追放からはじまる異世界終末キャンプライフ

第一章

第十四話 スピニードラゴンっておいしいの？

「それにしても、これだけ倒したスピニードラゴンを無駄にしたくないな。キャンプで料理してみようか」

　ぼくはキャンプマスターの力で亜空間に収納してきたスピニードラゴンから、一番美味しそうな部分を丁寧に切り取る。キャンプを設営し終えたところで、スピニードラゴンの肉を料理することにした。

まず、スピニードラゴンの肉を綺麗に洗い、適当な大きさに切り分ける。こうすれば、見た目的にも、鶏肉とあまり変わりがない。
　その後、持っていた調味料で味付けをし、ジュージューと肉をじっくりと焼いていく。焼き上がった肉は、表面はこんがりと焼けていて、中はふっくらとジューシーで柔らかそうだ。

「さあ、できたよ。みんな、スピニードラゴン料理を食べてみよう」

　焼きあがったスピニードラゴンの肉を皆に分けて、一緒に食べることにした。アルフは少し戸惑いながらも、ぼくの作った料理に興味津々だ。

「イツキ、これ本当に美味しいのか？」

　アルフは不安そうに尋ねる。

「大丈夫、僕が作ったんだから。さあ、食べてみて」

　ぼくはリリアとアルフに勇気づけるように言って、自分も一口食べてみる。すると、スピニードラゴンの肉は予想以上に美味しかった。外は香ばしく、中はジューシーで、程よい歯ごたえもある。構造が似ているからか、やはりなんとなく鶏肉に近い味な気がする。
　リリアとアルフもぼくに続いて、スピニードラゴンの肉を食べてみた。

「おお、これは美味しい！　イツキ、流石だね」

　アルフはうれしそうに肉を食べる。最初の不安が嘘のように、おいしそうにスピニードラゴンの肉を頬張っていた。

「イツキ、こんな美味しい料理を作ってくれてありがとう」

　そう言って、リリアは僕に感謝の言葉をかけた。僕も嬉しくて、みんなで美味しい料理を楽しむことができた。

「それにしても、デザートも食べたいな。もしかしたら、この森にはデザートに適したモンスターがいるかもしれない」