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葡萄畑を耕していた理由
第52話 聖地に隠されたもの
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汚しても良い衣服に着替えるとシエロが言い、それに狼狽えたトマス司祭が右往左往した末に「私も手伝います!」と言い出した。
こうして、三人で大掃除をすることになった。
「男手が増えてようございますね。それでは家具をどかして埃《ほこり》を払いましょう」
とは言っても、置物が無いがらんどうの屋敷だ。
埃を払うだけなら、すぐだった。
ネーヴェは屋敷を見回し、足りないのは掃除ではなく、装飾だと感じる。
「それにしても、寒々しいですわね。カーテンはありませんか? 絨毯は?」
ネーヴェの問いかけに、トマス司祭は「ございます」と答える。
「聖堂の倉庫には、寄進された家具絨毯類で使いきれないものが、沢山ございます。ああ、確かに言われてみれば寒々しい! 我々は気付きませんでした!」
「カーテンは、淡い黄色いものが良いかと。絨毯は、深い青はございますか」
「持って参ります!」
トマス司祭は倉庫から布類を持ち出して来た。
聖堂に寄進されるだけあって、奇抜な色や模様の布はなく、どれも落ち着いた上品なデザインだ。
トマス司祭はネーヴェの意を汲み、濃紺の絨毯とクリーム色のカーテンを持ってきた。ちなみに何故その色合いにしたかというと、シエロを見て連想した色合いだからだった。青と黄色は聖なる場所を連想させる色合いであるから、問題ないだろう。ネーヴェは屋敷の中を見て回り、それぞれふさわしい場所に設置した。
石造りの壁と、木材を組み合わせただけの簡素な住居に、柔らかな布がひるがえると、空間に温もりが生じる。
タペストリーや、テーブルクロス。椅子の座面に敷くクッションも、あるだけで印象が変わってくるものだ。
「……人の住む家になったな」
シエロが感心したように言ったので、ネーヴェは呆れた。
「天使様が人ではないからと言って、手を抜いて良いということにはなりませんわ」
「何故お前が怒る?」
「なぜって」
空虚な印象の屋敷と、荒れた果てた奥庭の有り様に、腹を立てていたのだと、今さらのように気付く。
シエロは、そんなネーヴェを優しい眼差しで見ている。
彼の深海色の瞳を向けられると、なぜかネーヴェは心臓が高鳴って、顔を背けた。
「風邪でも引いたのかしら」
「?」
「あ、トマス様。そこは絨毯を敷く前に、確かめたいことが」
ネーヴェは、居間に絨毯を敷こうとしているトマス司祭を呼び止めた。
「その床だけ、足音が違って聞こえるのです。地下に空洞があるのでは」
「……本当ですね」
三人は、その床の一角を覗き込んだ。
ネーヴェは床を叩いて構造を確かめる。よく見ると、床板に隙間があり、持ち上げることが出来そうだった。
古い木の板を、壊さないよう慎重に剥がす。
すると、土に埋まった素焼きの土器瓶の頭が見えた。とても古い、葡萄酒の瓶だ。
「……」
「シエロ様?」
「……やられた。あいつ、こんなところに酒瓶を隠すとは。ここは聖職者の集まる聖堂だぞ」
シエロは意表を突かれた様子で、まじまじと葡萄酒の瓶を見つめる。その呟きには、隠しきれない動揺があった。
床下から現れた葡萄酒の瓶に、三人は少しの間、呆然とした。
世間一般では、聖職者は酒を飲まないということになっている。しかし厳密には、聖職者は飲酒禁止と言う規則はない。ただ、酔っぱらって騒ぐのは恥ずべきことだと言われており、世間体もあるので飲まないだけである。
それにしても、聖地に酒瓶が隠されているというのは、風聞がよろしくない。
司祭トマスも戸惑っているようだ。
「シエロ様、いったい誰が、このような悪戯を」
「お前たちの罪ではない。これは、昔の友人がしたことだ」
「! 友人、と仰ると、これは初代の」
シエロの返事にトマスは仰天し、今度は逆に「なんと有難い酒でしょう」と伏拝み始めた。
会話を聞いていて、さすがにネーヴェも察するものがある。シエロの物言いは明らかにトマスよりも上位であり、その友人も悪戯が帳消しになるほど非常に位の高い人物だ。そもそも聖堂付き司祭が、ここまで気を遣う相手は、聖堂の主しかないではないか。
葡萄の栽培を促進したのは、初代国王だ。
パズルのピースを埋めるように、カチリカチリと、謎のすべてが解けていく。
ネーヴェは動揺を顔に出さないように、必死でこらえた。
最初は驚いていたシエロだったが、今は冷静さを取り戻したようで、平然と酒瓶を持ち上げている。
「せっかく見付けたんだ。蓋を開けて飲むか」
「シエロ様?!」
トマス司祭が仰天している。
無理もない。聖職者が昼間から酒を飲むと公言しているのだ。それにネーヴェの推測が正しければ、これは初代国王の作った葡萄酒だ。百年以上の年代物であり、その価値は計り知れない。飲んでしまっても良いのかという問題もある。
しかし、シエロは平然と言う。
「たまには良いだろう。今日はこの場にいる者で味見をして、美味ければ聖堂勤務している奴らに配れば良い」
「そんな貴重なものを」
「いつまでも放置すれば飲めなくなって、これを作った者も喜ばない。酒は飲んでこそ酒だ」
シエロが断言したので、トマスは「シエロ様がそう仰るなら」と同意した。
ちょっと待て。それは、ここでネーヴェも飲酒に参加するということだろうか。ただでさえ女人禁制といわれている場所にいるのに、酒を飲むのは気が引ける。
「私は飲酒は遠慮しますわ。シエロ様、鍋と肉はございますか。葡萄酒で煮込み料理を作りたく存じます」
「おお! それは良い案ですな! 牛肉を持って参ります!」
ネーヴェの提案に、トマスは喜んで、聖堂の厨房に走っていった。
「ふっ。うまいこと言ったものだな」
シエロが背後で含み笑いをする。
「酔いつぶして、ここに泊まらせるという手もあったのだが。残念だ」
あからさまに下心を匂わせた台詞に、ネーヴェはかっと頬を紅潮させた。
「なんて破廉恥な! あなた、それでも天」
それでも天使様ですか、と言いかけて、口をつぐむ。
彼の正体を口にすれば、その瞬間から、この中途半端で心地よい関係は終わってしまう。知っていれば、彼に無礼な態度は取れない。身分や立場の絶対的な違いが、明らかになってしまう。
知らないままなら、知らなかったと言い訳できる。
そう、知らない方が良いことも、世の中にはあるのだ。
「ん?」
「……何でもありませんわ」
シエロは続きを促したが、ネーヴェはその先を口にしなかった。
男の美しい顔を見つめ、慎重に返答する。
今はまだ、知らないままでいたい。
こうして、三人で大掃除をすることになった。
「男手が増えてようございますね。それでは家具をどかして埃《ほこり》を払いましょう」
とは言っても、置物が無いがらんどうの屋敷だ。
埃を払うだけなら、すぐだった。
ネーヴェは屋敷を見回し、足りないのは掃除ではなく、装飾だと感じる。
「それにしても、寒々しいですわね。カーテンはありませんか? 絨毯は?」
ネーヴェの問いかけに、トマス司祭は「ございます」と答える。
「聖堂の倉庫には、寄進された家具絨毯類で使いきれないものが、沢山ございます。ああ、確かに言われてみれば寒々しい! 我々は気付きませんでした!」
「カーテンは、淡い黄色いものが良いかと。絨毯は、深い青はございますか」
「持って参ります!」
トマス司祭は倉庫から布類を持ち出して来た。
聖堂に寄進されるだけあって、奇抜な色や模様の布はなく、どれも落ち着いた上品なデザインだ。
トマス司祭はネーヴェの意を汲み、濃紺の絨毯とクリーム色のカーテンを持ってきた。ちなみに何故その色合いにしたかというと、シエロを見て連想した色合いだからだった。青と黄色は聖なる場所を連想させる色合いであるから、問題ないだろう。ネーヴェは屋敷の中を見て回り、それぞれふさわしい場所に設置した。
石造りの壁と、木材を組み合わせただけの簡素な住居に、柔らかな布がひるがえると、空間に温もりが生じる。
タペストリーや、テーブルクロス。椅子の座面に敷くクッションも、あるだけで印象が変わってくるものだ。
「……人の住む家になったな」
シエロが感心したように言ったので、ネーヴェは呆れた。
「天使様が人ではないからと言って、手を抜いて良いということにはなりませんわ」
「何故お前が怒る?」
「なぜって」
空虚な印象の屋敷と、荒れた果てた奥庭の有り様に、腹を立てていたのだと、今さらのように気付く。
シエロは、そんなネーヴェを優しい眼差しで見ている。
彼の深海色の瞳を向けられると、なぜかネーヴェは心臓が高鳴って、顔を背けた。
「風邪でも引いたのかしら」
「?」
「あ、トマス様。そこは絨毯を敷く前に、確かめたいことが」
ネーヴェは、居間に絨毯を敷こうとしているトマス司祭を呼び止めた。
「その床だけ、足音が違って聞こえるのです。地下に空洞があるのでは」
「……本当ですね」
三人は、その床の一角を覗き込んだ。
ネーヴェは床を叩いて構造を確かめる。よく見ると、床板に隙間があり、持ち上げることが出来そうだった。
古い木の板を、壊さないよう慎重に剥がす。
すると、土に埋まった素焼きの土器瓶の頭が見えた。とても古い、葡萄酒の瓶だ。
「……」
「シエロ様?」
「……やられた。あいつ、こんなところに酒瓶を隠すとは。ここは聖職者の集まる聖堂だぞ」
シエロは意表を突かれた様子で、まじまじと葡萄酒の瓶を見つめる。その呟きには、隠しきれない動揺があった。
床下から現れた葡萄酒の瓶に、三人は少しの間、呆然とした。
世間一般では、聖職者は酒を飲まないということになっている。しかし厳密には、聖職者は飲酒禁止と言う規則はない。ただ、酔っぱらって騒ぐのは恥ずべきことだと言われており、世間体もあるので飲まないだけである。
それにしても、聖地に酒瓶が隠されているというのは、風聞がよろしくない。
司祭トマスも戸惑っているようだ。
「シエロ様、いったい誰が、このような悪戯を」
「お前たちの罪ではない。これは、昔の友人がしたことだ」
「! 友人、と仰ると、これは初代の」
シエロの返事にトマスは仰天し、今度は逆に「なんと有難い酒でしょう」と伏拝み始めた。
会話を聞いていて、さすがにネーヴェも察するものがある。シエロの物言いは明らかにトマスよりも上位であり、その友人も悪戯が帳消しになるほど非常に位の高い人物だ。そもそも聖堂付き司祭が、ここまで気を遣う相手は、聖堂の主しかないではないか。
葡萄の栽培を促進したのは、初代国王だ。
パズルのピースを埋めるように、カチリカチリと、謎のすべてが解けていく。
ネーヴェは動揺を顔に出さないように、必死でこらえた。
最初は驚いていたシエロだったが、今は冷静さを取り戻したようで、平然と酒瓶を持ち上げている。
「せっかく見付けたんだ。蓋を開けて飲むか」
「シエロ様?!」
トマス司祭が仰天している。
無理もない。聖職者が昼間から酒を飲むと公言しているのだ。それにネーヴェの推測が正しければ、これは初代国王の作った葡萄酒だ。百年以上の年代物であり、その価値は計り知れない。飲んでしまっても良いのかという問題もある。
しかし、シエロは平然と言う。
「たまには良いだろう。今日はこの場にいる者で味見をして、美味ければ聖堂勤務している奴らに配れば良い」
「そんな貴重なものを」
「いつまでも放置すれば飲めなくなって、これを作った者も喜ばない。酒は飲んでこそ酒だ」
シエロが断言したので、トマスは「シエロ様がそう仰るなら」と同意した。
ちょっと待て。それは、ここでネーヴェも飲酒に参加するということだろうか。ただでさえ女人禁制といわれている場所にいるのに、酒を飲むのは気が引ける。
「私は飲酒は遠慮しますわ。シエロ様、鍋と肉はございますか。葡萄酒で煮込み料理を作りたく存じます」
「おお! それは良い案ですな! 牛肉を持って参ります!」
ネーヴェの提案に、トマスは喜んで、聖堂の厨房に走っていった。
「ふっ。うまいこと言ったものだな」
シエロが背後で含み笑いをする。
「酔いつぶして、ここに泊まらせるという手もあったのだが。残念だ」
あからさまに下心を匂わせた台詞に、ネーヴェはかっと頬を紅潮させた。
「なんて破廉恥な! あなた、それでも天」
それでも天使様ですか、と言いかけて、口をつぐむ。
彼の正体を口にすれば、その瞬間から、この中途半端で心地よい関係は終わってしまう。知っていれば、彼に無礼な態度は取れない。身分や立場の絶対的な違いが、明らかになってしまう。
知らないままなら、知らなかったと言い訳できる。
そう、知らない方が良いことも、世の中にはあるのだ。
「ん?」
「……何でもありませんわ」
シエロは続きを促したが、ネーヴェはその先を口にしなかった。
男の美しい顔を見つめ、慎重に返答する。
今はまだ、知らないままでいたい。
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