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そしてその脇に座り込んでじっと痙攣して喘ぎ声を上げる私を見つめてくる。
「な、に?」
息も絶え絶えに問いかけると、オズワルドはさらに私を見つめてぽつりと言う。
「お前、よくよく見ると案外可愛らしいんだな」
「なに、急に……やっ、止めて! 今ときめいたらまたイッちゃう! ああっ!」
「凄いな。ずっと痙攣してるが、今挿れたら気持ちよさそうだ」
「い、挿れていいよ。んっ」
「こんな状態で挿れられるか。……本当に呆れた性欲だな」
苦笑いを浮かべたオズワルドは何を思ったのか、突然私の下腹部に触れた。その微かな振動が子宮に伝わり、とうとう私は大きな波に飲まれる。そして次の瞬間。
「やっ、あっ、ああぁぁぁ!」
「!」
プシャ、ブシュっと勢いよく潮を吹き、ようやく私の身体の痙攣が治まった。それを見たオズワルドは驚いたように目を丸くして心配そうに私を覗き込んでくる。
「おい、本当に大丈夫か?」
「ん……ちょっと治まってきた……オズ、抱っこ」
「は? 何を甘えた事を」
言いながらもオズワルドは私を抱き起こすと、簡単に身体を流して湯船に運んでくれた。
オズワルドは湯船の中で私を膝の上に乗せて抱きかかえ、ついでに私の頭の上に顎を置いて話し出す。
「風呂より温いな」
「ここのお風呂、温度低いよね」
「ああ。冬は地獄だぞ」
「じゃ、冬は遠慮するね。はぁ~……ヤバ気持ちよかった……でも失神まではいかないんだよなぁ……もっとヤッてたら失神できたと思う?」
私が上を向くと、オズワルドもじっと私を見下ろしている。
「どうだろうな。次はもっと続けてみるか」
「うん!」
「冗談だ。この色魔が。本当に死んだらどうするんだ」
「えー! そう言えばオズワルド」
「なんだ?」
「ここでいっつもくれる避妊薬さ、オズワルドはくれた事ないよね?」
ずっと不思議に思っていたのだ。オズワルド以外の人と寝た時は必ず中に出されたかどうかを聞かれ、出されたと答えたらあのグミを渡されるが、オズワルドはいくら私の中に出してもグミなどくれた事もない。
私の質問にオズワルドは怪訝な顔をして私の顔を覗き込んできた。
「当然だろ? 王に中出しされるのは名誉な事なんだぞ。前にも言ったが、普通はお手つきになったと喜ぶんだよ」
「そうなんだ。なるほど、それでか」
そりゃ確かにそうだ。オズワルドの子どもを妊娠したらその時点で王妃の座が手に入るそうだから、誰も避妊薬など使わないのだろう。
何かに納得した私を立たせてオズワルドが言った。
「ほら、そろそろ戻るぞ」
「もう終わり?」
「終わりだ。お前、一応病み上がりだろ?」
「ちぇ! いいよ! 大人しく自分のテントに戻るから!」
私は最後にオズワルドに抱きつくと、胸にキスをして膝から降りた。そんな私を見てオズワルドはキョトンとしている。
「なんだ、部屋へ戻るのか?」
「うん。だって、オズワルドもたまにはちゃんと寝ないと。案外可愛い私が隣に居たら悶々して眠れないでしょ? 私は眠れない」
言い切った私を見てオズワルドは噴き出した。
「自分で言うのか。そしてお前は毎回しっかり寝ている。安心しろ」
「寝てるように見えるかもしれないけど、あなたの側に居ると寝不足だよ! おやすみ、オズワルド」
「ああ。おやすみ」
そう言って別れた私達は、お互いそれぞれのテントに戻ったのだった。
慰み者生活が始まって早一ヶ月。私は大きく伸びをして久しぶりに昼過ぎまで寝ていた。やっぱり何だかんだ言っても身体は疲れていたようだ。
けれどこんな事は珍しい。この戦場にやってきて一ヶ月。休みでも無い日に誰にも呼び出されなかったのはあの体調を崩した日以来だ。
表に出ると、そこら中のテントから喘ぎ声が聞こえてくる。私は起きた事を告げる為にいつも相手を采配してくれる人の所へ行くと、彼女は私を見て言った。
「今日はあなたはお休みよ。リスト見て驚いたわよ! あなたここへ来てからほとんど休んでないじゃないの!」
「えっと、それは――」
正直に言うべきかどうしようか迷ったが、彼女の顔は般若のように恐ろしい。
「前の人が酷い事していたのは知ってるわ。私、そういうの許せないの。慰み者は奴隷とは違う。ちゃんとお給料も出る立派な仕事よ。だからこそ、きちんと休みも取ってちょうだい! いいわね!?」
「は、はい!」
前の人とは違って今回の人は真面目だ。むしろ凄く良い人だけれど、私にとっては抱かれているのが至福なのだ。
私は仕方なくテントから出ると、フラフラとその辺を彷徨った。
「誰か相手してくれないかな~」
一人でするのも良いが、やっぱり最終的には太くて大きいモノを突っ込まれたい。しばらくうろついていると、すっかり顔なじみになったオズワルドの天幕を守っている兵士と会った。
「お~い!」
「ん? ああ、あんたか。珍しいな、こんな時間に」
「うん。今日はお休みなんだ~。ところでさ、あなた彼女か奥さんいる?」
居ないと言ったらこのままテントに連れ込んでやろうと思っていたが、彼は突然の私の質問に照れながらコクリと頷いた。
「ああ! めちゃくちゃ可愛い妻が居る。この間子どもが産まれたばかりなんだ!」
「そうなんだ! おめでとう!」
そうか……残念だ。心とは裏腹に彼の幸せを分けて貰おうと惚気話を聞いていると、突然後ろから聞き慣れた声が聞こえてきた。
「こんな所で何してるんだ? 二人共」
「オズワルド!」
「王! おまっ! 王を呼び捨てに――!」
いつもの調子で返事をしてしまった私を見て兵士が慌てたように言うが、オズワルドはさほど気にした様子もない。
「別に構わない。もう慣れた。で、こんな人気の無い所でお前たちは何をしているんだ?」
オズワルドは林の入口の木の下で話していた私達の方につかつかと歩み寄ってくると、今しがた二人して覗き込んでいた物を見て首を傾げる。そこにあるのは一枚の幸せな家族の絵姿だ。
「今ね、兵士さんの奥さんとおチビちゃんの話し聞いてたんだよ。オズワルドも聞く?」
「妻と子どもの話?」
そう言ってオズワルドはおもむろに腕を伸ばしてきたかと思うと、私のおでこに手を当ててさらに首を傾げる。
「なに?」
「いや、熱は無いなと思ってな。えらく健全な話をしてるじゃないか。どうした?」
「失礼ね! 私は他人の惚気話も大好物なの!」
「へえ?」
全然信用していない顔をするオズワルドに思わず私は苦笑いを浮かべてしまう。まぁ、こんな顔をされても仕方ない事は自分でもよく分かっている。
「ところでオズワルドはどっか行くの?」
「ああ。街まで買い物にな」
「買い物? 一人で? そういうのって側近の人とかがやるんじゃないんだ」
「買い物ぐらい子どもじゃないんだから一人で行ける。それに側近に任せるといらない物まで買ってくるからな」
「自分が行きましょうか?」
「いや、いい。お前は今日は休みだろ。しっかり休め。で、お前は今日はどうしたんだ?」
「私はね、無理やり休暇を取らされたの。ここへ来てから全然休んでないじゃないの! って叱られちゃった」
「ああ、なるほど。それは結構な事だ。たまにはゆっくり休め。それじゃあな」
そう言ってオズワルドはゆっくりと歩き出した。
「な、に?」
息も絶え絶えに問いかけると、オズワルドはさらに私を見つめてぽつりと言う。
「お前、よくよく見ると案外可愛らしいんだな」
「なに、急に……やっ、止めて! 今ときめいたらまたイッちゃう! ああっ!」
「凄いな。ずっと痙攣してるが、今挿れたら気持ちよさそうだ」
「い、挿れていいよ。んっ」
「こんな状態で挿れられるか。……本当に呆れた性欲だな」
苦笑いを浮かべたオズワルドは何を思ったのか、突然私の下腹部に触れた。その微かな振動が子宮に伝わり、とうとう私は大きな波に飲まれる。そして次の瞬間。
「やっ、あっ、ああぁぁぁ!」
「!」
プシャ、ブシュっと勢いよく潮を吹き、ようやく私の身体の痙攣が治まった。それを見たオズワルドは驚いたように目を丸くして心配そうに私を覗き込んでくる。
「おい、本当に大丈夫か?」
「ん……ちょっと治まってきた……オズ、抱っこ」
「は? 何を甘えた事を」
言いながらもオズワルドは私を抱き起こすと、簡単に身体を流して湯船に運んでくれた。
オズワルドは湯船の中で私を膝の上に乗せて抱きかかえ、ついでに私の頭の上に顎を置いて話し出す。
「風呂より温いな」
「ここのお風呂、温度低いよね」
「ああ。冬は地獄だぞ」
「じゃ、冬は遠慮するね。はぁ~……ヤバ気持ちよかった……でも失神まではいかないんだよなぁ……もっとヤッてたら失神できたと思う?」
私が上を向くと、オズワルドもじっと私を見下ろしている。
「どうだろうな。次はもっと続けてみるか」
「うん!」
「冗談だ。この色魔が。本当に死んだらどうするんだ」
「えー! そう言えばオズワルド」
「なんだ?」
「ここでいっつもくれる避妊薬さ、オズワルドはくれた事ないよね?」
ずっと不思議に思っていたのだ。オズワルド以外の人と寝た時は必ず中に出されたかどうかを聞かれ、出されたと答えたらあのグミを渡されるが、オズワルドはいくら私の中に出してもグミなどくれた事もない。
私の質問にオズワルドは怪訝な顔をして私の顔を覗き込んできた。
「当然だろ? 王に中出しされるのは名誉な事なんだぞ。前にも言ったが、普通はお手つきになったと喜ぶんだよ」
「そうなんだ。なるほど、それでか」
そりゃ確かにそうだ。オズワルドの子どもを妊娠したらその時点で王妃の座が手に入るそうだから、誰も避妊薬など使わないのだろう。
何かに納得した私を立たせてオズワルドが言った。
「ほら、そろそろ戻るぞ」
「もう終わり?」
「終わりだ。お前、一応病み上がりだろ?」
「ちぇ! いいよ! 大人しく自分のテントに戻るから!」
私は最後にオズワルドに抱きつくと、胸にキスをして膝から降りた。そんな私を見てオズワルドはキョトンとしている。
「なんだ、部屋へ戻るのか?」
「うん。だって、オズワルドもたまにはちゃんと寝ないと。案外可愛い私が隣に居たら悶々して眠れないでしょ? 私は眠れない」
言い切った私を見てオズワルドは噴き出した。
「自分で言うのか。そしてお前は毎回しっかり寝ている。安心しろ」
「寝てるように見えるかもしれないけど、あなたの側に居ると寝不足だよ! おやすみ、オズワルド」
「ああ。おやすみ」
そう言って別れた私達は、お互いそれぞれのテントに戻ったのだった。
慰み者生活が始まって早一ヶ月。私は大きく伸びをして久しぶりに昼過ぎまで寝ていた。やっぱり何だかんだ言っても身体は疲れていたようだ。
けれどこんな事は珍しい。この戦場にやってきて一ヶ月。休みでも無い日に誰にも呼び出されなかったのはあの体調を崩した日以来だ。
表に出ると、そこら中のテントから喘ぎ声が聞こえてくる。私は起きた事を告げる為にいつも相手を采配してくれる人の所へ行くと、彼女は私を見て言った。
「今日はあなたはお休みよ。リスト見て驚いたわよ! あなたここへ来てからほとんど休んでないじゃないの!」
「えっと、それは――」
正直に言うべきかどうしようか迷ったが、彼女の顔は般若のように恐ろしい。
「前の人が酷い事していたのは知ってるわ。私、そういうの許せないの。慰み者は奴隷とは違う。ちゃんとお給料も出る立派な仕事よ。だからこそ、きちんと休みも取ってちょうだい! いいわね!?」
「は、はい!」
前の人とは違って今回の人は真面目だ。むしろ凄く良い人だけれど、私にとっては抱かれているのが至福なのだ。
私は仕方なくテントから出ると、フラフラとその辺を彷徨った。
「誰か相手してくれないかな~」
一人でするのも良いが、やっぱり最終的には太くて大きいモノを突っ込まれたい。しばらくうろついていると、すっかり顔なじみになったオズワルドの天幕を守っている兵士と会った。
「お~い!」
「ん? ああ、あんたか。珍しいな、こんな時間に」
「うん。今日はお休みなんだ~。ところでさ、あなた彼女か奥さんいる?」
居ないと言ったらこのままテントに連れ込んでやろうと思っていたが、彼は突然の私の質問に照れながらコクリと頷いた。
「ああ! めちゃくちゃ可愛い妻が居る。この間子どもが産まれたばかりなんだ!」
「そうなんだ! おめでとう!」
そうか……残念だ。心とは裏腹に彼の幸せを分けて貰おうと惚気話を聞いていると、突然後ろから聞き慣れた声が聞こえてきた。
「こんな所で何してるんだ? 二人共」
「オズワルド!」
「王! おまっ! 王を呼び捨てに――!」
いつもの調子で返事をしてしまった私を見て兵士が慌てたように言うが、オズワルドはさほど気にした様子もない。
「別に構わない。もう慣れた。で、こんな人気の無い所でお前たちは何をしているんだ?」
オズワルドは林の入口の木の下で話していた私達の方につかつかと歩み寄ってくると、今しがた二人して覗き込んでいた物を見て首を傾げる。そこにあるのは一枚の幸せな家族の絵姿だ。
「今ね、兵士さんの奥さんとおチビちゃんの話し聞いてたんだよ。オズワルドも聞く?」
「妻と子どもの話?」
そう言ってオズワルドはおもむろに腕を伸ばしてきたかと思うと、私のおでこに手を当ててさらに首を傾げる。
「なに?」
「いや、熱は無いなと思ってな。えらく健全な話をしてるじゃないか。どうした?」
「失礼ね! 私は他人の惚気話も大好物なの!」
「へえ?」
全然信用していない顔をするオズワルドに思わず私は苦笑いを浮かべてしまう。まぁ、こんな顔をされても仕方ない事は自分でもよく分かっている。
「ところでオズワルドはどっか行くの?」
「ああ。街まで買い物にな」
「買い物? 一人で? そういうのって側近の人とかがやるんじゃないんだ」
「買い物ぐらい子どもじゃないんだから一人で行ける。それに側近に任せるといらない物まで買ってくるからな」
「自分が行きましょうか?」
「いや、いい。お前は今日は休みだろ。しっかり休め。で、お前は今日はどうしたんだ?」
「私はね、無理やり休暇を取らされたの。ここへ来てから全然休んでないじゃないの! って叱られちゃった」
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