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第三部 魔界探索
88 灼熱地獄《バーンヒル》
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災厄の谷の出口で、ようやくリーシャンが追い付いてきた。
「待ってよカナメ! 置いていくなんて酷いよ!」
「んなこと言ったって、空を飛ぶお前を探すのは難しいだろ」
リーシャンにしても、地下に落ちた俺たちの居場所を知ることは困難だ。結局、外の見晴らしの良い場所に出て合流できたのだ。
「次はどこ行くのー?」
「灼熱地獄」
小さい姿に変身したリーシャンが、頭に乗っかってくる。
「へえ、暑苦しそうな地名だね! どちらの方角に進めば着くの?」
「んー……」
俺は手のひらを顔の前にかざして、周囲の景色を観察した。
サナトリスは荷物から小型のコンパスらしきものを取り出し、方位を確認している。
背後には黒々とした峡谷――災厄の谷がある。
今いる場所の周辺は、大小の地割れが無数にあった。まるで巨大な獣が大地をかきむしった跡のようだ。亀の言っていた話が本当なら、この地割れは災厄魔が暴れた跡なのかもしれない。
右手の方角は、黒いトゲトゲが大地に無数に生えている。
「北東には魔神ベルゼビュートが治める、死風荒野がある」
「そっちはパスだな」
俺の視線を追うように、サナトリスが腕を上げて指さし、説明してくれる。
魔神ベルゼビュートって黒崎だろ。
あいつは喧嘩を売ってくるから会いたくない。
「向かって左、西が賽河原だ。その向こうに蒼雪峰がある。ここからは遠すぎて良く見えないが、常冬の白い山だそうだ。北に進めば、私たちの目指す灼熱地獄がある」
「じゃあ真っ直ぐ進もう」
「キュー!」
すっかり騎乗用モンスターになってしまったメロンは、俺が手綱を引くと嬉々として走り出した。
速度は自転車より速いくらいで、自動車ほどではない。
だが、舗装された道がない異世界の獣道では十分なスピードと言えよう。
こうして、俺たちは北に向かって進んだ。
北に進むと途中に森があって、そこで夜になったので一泊した。
目指す灼熱地獄への距離をうっかり気にしてなかったが、サナトリスも実は知らないらしい。蜥蜴族の里から外に出たことが無かったから、地図と伝承でしか他の地域の事を知らないと言っていた。
結局、灼熱地獄へは二日掛かった。
「魔界にも、花が咲いてるんだな」
森を抜けると一面の野原と低木が繁っている。
真っ赤なヒナゲシのような花が、あちこちに咲いていた。
俺は休憩がてら、気になって花に手を伸ばした。
「カナメ殿、その花は……」
「何? うわっ」
いきなり花が爆発炎上した。
自動防御があるから平気だったけれども。
「なんて危険な花なんだ……」
燃え尽きてもチロチロ火を灯している植物。
見回すと赤い花はそこかしこに生えている。
間違えて踏んだら火だるまになるんじゃなかろうか。
「灼熱地獄の花は、少しの衝撃で炎上するらしい。赤火花という花だ。これが咲いているということは、もう灼熱地獄に来ているということだな」
サナトリスが、傷ひとつない俺の手を呆れたように見ながら、解説した。
「ふーん。あっちに舗装された道が見えるから、行ってみようか」
「道ということは、誰かと行き合う可能性がある。カナメ殿は人間に見えるから、変装された方が良いと思うが」
「ふむ……」
ここ数日、サナトリス以外の魔族と会ってないから失念していたが、ここは魔界なのだった。魔界では人間の扱いが酷いと聞く。
それこそ出会った当初のサナトリスのように、いきなり襲いかかられる可能性もあるだろう。
無用な争いを避けるなら、変装すべきか……?
「変装するとしたら、何の種族が良いと思う?」
「そうだな。私と同じ蜥蜴族でも良いと思うが……頭に乗っているリーシャン殿に合わせて竜人でも良いかもしれないな。竜人はレベルの高い者ほど人間に近い姿を取る。そのままの格好でもステータスさえ偽装すれば、間違われないだろう」
「それいいな」
俺はステータスの種族の欄を「魔族」に、クラスを「竜使い」、レベルは魔界標準のLv.500に偽装することにした。
ついでにリーシャンのステータスも、普通の「白竜」に見えるように偽装する。
「ステータスの種族の項目って、一律、魔族なのかよ。蜥蜴族とか竜人とか……」
「魔族同士の鑑定なら、種族は厳密に表示されるぞ。人間には見えないと聞いた事がある」
「ほー」
種族によって見えるステータスに差違があるのか。
俺の全域マップを見る裏技も、リーシャンや真たちは試しても出来ないみたいだったな。
「ねーカナメカナメ!」
「名前を連呼するなよ、リーシャン。いったい何なんだ?」
「あそこの一団って、人間を奴隷にしようとしてるんじゃない?!」
リーシャンが興奮して尻尾を俺の後頭部に打ち付けた。
だから頭の上で暴れるのは止めろって。
道の先に魔族の一団が見える。
どうやらリーシャンの言う通り、人間を十数人、鎖につないで連行しているところだった。
「魔界では、人間の里は管理されて、成長したら食材か奴隷にするため、ああやって連れ出されるんだ」
サナトリスは平然としている。
魔界では日常茶飯事ということか。
「助けようよカナメ!」
「止めろ」
張り切って目からビームを放とうとするリーシャンを、尻尾をつかんで止める。
「どうして止めるの?! カナメは身も心も魔界に染まりきっちゃったの? 僕たち人間を守護する光の七神じゃないか!」
「そんな中二っぽい設定を受け入れた覚えはない」
だって石ころだから「違う」と言えなかったんだぜ。
自分から名乗ったこともないのに、いつの間にか光の七神に連盟させられていた。俺は調印した覚えもないのに。
「リーシャンお前の言う通り、俺はやさぐれて神様は休業中なんだよ。こんな魔界のくんだりで 人助けするつもりはない」
「そんな……?!」
「それよりも、あの奴隷商人っぽい魔族と仲良くなって、情報を聞き出そうぜ」
「カナメが……僕のカナメが真っ黒になっちゃった……」
さめざめと泣くリーシャンの首根っこをつかみ、余計な事をしないように押さえ付けながら、俺は足早になって奴隷商人に追い付いた。
「おーい、すみませーん」
奴隷商人と思われる、トサカ頭の魔族が不思議そうに振り向く。
「これはこれは、竜人様じゃないですか。これから灼熱地獄に挑戦しにいかれるんですか?」
「実はそうなんです。道に迷ったんで、一緒に付いて行っても?」
「構いませんとも」
トサカ頭はニコニコ笑いながら、鎖につないだ人間の青年を蹴って、荷台に放り込んだ。荷台から悲鳴とすすり泣く声が聞こえる。
このトサカ頭、情報入手した後は刻んで油でカラッと揚げてチキンにしても良いよな?
「待ってよカナメ! 置いていくなんて酷いよ!」
「んなこと言ったって、空を飛ぶお前を探すのは難しいだろ」
リーシャンにしても、地下に落ちた俺たちの居場所を知ることは困難だ。結局、外の見晴らしの良い場所に出て合流できたのだ。
「次はどこ行くのー?」
「灼熱地獄」
小さい姿に変身したリーシャンが、頭に乗っかってくる。
「へえ、暑苦しそうな地名だね! どちらの方角に進めば着くの?」
「んー……」
俺は手のひらを顔の前にかざして、周囲の景色を観察した。
サナトリスは荷物から小型のコンパスらしきものを取り出し、方位を確認している。
背後には黒々とした峡谷――災厄の谷がある。
今いる場所の周辺は、大小の地割れが無数にあった。まるで巨大な獣が大地をかきむしった跡のようだ。亀の言っていた話が本当なら、この地割れは災厄魔が暴れた跡なのかもしれない。
右手の方角は、黒いトゲトゲが大地に無数に生えている。
「北東には魔神ベルゼビュートが治める、死風荒野がある」
「そっちはパスだな」
俺の視線を追うように、サナトリスが腕を上げて指さし、説明してくれる。
魔神ベルゼビュートって黒崎だろ。
あいつは喧嘩を売ってくるから会いたくない。
「向かって左、西が賽河原だ。その向こうに蒼雪峰がある。ここからは遠すぎて良く見えないが、常冬の白い山だそうだ。北に進めば、私たちの目指す灼熱地獄がある」
「じゃあ真っ直ぐ進もう」
「キュー!」
すっかり騎乗用モンスターになってしまったメロンは、俺が手綱を引くと嬉々として走り出した。
速度は自転車より速いくらいで、自動車ほどではない。
だが、舗装された道がない異世界の獣道では十分なスピードと言えよう。
こうして、俺たちは北に向かって進んだ。
北に進むと途中に森があって、そこで夜になったので一泊した。
目指す灼熱地獄への距離をうっかり気にしてなかったが、サナトリスも実は知らないらしい。蜥蜴族の里から外に出たことが無かったから、地図と伝承でしか他の地域の事を知らないと言っていた。
結局、灼熱地獄へは二日掛かった。
「魔界にも、花が咲いてるんだな」
森を抜けると一面の野原と低木が繁っている。
真っ赤なヒナゲシのような花が、あちこちに咲いていた。
俺は休憩がてら、気になって花に手を伸ばした。
「カナメ殿、その花は……」
「何? うわっ」
いきなり花が爆発炎上した。
自動防御があるから平気だったけれども。
「なんて危険な花なんだ……」
燃え尽きてもチロチロ火を灯している植物。
見回すと赤い花はそこかしこに生えている。
間違えて踏んだら火だるまになるんじゃなかろうか。
「灼熱地獄の花は、少しの衝撃で炎上するらしい。赤火花という花だ。これが咲いているということは、もう灼熱地獄に来ているということだな」
サナトリスが、傷ひとつない俺の手を呆れたように見ながら、解説した。
「ふーん。あっちに舗装された道が見えるから、行ってみようか」
「道ということは、誰かと行き合う可能性がある。カナメ殿は人間に見えるから、変装された方が良いと思うが」
「ふむ……」
ここ数日、サナトリス以外の魔族と会ってないから失念していたが、ここは魔界なのだった。魔界では人間の扱いが酷いと聞く。
それこそ出会った当初のサナトリスのように、いきなり襲いかかられる可能性もあるだろう。
無用な争いを避けるなら、変装すべきか……?
「変装するとしたら、何の種族が良いと思う?」
「そうだな。私と同じ蜥蜴族でも良いと思うが……頭に乗っているリーシャン殿に合わせて竜人でも良いかもしれないな。竜人はレベルの高い者ほど人間に近い姿を取る。そのままの格好でもステータスさえ偽装すれば、間違われないだろう」
「それいいな」
俺はステータスの種族の欄を「魔族」に、クラスを「竜使い」、レベルは魔界標準のLv.500に偽装することにした。
ついでにリーシャンのステータスも、普通の「白竜」に見えるように偽装する。
「ステータスの種族の項目って、一律、魔族なのかよ。蜥蜴族とか竜人とか……」
「魔族同士の鑑定なら、種族は厳密に表示されるぞ。人間には見えないと聞いた事がある」
「ほー」
種族によって見えるステータスに差違があるのか。
俺の全域マップを見る裏技も、リーシャンや真たちは試しても出来ないみたいだったな。
「ねーカナメカナメ!」
「名前を連呼するなよ、リーシャン。いったい何なんだ?」
「あそこの一団って、人間を奴隷にしようとしてるんじゃない?!」
リーシャンが興奮して尻尾を俺の後頭部に打ち付けた。
だから頭の上で暴れるのは止めろって。
道の先に魔族の一団が見える。
どうやらリーシャンの言う通り、人間を十数人、鎖につないで連行しているところだった。
「魔界では、人間の里は管理されて、成長したら食材か奴隷にするため、ああやって連れ出されるんだ」
サナトリスは平然としている。
魔界では日常茶飯事ということか。
「助けようよカナメ!」
「止めろ」
張り切って目からビームを放とうとするリーシャンを、尻尾をつかんで止める。
「どうして止めるの?! カナメは身も心も魔界に染まりきっちゃったの? 僕たち人間を守護する光の七神じゃないか!」
「そんな中二っぽい設定を受け入れた覚えはない」
だって石ころだから「違う」と言えなかったんだぜ。
自分から名乗ったこともないのに、いつの間にか光の七神に連盟させられていた。俺は調印した覚えもないのに。
「リーシャンお前の言う通り、俺はやさぐれて神様は休業中なんだよ。こんな魔界のくんだりで 人助けするつもりはない」
「そんな……?!」
「それよりも、あの奴隷商人っぽい魔族と仲良くなって、情報を聞き出そうぜ」
「カナメが……僕のカナメが真っ黒になっちゃった……」
さめざめと泣くリーシャンの首根っこをつかみ、余計な事をしないように押さえ付けながら、俺は足早になって奴隷商人に追い付いた。
「おーい、すみませーん」
奴隷商人と思われる、トサカ頭の魔族が不思議そうに振り向く。
「これはこれは、竜人様じゃないですか。これから灼熱地獄に挑戦しにいかれるんですか?」
「実はそうなんです。道に迷ったんで、一緒に付いて行っても?」
「構いませんとも」
トサカ頭はニコニコ笑いながら、鎖につないだ人間の青年を蹴って、荷台に放り込んだ。荷台から悲鳴とすすり泣く声が聞こえる。
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