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仲間回収編
しゅっぱーつ
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「うーん...この国には居なそうだな...」
俺達は今、獣王国の酒場の2階で丸い木のテーブルを囲んでいる。
「そうですね...居ると思ったんですが…」
雫がそう俯くと、玉藻が肩をポンポンと叩いた。
「ねぇねぇ、あそこに狐耳の女の子がいるよ?」
玉藻が何となく呟いた言葉、だがそれは、朱雀たちの興味を引かせるに足るものであった…
ーーーー
「えっと...それじゃあ、ラリーちゃん?はお母さんが病気で倒れちゃって、助けてくれる人を探していたと...」
「うん!そうなの!だけど、誰も話を聞いてくれなくて...」
どうしてこうなったか、それは簡単な事で、朱雀たちが狐耳の女の子...ラリーを見つけると、雫が、『もしかして...派生種族?』と言ったものだから、朱雀は自分の好奇心に負け、耳も目も伏しているラリーに声を掛けたのだが…
「お願い!お姉ちゃん達!お母さんを助けて下さい!」
声を掛け、飲み物を勧めると、グイッと一気飲みした後、右の様に突然大声で言われ、取り敢えず話だけ聞いてみると...冒頭に戻る。
「うーん...玉藻と雫は攻撃と魔法と幻影が主だからなぁ...」
ホトケノザ...も、召喚できる奴に回復系が居るかは分からない...そう口にすると、ラリーは俯き、ぱっと顔を上げると、何かを我慢するような、とても苦しそうな笑顔で、
「ううん、大丈夫だよ、ごめんなさい、無理言っちゃって...」
見た目、齢10歳前後の少女のその言葉は、酷く心のこもってない...いや、失望と絶望が入り混じった言葉であった。
ーーーー
去り際のラリーの顔を思い出しながら、自分の非力さを噛み締め歩き出す3人、その顔はやはり晴れておらず、話し掛けた目的とは別の事に対しての葛藤が朱雀を支配していた。
(しっかし...あの少女の母親...狐族だろうに...いや、妖狐族とは違うんだ、八つ当たりは良くないな…)
もし妖狐族だったら彼女は悲しまずに...なんて事を考えてしまう朱雀だが、それは見当違いである事を自覚し、流石にもう会わないかもしれない者のことを考える余裕は無く、葛藤を投げ捨て、ホトケノザの行方について考えていた。
硬いベットに絶望して約1週間、朱雀たちは3人でギルドや宿屋、騎士団にまで足を運んだが、全ての答えが、
『しらないなぁ』
の一点張りで、もはやお手上げであった。
俺達は今、獣王国の酒場の2階で丸い木のテーブルを囲んでいる。
「そうですね...居ると思ったんですが…」
雫がそう俯くと、玉藻が肩をポンポンと叩いた。
「ねぇねぇ、あそこに狐耳の女の子がいるよ?」
玉藻が何となく呟いた言葉、だがそれは、朱雀たちの興味を引かせるに足るものであった…
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「えっと...それじゃあ、ラリーちゃん?はお母さんが病気で倒れちゃって、助けてくれる人を探していたと...」
「うん!そうなの!だけど、誰も話を聞いてくれなくて...」
どうしてこうなったか、それは簡単な事で、朱雀たちが狐耳の女の子...ラリーを見つけると、雫が、『もしかして...派生種族?』と言ったものだから、朱雀は自分の好奇心に負け、耳も目も伏しているラリーに声を掛けたのだが…
「お願い!お姉ちゃん達!お母さんを助けて下さい!」
声を掛け、飲み物を勧めると、グイッと一気飲みした後、右の様に突然大声で言われ、取り敢えず話だけ聞いてみると...冒頭に戻る。
「うーん...玉藻と雫は攻撃と魔法と幻影が主だからなぁ...」
ホトケノザ...も、召喚できる奴に回復系が居るかは分からない...そう口にすると、ラリーは俯き、ぱっと顔を上げると、何かを我慢するような、とても苦しそうな笑顔で、
「ううん、大丈夫だよ、ごめんなさい、無理言っちゃって...」
見た目、齢10歳前後の少女のその言葉は、酷く心のこもってない...いや、失望と絶望が入り混じった言葉であった。
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去り際のラリーの顔を思い出しながら、自分の非力さを噛み締め歩き出す3人、その顔はやはり晴れておらず、話し掛けた目的とは別の事に対しての葛藤が朱雀を支配していた。
(しっかし...あの少女の母親...狐族だろうに...いや、妖狐族とは違うんだ、八つ当たりは良くないな…)
もし妖狐族だったら彼女は悲しまずに...なんて事を考えてしまう朱雀だが、それは見当違いである事を自覚し、流石にもう会わないかもしれない者のことを考える余裕は無く、葛藤を投げ捨て、ホトケノザの行方について考えていた。
硬いベットに絶望して約1週間、朱雀たちは3人でギルドや宿屋、騎士団にまで足を運んだが、全ての答えが、
『しらないなぁ』
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