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番外編 アーネストのその後
HAPPY END編①
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悩んだ末、右の道を選んだ。
これまでの身分は捨てて、ただの平民の一人として生きていきたい。
だけど統治がしっかりしている国では、身分を保証せずに入国するのは難しいかもしれない。
それでも、余生は戦禍に身を置くよりも、穏やかな時を過ごしたい。
今度は自分の気持ちに正直になろうと決めて、こちらの道へと進み出した。
○○○
しばらく歩き続けていると、雨が降り始めた。
徐々に雨足は強くなり、すぐに土砂降りの雨となった。
仕方なく、近くの林の中に入り雨宿りする事にした。
今夜はこれで足止めか。
そう思っていたところ、目の前の道を馬車が走り抜けていく。
夜道を、それもこんな土砂降りの中で、あんな速度で走っては危ない。
何事もなければ良いが。
馬車が通り過ぎてしばらく後。
悲鳴と、何かが壊れるような大きな音が聞こえたような気がした。
嫌な予感がしつつ、音がした方へと走る。
たどり着いたその場所では、馬車が大破していた。
そして馬車に乗っていた人だろうか。
何人もの人が周囲に倒れていた。
なんてひどい光景だろう。
そう思いながら、倒れている人の容態を確認してまわる。
しかし、どの人を確認しても既に息絶えてしまっている。
あれだけひどく馬車が壊れているのだ、ほぼ即死だったのだろう。
最後に見た女性の遺体の腕の中に子どもがいた。
きっと子どもを守ろうと、必死にその腕に抱きしめていたのだろう。
そっと子どもの様子を確認しようとしたところで、微かに息をしているような音がした。
慌てて女性の腕の中から子どもを引き離す。
「おい!大丈夫か!?声が聞こえるか!?」
子どもにそう声をかけると、うっすらと目を開いた。
「しっかりしろ!!どこか痛むか!?」
「・・・うぅ・・・」
子どもは俺の問いかけには答えない。
どこか痛めているのか、意識が朦朧としているようだ。
「君の名前は言えるか?」
「・・・な・・・まえ?・・・ニー・・・ナ・・・。」
「そうか、ニーナか。おじさんがきっと助けてやるからな。しっかりするんだ!」
ニーナにそう声をかけて、そっと抱き上げる。
そして道の先にある街へ向かって走り出した。
この小さな命を何としても守らなければ。
母親が命をかけて守り抜いた、この小さな命を。
それだけを考えながら、ひたすら走り続けた。
これまでの身分は捨てて、ただの平民の一人として生きていきたい。
だけど統治がしっかりしている国では、身分を保証せずに入国するのは難しいかもしれない。
それでも、余生は戦禍に身を置くよりも、穏やかな時を過ごしたい。
今度は自分の気持ちに正直になろうと決めて、こちらの道へと進み出した。
○○○
しばらく歩き続けていると、雨が降り始めた。
徐々に雨足は強くなり、すぐに土砂降りの雨となった。
仕方なく、近くの林の中に入り雨宿りする事にした。
今夜はこれで足止めか。
そう思っていたところ、目の前の道を馬車が走り抜けていく。
夜道を、それもこんな土砂降りの中で、あんな速度で走っては危ない。
何事もなければ良いが。
馬車が通り過ぎてしばらく後。
悲鳴と、何かが壊れるような大きな音が聞こえたような気がした。
嫌な予感がしつつ、音がした方へと走る。
たどり着いたその場所では、馬車が大破していた。
そして馬車に乗っていた人だろうか。
何人もの人が周囲に倒れていた。
なんてひどい光景だろう。
そう思いながら、倒れている人の容態を確認してまわる。
しかし、どの人を確認しても既に息絶えてしまっている。
あれだけひどく馬車が壊れているのだ、ほぼ即死だったのだろう。
最後に見た女性の遺体の腕の中に子どもがいた。
きっと子どもを守ろうと、必死にその腕に抱きしめていたのだろう。
そっと子どもの様子を確認しようとしたところで、微かに息をしているような音がした。
慌てて女性の腕の中から子どもを引き離す。
「おい!大丈夫か!?声が聞こえるか!?」
子どもにそう声をかけると、うっすらと目を開いた。
「しっかりしろ!!どこか痛むか!?」
「・・・うぅ・・・」
子どもは俺の問いかけには答えない。
どこか痛めているのか、意識が朦朧としているようだ。
「君の名前は言えるか?」
「・・・な・・・まえ?・・・ニー・・・ナ・・・。」
「そうか、ニーナか。おじさんがきっと助けてやるからな。しっかりするんだ!」
ニーナにそう声をかけて、そっと抱き上げる。
そして道の先にある街へ向かって走り出した。
この小さな命を何としても守らなければ。
母親が命をかけて守り抜いた、この小さな命を。
それだけを考えながら、ひたすら走り続けた。
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