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終章
親友
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今から数百年前、
大陸中央に鎮座するクレーター中心には鬱蒼とした森林が広がっており、そこでは王都や周辺の町で迫害され逃げてきた人間や亜人たちが生活していた。
後に初代魔王と呼ばれるマティアスとその息子クニグンテがその集落を統治しており、そこに住まう者たちは狩猟や簡単な農耕を行いながら細々と生活を維持していた。
そんな中、フリードリヒはクニグンテの長男として誕生する。
前世の記憶こそ持たないものの、誕生直後から言葉を理解できた聡明な彼は、転生者である祖父・父からあらゆる知識を吸収しすくすくと育っていった。
フリードリヒが3歳の誕生日を迎えたころ、彼にもスキルが発現する。
そのスキルの発現自体に問題は無かったが、スキル発現と共に、前世。つまり現代日本で生活していた20代後半の記憶が蘇ったことによって彼を苦しめることになる。
この地で生まれた少年の記憶と、現代日本で働いていた記憶が混在しフリードリヒ少年の中に二人の人格が共存する状態になったのである。
生まれたころから聡明であったフリードリヒにとっては、幼児の記憶ははっきりとしたものであり、少年然とした健やかな物であった。しかし、その一方で成人し社会経験を積むことで人々の暗部に触れた仄暗い記憶が素直なフリードリヒ少年の心を傷つけることとなった。
この形容できないほどの不愉快な感情は、生まれたときから前世の記憶があった祖父マティアスや父クニグンテには理解されず、一人悶々とした日々を送ることとなる。
ある日集落に突然として現れた二人がそんな生活を一変させる。親子だと言うその二人は王都から逃げ延びてきた王族だった。
父親のジークムントは現国王の腹違いの弟だったが、側室の子であったことで権力争いから早々に脱落しており、気楽で自由な生活を送っていた。しかし、現国王の息子たちが流行り病で次々と夭逝した事により、息子のカールと共に権力争いの渦中に巻き込まれることとなった。日々繰り広げられる親族との骨肉の争い。それを避けるため彼は息子を連れて王都を去ったのだった。
ジークムントは初代王の生まれ変わりで、かつ日本人転生者だった。そして、その息子カールもまた日本人転生者だった。そんな二人をマティアスは快く受け入れた。
フリードリヒとカールは、年が近かったこともありすぐに打ち解けることが出来た。
どちらも10歳。そして親世代とは違い、幼少期は前世の記憶を持たず、スキルを手に入れてから転生前の記憶を取り戻した点も同じだった。カールがスキルを発現し記憶を取り戻したのは1年前。それをきっかけに魔力暴走を起こしやすくなり、それを危惧したジークムントが王都を離れることを決意した。
フリードリヒにとって、この世界で唯一悩みを共有し相談できる親友がカールだった。彼と過ごす日々がフリードリヒにとって最も充実した時間だった。
しかし、その時間は長く続かない。彼らが12歳になったころ、カールと亜人の少年が集落から忽然と姿を消す。
その日から、フリードリヒのカールを探す日々が始まった。
大陸中央に鎮座するクレーター中心には鬱蒼とした森林が広がっており、そこでは王都や周辺の町で迫害され逃げてきた人間や亜人たちが生活していた。
後に初代魔王と呼ばれるマティアスとその息子クニグンテがその集落を統治しており、そこに住まう者たちは狩猟や簡単な農耕を行いながら細々と生活を維持していた。
そんな中、フリードリヒはクニグンテの長男として誕生する。
前世の記憶こそ持たないものの、誕生直後から言葉を理解できた聡明な彼は、転生者である祖父・父からあらゆる知識を吸収しすくすくと育っていった。
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そのスキルの発現自体に問題は無かったが、スキル発現と共に、前世。つまり現代日本で生活していた20代後半の記憶が蘇ったことによって彼を苦しめることになる。
この地で生まれた少年の記憶と、現代日本で働いていた記憶が混在しフリードリヒ少年の中に二人の人格が共存する状態になったのである。
生まれたころから聡明であったフリードリヒにとっては、幼児の記憶ははっきりとしたものであり、少年然とした健やかな物であった。しかし、その一方で成人し社会経験を積むことで人々の暗部に触れた仄暗い記憶が素直なフリードリヒ少年の心を傷つけることとなった。
この形容できないほどの不愉快な感情は、生まれたときから前世の記憶があった祖父マティアスや父クニグンテには理解されず、一人悶々とした日々を送ることとなる。
ある日集落に突然として現れた二人がそんな生活を一変させる。親子だと言うその二人は王都から逃げ延びてきた王族だった。
父親のジークムントは現国王の腹違いの弟だったが、側室の子であったことで権力争いから早々に脱落しており、気楽で自由な生活を送っていた。しかし、現国王の息子たちが流行り病で次々と夭逝した事により、息子のカールと共に権力争いの渦中に巻き込まれることとなった。日々繰り広げられる親族との骨肉の争い。それを避けるため彼は息子を連れて王都を去ったのだった。
ジークムントは初代王の生まれ変わりで、かつ日本人転生者だった。そして、その息子カールもまた日本人転生者だった。そんな二人をマティアスは快く受け入れた。
フリードリヒとカールは、年が近かったこともありすぐに打ち解けることが出来た。
どちらも10歳。そして親世代とは違い、幼少期は前世の記憶を持たず、スキルを手に入れてから転生前の記憶を取り戻した点も同じだった。カールがスキルを発現し記憶を取り戻したのは1年前。それをきっかけに魔力暴走を起こしやすくなり、それを危惧したジークムントが王都を離れることを決意した。
フリードリヒにとって、この世界で唯一悩みを共有し相談できる親友がカールだった。彼と過ごす日々がフリードリヒにとって最も充実した時間だった。
しかし、その時間は長く続かない。彼らが12歳になったころ、カールと亜人の少年が集落から忽然と姿を消す。
その日から、フリードリヒのカールを探す日々が始まった。
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