79 / 169
天使の裁定
第64話 今から救出に行きましょう
しおりを挟む
シエロの正体を考えると、古城に何かあるのは確実だ。
最初に会った葡萄畑と言い、シエロは直接自分の目で見て判断する性格なのだなと、ネーヴェは思う。
好きだという気持ちを自覚してから、改めてシエロを見ると甘いような切ないような感情が沸き上がる。しかし、今は愛だ恋だと浮かれている場合ではない。
先頭で馬を進めるグラートが、無造作に魔物を切り落とした。魔物は子供の頭ほどあり、ぞっとする程大きい昆虫の姿をしている。剣で斬られると果実のように割れたが、まだ脚を動かしていて気味が悪い。
確かに普通の虫より大きかったが、あんなサイズだっただろうかと、ネーヴェは疑問に思う。
「どうやら、集まって大きくなったようですわね」
アイーダが言った。彼女は、普通の令嬢なら眼を背ける虫の死骸にも動揺していない。
「虫が小さかった時は感じなかったですが、魔術の気配がしますわ」
「分かりますの?」
「ふふっ。お姉さま、私が魔女と呼ばれるのは、単なる噂ではなくてよ」
蝶の模様が描かれた漆黒の扇をばさっと広げ、アイーダは思わせぶりに答える。彼女は今日も黒づくめのドレス姿だ。
ちなみにこの世界では、魔術は一般的な力ではない。生活を便利にする技術として一部利用されている面もあるが、魔術の基礎知識を持っていて自由に扱える人間は、ごく僅かである。
「烏合の衆も、ここまで集まれば脅威ですわね。百匹も二百匹も押し寄せてくれば、人間も喰われる勢いですわ……あそこに呼び寄せられているようです」
アイーダが指差す先には、目的地である古城が見えた。
小高い丘の上、岩の上に乗り掛かるように、壮麗な城が立っている。
古城は、元はこの地の領主の城だったそうだが、不幸な出来事が立て続けに起きて放棄されたらしい。普段から幽霊が出そうな雰囲気だが、今は城の上空に奇妙な暗雲が垂れ込め、非常におどろおどろしい空気を発していた。
その黒雲は、どうやら虫の大群であるらしい。
「こりゃあ、大勢の兵で取り囲んで全滅させるしかねえな。今連れてる兵だと、手が足りん」
グラートは険しい表情だ。
お忍びとはいえ、侯爵家のアイーダとグラートが同行しているので、それぞれ護衛の騎士や兵士が数人いる。ネーヴェの護衛も含め全員で十人ちょっとだ。
「おい、サボル侯の娘。魔術でパパッと片付けられねえのか?」
「無理ですわね。これらの虫は、フォレスタ全土から集まってきたもの。数年掛けて増えた大群ですわ。人の領分を越えています。天使様にご降臨願った方がよろしいかと存じますわ」
「天使様?」
アイーダの「天使様」という言葉に、思わずネーヴェは反応する。
しかし、アイーダはネーヴェが天使と親しいことを知らない。
「この数十年、平穏だったから忘れられがちですが、我らがフォレスタの守護天使は、大国の侵略を退けた実績のある、とても力の強い天使様ですわよ。帝国の守護天使よりも強いのです。でなければ、フォレスタはとっくに帝国に併呑されています」
一緒に掃除したり農作業したりの印象が強過ぎて、ネーヴェは今いち天使のシエロがイメージできない。白い翼があるという噂だが、翼の生えているシエロはまだ見たことがないのだ。
横目で見ると、話題に上がったにも関わらず、シエロは素知らぬ表情をしている。であれば、ネーヴェも知らぬ存ぜぬで通すしかない。
「……天使様に祈るかはともかく、一旦引き返しましょう」
「まあ、ネーヴェお姉さまは現実的ですわね」
淡々と答えると、アイーダは妙に感心してくれる。
ネーヴェは古城の姿を目に焼き付けると「戻って対策を練りましょう」と一行に撤退を促した。
背を向けようとしたその時。
「おおい、待ってくれ~~!」
今にも壊れそうな跳ね橋を転げ落ちるように、誰かが城の中から飛び出してきた。
よく見れば幼い少女を抱えた父親とおぼしき男性だ。その背後から、虫が数匹襲いかかっている。
ネーヴェは、弓に矢をつがえて虫を射った。
剣を携えたグラートとカルメラが斬り込み、襲われている男性と少女を保護する。城から離れると、虫は襲ってこないようだ。一行は城から離れた森に待避した。
「助けて頂きありがとうございます」
幼い少女を抱えた男性は、ネーヴェたちに向かい頭を下げる。虫にたかられたのか、衣服はボロボロで血がにじんでいる。少女の方も似たような様子で、青白い顔で憔悴していた。
ネーヴェたちの護衛として付いてきた兵士が水筒を差し出すと、やっと一息ついたようだ。
「あの城には、まだ妻が取り残されております。無理なお願いと分かっておりますが、どうか妻を……!」
「中で何があったか、話を聞かせてください」
男性は近隣の村人で、森に入って戻ってこなかった妻と娘を探して古城まで来たと言う。そして、妻と娘と同じように古城の中に囚われてしまった。
他にも何人か、同じ境遇の者が古城に囚われているらしい。
「私が娘を連れて逃げ出せたのは、どこかの貴族の若君が助けてくださったからです。立派な剣を持った金髪の方でした。私に、これを持っていくようにと……」
男が差し出したのは、精緻な拵えの鞘だ。
ネーヴェは見覚えのある剣の鞘に目を見張った。
「……これは、エミリオ殿下の剣の鞘」
「なんですって?!」
「どうして殿下が、こんなところに」
「殿下、剣を振る男気があったのですね。見直しましたわ」
ネーヴェがそう言うと、周囲の人々が微妙な顔になった。
皆思ってはいるが口に出さないからだ。ただ、今のネーヴェは王子の婚約者ではない自由な身なので、遠慮なく発言する。もう面倒くさい男を選んだり、嫁入り先に悩むつもりは毛頭ない。
なんならシエロ様をさらって国外逃亡するのも良いと、半ば本気で思っていた。
「まあ……良い大義名分じぇねえか。殿下が囚われの身になってるとあれば、マントヴァ公の土地だろうと好きに出来る」
グラートが仕切り直すように言った。
しかし、内容はネーヴェと同じで不敬極まりない。
グラートの言う通り、王子がどんなつもりで古城に来たか分からないが、この鞘だけでも、マントヴァ公の領地に強引に踏み込む理由たりえる。
「そうですね。虫退治は後回しでもよろしいですが、救出が遅れて犠牲者が出れば、目も当てられませんわ」
「……待て。今から救出に行く気か」
シエロが頭痛をこらえるよう手を額に当てている。
大胆過ぎただろうか。しかし、善は急げという格言もある。ネーヴェは声を潜め「シエロ様の予定が狂いますか?」と聞いてみた。
彼は眉間にシワを寄せている。
「予定はとうに狂っている。おおっぴらに手を出すのもな……」
「?」
「もう良い。お前の好きにしろ」
途中で投げてきた。本当にシエロの邪魔になるなら引いた方が良いか?と悩むネーヴェに「なんとでもなるから、俺のことは気にするな」とシエロは言う。そこまで言われたら、腹をくくるしかない。
「では、用意でき次第、すぐに救出に参りましょう」
そう言うと、グラートがやたら嬉しそうにガッツポーズした。
最初に会った葡萄畑と言い、シエロは直接自分の目で見て判断する性格なのだなと、ネーヴェは思う。
好きだという気持ちを自覚してから、改めてシエロを見ると甘いような切ないような感情が沸き上がる。しかし、今は愛だ恋だと浮かれている場合ではない。
先頭で馬を進めるグラートが、無造作に魔物を切り落とした。魔物は子供の頭ほどあり、ぞっとする程大きい昆虫の姿をしている。剣で斬られると果実のように割れたが、まだ脚を動かしていて気味が悪い。
確かに普通の虫より大きかったが、あんなサイズだっただろうかと、ネーヴェは疑問に思う。
「どうやら、集まって大きくなったようですわね」
アイーダが言った。彼女は、普通の令嬢なら眼を背ける虫の死骸にも動揺していない。
「虫が小さかった時は感じなかったですが、魔術の気配がしますわ」
「分かりますの?」
「ふふっ。お姉さま、私が魔女と呼ばれるのは、単なる噂ではなくてよ」
蝶の模様が描かれた漆黒の扇をばさっと広げ、アイーダは思わせぶりに答える。彼女は今日も黒づくめのドレス姿だ。
ちなみにこの世界では、魔術は一般的な力ではない。生活を便利にする技術として一部利用されている面もあるが、魔術の基礎知識を持っていて自由に扱える人間は、ごく僅かである。
「烏合の衆も、ここまで集まれば脅威ですわね。百匹も二百匹も押し寄せてくれば、人間も喰われる勢いですわ……あそこに呼び寄せられているようです」
アイーダが指差す先には、目的地である古城が見えた。
小高い丘の上、岩の上に乗り掛かるように、壮麗な城が立っている。
古城は、元はこの地の領主の城だったそうだが、不幸な出来事が立て続けに起きて放棄されたらしい。普段から幽霊が出そうな雰囲気だが、今は城の上空に奇妙な暗雲が垂れ込め、非常におどろおどろしい空気を発していた。
その黒雲は、どうやら虫の大群であるらしい。
「こりゃあ、大勢の兵で取り囲んで全滅させるしかねえな。今連れてる兵だと、手が足りん」
グラートは険しい表情だ。
お忍びとはいえ、侯爵家のアイーダとグラートが同行しているので、それぞれ護衛の騎士や兵士が数人いる。ネーヴェの護衛も含め全員で十人ちょっとだ。
「おい、サボル侯の娘。魔術でパパッと片付けられねえのか?」
「無理ですわね。これらの虫は、フォレスタ全土から集まってきたもの。数年掛けて増えた大群ですわ。人の領分を越えています。天使様にご降臨願った方がよろしいかと存じますわ」
「天使様?」
アイーダの「天使様」という言葉に、思わずネーヴェは反応する。
しかし、アイーダはネーヴェが天使と親しいことを知らない。
「この数十年、平穏だったから忘れられがちですが、我らがフォレスタの守護天使は、大国の侵略を退けた実績のある、とても力の強い天使様ですわよ。帝国の守護天使よりも強いのです。でなければ、フォレスタはとっくに帝国に併呑されています」
一緒に掃除したり農作業したりの印象が強過ぎて、ネーヴェは今いち天使のシエロがイメージできない。白い翼があるという噂だが、翼の生えているシエロはまだ見たことがないのだ。
横目で見ると、話題に上がったにも関わらず、シエロは素知らぬ表情をしている。であれば、ネーヴェも知らぬ存ぜぬで通すしかない。
「……天使様に祈るかはともかく、一旦引き返しましょう」
「まあ、ネーヴェお姉さまは現実的ですわね」
淡々と答えると、アイーダは妙に感心してくれる。
ネーヴェは古城の姿を目に焼き付けると「戻って対策を練りましょう」と一行に撤退を促した。
背を向けようとしたその時。
「おおい、待ってくれ~~!」
今にも壊れそうな跳ね橋を転げ落ちるように、誰かが城の中から飛び出してきた。
よく見れば幼い少女を抱えた父親とおぼしき男性だ。その背後から、虫が数匹襲いかかっている。
ネーヴェは、弓に矢をつがえて虫を射った。
剣を携えたグラートとカルメラが斬り込み、襲われている男性と少女を保護する。城から離れると、虫は襲ってこないようだ。一行は城から離れた森に待避した。
「助けて頂きありがとうございます」
幼い少女を抱えた男性は、ネーヴェたちに向かい頭を下げる。虫にたかられたのか、衣服はボロボロで血がにじんでいる。少女の方も似たような様子で、青白い顔で憔悴していた。
ネーヴェたちの護衛として付いてきた兵士が水筒を差し出すと、やっと一息ついたようだ。
「あの城には、まだ妻が取り残されております。無理なお願いと分かっておりますが、どうか妻を……!」
「中で何があったか、話を聞かせてください」
男性は近隣の村人で、森に入って戻ってこなかった妻と娘を探して古城まで来たと言う。そして、妻と娘と同じように古城の中に囚われてしまった。
他にも何人か、同じ境遇の者が古城に囚われているらしい。
「私が娘を連れて逃げ出せたのは、どこかの貴族の若君が助けてくださったからです。立派な剣を持った金髪の方でした。私に、これを持っていくようにと……」
男が差し出したのは、精緻な拵えの鞘だ。
ネーヴェは見覚えのある剣の鞘に目を見張った。
「……これは、エミリオ殿下の剣の鞘」
「なんですって?!」
「どうして殿下が、こんなところに」
「殿下、剣を振る男気があったのですね。見直しましたわ」
ネーヴェがそう言うと、周囲の人々が微妙な顔になった。
皆思ってはいるが口に出さないからだ。ただ、今のネーヴェは王子の婚約者ではない自由な身なので、遠慮なく発言する。もう面倒くさい男を選んだり、嫁入り先に悩むつもりは毛頭ない。
なんならシエロ様をさらって国外逃亡するのも良いと、半ば本気で思っていた。
「まあ……良い大義名分じぇねえか。殿下が囚われの身になってるとあれば、マントヴァ公の土地だろうと好きに出来る」
グラートが仕切り直すように言った。
しかし、内容はネーヴェと同じで不敬極まりない。
グラートの言う通り、王子がどんなつもりで古城に来たか分からないが、この鞘だけでも、マントヴァ公の領地に強引に踏み込む理由たりえる。
「そうですね。虫退治は後回しでもよろしいですが、救出が遅れて犠牲者が出れば、目も当てられませんわ」
「……待て。今から救出に行く気か」
シエロが頭痛をこらえるよう手を額に当てている。
大胆過ぎただろうか。しかし、善は急げという格言もある。ネーヴェは声を潜め「シエロ様の予定が狂いますか?」と聞いてみた。
彼は眉間にシワを寄せている。
「予定はとうに狂っている。おおっぴらに手を出すのもな……」
「?」
「もう良い。お前の好きにしろ」
途中で投げてきた。本当にシエロの邪魔になるなら引いた方が良いか?と悩むネーヴェに「なんとでもなるから、俺のことは気にするな」とシエロは言う。そこまで言われたら、腹をくくるしかない。
「では、用意でき次第、すぐに救出に参りましょう」
そう言うと、グラートがやたら嬉しそうにガッツポーズした。
53
お気に入りに追加
289
あなたにおすすめの小説
強い祝福が原因だった
棗
恋愛
大魔法使いと呼ばれる父と前公爵夫人である母の不貞により生まれた令嬢エイレーネー。
父を憎む義父や義父に同調する使用人達から冷遇されながらも、エイレーネーにしか姿が見えないうさぎのイヴのお陰で孤独にはならずに済んでいた。
大魔法使いを王国に留めておきたい王家の思惑により、王弟を父に持つソレイユ公爵家の公子ラウルと婚約関係にある。しかし、彼が愛情に満ち、優しく笑い合うのは義父の娘ガブリエルで。
愛される未来がないのなら、全てを捨てて実父の許へ行くと決意した。
※「殿下が好きなのは私だった」と同じ世界観となりますが此方の話を読まなくても大丈夫です。
※なろうさんにも公開しています。
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています
(完)貴女は私の全てを奪う妹のふりをする他人ですよね?
青空一夏
恋愛
公爵令嬢の私は婚約者の王太子殿下と優しい家族に、気の合う親友に囲まれ充実した生活を送っていた。それは完璧なバランスがとれた幸せな世界。
けれど、それは一人の女のせいで歪んだ世界になっていくのだった。なぜ私がこんな思いをしなければならないの?
中世ヨーロッパ風異世界。魔道具使用により現代文明のような便利さが普通仕様になっている異世界です。
乙女ゲームの正しい進め方
みおな
恋愛
乙女ゲームの世界に転生しました。
目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。
私はこの乙女ゲームが大好きでした。
心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。
だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。
彼らには幸せになってもらいたいですから。
貴方が側妃を望んだのです
cyaru
恋愛
「君はそれでいいのか」王太子ハロルドは言った。
「えぇ。勿論ですわ」婚約者の公爵令嬢フランセアは答えた。
誠の愛に気がついたと言われたフランセアは微笑んで答えた。
※2022年6月12日。一部書き足しました。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
史実などに基づいたものではない事をご理解ください。
※話の都合上、残酷な描写がありますがそれがざまぁなのかは受け取り方は人それぞれです。
表現的にどうかと思う回は冒頭に注意喚起を書き込むようにしますが有無は作者の判断です。
※更新していくうえでタグは幾つか増えます。
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
【完結】虐げられて自己肯定感を失った令嬢は、周囲からの愛を受け取れない
春風由実
恋愛
事情があって伯爵家で長く虐げられてきたオリヴィアは、公爵家に嫁ぐも、同じく虐げられる日々が続くものだと信じていた。
願わくば、公爵家では邪魔にならず、ひっそりと生かして貰えたら。
そんなオリヴィアの小さな願いを、夫となった公爵レオンは容赦なく打ち砕く。
※完結まで毎日1話更新します。最終話は2/15の投稿です。
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。
【完結】ブスと呼ばれるひっつめ髪の眼鏡令嬢は婚約破棄を望みます。
はゆりか
恋愛
幼き頃から決まった婚約者に言われた事を素直に従い、ひっつめ髪に顔が半分隠れた瓶底丸眼鏡を常に着けたアリーネ。
周りからは「ブス」と言われ、外見を笑われ、美しい婚約者とは並んで歩くのも忌わしいと言われていた。
婚約者のバロックはそれはもう見目の美しい青年。
ただ、美しいのはその見た目だけ。
心の汚い婚約者様にこの世の厳しさを教えてあげましょう。
本来の私の姿で……
前編、中編、後編の短編です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる