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第一章

第三十三話 氷竜決戦

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 氷の竜が低い咆哮を上げると、目の前にいるぼくたちに向けて氷の息吹を吐き出した。広範囲に氷が張り巡らされ、足元まで凍らせようとする攻撃だ。ぼくはすばやくインスタントシェルターを展開し、氷の攻撃を防いだ。

 アルフは素早く機動力を活かして氷の竜の背後に回り込み、竜のうろこに突き刺すように雷を叩き込んだ。だが、氷の竜はそれに動じず、尾でアルフを吹き飛ばそうとする。

 アルフは辛うじて尾を避け、距離を取りつつ、機転を利かせた戦術で竜を翻弄していた。フェンは、竜の足元に飛び込んで噛みついたり、爪を引っかけて氷の竜の動きを妨害していた。

 リリアは、自分の魔法でぼくたちの防御や回復をサポートしながら、氷の竜に対して風の魔法と矢を放つ。その攻撃は、氷の竜に大きなダメージを与えた。

 一方、ぼくは焔の杯の力を活かして、ファイアーコントロールで氷の竜に炎で猛攻を仕掛ける。強力な炎が竜の体に炙りつけるように燃え上がり、氷の竜は苦痛の声を上げる。

「やったぞ! いいダメージが入っている!!」

「でも、めちゃくちゃ怒ってるな……」

 アルフの言葉通り、氷の竜は怒りに燃え、さらに激しい氷の息吹を吐き出してきた。しかし、ぼくたちはそれぞれの力を結集し、強力な攻撃を次々と繰り出していく。

 氷の竜がさらなる攻撃を仕掛けてくる。氷の棘を床から突き上げ、ぼくたちの足元を脅かす。アルフは、すばやい身のこなしで氷の棘をかわし、リリアはその隙に風の魔法で氷の棘を吹き飛ばした。

 フェンは、氷の竜が次の攻撃を仕掛ける前に、その足に噛みついて動きを止める。氷の竜はフェンに向かって咆哮し、振り払おうとするが、その牙は強固に竜の足に食い込んでいた。

 ぼくは、アルフとリリアが氷の竜の注意を引いている間に、ファイアーコントロールで炎を氷の竜の顔面に放ち、その視界を遮った。その瞬間、アルフは機敏に竜の腹に突き刺すように、「大地の怒り」で地面を隆起させて生じさせた棘を打ち込んだ。

 氷の竜は激痛に苛まれ、激しい氷の嵐を巻き起こし、ぼくたちを圧倒しようとする。

 アルフは氷の嵐をかいくぐり、その間に竜の背中に飛び乗り、竜のうろこを剥がすように雷撃をたたきつける。一方、フェンは氷の竜の尾を引っ掻いて、さらなるダメージを与えた。

 氷の竜がぼくたちを一掃しようと、巨大な氷塊を天井から落とそうとする。ぼくはその瞬間を見逃さず、地面に魔法陣を描き、その氷塊を逆に竜にぶつける力を発揮した。氷塊が氷の竜の頭に直撃し、竜は痛みに苦しむ。

 ぼくは、この好機を逃さず、巨大な炎の球を氷の竜にぶつけた。炎は竜の体に燃え移り、氷の竜の体力はさらに削られていく。

 氷の竜は怒りと苦痛に満ちた目でぼくたちを睨みつけ、巨大な氷の壁を作り出し、ぼくたちと自分の間に立ちはだからせる。ぼくたちは一瞬戸惑うが、リリアがすばやく状況を把握し、風の魔法でぼくのファイアーコントロールの炎を強化し、氷の壁に穴を開ける。

 アルフはその隙を突いて再び氷の竜に接近し、連続で剣を振り回して深い傷を残す。フェンも竜の足元に潜り込み、引き続き動きを妨害しながら攻撃を繰り返す。

 リリアは、攻撃の合間にぼくたちの体力と魔力を回復する魔法を使い、全員が戦い続けられるようサポートしてくれた。

「リリア! 風魔法を! その風に炎をのせて、この一撃で決める!!」

「わかった!!」

 氷の竜の、その抵抗も次第に弱まってきた。
 ぼくは最後の力を振り絞り、リリアの生み出す風にのせて、猛烈な火炎の竜巻を生み出す。氷の竜を包み込み、周囲の氷も融けてしまうほどの熱を放っていた。

 そして、とうとう、氷の竜の体力が尽き、その巨体はゆっくりと崩れ落ちた。ぼくたちは息を切らしながらも、勝利の喜びに包まれる。

「やったぞ、みんな!これで氷の神器も手に入れられるはずだ!」

 ぼくは仲間たちに声をかけ、彼らも笑顔で頷いた。

 戦いは終わったのだ。
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