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仲間回収編
吸血姫
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門に闇炎を放ち、少し気分が良くなり、国内が気持ち悪い奴らだけという事に忌避感を感じなくなった頃、周りは真っ赤な鎧を着込んだ兵士が俺達を囲んで来た。
軽く運動していると、空から物凄い速さで何かが飛んで来た。
直ぐに俺の目の前まで辿り着き、巻き上がる煙の中でゆっくりと立ち上がる。
と、それはふたつの影であり、同時にこちらに走って来た。
「影か?」
真っ黒なそれは、実態のない不可思議極まりない影その物だった。
次第にゆらゆらと歪む影。
走りながら歪む物だから、徐々に数が増えて見え・・・
「・・・普通に増えてるんですが・・・」
2体だった影は、走りながらどんどん増え、俺から十メートルの所で止まった。
現在の数は7体、全く問題無いが、無限増殖だとキツイ。
主に精神的に。
突然影が再度走り出し、俺を囲む様に襲って来た。
「演舞『五十影奏』解禁『第八位階七部』」
これは、種族限定の固有スキルで、ジョブに関係無く使える物だ。
効果は俊敏超絶アップに自動幻術。
解禁で更に俊敏アップ、第八位階七部は防御と魔力を一時的に俊敏に完全変換する物だ。
更に尻尾を全部出せば光速以上に動けるのだが、如何せん筋力が足りない為、直ぐに体力が切れてしまう。
まぁ、出さない状態でも相当速いので、全く問題は無いのだが。
「よっと」
妖刀朱雀で一体ずつ確実に仕留めていく。
『無限の世界』でも、この手のモンスターとは戦っており、付与されている『一刀両断』のおかげで全ての敵を一撃で倒す事が出来る。
「ふぅ」
特に疲れた訳では無いが、慣れないために少し酔う。
これをしているからと、別に周りの動きが遅く見えたりはしない。
「ハッハッハ!流石じゃ妖狐族、妾の眷属をこうも簡単にいなすとは」
頭上からパチパチと拍手が聞こえる。
甲高い声が鳴り響き、どっかの魔人かと思う台詞を高笑いしながらふんぞり返る幼女。
「・・・」
思わず口を噤んでしまい、反応に遅れる。
まぁ、異世界だし?そういうのはあるんだろうなとかって薄々思ってたけど?これはどうなの?
「何じゃ?妾の顔に何か付いておるのか?」
「いや、なんだ。どんまい」
おっと、思わず口に出てしまった。
まぁ、吸血鬼とか言ってるんだからもう成長しないだろうし、ね。
「いや別に?それが悪いって事じゃなくて?似たような境遇の奴を知ってるからそう思うだけで?」
謎の言い訳を吐き出し、なんの事か分かって居ない幼女は首を傾げ、雫はプルプルと震え、玉藻は幼女を見上げて「飛んでるー」と呟いてる。
「まぁよい、妾の国へ侵入したのだ。不可侵条約違反と言う事で殲滅してもいいかの?」
いやいや、俺達何処の国にも所属して無いし、第一どの種族でも無いし、殲滅って今の所3人しか居ないぞ?
「先に攻撃して来たのはそっちだろ?」
サハギン(?)が槍を突き付けて来たからこういう手段を取っているだけであって、別に正当に入れてくれたらこんな事しなかった訳で?(言い訳)
「む?そうなのか?ならば謝罪しよう。それならば、この国に何用だ?」
「ああ、仲間を探していてな」
かくかくしかじか。
異世界から来たというのは上手く隠し、ことの経緯を話した。
「なるほどのう・・・済まないが、妾は役に立てそうに無い」
まぁ、しょうがないか。
妖狐族っても、普段は普通の人間だからな。
「まてよ?なんで俺らが妖狐族だって分かった?尻尾も解放していない。本気も出していない。この状況で分かるのは不自然だ」
「ああ、それはだな」
幼女(ステラと言うらしい)によると、俺達がこの世界に転移(復活)した事は各国に知られており、容姿なども伝わっているらしい。
まぁ、殆どの国が信じて無いらしいが。
「ワーオ、有名人だね?マスター!」
・・・こういう時こそ、ノーコメントで。
軽く運動していると、空から物凄い速さで何かが飛んで来た。
直ぐに俺の目の前まで辿り着き、巻き上がる煙の中でゆっくりと立ち上がる。
と、それはふたつの影であり、同時にこちらに走って来た。
「影か?」
真っ黒なそれは、実態のない不可思議極まりない影その物だった。
次第にゆらゆらと歪む影。
走りながら歪む物だから、徐々に数が増えて見え・・・
「・・・普通に増えてるんですが・・・」
2体だった影は、走りながらどんどん増え、俺から十メートルの所で止まった。
現在の数は7体、全く問題無いが、無限増殖だとキツイ。
主に精神的に。
突然影が再度走り出し、俺を囲む様に襲って来た。
「演舞『五十影奏』解禁『第八位階七部』」
これは、種族限定の固有スキルで、ジョブに関係無く使える物だ。
効果は俊敏超絶アップに自動幻術。
解禁で更に俊敏アップ、第八位階七部は防御と魔力を一時的に俊敏に完全変換する物だ。
更に尻尾を全部出せば光速以上に動けるのだが、如何せん筋力が足りない為、直ぐに体力が切れてしまう。
まぁ、出さない状態でも相当速いので、全く問題は無いのだが。
「よっと」
妖刀朱雀で一体ずつ確実に仕留めていく。
『無限の世界』でも、この手のモンスターとは戦っており、付与されている『一刀両断』のおかげで全ての敵を一撃で倒す事が出来る。
「ふぅ」
特に疲れた訳では無いが、慣れないために少し酔う。
これをしているからと、別に周りの動きが遅く見えたりはしない。
「ハッハッハ!流石じゃ妖狐族、妾の眷属をこうも簡単にいなすとは」
頭上からパチパチと拍手が聞こえる。
甲高い声が鳴り響き、どっかの魔人かと思う台詞を高笑いしながらふんぞり返る幼女。
「・・・」
思わず口を噤んでしまい、反応に遅れる。
まぁ、異世界だし?そういうのはあるんだろうなとかって薄々思ってたけど?これはどうなの?
「何じゃ?妾の顔に何か付いておるのか?」
「いや、なんだ。どんまい」
おっと、思わず口に出てしまった。
まぁ、吸血鬼とか言ってるんだからもう成長しないだろうし、ね。
「いや別に?それが悪いって事じゃなくて?似たような境遇の奴を知ってるからそう思うだけで?」
謎の言い訳を吐き出し、なんの事か分かって居ない幼女は首を傾げ、雫はプルプルと震え、玉藻は幼女を見上げて「飛んでるー」と呟いてる。
「まぁよい、妾の国へ侵入したのだ。不可侵条約違反と言う事で殲滅してもいいかの?」
いやいや、俺達何処の国にも所属して無いし、第一どの種族でも無いし、殲滅って今の所3人しか居ないぞ?
「先に攻撃して来たのはそっちだろ?」
サハギン(?)が槍を突き付けて来たからこういう手段を取っているだけであって、別に正当に入れてくれたらこんな事しなかった訳で?(言い訳)
「む?そうなのか?ならば謝罪しよう。それならば、この国に何用だ?」
「ああ、仲間を探していてな」
かくかくしかじか。
異世界から来たというのは上手く隠し、ことの経緯を話した。
「なるほどのう・・・済まないが、妾は役に立てそうに無い」
まぁ、しょうがないか。
妖狐族っても、普段は普通の人間だからな。
「まてよ?なんで俺らが妖狐族だって分かった?尻尾も解放していない。本気も出していない。この状況で分かるのは不自然だ」
「ああ、それはだな」
幼女(ステラと言うらしい)によると、俺達がこの世界に転移(復活)した事は各国に知られており、容姿なども伝わっているらしい。
まぁ、殆どの国が信じて無いらしいが。
「ワーオ、有名人だね?マスター!」
・・・こういう時こそ、ノーコメントで。
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