冷酷王の知られざる秘密

あげは凛子

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 それを私は何も考えずに飲み干した。さらに吸い上げようとすると、オズワルドが息を切らしながら私の頭を掴み睨みつけてくる。

「飲むな。そんな物より飯を食え」
「これも立派なタンパク質だから大丈夫。それよりも、そろそろ挿れても良い?」
「俺の精液はお前の栄養源じゃないんだぞ。なんなんだ。こんな女、初めてだ」

 言いながらオズワルドは少しだけ顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。どうやら思っていたよりも早くイッてしまって恥ずかしかったらしい。

「中はもっと熱いよ?」

 私の言葉にオズワルド本人よりも、屹立が先にピクリと反応した。まるでここだけ別の生き物のようだ。

「好きに、しろ」

 じわじわと自分のモノがまた熱を持ち始めている事にオズワルド自身も気づいているのだろう。その証拠にちらりともこちらを見ない。

 そんなオズワルドに反して睾丸はまた膨れ、屹立がゆっくりと起き上がってきた。

 私は遠慮なくオズワルドに跨ると、蜜壺に屹立を擦り付ける。それだけでオズワルドの屹立はすぐさま大きくなった。

「私もこんな人初めて」

 そう言ってゆっくりと蜜壺に屹立を咥えこんでいく。

「あっ……おっきい……」
「ん、ほん、とだな。中は口よりも……熱い」

 やがて雁首の部分が私のGスポットに擦れると、下半身に思わず力が入ってしまう。

「あん! ここ、気持ち良い……」
「っう!」

 すっかり身体が潮を吹く体質になってしまったのか、オズワルドは低く呻いて起き上がると、私の身体を強く抱きしめた。それと同時に蜜壺の中がじわりと温かくなる。

「潮?」
「ああ……どうしてくれるんだ」
「最高じゃない。気持ち良いでしょ?」
「お前なら、な。こんな物を中で出されたら普通は嫌がるだろうが。ただ、昨夜は潮は吹かなかったな、そう言えば」

 そういうものなのか。私は曖昧に頷いてさらに身体を沈めた。オズワルドのモノは凶悪すぎて一気に挿れるには少々苦しい。

「いっぱい出して良いよ。私、一回セックスで気を失ってみたいんだ」

 オズワルドは微熱がある私に遠慮しているのか、本当に私の好きにさせてくれている。

「……馬鹿か」

 呆れたような声とは裏腹に、オズワルドの屹立はさらに大きくなった。ゆっくりと腰をおろし、最奥まで届くと今度は私の身体が跳ねる。

「ああんっ!」
「っく!」

 蜜壺の突然の締め付けにまたオズワルドが潮を噴く。その勢いは凄まじく、私の最奥をビシャビシャと叩きつけてきた。

「あ、っん!」

 それがあまりにも快感でオズワルドに身体を預けると、オズワルドはそんな私の身体を難なく受け止めてくれる。

「はぁ、はっ、本当に、どうしてくれるんだ……」

 少し動く度にオズワルドの屹立からは勢いよく潮が吹き出す。私はオズワルドに抱きついて少しずつスピードを上げた。それに応えるかのようにオズワルドのモノも一段と大きく膨れ上がる。

 ゾクゾクとした快感が背筋を駆け上がる感覚がとても好きだ。全身が性感帯になったかのように、どこを触られてもイきそうになる。

 そう思った途端、オズワルドが腕を伸ばして私の胸をおもむろに揉んできた。

「やんっ!」
「はっ、可愛い声も出る、んだな」
「な、なに?」
「ヤられてばかりでは、面目が立たないだろう?」

 蜜壺に埋まったオズワルドの屹立はすぐにでも暴発しそうだ。それでもオズワルドは私を押し倒し、胸と先端を重点的に責めてきた。

「あっ、あ、っ、あっ!」

 思ってもいなかった攻撃に断続的な声が漏れる。そんな私を見下ろして、オズワルドはようやく自分の意志で腰を振り始めた。

「あつ……いな」
「ん、気持ち……イイ」

 私はオズワルドの腰に足を回し、屹立が抜けないようにギュッと足に力を込めた。オズワルドはまさかそんな事をされるとは思ってもいなかったのか、俯いて一層激しく腰を振り始める。

「はっ、っぅ、っく」
「あっ、あん、ひぅ!」

 ドチュドチュと水音が響き渡り、私の割れ目からは愛液とオズワルドの潮、それから白濁液が混じり合って泡立つ。

「あっ、イク! イク!」
「ああ!」

 私がオズワルドの腰を足で引き寄せて最奥を亀頭に押し当て絶頂すると、まるでそれに応えるかのようにオズワルドもグッと私に腰を押し付け、最奥に向かって激しく射精を始めた。

 しばらく私達は繋がったまま荒い息を繰り返していたが、やがてオズワルドが私を見下ろして軽いキスをしながらズルリと屹立を私の中から引きずり出す。

「失神はまた今度だ。今日は寝ろ。それから……付き合ってくれて……ありがとう」
「ううん……最高に気持ちよかった……良い夢見れそう……」

 それだけ言って私はそのまま意識を手放したのだった。これもある意味失神だ。
 最後に聞こえたオズワルドの小さな呆れたような笑い声は、私の夢だったのかどうかは分からなかった。
 目が覚めると気分は大分スッキリしていた。隣にオズワルドの姿はもう無いが、相変わらず私はきっちりとナイトドレスを着込み、きちんと毛布までかけられている。
 しばらく大きなベッドを堪能するかのようにそこでゴロゴロしていたが、ふと思い立って天幕の外に出ようとした所で――。

「おい! 駄目だぞ。王から――」
「出すなって言われてる?」

 何だか前にも言われたような気がする。そんな事を考えながら兵士の顔を覗き込むと、兵士は真顔で頷いた。

「ねぇねぇ、王はどこへ行ったの? 今日は戦闘の日?」
「そうだ。ようやく王が前線に出られるんだ」

 それはつまり、王が出なければいけないほどこちらの分が悪いということなのだろうか? 

「こっちが負けそうなの?」

 何気なく言うと、兵士はギョッとしたような顔をして私の口を手で覆ってきた。

「お前、そんな事絶対に! 金輪際口にするなよ! そもそもこちらにはあのオズワルド王が居るんだぞ? 負ける訳ないだろうが!」
「そうなんだ……強いんだね、王様」
「強いどころの騒ぎじゃない! お前、本当に記憶喪失なんだな!?」
「だからそう言ってるでしょ! で、どれぐらい強いの? どうして今まで戦場に出なかったの?」

 不思議に思って問いかけると、兵士はキョロキョロと辺りを見渡して小声で言った。

「ここだけの話だが、王はこの三年程ずっと調子が悪かったんだ。もちろん戦場に出たらそんな風には少しも見せなかったが、覇気がないというか、憔悴しているというか……でも今回は違う。まるで以前の王のように生気に満ち溢れている。だからもうじき戦争は終わる」
「そうなんだ」

 ……三年前? いやいや、まさかね。そんな事が関係あるとは流石に思えない。
 しかしあのオズワルドが本気で戦う所を見てみたい。

「それってさ、どっかから見られないの?」
「はあ!? 馬鹿言うな! そりゃ確かに戦場を見に来る観覧席はあるが……お前は駄目だぞ。王に言われているんだ。ここから出すな、と」
「何よ、他の人は見られるの?」
「まぁな。戦況が気になって戦場の敷地内に入る馬鹿が後を立たないから、うちの国ではもう数年前からそうしている」
「戦争なのに、ちゃんとルールがあるんだね」
「当然だ。好き勝手やっていたら遥か昔の時代みたいにあっという間に国が滅びるだろうが。戦争にも秩序が必要だ。それを提唱したのがオズワルド王なんだ」
「そんな人が冷酷王なの?」
「そうだ。戦場に出たら敵には容赦ない。それは自国でもな。腐った貴族どもを軒並み容赦なく切り捨てた。端から見たら冷酷王なんだろうな」
「なるほどねぇ。良い人なのにね」

 何せ毎回裸で寝る私のナイトドレスをきちんと着せてくれるような人だ。ご丁寧に一番上のボタンまできっちりと止めてくれる。

「良い人? それはあまり誰も言わないが……普段から多くは語られないしな。そのせいで今まで側室候補が何人逃げ出したか。あの通り美しい方だから、無言でじっと見つめられると背筋が凍りそうになるんだ」
「へぇ……」

 背筋が凍る? 確かにオズワルドとセックスする時は背筋がゾクゾクするが、それとはまた違うのだろうな。
 
 何となく納得した振りをして私が頷くと、兵士は満足したように仕事に戻ってしまう。
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