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邂逅~Let's have a sex !!~
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それにしても・・・
あたりを見回す。たった20年前には日本の中心だったその場所。彼自身も、まだ高校生の時に新幹線ではじめて東京駅を訪れた時、その圧倒的な高さのビルと、ひっきりなしに訪れる電車、透き通るような化粧を施したバリキャリOLや、高級な背広をぱりっと着こなしたビジネスマンの大群に度肝を抜かれたものだ。
ところが、今はどうだ?
荒涼としている。人間のいない都市って、これほどまでに不気味なのか。俺は思った。崩れかけたビルの中には、邪悪な魔物が棲みついていそうな、とても嫌な雰囲気を感じる。灰色の世界。俺が生きている頃の世界では、人間がたくさん住んでいるところはあまり自然の息吹が感じられなかったが、ひとたび都市を離れるとアスファルトの割れ目から力強い雑草が生えてきていたり、空き家の壁をびっしりと植物のツルが覆っていたりと、隙あらば人間が壊した世界に再び侵食し自分たちのものにしてやろうという人間以外の生命の魂を感じたものだ。
むろん、かつて丸の内駅舎だったこの場所も、やがては植物の圧倒的な支配力に組み伏され、緑に覆われることになるのだろう。だが、俺が訪れた時代ではまだその段階に達していなかった。だが、たった20年で、人間の手の加えられていない都市の建物というものは、これほどまでにやられてしまうのか。
人間なんて、しょせん、大したことないのだ。
俺は思った。俺たちは、まるで自分がこの地球の支配者であるような顔をして生きてきた。だが、どうだ?ちょっと留守にしただけで、もう主導権を奪われている。しかも、この世界には完全に人間が消えたわけではない。どこかに女たちが生きている。それにもかかわらず、同世代に生きるちっぽけな人間一人一人が自分の小さな手を重ね合わせたところで、大したものになんてなるはずがないのだ。俺の生きていた20年前の世界が、あれだけの勢いと華やかさを保ってこられたのは、ひとえに20万年にわたる人類の短い歴史を紡いできた幾多の無名の命のおかげなのだ。俺たちは、彼らが懸命に積み上げたものの上に、胡坐をかいてブウブウ文句を言いながらだらしなく生活しているにすぎない。
そのような不誠実な態度には天罰が下ったのだろうか。エネルギーを浪費し続け、死ぬほど贅沢な暮らしをしてきた俺たち人類は自らの首を絞める結果になる戦争に明け暮れ、ついに断種の危機に陥った。当然の報いと言えば、当然の報いなのだろう。だが、こんなところで終わらせるわけにはいかない。20万年の人類の歴史をこんなところで終わらせるわけにはいかない。俺が新たな歴史の1ページをつくるのだ。
東京駅の近くには、皇居があったはずだ。俺は思い出した。あそこは20年前、アスファルトの孤島みたいな状態だった大都市東京の中でも、比較的自然環境が保たれていた場所である。あそこにいけば、誰かがいるかもしれない。皇居の跡地。高確率で女たちの集落がありそうな場所である。
俺はかつて都道404号線だったところをまっすぐに歩き、皇居周りの濠のほとりにある広場までやってきた。
濠はどんよりと濁っていた。ところどころ水面の上に突っ立っている木の棒のてっぺんに、赤いボールがついており、そのボールにくっついている魚とりの網らしき繊維物が太陽の光に反射してきらきら光った。ツグミの鳴く声がする。木の棒と言い、網と言い、20年前にはなかったものだ。間違いなく、ここには誰かがいる。
俺は石門を渡ってかつて皇居の正門だった建物の前までやってきた。そこには見張り場があり、木材がX字状にたてかけられている。明らかに侵入者の存在を想定した造りになっていた。が、見張り場には誰もいなかった。
仕方がないので、おれはその辺にあった石を拾って門の向こうへむかってぶん投げた。
すると、遠くの方でかすかな声が聞こえてくる。
「緊急事態よ!ソマルの連中が攻撃を仕掛けてきたのよ!」
「あんた、行ってきなさいよ。今日の当番でしょ。」
「あたしはまだ若いからダメよ。こういうのはもうすぐ寿命を迎える婆軍に頼むのが一番よ。」
やっぱり。俺はニヤリとした。
とりあえずリュックをまさぐり、バイアグラを探した。が、その必要はなかった。来るべき逢瀬のために、俺の股間はみるみるうちに膨らんでいく。
「おい、誰かいるか?俺は男だ!」
俺は叫んだ。
「男?」
「男って言ったわよね今」
「嘘でしょ?いやよ。またソマル族につかまって目をくりぬかれることになるじゃない。」
「いや、あの声は男よ。」
「ほんとに?ありえないわ。誰も生き残ってなんかいないはず。」
「あんた、見てきなさいよ。」
「わたしまだ、若いのに・・・」
かつかつ音がして、誰かが近づいてくる。
見張り場の窓から、ふいに恐る恐る顔を出したのは、まだ20歳そこそこの娘であった。
「うそ・・・」
娘の顔から驚きと困惑の入り混じった表情がにじみ出る。
「しーーーっ。びっくりするな。俺はお前たちを救いに来たんだ。まずはここを開けてくれ。」
娘はおっかなびっくりでドアを開けた。
俺はおもむろにズボンを下ろした。パンツは履いてなかったので、俺の息子が剥き出しになって男なき世界のさわやかな空気に横暴な香りをまき散らした。
「あんた、男なのね。」
娘はぼうっとした目つきで俺を見てきた。たまらなくなって、俺はそいつの唇を奪う。娘は嬉々として舌を入れてくる。始まった。
俺は娘のあらゆるところを愛撫した。あどけない声をあげて娘は悦んだ。そしてついに娘の局部に手を伸ばした時、ふいにドアの外から声が聞こえた。
「男だ!」
「男よ!!」
娘の顔が恐怖にゆがんだ。
あたりを見回す。たった20年前には日本の中心だったその場所。彼自身も、まだ高校生の時に新幹線ではじめて東京駅を訪れた時、その圧倒的な高さのビルと、ひっきりなしに訪れる電車、透き通るような化粧を施したバリキャリOLや、高級な背広をぱりっと着こなしたビジネスマンの大群に度肝を抜かれたものだ。
ところが、今はどうだ?
荒涼としている。人間のいない都市って、これほどまでに不気味なのか。俺は思った。崩れかけたビルの中には、邪悪な魔物が棲みついていそうな、とても嫌な雰囲気を感じる。灰色の世界。俺が生きている頃の世界では、人間がたくさん住んでいるところはあまり自然の息吹が感じられなかったが、ひとたび都市を離れるとアスファルトの割れ目から力強い雑草が生えてきていたり、空き家の壁をびっしりと植物のツルが覆っていたりと、隙あらば人間が壊した世界に再び侵食し自分たちのものにしてやろうという人間以外の生命の魂を感じたものだ。
むろん、かつて丸の内駅舎だったこの場所も、やがては植物の圧倒的な支配力に組み伏され、緑に覆われることになるのだろう。だが、俺が訪れた時代ではまだその段階に達していなかった。だが、たった20年で、人間の手の加えられていない都市の建物というものは、これほどまでにやられてしまうのか。
人間なんて、しょせん、大したことないのだ。
俺は思った。俺たちは、まるで自分がこの地球の支配者であるような顔をして生きてきた。だが、どうだ?ちょっと留守にしただけで、もう主導権を奪われている。しかも、この世界には完全に人間が消えたわけではない。どこかに女たちが生きている。それにもかかわらず、同世代に生きるちっぽけな人間一人一人が自分の小さな手を重ね合わせたところで、大したものになんてなるはずがないのだ。俺の生きていた20年前の世界が、あれだけの勢いと華やかさを保ってこられたのは、ひとえに20万年にわたる人類の短い歴史を紡いできた幾多の無名の命のおかげなのだ。俺たちは、彼らが懸命に積み上げたものの上に、胡坐をかいてブウブウ文句を言いながらだらしなく生活しているにすぎない。
そのような不誠実な態度には天罰が下ったのだろうか。エネルギーを浪費し続け、死ぬほど贅沢な暮らしをしてきた俺たち人類は自らの首を絞める結果になる戦争に明け暮れ、ついに断種の危機に陥った。当然の報いと言えば、当然の報いなのだろう。だが、こんなところで終わらせるわけにはいかない。20万年の人類の歴史をこんなところで終わらせるわけにはいかない。俺が新たな歴史の1ページをつくるのだ。
東京駅の近くには、皇居があったはずだ。俺は思い出した。あそこは20年前、アスファルトの孤島みたいな状態だった大都市東京の中でも、比較的自然環境が保たれていた場所である。あそこにいけば、誰かがいるかもしれない。皇居の跡地。高確率で女たちの集落がありそうな場所である。
俺はかつて都道404号線だったところをまっすぐに歩き、皇居周りの濠のほとりにある広場までやってきた。
濠はどんよりと濁っていた。ところどころ水面の上に突っ立っている木の棒のてっぺんに、赤いボールがついており、そのボールにくっついている魚とりの網らしき繊維物が太陽の光に反射してきらきら光った。ツグミの鳴く声がする。木の棒と言い、網と言い、20年前にはなかったものだ。間違いなく、ここには誰かがいる。
俺は石門を渡ってかつて皇居の正門だった建物の前までやってきた。そこには見張り場があり、木材がX字状にたてかけられている。明らかに侵入者の存在を想定した造りになっていた。が、見張り場には誰もいなかった。
仕方がないので、おれはその辺にあった石を拾って門の向こうへむかってぶん投げた。
すると、遠くの方でかすかな声が聞こえてくる。
「緊急事態よ!ソマルの連中が攻撃を仕掛けてきたのよ!」
「あんた、行ってきなさいよ。今日の当番でしょ。」
「あたしはまだ若いからダメよ。こういうのはもうすぐ寿命を迎える婆軍に頼むのが一番よ。」
やっぱり。俺はニヤリとした。
とりあえずリュックをまさぐり、バイアグラを探した。が、その必要はなかった。来るべき逢瀬のために、俺の股間はみるみるうちに膨らんでいく。
「おい、誰かいるか?俺は男だ!」
俺は叫んだ。
「男?」
「男って言ったわよね今」
「嘘でしょ?いやよ。またソマル族につかまって目をくりぬかれることになるじゃない。」
「いや、あの声は男よ。」
「ほんとに?ありえないわ。誰も生き残ってなんかいないはず。」
「あんた、見てきなさいよ。」
「わたしまだ、若いのに・・・」
かつかつ音がして、誰かが近づいてくる。
見張り場の窓から、ふいに恐る恐る顔を出したのは、まだ20歳そこそこの娘であった。
「うそ・・・」
娘の顔から驚きと困惑の入り混じった表情がにじみ出る。
「しーーーっ。びっくりするな。俺はお前たちを救いに来たんだ。まずはここを開けてくれ。」
娘はおっかなびっくりでドアを開けた。
俺はおもむろにズボンを下ろした。パンツは履いてなかったので、俺の息子が剥き出しになって男なき世界のさわやかな空気に横暴な香りをまき散らした。
「あんた、男なのね。」
娘はぼうっとした目つきで俺を見てきた。たまらなくなって、俺はそいつの唇を奪う。娘は嬉々として舌を入れてくる。始まった。
俺は娘のあらゆるところを愛撫した。あどけない声をあげて娘は悦んだ。そしてついに娘の局部に手を伸ばした時、ふいにドアの外から声が聞こえた。
「男だ!」
「男よ!!」
娘の顔が恐怖にゆがんだ。
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