永遠の二人

アイオライト

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永遠の二人

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サラサラ揺れる、薄茶色の髪が、白い肌に映えて、愛おしい、と思った。
手を繋いで歩くと、日々の幸せを感じた。
私達は共に生きている。
同じ空気を纏っていると、お互いわかっている。
だから惹かれ合った。
この世に唯一の、同じ魂を持って生きてきた私達。
出逢いからいろいろあったが、今は二人だけで助け合って生きている。
私はこの人に本当の愛をもらった。
私は小さな頃から寂しい想いをして育ったから、人に依存する傾向がある。
私の想いは重いから、裏切られたり、嫌がられたりした。
本当の友達も、できたことがない。
この人も心をあまり開かない。
心を閉ざして生きている。
辛い想いをした、と言っていた。
本音を聞こうとしても、はぐらかしてしまう。
あまり自分からは話さない人だが、でも、優しい人。
私はこの人が、大好きなのだ。
いつも、朝早く仕事に行くあなたに、少しでもほっとする気持ちになってほしくて、温かいミルクティーをいつも、いれる。
朝ごはんを簡単に作って、一緒に食べる。
休みの日は、私が起きるまで一緒に寝ていてくれる。
目が覚めると、目が合って、あなたからキスをしてくれる。
私達は、愛し合っている。
似た者同士だから、惹かれ合っている。
同じ香水を私達はつけているから、近くにいると、すぐわかる。
この香水は、私が最初にプレゼントしたもので、同じものを持っていたい、という私の想いからだった。
その人は笑顔で受け取ってくれて、それ以来一緒につけている。
私は弱い。
耐えられないことが起こると、死を選ぼうとしていた。
今まで何度も自殺未遂をしてきた。
この人と知り合って、本当に心が通じ合える人を初めて知った。
でも、離れ離れになった時期がしばらく続いた。
連絡もしばらく途絶えた。
私は耐えられなくなった。
その人を失った心の穴を埋めるものが何もなく、ただ、毎日、憂鬱に過ごした。
ついに、耐えられなくなった時、死を選ぼうとしてしまった。
かろうじて、大事にならず私は生きていた。
その人とまた、会いたい一心で、自分を大切にする自分に変わろうと思った。
その人のことは大好き過ぎて、私は依存している、と気付き、自分の生活をもっと頑張ろうと思えた。
そうすれば、また必ず会えると思えたから。
一年後、その人に会えた。
やっと会えた。
私は泣いた。
その人は、私に気付き、近づいてきて、抱きしめてくれた。
勝手に離れてごめん。
連絡しなくてごめん。
と言って、私の頭を撫でた。
その人のアパートに行った。
どちらともなくキスをした。
キスしながら、ベッドになだれ込んだ。
初めて抱き合った。
私は
ずっと会いたかったよ。
と言った。
その人も、
俺もずっと会いたかった。
と言った。
激しく求めあった。
その人は、
一緒に暮らそう。君と一緒にいたい。
と言った。
私は、
いいよ。
と言った。
それ以来、一緒に暮らしている。
私の誕生日にお揃いの指輪を選びに行った。
素敵な指輪を見つけて、それ以来、ずっと、お互い、左手の薬指につけている。
私の弱さは、この人に救われた。
ありがとう。
そう言うと、あなたも、
俺も君に救われたよ。ありがとう。生きてくれてありがとう。愛してる。
私も、あなたの命が生きる希望だよ。生きてくれてありがとう。愛してる。
抱きしめあって、キスした。
あなたは私を抱いた。
永遠に一緒にいようね。
私は言った。
もちろん。
あなたは笑顔で言った。
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