり場に困ってると俺の制服のズボンとシャツを拾い上げてハンガーに掛けてくれた。

クローゼットから晴人の私服のTシャツと短パンと下着を取り出してベッドに放り投げてよこすと、さっきより暗くなった部屋の間接照明をつけて笑った。

「お腹壊すから着れよ。悠太は冷房弱いんだから」

晴人の部屋の間接照明は俺が裸で恥ずかしいと思ったのか少し部屋を照らす程度にしてくれて、急に自分も何も身につけてなかった事を思い出して、大事な部分を隠しつつ俯いた。

さっきまでしてた事を思い出すと顔から火が出そうなくらい赤くなって、今服を着てたら全速力で走って家に帰りたいって本気で思った。

「晴人もパンツくらい履けよ…」 

「だって暑いし…」

「露出狂じゃなかったら着ろって。ずっとそのままでいたら俺帰る」

露出狂って言葉にウケたのか、晴人がすごく楽しそうに笑った。

その笑顔は昔から変わらなくて、さっきまでのちょっと変な空気が和らいだ気がして俺も笑った。





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