6 / 13
4 こおに
しおりを挟むなんとか緊張和らげようと
オレは再び手に持ったさっきの竿を振りながら
大声で声をかけた。
「怪しい者じゃありませーん!竿を返しに来ました~!」
男たちは警戒をしているようで、こちらに来る様子もない。
そこで、ゆっくりと集団に近づいていく。
5メートルほど近づいたとき、男たちが鼻をつまみ、顔をしかめてざわつきだした。
「くさい!これはなに?」
「うえ!なにこのにおい!」
「きもちわるい!むしがわいてる!」
「こおに!これは、こおにのにおい!」
「こんなくさいひとはない!」
「よるな!くさい!こおに!おに!」
・・・・こおにくさい?(;´Д`)
「しばらく風呂にはいってないだけなんでーす!人間でーす!」
『ガツン!』
不意に頭に激痛が走った。
「痛ってええええ!」
どうやら石を投げつけられたようだ。
「こおに!かえれ!こおに!」
「かえせ!さお、かえせ!」
「ひつし!かえせ!ひつし!」
男たちは一斉に石を投げつけてきた。
かなりの大きさでコントロールも抜群である。
ガツガツと石が飛んできて、たまらずオレは逃げ出した。
男たちが石を投げながら追いかけてくる。
ヤバい!これはやばい!捕まったらコロされる(;´Д`)
命の危険を察したオレはそれはもう全速力で走った。
今まで体育のマラソンでも常に最下位を争っていたオレだが
生まれて初めて本気の全速力で、しかも坂道を駆け上がった。
心の蔵がバクバク行ってるがガンガン飛んでくる握りこぶし大の石に追い立てられて狂ったように走った。
丘を駆け上がると茂みに飛び込み、森の中へと逃げ込んだ。
それでも森の中目がけて、ガンガンと本気の石が飛んで来て、背中や頭にもあたる。
マジで痛い。。。。
だらだらと頭から赤い血がしたたり落ちているのがわかる。
必死に森の奥まで逃げ進むと、男たちは森には入らずに引き返していったのか、怒声も聞こえなくなった。
「助かった・・・のか?」
いや・・・助かってない!
何も解決してないよコレ・・・( ;˙꒳˙; )
折角近くに村があったのに、村人に完全に警戒されて殺されかけた。
初期装備無し、初心者の村で殺されかけるってどんだけ?
このままだと森から出ることもできない。
彼らは
『こおに』と叫んでいたが、『小鬼』つまり
RPG的にゴブリンの類いのことだろうか?
この世界の魔物を倒せというのが
例の女神様からの指令だったから
おそらくその小鬼とやらがこの世界の魔物で、
どうやらその魔物とオレが思われたらしい。
____そんな魔物レベルで臭いのかオレ?(;´Д`)
シャワーでも早いところ浴びないと、
このままでは本気で生死にかかわりそうだ。
というか、実際そのせいで元の世界で1回死んでるわけだけどね?
しかし、こんな森の中では
水浴びどころか飲み水すら見当たらない。
疲れ切ったオレはそれでも、森の中を湧き水を探し、
ひたすら茂みを掻き分けながら
彷徨い歩くことしかできないのであった・・・。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた
楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。
この作品はハーメルン様でも掲載しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
男女貞操逆転世界で、自己肯定感低めのお人好し男が、自分も周りも幸せにするお話
カムラ
ファンタジー
※下の方に感想を送る際の注意事項などがございます!
お気に入り登録は積極的にしていただけると嬉しいです!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あらすじ
学生時代、冤罪によってセクハラの罪を着せられ、肩身の狭い人生を送ってきた30歳の男、大野真人(おおのまさと)。
ある日仕事を終え、1人暮らしのアパートに戻り眠りについた。
そこで不思議な夢を見たと思ったら、目を覚ますと全く知らない場所だった。
混乱していると部屋の扉が開き、そこには目を見張るほどの美女がいて…!?
これは自己肯定感が低いお人好し男が、転生した男女貞操逆転世界で幸せになるお話。
※本番はまぁまぁ先ですが、#6くらいから結構Hな描写が増えます。
割とガッツリ性描写は書いてますので、苦手な方は気をつけて!
♡つきの話は性描写ありです!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
誤字報告、明らかな矛盾点、良かったよ!、続きが気になる! みたいな感想は大歓迎です!
どんどん送ってください!
逆に、否定的な感想は書かないようにお願いします。
受け取り手によって変わりそうな箇所などは報告しなくて大丈夫です!(言い回しとか、言葉の意味の違いとか)
作者のモチベを上げてくれるような感想お待ちしております!
俺、貞操逆転世界へイケメン転生
やまいし
ファンタジー
俺はモテなかった…。
勉強や運動は人並み以上に出来るのに…。じゃあ何故かって?――――顔が悪かったからだ。
――そんなのどうしようも無いだろう。そう思ってた。
――しかし俺は、男女比1:30の貞操が逆転した世界にイケメンとなって転生した。
これは、そんな俺が今度こそモテるために頑張る。そんな話。
########
この作品は「小説家になろう様 カクヨム様」にも掲載しています。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
豪華地下室チートで異世界救済!〜僕の地下室がみんなの憩いの場になるまで〜
自来也
ファンタジー
カクヨム、なろうで150万PV達成!
理想の家の完成を目前に異世界に転移してしまったごく普通のサラリーマンの翔(しょう)。転移先で手にしたスキルは、なんと「地下室作成」!? 戦闘スキルでも、魔法の才能でもないただの「地下室作り」
これが翔の望んだ力だった。
スキルが成長するにつれて移動可能、豪華な浴室、ナイトプール、釣り堀、ゴーカート、ゲーセンなどなどあらゆる物の配置が可能に!?
ある時は瀕死の冒険者を助け、ある時は獣人を招待し、翔の理想の地下室はいつのまにか隠れた憩いの場になっていく。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる