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本編
第八話
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ついに私とダニエル様の結婚式の日を迎えました。
あれから、ポラストリ伯爵家とクーガー侯爵家の関係はギクシャクしてはいますが、私の強い決意に免じて結婚を許してもらうことができました。
社交界でももちろん噂は広がっています。
結婚前に愛人を囲われた魅力の無い婚約者と、婚約者を蔑ろにして結婚前に愛人を囲った愚か者として陰口を囁かれているようです。
それでも、いえ、それだからこそ多くの方が式に参列しており、表向きは多くの方に祝福される結婚式になっています。
私は、結婚式の間だけは。自分は心から愛する人に嫁ぐ、世界一の幸せ者だと思って過ごすことにしています。
傷だらけで今にも崩れてしまいそうな心が、悲鳴を上げていようとも。
私は気づかないふりをして、幸せそうにほほえんでいます。
私のそんな気持ちを察してか、式の間のダニエル様はまるで私を愛しているかのような表情で私を見てくれています。
この思い出があれば。私はきっと幸せに暮らしていけます。絶対にこの一瞬を忘れないように心に刻みつけます。
○○○
無事に結婚式が終了し、ダニエル様とともに侯爵家へ到着しました。
侯爵家へ訪れるのはどれ位ぶりでしょうか。今日からはここが私の住む場所となるのですね。
そんなことを考えながらダニエル様にエスコートしていただいていると
「おじさん!!!!」
子どもの声が聞こえたと思ったら、小さな男の子がおぼつかない足取りでダニエル様に向かってきています。
「エド!!」
ダニエル様がこどもに駆け寄り抱き上げました。
「っ!!」
私は子どもの顔が見えて息を飲みました。
「エド!!どうしてここに!?」
「だって!おじさんいない!!エド、ずっとまってた!!」
「ごめんなさい!!エドに今日は絶対、本宅へ入らないよう言い聞かせてたんだけど!!」
マリア様が慌てて駆け寄ってこられました。
ダニエル様とマリア様、そしてマリア様の息子のエド様。
三人が寄り添う姿に私は絶句します。
優しく微笑みながらエド様を見つめるダニエル様とマリア様。そして・・・
茶髪に深い碧の瞳のエド様。
そんなエド様のお顔は・・・
ダニエル様の幼い頃にそっくりで、瞳の色も同じ。
あぁ・・・
そうなのですね・・・
そのお子さんは・・・
私の心は砕け散りました。
あれから、ポラストリ伯爵家とクーガー侯爵家の関係はギクシャクしてはいますが、私の強い決意に免じて結婚を許してもらうことができました。
社交界でももちろん噂は広がっています。
結婚前に愛人を囲われた魅力の無い婚約者と、婚約者を蔑ろにして結婚前に愛人を囲った愚か者として陰口を囁かれているようです。
それでも、いえ、それだからこそ多くの方が式に参列しており、表向きは多くの方に祝福される結婚式になっています。
私は、結婚式の間だけは。自分は心から愛する人に嫁ぐ、世界一の幸せ者だと思って過ごすことにしています。
傷だらけで今にも崩れてしまいそうな心が、悲鳴を上げていようとも。
私は気づかないふりをして、幸せそうにほほえんでいます。
私のそんな気持ちを察してか、式の間のダニエル様はまるで私を愛しているかのような表情で私を見てくれています。
この思い出があれば。私はきっと幸せに暮らしていけます。絶対にこの一瞬を忘れないように心に刻みつけます。
○○○
無事に結婚式が終了し、ダニエル様とともに侯爵家へ到着しました。
侯爵家へ訪れるのはどれ位ぶりでしょうか。今日からはここが私の住む場所となるのですね。
そんなことを考えながらダニエル様にエスコートしていただいていると
「おじさん!!!!」
子どもの声が聞こえたと思ったら、小さな男の子がおぼつかない足取りでダニエル様に向かってきています。
「エド!!」
ダニエル様がこどもに駆け寄り抱き上げました。
「っ!!」
私は子どもの顔が見えて息を飲みました。
「エド!!どうしてここに!?」
「だって!おじさんいない!!エド、ずっとまってた!!」
「ごめんなさい!!エドに今日は絶対、本宅へ入らないよう言い聞かせてたんだけど!!」
マリア様が慌てて駆け寄ってこられました。
ダニエル様とマリア様、そしてマリア様の息子のエド様。
三人が寄り添う姿に私は絶句します。
優しく微笑みながらエド様を見つめるダニエル様とマリア様。そして・・・
茶髪に深い碧の瞳のエド様。
そんなエド様のお顔は・・・
ダニエル様の幼い頃にそっくりで、瞳の色も同じ。
あぁ・・・
そうなのですね・・・
そのお子さんは・・・
私の心は砕け散りました。
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