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第6話 魔眼を作ろうその2

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エリザベスからコンタクトを奪い取って
俺は自分の工房へ戻った。

さて、どういうスキルにするか。
アクセサリー系にスキルを焼きこむ場合
主にバフ系か魔法系のスキルになる。
防具に物理攻撃スキルをたまにいれる人もいるみたいだが、
コンタクトから物理とか意味分からんしな。

作るスキルは2種類。
俺が作ろうと思っているのは
デバフ系スキルは確定として…だ。
残りどうしようかな。
とりあえず両目に同じデバフスキルをつけて
重複する事で威力を挙げる形にしておくか。

とりあえず、以下の感じでスキルを考えている。
始動方法 :コンタクトに対し一定の負荷を掛けることによって起動
スキル能力:使用者より半径20m以内の敵に対して行動阻害のデバフを付与
      デバフ効果量は防御力低下、速度低下の2種類
      使用時の距離によって効果量UP
      最大30%低下
      
      使用時の代償は以下の通り
      デバフの効果量によって使用者の視力にデバフが発生
      最大効果量で視力を半分にする。
      リキャストタイムは1分
      スキル発動までの時間は2秒

とりあえずこんな形で仮組みしておこう。
俺はSCスキルクラフトを起動した。

付与するオブジェクトこの場合はコンタクトだ。
そして、スキル発動のための方法を打ち込む。
そこから上記の効果量を記載し、運営に申請する準備をする。

ここまでは難しくない。
だれでも作れる自分の理想的なスキルを作れる。

でもこの生産の楽しさはここからだ。

俺はエフェクトエディタを立ち上げた。
すると俺がいた工房がポリゴンのエッジだけの状態の
空間が広がる。

ここでスキルのエフェクトを作るのだ。

まず、自分のアバターを複製する。
すると目の前にさえない顔をした自分のアバターが
鏡のように出現した。

右手を上げると目の前のアバターも右手を上げる。
まずは動きを登録しよう。

アクションの登録機能を使用して
俺は思いっきり目を閉じ、そこから開く動作をした。
当然目の前のアバターも同じ動作をする。

そして目を見開いた所で登録完了をする。
すぐにリピートモードに変更する事で
目の前のアバターが俺がさっきまで
やっていて目を思いっきり閉じで
開くという動作を繰り返しするようになった。

「何度観てもシュールな光景だな…………
 まぁ、いいか」

さて、起動時のエフェクトをどうするか。
まず無難に赤く発光させるとするか。
血のように赤い感じに
少し赤黒い感じの色味を設定する。
また、発光した際のレンズフレアを追加する。
あまり強すぎると気持ち悪いから一回これでテストするか。

このクラフト空間であれば、プレビューは簡易的に出来るため
納得いくまでテスト可能だ。

まず、目の前のアバターに今の仮組した
エフェクトを付与してみる。

すると目を閉じ、開いた際に両目が赤く発光し
横に走るようなフレアが出た。

「ん、強すぎるな
 もう少し光りを抑えるか」

もう一度テストする。
次は狙ったとおりになった。
次は光りの強弱をつける。

まず両目が赤く光るタイミングだ。
目を開き、スキルが発動する瞬間の1フレームだけ
光りを強くする。
そして2フレームから先ほどと同じレベルの発光に修正した。

これでもう一度テストする。

すると、スキル発動時に一瞬だけ強く
赤い光りが走り赤い発光した目になった。
レンズフレアも同じタイミングで消している。
これでスキル発動のインパクトが出ただろう。

でもこれだけではだめだ。
目が赤く発光する時間は1秒間設定。
この1秒間の間に動いた場合、目に光る尾が出るように調整する。
これは目からパーティクルを断続的に出現させ
目から紐上の光の尾が伸びるようにするテクニックだ。
そのまま尾を引いてしまうと発光した光りの大きさのまま
光りが伸びてしまい格好悪いため、
徐々に光りが小さくなるようにパーティクルを設定する。
さらに今のままではパーティクルが途中でぶつ切りになるため、
同じく徐々にパーティクルが消えるように寿命を設定した。

目の前のアバターに追加アクションとしてジャンプさせてみた。
目を閉じ見開いてからジャンプするという一見すると
奇妙な動きをしているが、
その瞳についているエフェクトは俺が望んだ形で
出現している。

この辺は長くエフェクトを付けているためか
大分トライ&エラーの数が減ったと思う。

さらに味足しをしよう。
スキルが発動し赤い光りが発光する瞬間に
目を中心に空間効果のエフェクトを追加する。
これは目が赤く光った際に顔や服に照り返しが付くようにするためだ。
もちろん光っている所から照り返しはあるのだが、
これでは弱い。
アニメにしろ、漫画にしろ、ゲームにしろ誇張表現は大切だと思っている。
だからこれをより目立たせるために
照り返し表現を強くした。
目から中心に直径1mを空間で指定、
その際その指定した輪郭をぼかすのを忘れない。
このぼかしをやらないと指定した範囲きっかりに
エフェクトが乗ってしまいかなり不恰好になる。

色調を変更するためトーンカーブを出現させ
コントラストをあげるように調整を施す。

その際、色相を若干赤に寄せ、
さらに青をの色だけを若干だが落とした。
そうすると少し赤みがますのだ。

これを最初の1フレームから始まり、5フレーム時には
フェードアウトするように調整した。

もう一度テストする。
目を開き、赤いレンズフレアが走り、
アバターの顔から上半身までを赤く照らした。

「ん?少し明るすぎるな」

先ほど色味を調整した画面を開き
今度は露出を下げた。
オーバーレイモードにし若干不透明度も下げる。

もう一度テスト
次は光りが走った際に、
上半身は少し暗くしずみ
しかし目の赤さは目立つように調整できた。

よし、一度自分で装着してテストしてみよう。


アバターにつけていたコンタクトをはずし
自分に装備する。

同じように目を思いっきり閉じて
開く

「うぉ!!!!!まぶし!!!!!」



コンタクトが光ることによって俺の目がつぶれそうになった


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