愛する人と結婚して幸せになると思っていた

よしたけ たけこ

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side ダニエル

第十一話

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結婚式が終わり、俺とイヴはクーガー侯爵家へと到着した。
引き続き浮かれた頭でイヴをエスコートしていると、声が聞こえた。

「おじさん!!!!」

マリアの息子、エドがこちらに向かってきている。

「エド!!」

転びそうになるエドに駆け寄り抱き上げた。

「エド!!どうしてここに!?」

「だって!おじさんいない!!エド、ずっとまってた!!」

そういえば、今日は朝から浮かれまくっていたため、エドのことを構ってなかったなと思い出した。

「ごめんなさい!!エドに今日は絶対、本宅へ入らないよう言い聞かせてたんだけど!!」

マリアが慌てて駆け寄ってくる。

「あぁ、いいんだ。俺も結婚式のことばかりで構ってやれなかったからな。」

甥っ子のエドワードは、すっかり俺に懐いていて、一日に一回は相手をしてやらないと拗ねてしまう。
父親の事はほとんど覚えていないため、俺が父親代わりでもあるのだ。

イヴに紹介しようと振り返ると、イヴは真っ青な顔をしている。
慌てて声をかける。

「イヴ!顔色が悪い。どうしたんだい?」

「申し訳ありません。結婚式が終わったら、ほっとしてしまって。疲れが出たようです。自室へ下がらせていただきたいのですが・・・。」

「そうか。それは気がつかなくて申し訳なかった。執事に部屋へ案内させよう。しばらくゆっくり休んでおいで。」

「ありがとうございます。・・・マリア様、私はイヴリンと申します。ゆっくり挨拶も出来ず申し訳ありません。体調が悪いので、これで失礼させていただきます。」

「は、はい。奥様、こちらこそ急に申し訳ありませんでした。ごゆっくり休まれてください。」

イヴ・・・。浮かれすぎてイヴの体調不良に気づかなかったとは!俺は本当に愚か者だ!
しばらくゆっくり休んでもらおう。夜には体調が回復してくれるといいのだが・・・。

○○○

夜になり、ドキドキしながらイヴの寝室へ向かう。
扉をノックすると、メイドのメアリーが扉を開けてくれた。彼女はイヴが幼い頃からイヴ専属のメイドをしており、結婚に伴ってクーガー家へ来てもらったのだ。
イヴの体調は回復しているとのことで、寝室の中へ案内してから彼女は出て行った。

そして、俺とイヴは名実ともに夫婦となった。
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