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第一章

第九話 異世界で、ここをキャンプ地とする!

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 翌朝、リリアとイツキは村を出発する準備を整えた。フェンも、新たな仲間と共に旅を続けることを喜んでいた。リリアは村人たちに別れを告げ、彼らからたくさんの励ましの言葉をもらった。

「リリア、君が戻るまで、村はしっかり守っておくからな。気をつけて行ってこい」

 オルドールが胸を張って言った。リリアはうれしそうに頷いた。

「ありがとうございます、オルドールさん。心配しないで、私も必ず戻ってくるから」

 村人たちはリリアとイツキに、旅の途中で役立つと思われる道具や食料を持たせてくれた。リリアとイツキは感謝の気持ちを込めて、皆にお礼を言った。

 出発の時がやって来た。リリアとイツキはフェンと共に村の門をくぐり、旅路へと踏み出した。村人たちが手を振り、笑顔で見送ってくれた。

「さあ、イツキさん。これからが私たちの新しい冒険の始まりですね」

リリアは勇ましく言い、イツキも笑顔でうなずいた。

「そうだね。リリアさん、フェン、一緒に旅を続けるのが楽しみだよ」

彼らは新たな冒険に胸を膨らませ、未来に向かって希望に満ちた一歩を踏み出した。

 ぼくたちは旅を再開した。国境を越えて、どこか国外の街に行きたいところなのだが、一日やそこら歩いたところで次の街になどつけるはずもない。そうしたら、夜にすべきことといえば……そう、キャンプである!

 次のキャンプでは、ぼくたちが異世界特有の食材を入手する機会が訪れた。
 森の奥で巨大な木の下に生えていた、透明なクリスタルのようなキノコ「シャインシュルーム」や、夜光果実「ルナフルーツ」、そして水中でしか生息しない珍しい小型竜「アクアドラゴン」を手に入れた。

 ぼくたちは、今回のキャンプでこれらの素材を使って料理に挑戦することにした。リリアがシャインシュルームを使ったスープを担当し、ぼくがアクアドラゴンを調理しつつ、ルナフルーツを使ったデザートを作ることにした。

 リリアはシャインシュルームを一つずつ丁寧に洗ってから、鍋に入れ、野菜と共に煮込んだ。シャインシュルームは独特の透明感があり、光に当たるとキラキラと輝いて美しかった。スープは完成すると、透き通った見た目で、食欲をそそる香りが立ち上っていた。

 ぼくはアクアドラゴンを丹念にさばき、身を切り分けた。その身は美しい青みがかった色をしており、鱗は独特の模様があり、まるで宝石のようだった。ぼくはアクアドラゴンの身に調味料を塗り、じっくりと焼いた。焼けたアクアドラゴンは外はパリッと、中はふっくらと仕上がり、甘みと旨みが凝縮されていそうだ。

 次に、ルナフルーツを使ってデザートを作り始めた。ルナフルーツは夜になると美しい光を放ち、甘く香ばしい香りがある。彼は果実をくり抜き、中にハチミツやナッツを詰め、焼いて作った。焼けたルナフルーツは、香ばしい甘さが口いっぱいに広がり、食後のデザートとして最適だった。

 ぼくたちは焚き火を囲みながら、異世界の素材を使った料理を楽しんだ。シャインシュルームのスープは、透明感がありながらも味わい深く、アクアドラゴンの焼き魚は、その見た目からは想像できないほどの旨みがあり、口に入れるとふわりと広がる美味しさにみんな感動した。ルナフルーツのデザートも、程よい甘さと香ばしさがバランスよく、キャンプの準備の疲れを癒してくれた。
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