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生方蒼甫の譚
神罰
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『サトシ!大丈夫か?』
ログイン早々|念話(チャット)を飛ばす。
『ルークスさんですか!?』
『何があった?』
『いえ。あ、目の前に……ステータスみたいな感じで「×」印が現れたんですよ。デカデカと。以前もこんなことがあったんですが、今回は目の前で結構激しく点灯して……で、さっき頭の中にアナウンスが響いて……』
『なんて言ってた?』
『え~と。「神罰を下す」とかなんとか』
『神罰!?』
『ええ。そんなこと言ってましたよ』
『わかった。すぐそっちに行く。ちょっと待っててくれ』
『あ!?転移します?』
『ああ、するけどどうした?』
『俺たちもエンドゥに行きますから、そっちに来てください』
『ん?あ、ああ。わかった。テンスのオフィスビルの屋上で良いか?』
『はい。大丈夫です』
神罰を下す?
どういうことだ。
まあ、考えても仕方ないな。どのみち願ったり叶ったりだ。「チート行為につき、粛清します」じゃ、ゲームだって丸わかりだしな。
……
ははぁん。そう言う事か。ゲーム的に神罰を下すって事にしてるのか。なるほどね。
それは良いとして、できる事をやっとこう。
「観測者(オブザーバー)」
俺の手に天命の書板(タブレット)が現れる。そして、そこにはすでに神罰についての説明が書かれていた。
「この世のすべては創造神アヌにより定められている。その理に背くものにはアヌによる神罰が下る」
ほう。アヌと来たか。神罰と言いつつ通常兵器で攻撃されるんじゃわけわからんが。その辺はうまくやってくれるんだろうか?
どのみち、その攻撃に耐えにゃならん。その方策や如何に?
「……」
……
えーと。無視っすか。エンリルさん。無視なんすか。
「ちっ!頼りになんねぇな!!」
俺は捨て台詞を履きながら天命の書板(タブレット)に頼るのをやめて王都の住居からエンドゥに転移する。
オフィス屋上のヘリポートにはすでにサトシとアイが待っていた。
「久しぶりだな」
「ご無沙汰してます!元気そうで何よりです。でも、これ何なんですかね?」
「ちょっとこいつを見てくれるか」
俺は、サトシに天命の書板(タブレット)を見せる。
サトシは神罰の説明を読みながら納得顔だった。
「思い当たることあるのか?」
「え、ええ……まあ」
「何やったんだ?」
「あの感じで行くと、一回目はパラメータの変更ですね。ティックとアンのパラメータを弄ったついでに、アイのも弄ろうと思ったんですけど、失敗したんですよ。その時に視界の端に「×」印が現れて」
「それが一回目ってことは、二回目があるんだよな?」
「そっすね。二回目はついさっきです」
軽いな。まあ、本人にチートの自覚がなかっただろうしな。
「何やったんだ?」
「発電所を起動しました」
「は……はつ?」
「発電所」
「ハツデンショ」
「知りません?発電所」
「いや、知ってるに決まってんだろ。でも……え?発電所造ったの?」
「はい」
いや、はいって。これまた軽いな。俺設計図置いて行ってないよ?
「なに?自力で作ったの?」
「はあ。結構大変でしたけどね。エンジンの発電機が出来たんで、とりあえずそれを連結してみました。実際の火力発電所みたいにはいきませんけど。発電機の集合体って感じですね」
「マジでか。でも制御できる?」
「あ~そこが問題なんですよ。ですから今回は簡易的に大型の発電機を複数台繋いでヨウトの街を電化してみたんですよ」
「力技だな」
「ええ。取り敢えず送電網は以前なんとなく作れたんで、ルークスさんが帰って来たら発電所の図面を貰ってすぐに取り掛かれるように準備してたんですよ」
「準備って、繫いじゃったんだよね?」
「はい。繋いじゃいました」
「繋いじゃいましたって、おい」
「いや。送電網だけのつもりだったんですけど、それが出来たらほら。なんか繋ぎたくなるじゃないですか?で、発電機いくつか繋いだら電気使えるしなぁって。で、連結しちゃいました」
「おまえ。行動力凄いな。よく火事にならなかったな」
「いや。少し燃えましたけどね。まあ、そのへんは魔法があるから何とかなりました」
なってねぇよ。やっぱり力業じゃねぇか。
にしても、文明の利器を作り過ぎたってことか。車の時点で「粛清」かかってもよさそうなもんだが、電力網がマズかったのかな。まあ、匙加減が良くわからんが。
「とりあえず、創造神の怒りを買ったらしいから、それを受けて立たなきゃならん」
「どんな攻撃仕掛けてくるんでしょうね?」
俺は再度天命の書板(タブレット)を覗き込む。すると
「神罰を受ける者はそれまでの鍛錬を否定される」
「否定される?」
サトシはその説明を見ると、慌ててステータスを確認する。
「ああっ!?レベルが1になってる!?これパーティー全員ですよ!!」
「鍛錬を否定されるってそう言う事か」
レベルが初期値に戻るってことだな。wikiの情報通りだ。
「神罰を受ける者には、水、火、土、風、光、闇の6柱の加護は与えられない」
「って、これ。まずくないっすか!?魔法ほぼ全滅っすけど」
「だなぁ。やばいなぁ」
これまたWiki通り。まいっちまうなぁ。
「あれ?無属性は書いてないっすね」
ん?
「どういうこと?」
「いや、無属性も神が居たと思うんですけど……」
「それが創造神なんじゃないの?」
「なんか、創造神って複数いたような……」
「ああ、結構神ってごちゃごちゃしてるよな。いっぱい居る割にそのうちの半数以上が軍神だったり」
「そっすよね。わけわかんないっすよね」
「ねぇ。そんなことしてていいの?その攻撃はいつ来るの?」
おう、アイは冷静だ。
「攻撃が来るまでの時間は……」
天命の書板(タブレット)には「10分」とだけ記されていた
ログイン早々|念話(チャット)を飛ばす。
『ルークスさんですか!?』
『何があった?』
『いえ。あ、目の前に……ステータスみたいな感じで「×」印が現れたんですよ。デカデカと。以前もこんなことがあったんですが、今回は目の前で結構激しく点灯して……で、さっき頭の中にアナウンスが響いて……』
『なんて言ってた?』
『え~と。「神罰を下す」とかなんとか』
『神罰!?』
『ええ。そんなこと言ってましたよ』
『わかった。すぐそっちに行く。ちょっと待っててくれ』
『あ!?転移します?』
『ああ、するけどどうした?』
『俺たちもエンドゥに行きますから、そっちに来てください』
『ん?あ、ああ。わかった。テンスのオフィスビルの屋上で良いか?』
『はい。大丈夫です』
神罰を下す?
どういうことだ。
まあ、考えても仕方ないな。どのみち願ったり叶ったりだ。「チート行為につき、粛清します」じゃ、ゲームだって丸わかりだしな。
……
ははぁん。そう言う事か。ゲーム的に神罰を下すって事にしてるのか。なるほどね。
それは良いとして、できる事をやっとこう。
「観測者(オブザーバー)」
俺の手に天命の書板(タブレット)が現れる。そして、そこにはすでに神罰についての説明が書かれていた。
「この世のすべては創造神アヌにより定められている。その理に背くものにはアヌによる神罰が下る」
ほう。アヌと来たか。神罰と言いつつ通常兵器で攻撃されるんじゃわけわからんが。その辺はうまくやってくれるんだろうか?
どのみち、その攻撃に耐えにゃならん。その方策や如何に?
「……」
……
えーと。無視っすか。エンリルさん。無視なんすか。
「ちっ!頼りになんねぇな!!」
俺は捨て台詞を履きながら天命の書板(タブレット)に頼るのをやめて王都の住居からエンドゥに転移する。
オフィス屋上のヘリポートにはすでにサトシとアイが待っていた。
「久しぶりだな」
「ご無沙汰してます!元気そうで何よりです。でも、これ何なんですかね?」
「ちょっとこいつを見てくれるか」
俺は、サトシに天命の書板(タブレット)を見せる。
サトシは神罰の説明を読みながら納得顔だった。
「思い当たることあるのか?」
「え、ええ……まあ」
「何やったんだ?」
「あの感じで行くと、一回目はパラメータの変更ですね。ティックとアンのパラメータを弄ったついでに、アイのも弄ろうと思ったんですけど、失敗したんですよ。その時に視界の端に「×」印が現れて」
「それが一回目ってことは、二回目があるんだよな?」
「そっすね。二回目はついさっきです」
軽いな。まあ、本人にチートの自覚がなかっただろうしな。
「何やったんだ?」
「発電所を起動しました」
「は……はつ?」
「発電所」
「ハツデンショ」
「知りません?発電所」
「いや、知ってるに決まってんだろ。でも……え?発電所造ったの?」
「はい」
いや、はいって。これまた軽いな。俺設計図置いて行ってないよ?
「なに?自力で作ったの?」
「はあ。結構大変でしたけどね。エンジンの発電機が出来たんで、とりあえずそれを連結してみました。実際の火力発電所みたいにはいきませんけど。発電機の集合体って感じですね」
「マジでか。でも制御できる?」
「あ~そこが問題なんですよ。ですから今回は簡易的に大型の発電機を複数台繋いでヨウトの街を電化してみたんですよ」
「力技だな」
「ええ。取り敢えず送電網は以前なんとなく作れたんで、ルークスさんが帰って来たら発電所の図面を貰ってすぐに取り掛かれるように準備してたんですよ」
「準備って、繫いじゃったんだよね?」
「はい。繋いじゃいました」
「繋いじゃいましたって、おい」
「いや。送電網だけのつもりだったんですけど、それが出来たらほら。なんか繋ぎたくなるじゃないですか?で、発電機いくつか繋いだら電気使えるしなぁって。で、連結しちゃいました」
「おまえ。行動力凄いな。よく火事にならなかったな」
「いや。少し燃えましたけどね。まあ、そのへんは魔法があるから何とかなりました」
なってねぇよ。やっぱり力業じゃねぇか。
にしても、文明の利器を作り過ぎたってことか。車の時点で「粛清」かかってもよさそうなもんだが、電力網がマズかったのかな。まあ、匙加減が良くわからんが。
「とりあえず、創造神の怒りを買ったらしいから、それを受けて立たなきゃならん」
「どんな攻撃仕掛けてくるんでしょうね?」
俺は再度天命の書板(タブレット)を覗き込む。すると
「神罰を受ける者はそれまでの鍛錬を否定される」
「否定される?」
サトシはその説明を見ると、慌ててステータスを確認する。
「ああっ!?レベルが1になってる!?これパーティー全員ですよ!!」
「鍛錬を否定されるってそう言う事か」
レベルが初期値に戻るってことだな。wikiの情報通りだ。
「神罰を受ける者には、水、火、土、風、光、闇の6柱の加護は与えられない」
「って、これ。まずくないっすか!?魔法ほぼ全滅っすけど」
「だなぁ。やばいなぁ」
これまたWiki通り。まいっちまうなぁ。
「あれ?無属性は書いてないっすね」
ん?
「どういうこと?」
「いや、無属性も神が居たと思うんですけど……」
「それが創造神なんじゃないの?」
「なんか、創造神って複数いたような……」
「ああ、結構神ってごちゃごちゃしてるよな。いっぱい居る割にそのうちの半数以上が軍神だったり」
「そっすよね。わけわかんないっすよね」
「ねぇ。そんなことしてていいの?その攻撃はいつ来るの?」
おう、アイは冷静だ。
「攻撃が来るまでの時間は……」
天命の書板(タブレット)には「10分」とだけ記されていた
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