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9 たまらない臭い
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なにやらとても懐かしい、美しい、いい香りがする。
咲き乱れる花畑の花の香りのような。
美しい乙女から漂う香水のような。
トイレの芳香剤のような。
トイレの匂いのような
トイレ・・・?
この臭いは・・・・。
「うわっ!」
オレはあまりの悪臭に目を覚ました。
その悪臭は懐かしい。。。というか紛れもなく「オレ」の臭いだ。
いつものようにオレはオレ自身の放つ臭いで目を覚ました。
このおかげでオレは難関校の受験に成功したと言ってもいい、無敵の臭いだ。
___でも、やっぱオレ、相当臭いよね?
皆さま本当にごめんなさい。
なんとなく、何かに謝罪しそうになってふと気が付いた。
目を覚ましたはずだが、まわりは薄暗く、岩のようなごつごつした天井が見える。
どうやら洞窟のようである。
周りの様子はほとんど見えない。
ぶーんぶーんと羽虫の音以外何も聞こえない静寂。
「ん???」
しかし、今は、オレだけではない、別のひどい臭いに気がついたのだ。
それは、オレほどではないが、なかなかレベルの高い臭いだ。
たとえるなら腐った魚を公衆便所にまき散らし、そこに力技でトレイの芳香剤をぶっかけたような
生臭さと汚物の上を無理やり花束で覆い隠したような
悪魔の作った芳香剤のような臭いだ。
でも、なんとなく、たまらない臭いなのだ。
悪臭のはずなのによだれが出てくる。
生臭い市場やトイレの臭い・・・確かに悪臭の類ではあるが、
一方で一部の人にとってはたまらない臭いに変換されることもある。
___いや・・・そんなことより、そもそもオレ、さっきまで死にかけていたはずなんだけど?
いつの間にこんなところにいたのだろう?
【オマエはまだ死んではいない。】
不意に、例の女神様の言葉が頭をよぎった。
どうやら夢ではなく、あの女神様の言葉も本当だったようだ。
ということは、先ほどの魔物の方が夢だったのだろうか?
・・・・・・
起き上がろうとして、上半身を起こすと、手のひらがぬるぬるとしていることに気が付いた。
どうやら、この生臭い悪魔の芳香剤の臭いはこのぬるぬるしたゲル状の何かから臭いっているようだ。
体を触ると、このぬるぬるが頭や背中や体のあちこちに付いている。
オレ自身の臭いと謎のゲル状ぬるぬるの臭いのコラボで辺り一帯は、
通常の生物であれば瞬時に命を落とす死の空間(テリトリー)となっていた・・・・。
『あらら!ようやく、目を覚ましたようね!』
不意に、薄暗い洞窟の中にひときわ明るく、人懐っこい口調の女の声が響き渡った。
咲き乱れる花畑の花の香りのような。
美しい乙女から漂う香水のような。
トイレの芳香剤のような。
トイレの匂いのような
トイレ・・・?
この臭いは・・・・。
「うわっ!」
オレはあまりの悪臭に目を覚ました。
その悪臭は懐かしい。。。というか紛れもなく「オレ」の臭いだ。
いつものようにオレはオレ自身の放つ臭いで目を覚ました。
このおかげでオレは難関校の受験に成功したと言ってもいい、無敵の臭いだ。
___でも、やっぱオレ、相当臭いよね?
皆さま本当にごめんなさい。
なんとなく、何かに謝罪しそうになってふと気が付いた。
目を覚ましたはずだが、まわりは薄暗く、岩のようなごつごつした天井が見える。
どうやら洞窟のようである。
周りの様子はほとんど見えない。
ぶーんぶーんと羽虫の音以外何も聞こえない静寂。
「ん???」
しかし、今は、オレだけではない、別のひどい臭いに気がついたのだ。
それは、オレほどではないが、なかなかレベルの高い臭いだ。
たとえるなら腐った魚を公衆便所にまき散らし、そこに力技でトレイの芳香剤をぶっかけたような
生臭さと汚物の上を無理やり花束で覆い隠したような
悪魔の作った芳香剤のような臭いだ。
でも、なんとなく、たまらない臭いなのだ。
悪臭のはずなのによだれが出てくる。
生臭い市場やトイレの臭い・・・確かに悪臭の類ではあるが、
一方で一部の人にとってはたまらない臭いに変換されることもある。
___いや・・・そんなことより、そもそもオレ、さっきまで死にかけていたはずなんだけど?
いつの間にこんなところにいたのだろう?
【オマエはまだ死んではいない。】
不意に、例の女神様の言葉が頭をよぎった。
どうやら夢ではなく、あの女神様の言葉も本当だったようだ。
ということは、先ほどの魔物の方が夢だったのだろうか?
・・・・・・
起き上がろうとして、上半身を起こすと、手のひらがぬるぬるとしていることに気が付いた。
どうやら、この生臭い悪魔の芳香剤の臭いはこのぬるぬるしたゲル状の何かから臭いっているようだ。
体を触ると、このぬるぬるが頭や背中や体のあちこちに付いている。
オレ自身の臭いと謎のゲル状ぬるぬるの臭いのコラボで辺り一帯は、
通常の生物であれば瞬時に命を落とす死の空間(テリトリー)となっていた・・・・。
『あらら!ようやく、目を覚ましたようね!』
不意に、薄暗い洞窟の中にひときわ明るく、人懐っこい口調の女の声が響き渡った。
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