追放からはじまる異世界終末キャンプライフ

第一章

第三十二話 氷の洞窟

　ぼくたちの旅は続き、氷の神器が眠る地に近づくにつれて、氷と雪が次第に厚くなり、風も冷たくなっていった。アルフとフェンは体力に自信があったため、寒さにあまり苦しんでいない様子だったが、リリアは風邪を引いてしまった。

「リリア、大丈夫？顔色が悪いみたいだ……無理しないでくれ」

「ありがとう、でも、大丈夫よ。あともう少しで目的地だもの」

「それにしても、この寒さは異常だな。氷の神器が近くにあるせいで温度がさらに下がっているのかもしれない」

　そんな中、ぼくたちはとうとう氷の神器があるとされる場所に到着した。そこは、巨大な氷の洞窟のような場所で、周囲には巨大な氷の柱や氷の壁が立ちはだかっていた。

　氷の洞窟は、一歩足を踏み入れると、外界からは想像できないほどの美しさが広がっていた。洞窟の中は氷で覆われており、透き通った氷の柱や壁があらゆる方向から立ち並び、神秘的な光景を生み出していた。

　天井からは、巨大な氷のつららがぶら下がり、床には凍った水滴が集まって小さな氷の塊が散らばっていた。柔らかな光が氷に透けて反射し、幻想的な雰囲気が漂っていた。

　洞窟の奥に進むと、青白く光る氷の床に散りばめられた稀有な鉱石や水晶が現れ、それらが更なる美しい光景を醸し出していた。しかし、その美しさとは裏腹に、洞窟の中には氷のモンスターや凍てつくような風が吹くなど、厳しい環境が広がっていた。

「ここが……氷の神器の在り処ね」

　リリアの体調は悪そうだ。無理をしないようにさせなければ。

「なんだか気が遠くなるほど寒いな」

　ぼくたちはファイアーコントロールなどの炎属性の攻撃を使いながら、なんとか氷の洞窟を進んでいった。
　そして、広大な空間に突き当たった。
　そこは、周囲は氷の柱で支えられているかのような光景が広がっていた。その最奥の壁の中には、神秘的な輝きを放つ氷の神器が埋まっていた。

「あそこにあるのが……氷の神器か」

「おお、ついに見つけたぞ！」

　しかし、その瞬間、洞窟の奥から轟音が響き渡り、突如現れたのは、伝説に語られる氷の竜だった。

「これが……氷の竜……！！」

「みんな、気を引き締めろ！これが最後の試練だ！」

　氷の神器を手に入れるため、ぼくたちは氷の竜との壮絶な戦いに挑むことになった。