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本編・第三部

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「はじめに、今回は突然の担当変更となり多大なご迷惑とご心配をおかけいたしました。本来でしたらもう少し早くにご挨拶に伺わなければなりませんでしたが、なかなか都合が合わず遅くなり申し訳ございませんでした。引き継ぎには万全を期しておりますが、至らない点がございましたら何なりとご指摘ください」

 さらりとした黒髪が揺れ、智の落ち着いた仕事用の声が応接室に響いた。

 先週、池野さんが退職され、三井商社の企画開発部 部長 兼 営業課 課長となった智は、今週はこうして取引がある企業に後任の挨拶に回っていた。三井商社通関部うちの互いに都合の良い日程が合致したのが、池野さんの退職から2週間が経つ金曜日の今日だった。

 通関部としては三井商社の営業課、水産・畜産・農産チームすべてと取引があるから、水産担当の水野課長、畜産担当の西浦係長、そして農産担当の私が同席しての挨拶。

 名刺交換を終えてそれぞれが席につき、智は開口一番に謝罪を述べ頭を下げた。その言葉に、水野課長が穏やかな、それでいて苦笑したような笑顔を向けて言葉を紡ぐ。

「ビジネスの場でこの話をするのはそぐわないかもしれません。しかし、池野さんは昔からでしたからね。外野の私から見ればあの人らしいと笑えましたが、……大変でしたね、邨上さんも」

「………弊社の事情までご配慮頂き大変恐縮です」

 ぺこり、と。智が複雑そうで、それでいてほっとしたような表情を浮かべながらふたたび頭を下げる。そうしてその言葉を最後にこの件を切り上げ、話題は三井商社の新事業に関する商談に移っていく。

 スタートしたばかりの新事業ではあるが、4月以降進めてきた水面下での商談が多数纏まりつつあり、輸入、そして輸出の通関依頼が増えるだろう、ということ。今後新規で依頼する予定という項目がリストアップされた資料を受け取り、それに目を通しつつ、疑問点や通関料についての交渉が進められていく。私もそれらに時折加わり、滞りなく商談が進んでいった。

 こうして智と同じ商談の場に出ることは初めてだった。自宅でも持ち帰った仕事をしている姿は何度か見ている。けれど、自宅では決して見られない熱い眼差し。声色も身に纏う雰囲気も真剣そのもの。ひとつの会社を引っ張っていくに相応しいその応対に、ほぅ、と、心の中で感嘆のため息が漏れでていく。

(…………かっこ、いいな…)

 恋人フィルターがかかっていなくても惚れ惚れとする、智の真剣で熱いその姿。仕事に対する真摯な姿勢をこの目で確認して、なんだか惚れ直した気分だ。

 商談も纏まり、話題は軽い雑談に流れていく。西浦係長が商談の冒頭で交換した名刺を持ち上げて、その名刺を眺めながら興味深そうに声をあげた。

「それにしても、屯に大里の『邨上』さんなんてとても珍しい苗字ですね。木偏に寸の『村上』さんはよくお目にかかりますが。このお名前、一度では読んでもらえないのでは?」

 その言葉に、智が困ったように眉を寄せて肩を竦める。

「仰る通りです。10年近く営業をやっておりますが、ほとんどの方に一度では読んでいただけません。けれどその分インパクトがありますから、一度で覚えていただけるのが私の強みでもあります」

 とんとん、と、資料を纏める音が、この応接室に響く。智は自らの手元の資料を片付けていきながら、穏やかに西浦係長に視線を合わせた。

「幕末の松下村塾がありますよね?あの『村』は、本来は私の苗字の『邨』が正式な表記となるそうです。ちなみにこの『邨』という漢字は、山奥にあるとても小さな集落を指すのだそうですよ」

 西浦係長はその言葉を受けて感心したような表情をしている。

 そう言えば、この話は私が智に出会った夜にも同様に解説してもらった覚えがある。その様子から、この話題は公私ともに智の鉄板ネタなのだと察した。

 智にとっては自分が珍しい苗字である、ということも、これまで営業成績を残すための武器のひとつだったのだろう。

(……本当に、ずっと努力してきたんだな…)

 自分が持ち得る全てを武器にし、それらを補強するための知識を得て、得意先からの信頼を勝ち取りつつ営業成績を残してきたのだということを改めて見せつけられた気分だ。私も頑張らなきゃ、と、知らず知らずのうちに気が引き締まる。

「新事業を積極的に展開されている御社とは長いお付き合いをさせて頂きたいと考えております。私どもも全力で取り組ませて頂きますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します」

 智が手元の資料を片付けだしたことを確認した水野課長が、締めの言葉を口にした。

「それは弊社も同じですよ。弊社としては御社の各販売部さまは主力の取引先です。特に通関部さまとの取引がなければ弊社はどの事業も展開できません。私個人としては通関部さまは最も重要な取引先であると認識しておりますので」

 智がふうわりと笑顔を見せた。そうして、さて、と声を上げ、私にとっては衝撃的な一言を放って席を立っていく。

「……これから下の階の応接室にて農産販売部さんとの商談ですので、私はこれにて失礼させて頂きますね」

(………え!?)

 智が纏めた資料をビジネスバッグに仕舞っていく様子を眺めながら、自分の身体が僅かに強張るのを感じた。

 農産販売部との、商談。相手はきっと、片桐さんだ。智と片桐さんはこれまで対面での商談は一度のみで、その後はメールと電話でのやりとりだったと聞いている。その事実を思い出し、この後、彼らが顔を合わせるのだと察して全身からすっと血の気が引いていく。

 片桐さんは仕事中はあの飄々とした態度を封印する人だ。天性の人懐っこさで相手の懐にぽんと飛び込んでいくタイプではあるけれども。

 お互いにいい大人。ビジネスの場では火花を散らしたりしてやりあうつもりは毛頭ない……はず、だけれど。前回対面した時は、片桐さんが帰り際に表情と口の動きだけで智を挑発するような言動をした、と聞いている。

(大丈夫……か、な……)

 立ったまま資料を片付けていく智の表情からは何も読み取れない。さすがのポーカーフェイスと言ったところか。

(………)

 胸の中に込み上げた焦燥感とも言えないなにか。ドクドクと鼓動が早くなる。それを必死に押さえつけていると、智が営業スマイルを顔に貼り付けて応接室を退出していく。その姿に、私も水野課長や西浦係長に倣い「今後ともよろしくお願いいたします」と声を上げ、頭を下げて見送った。






 使用していた応接室の施錠を済ませ、ひとつ上の階の総務部へ応接室の鍵の返却に向かった。

 エレベーターホールの奥の螺旋階段に繋がる扉に手をかけ、その扉を開いていく。ギイ、と蝶番が軋む音が響いた。手すりにつかまりながら、コンコンとヒールの音を鳴らして螺旋階段を登りあがる。

(…………先週、下のエントランスで挑発されてた時も、智は冷静だった。だから、大丈夫、よね…)

 池野さんから退職の挨拶のメールが来ていた日。あの日の智はひどく冷静だった。だから、きっと……今日も何か挑発されても、きっと大丈夫なはず。そう自分に言い聞かせて、総務部のブースに向かう。

 借りていた鍵の返却手続きの書類に記入し、担当の佐川くんに鍵を手渡していく。彼の手に触れたその瞬間、小林くんと同期である彼が驚いたように声をあげた。

「あれ。一瀬主任、なんか、手……熱くないです?」

「え?そうかな?」

 言われるほど私の手は熱いだろうか。目を瞬かせつつ、要因は何だろうと口元に手を当てて思考を巡らせる。

 智にアドバイスされて生理痛緩和の目的でお風呂上りにシャワーお灸をするようになってから、末端冷え性が改善したように思えていた。7月に入った今週からこのオフィスビルにも冷房が入るようになったけれど、それでも今日は全く手先や足先が冷えていないのだ。……だから、心当たりはシャワーお灸それしかない。

「私、万年冷え性だったんだけどね。体質改善頑張ったから冷え性が緩和されたのかも。だから今年は指先まであったかいのかもしれないわ?」

 頑張ったというほどでもないけれど、と、心の中で苦笑しつつ、佐川くんにそう返答する。私の言葉に彼はなるほど、という表情を浮かべた。

「じゃ、私、もう戻るわね。鍵、ありがとうございました」

 佐川くんにそう謝意を述べて、くるりと踵を返した。





 螺旋階段を降りて通関部のブースに戻り、自分のデスクに向かって歩みを進める。

「一瀬。お前、熱があるんじゃないか?」

「……え、えぇ?」

 私が席に座るなり、目の前に座る水野課長が書類から顔をあげて、つり目の瞳を僅かに細めて訝し気に私を見つめていた。かけられた言葉に呆然としていると、水野課長は下がってきた銀縁メガネをペンを持った右手でずり上げながら言葉を続ける。

「さっきの商談の場でも思っていたが普段より顔が赤いぞ」

 水野課長のその言葉にふたたび目を瞬かせる。今朝、基礎体温を測った時は確かに高めだったけれど、てっきり高温期に入ったからだと思っていた。

「………そう、でしょうか」

 熱っぽい気はしないのだけれど、とぼんやり考えつつ、自分の手のひらで首筋や額を触る。言われてみれば……少しだけ熱い気も、するような、しないような。

(……移った、かな…)

 もしや、先週、寝込んでいた智の風邪が移ったのか。うがいや手洗いはしっかりしていたつもりだけれど、同じ家に住んでいる以上、こればかりは仕方ないのかもしれない。

 だからさっき、佐川くんが手が熱くはないかと言ったのだろうか。ペタペタと首筋を触っていると、私の左側に座っている田邉部長が老眼鏡を外しながら私に視線を合わせた。

「一瀬。あのシンポジウム以降営業に精を出しているのはわかるが、少し無理してるんじゃないかい?私も朝から普段より顔が赤いように思っていた。今日はもうある程度仕事を片付けたら帰りなさい」

 普段から穏やかな田邉部長が、憮然たる面持ちで私を咎めた。少しだけきつめの口調で紡がれた言葉にたじろぎつつも、私が今現在抱えている仕事の量を弾き出して遠回しに抵抗の言葉を発する。

「で、すが……」

 そんな私の様子に水野課長が少しため息をついて、ふたたびメガネをずり上げた。

「お前と俺で振り分けていた畜産の処理についても西浦も加藤も大体業務の流れを掴んできた。南里も育ってきているのは一瀬も理解しているだろう。体調管理も仕事のうちだ。もうすぐ昼休みになる、田邉部長が言うように今日は帰れ。風邪を広められては堪らん」

 水野課長から厳しめの言葉が飛んでくる。その言葉と水野課長の表情から、彼も田邉部長の援護射撃に回っていると認識した。

 水野課長は私が入社した時の教育係だったからか、私に対する態度は表面上は冷徹なことが多い。今も口調こそひどく冷たいが、これも部下へ向ける情ゆえのこと、だとはわかっている。

(……どう、しよう…)

 2対1。不利なのはわかっているけれど、寝込むほどの体調ではない。でも、確かに水野課長が口にしたように、南里くんの飲み込みも早く著しく成長している。社外の取引先の仕事も徐々に任せられていっているし、西浦係長だって私や水野課長のフォローが不必要なレベルまで処理ができている。

「一瀬さん。今日は俺に任せてください。今日の午後から半日不在になるのと、風邪が悪化して来週数日休まれるのでは、今日帰っていただいたほうが俺が頼れる人の不在時間が減って、俺の心労軽減にも繋がります。ここは俺のためと思って早退されてください」

 くるり、と。私の右に座る南里くんが椅子ごと身体を向けて私に視線を合わせ真剣な表情で口を開いた。

 3対1になってしまった。多勢に無勢だし、よく考えれば監督者である上司ふたりが二次感染を考慮し職場全体のことを考えた結果、私に帰るように促しているのだ。

 そして、南里くんが口にしたことも一理ある。今、無理に頑張って来週の数日間出社できなくなるよりは、今日半日不在で済ませる方が合理的だ。ここはもう素直に引く方がいい、と判断する。

「……承知、しました。ご迷惑をおかけしますが、本日午後、お休みいただきます……」

 ぺこり、と頭を下げて、陰鬱な気持ちを押し込めながら、手元の資料を南里くんに引き継ぐために分別を始めた。
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