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魔王の譚
カルロス
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カルロスを連れて移動する前にあの少年だけは戻してやらないとな。流石に「気が付いたら自分がオッサンになっている」と言う状況はあまりに不憫すぎる。
ぐったりしている少年の肉体に、ハルマンの中に入っている少年の魂を移動させる。ここまでは簡単なお仕事だが、さて。ハルマンをどうしたものか。奴の魂がどこにあるのか皆目見当がつかない。カルロスの以前の体に宿っていることは判っているが、そのあたりもカルロスに聞いてみない事には何とも……
と言う訳で、ハルマンの体は別次元に格納しておき、カルロスの尋問に取り掛かることにした。
サトシは俺たち全員をまとめて転移させる。
転移した先は殺風景なだだっ広い空間だった。中学や高校の体育館より少し広い何もない空間だった。天井は高く10m以上はあるだろうか。天井には何やら明かりがあるが、どうやら魔力で光っているようだった。
「ここは?」
「闘技場……というか。武器や防具を試すための場所ですね。後でこの一角に独居房でも作りますよ」
サトシは気安くそんなことを口にする。流石「創造主(クリエイター)」持ちだな。普通は真似できん。
俺たちに囲まれながら中央に立たされているカルロスは、目だけをぎょろぎょろさせながら辺りを見回す。
「けったいなとこに連れてきよったな。魔王の都か?いや。流石に俺を不用意に連れてくるような真似はせんわな。ほんなら……ヨウト……あたりか」
言い勘してやがる。こいつは中々使えるんじゃないか?ただサトシとの軋轢もあるからな。そうなるとカールとも折り合いがつかなそうだ。
「にしても、俺をどうする気や?」
「別にどうもしねぇよ。色々聞きたいことがあってな」
俺の答えにカルロスは不敵な笑みを見せる。顔はエリザなので妖艶な美女のほほえみってところだ。
カールが見惚れてるな。
……
その様子を見てエリザが何とも言えない表情になってる。
何なんだこいつら……面倒くせぇ。
俺は二人の様子を見ながら、悩んでいるふりをしてサトシに念話(チャット)を飛ばす。
『サトシ』
『はい。なんです?』
『こいつの尋問を俺に任せてもらっていいか?』
『俺だと心配ですか?』
『別にお前がこいつを甚振りそうだとは思ってねぇよ。ただ、感情的な揺らぎがあると奴に要らん情報を与えそうでな。ここは俺が尋問する方が良いと思うんだが。どうだ?』
『……そうですね。わかりました。お任せします。できればアイを殺した理由については教えてもらえるとありがたいです』
『ああ、そのあたりは情報共有させてもらう。それと、奴はここがヨウトだと感づいている様だが、確信を持たれちゃ困る。ここがクレータ街だと思わせたいから他の奴らを連れてそれらしく外に出ておいてもらえねぇか?後で俺の部下をここに向かわせる。こいつの世話もしないといけねぇしな』
『わかりました』
『一応、全員に伝えておいてくれ。まあ、カールさえ何とかなれば後は上手くやってくれるだろうけどな』
『あ~。それもそうですね。カールさんにしっかり説明しておきます』
『頼む』
サトシは理解が早くて助かる。カールは昔から変わらんが……まあ、それがあいつの良いところと言えなくも無いが。
さて、サトシの説明が終わったようなので話を進めよう。
「よし。それじゃあ尋問は俺の方でやっとくよ。お前達は会議室でくつろいでいてくれ」
「あ、ああ」
やっぱりカールはぎこちない。カルロスが可哀そうなものを見る目でカールと俺を交互に見る。ばれてるな。完全に。
ぐったりしている少年の肉体に、ハルマンの中に入っている少年の魂を移動させる。ここまでは簡単なお仕事だが、さて。ハルマンをどうしたものか。奴の魂がどこにあるのか皆目見当がつかない。カルロスの以前の体に宿っていることは判っているが、そのあたりもカルロスに聞いてみない事には何とも……
と言う訳で、ハルマンの体は別次元に格納しておき、カルロスの尋問に取り掛かることにした。
サトシは俺たち全員をまとめて転移させる。
転移した先は殺風景なだだっ広い空間だった。中学や高校の体育館より少し広い何もない空間だった。天井は高く10m以上はあるだろうか。天井には何やら明かりがあるが、どうやら魔力で光っているようだった。
「ここは?」
「闘技場……というか。武器や防具を試すための場所ですね。後でこの一角に独居房でも作りますよ」
サトシは気安くそんなことを口にする。流石「創造主(クリエイター)」持ちだな。普通は真似できん。
俺たちに囲まれながら中央に立たされているカルロスは、目だけをぎょろぎょろさせながら辺りを見回す。
「けったいなとこに連れてきよったな。魔王の都か?いや。流石に俺を不用意に連れてくるような真似はせんわな。ほんなら……ヨウト……あたりか」
言い勘してやがる。こいつは中々使えるんじゃないか?ただサトシとの軋轢もあるからな。そうなるとカールとも折り合いがつかなそうだ。
「にしても、俺をどうする気や?」
「別にどうもしねぇよ。色々聞きたいことがあってな」
俺の答えにカルロスは不敵な笑みを見せる。顔はエリザなので妖艶な美女のほほえみってところだ。
カールが見惚れてるな。
……
その様子を見てエリザが何とも言えない表情になってる。
何なんだこいつら……面倒くせぇ。
俺は二人の様子を見ながら、悩んでいるふりをしてサトシに念話(チャット)を飛ばす。
『サトシ』
『はい。なんです?』
『こいつの尋問を俺に任せてもらっていいか?』
『俺だと心配ですか?』
『別にお前がこいつを甚振りそうだとは思ってねぇよ。ただ、感情的な揺らぎがあると奴に要らん情報を与えそうでな。ここは俺が尋問する方が良いと思うんだが。どうだ?』
『……そうですね。わかりました。お任せします。できればアイを殺した理由については教えてもらえるとありがたいです』
『ああ、そのあたりは情報共有させてもらう。それと、奴はここがヨウトだと感づいている様だが、確信を持たれちゃ困る。ここがクレータ街だと思わせたいから他の奴らを連れてそれらしく外に出ておいてもらえねぇか?後で俺の部下をここに向かわせる。こいつの世話もしないといけねぇしな』
『わかりました』
『一応、全員に伝えておいてくれ。まあ、カールさえ何とかなれば後は上手くやってくれるだろうけどな』
『あ~。それもそうですね。カールさんにしっかり説明しておきます』
『頼む』
サトシは理解が早くて助かる。カールは昔から変わらんが……まあ、それがあいつの良いところと言えなくも無いが。
さて、サトシの説明が終わったようなので話を進めよう。
「よし。それじゃあ尋問は俺の方でやっとくよ。お前達は会議室でくつろいでいてくれ」
「あ、ああ」
やっぱりカールはぎこちない。カルロスが可哀そうなものを見る目でカールと俺を交互に見る。ばれてるな。完全に。
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