104 / 273
本編・第三部
135
しおりを挟む
あっという間に終業時刻になってしまった。南里くんと加藤さんに、配属された初日から残業させてしまっては、彼らが今後に不安を残してしまうだろうから、と、三木ちゃんと目配せをし、今日はふたりを定時で帰した。
「さ、午後から延ばし延ばしにしてた分、ふたりで分担しましょ、三木ちゃん」
「はいっ、頑張りましょう、先輩っ」
いつもの溌剌とした声が響いた。私はポケットからスマホを取り出して、メッセージアプリを立ち上げる。
『残業です。ごめんね』
智に残業になった旨のメッセージを送信して、デスクの上の書類をトントンと纏める。
「え~っと、じゃぁこっちの分を三木ちゃんお願いできる?」
「オッケーです、先輩!」
私から書類を受け取った三木ちゃんがニコッと屈託なく笑った。制服のスキッパーブラウスの首元から、シルバーのネックレスのチェーンが、キラリ、と、煌めいた。
(……あれ?三木ちゃん、今までネックレスなんてしてたっけ…)
新しい季節に入ったから。そういう時って、何かしら新しい物を身につけたくなる季節でもあるものね。そう結論づけて、私も自分のデスクに戻った。
2課のブースにカタカタとキーボードを叩く音が響く。
ふと右斜め前を見遣ると、西浦係長も今日は定時で上がってもらったようだった。ほわん、としたあの穏やかな微笑みが脳裏に蘇る。
開発一筋だった、ということは相当頭も切れるひとだろう。10月の通関士試験なんて、半年あれば一発合格してしまうんじゃないだろうか。
私はまだ試験範囲の3分の1くらいしか理解出来ていない。ちょっと勉強のペースを上げないとどうにもならないだろう。
そんなことをぼんやり考えつつ、積み重なっていた書類を片づけていった。
1時間半ほど残業し、今日処理すべき分を無事に片づけられた。目の前に座る水野課長に三井商社の移入承認の進捗を報告し、三木ちゃんとあのふたりの教育方針などを話しながら女子社員の更衣室に向かう。
横並びに歩きながらシックな色の壁紙の廊下を歩いていると、お手洗いの角に、定時で上がらせたはずの南里くんが壁に凭れかかっていた。
「三木さん」
南里くんが、くりくりとした目に強い意志を宿して、三木ちゃんを真っ直ぐに見つめた。その声に、三木ちゃんがきょとんとした表情で南里くんを見上げている。
「南里?まだ帰ってなかったの?どうしたの?」
そうして。南里くんが、廊下に響き渡るような大きな声で、叫ぶように声をあげた。
「俺、あなたに一目惚れしました!!俺と付き合ってくださいませんか!?」
一瞬、時が止まった気がした。まさか、他人の告白シーンに、こんな形で遭遇するなんて思ってもいなかったから。
驚きのあまり、あんぐりと口を開けて南里くんのくりくりした瞳を見つめていると、真横から困惑したような三木ちゃんの声が響いた。
「……南里、あのね。まず、そういう話しをする時は人気のないところに呼び出すものよ」
三木ちゃんの声にはっと我に返り、隣の三木ちゃんの顔を見つめる。いつもの勝気な瞳で真っ直ぐに南里くんを貫いていく。
「……あと、私、好きな人がいるから、無理。ごめん」
そう、三木ちゃんは……この前、その人に振られてしまった、と言っていた。振られてしまったとはいえ、その人を今も想い続けていることを知っているからこそ、三木ちゃんがこの場で南里くんの言葉に応えないのは、ある意味当然のこと。
強い意志を宿した三木ちゃんの横顔を眺めていると、南里くんのはっきりとした声が再度響いた。
「その人と付き合ってるわけじゃないんですよね?じゃぁ、俺にもチャンスはあるってことですよね」
……この言葉。すごく聞き覚えがある。片桐さんが私を待ち伏せしていた時に……智に向けていた言葉だ。
(……これ、ちょっとマズいやつ)
直感的にそう思った。今、なんとかして止めないと三木ちゃんが私の二の舞になってしまう。
私がその答えに辿り着くよりも、南里くんの方が行動が早かった。気がついたときには、南里くんが一歩を踏み出して三木ちゃんの手を取っていた。
「俺、仕事頑張って覚えます。絶対に俺に振り向かせてみせますから。だから、」
「おおっと……そこまでだよ?」
ふわり、と。シトラスの香りが漂って。
南里くんの言葉を遮るように飄々とした声が響き、三木ちゃんと南里くんの間に黒い背中が割り込んだ。
「真梨ちゃん、好きな人がいるって言ってたよね?聞こえなかった?それにこんなオープンな場所で迫って……ちょ~っと、ナイと思うよ?」
土曜日振りにみる、人懐っこい笑みが目の前にあった。
南里くんが三木ちゃんに伸ばしていた手は、今は片桐さんが掴んでいる。三木ちゃんが唖然とした表情で背の高い片桐さんを見上げていた。
「………えっと…片桐さんが…それ言います?」
この場の空気も読まず、片桐さんをチクリと刺していく。嫌がる私に休憩中はガンガン迫ってきていた人が……しかも、あんな手段を使った人がその言葉を口にしたところで、説得力は皆無だ。
私の言葉に片桐さんが困ったようにヘーゼル色の瞳を歪ませて笑った。
「ん~~、それを言われると何も返せないんだけどさぁ?……俺なりの、彼への償いなんだ、許してよ?」
「……」
片桐さんがそう言葉を紡いで、こてん、と、首を傾げ、いつものようにへにゃりと笑った。明るい髪がふわりと揺れる。
……彼。それは、きっと、智のことだろう。智への償いとして、数ヶ月前の自分と同じ行動を咎めた、ということ…なのかもしれない。
「……それはさておき。君が通関部に配属になった新入社員くんかなぁ?」
すっと。片桐さんの瞳が、南里くんを真っ直ぐに見つめて……獲物を捕らえたように歪んだ。横からみている私からでも、はっきりと分かるような変化だった。
「……すみません、どこのどなたかは存じませんが、無関係の方が首を突っ込むのはやめていただけませんか」
南里くんが、片桐さんに手を掴まれたまま、ぐっと威嚇するように片桐さんのヘーゼル色の瞳を見上げる。そこには、第一印象で抱いたような、チワワのような可愛い雰囲気は全くなくて。
「強気だねぇ?俺、これでも一応ね、先週まで通関部所属だったんだ。無関係ではな~いよ?」
ゆっくりと。片桐さんの口元が、まるで南里くんを嘲るように歪んでいく。
「一緒に働いてた仲間が無理に言い寄られている。これはちょ~っと見逃せないなって思ったんだ。……ね、だから俺、無関係じゃないでしょ?」
そう言葉を紡いで、へにゃりと笑った。
(……いや、だから片桐さんがそれ言う…?)
どうせだったらあんな事を起こす前に、そういう気持ちになって欲しかった。そうすれば、智も負の感情を持ち続けることも無かったのだから。
自分がひどく無防備だったから、ということを棚に上げて、心の中でひたすらに片桐さんのセリフをあげつらっていく。
南里くんが威嚇したような視線を緩めて、片桐さんの後ろに茫然と立ったままの三木ちゃんに声をかけた。
「……三木さん。もしかして、あなたが好きな人ってこの人ですか」
「………はい?」
三木ちゃんが、今まで聞いたことの無いような素っ頓狂な声をあげた。それもそうだろう。どうやったらそんな結論に辿り着くのか、私にもさっぱりわからない。
「三木さんのことを下の名前で呼ぶくらい親しい。おまけに、この人は先週まで通関部所属なのでしょう。こんな性格の悪い人のことを想ってるなんて、勿体無いです。俺にしませんか」
南里くんが挑むような視線を浮かべて、背の高い片桐さんを下から睨み付けている。
「あはは、面白いね、キミ。俺の発言への着眼点も悪く無いし?頭は切れるタイプだ。……でも、残念。真梨ちゃんが好きなのは俺じゃないし、俺、むしろ真梨ちゃんに嫌われてる方だよ?」
「……では、逆にあなたが三木さんを想いを寄せている。……要は俺のライバルってことですね。そうすればあなたの行動に辻褄があう」
南里くんの言葉に片桐さんがくっと喉の奥を鳴らして視線を私に向けた。
「それは見当違いだよ?俺はそっちの……知香ちゃん狙い」
そう言葉を紡いだ片桐さんが、愉しそうな笑い声をあげた。その声が一瞬で、すっと低くなる。
「あんまりオイタすると、痛い目みるよ?」
くすり、と。片桐さんが声をあげて笑った。
掴みどころのない、いつもの飄々とした雰囲気が消え失せている。口元は笑っているのに、目は笑っていなくて、ひどく冷たい。ぞわり、と、無関係の私ですら、背筋が凍る。
しばらく睨み合っていた南里くんと片桐さん。南里くんがすっと視線を外して、片桐さんに掴まれていた腕を勢いよく振り払った。
「……あなたが極東商社でどれくらいの権力を持っていらっしゃるのか存じませんけど、今の言葉はパワハラですからね」
「おおっと。確かにそうだね」
戯けたように片桐さんが両手をあげて肩を竦める。
「これは一本取られちゃった。ごめんね、南里くん?」
降参、というジェスチャーを取りながらも、くすくすと笑い声をあげる片桐さんを睨みつけ、南里くんが三木ちゃんに視線を合わせて。
「……三木さん。俺、諦めませんから」
くりっとした瞳に強い意志を宿しながら言葉を紡いで、南里くんがくるりと踵を返した。
その言葉に、三木ちゃんがぽつりと呟いた。
「……ふざけんじゃないわよ。誰があんたなんか」
小さく呟いた言葉がゆっくりと消えていった。
「さ、午後から延ばし延ばしにしてた分、ふたりで分担しましょ、三木ちゃん」
「はいっ、頑張りましょう、先輩っ」
いつもの溌剌とした声が響いた。私はポケットからスマホを取り出して、メッセージアプリを立ち上げる。
『残業です。ごめんね』
智に残業になった旨のメッセージを送信して、デスクの上の書類をトントンと纏める。
「え~っと、じゃぁこっちの分を三木ちゃんお願いできる?」
「オッケーです、先輩!」
私から書類を受け取った三木ちゃんがニコッと屈託なく笑った。制服のスキッパーブラウスの首元から、シルバーのネックレスのチェーンが、キラリ、と、煌めいた。
(……あれ?三木ちゃん、今までネックレスなんてしてたっけ…)
新しい季節に入ったから。そういう時って、何かしら新しい物を身につけたくなる季節でもあるものね。そう結論づけて、私も自分のデスクに戻った。
2課のブースにカタカタとキーボードを叩く音が響く。
ふと右斜め前を見遣ると、西浦係長も今日は定時で上がってもらったようだった。ほわん、としたあの穏やかな微笑みが脳裏に蘇る。
開発一筋だった、ということは相当頭も切れるひとだろう。10月の通関士試験なんて、半年あれば一発合格してしまうんじゃないだろうか。
私はまだ試験範囲の3分の1くらいしか理解出来ていない。ちょっと勉強のペースを上げないとどうにもならないだろう。
そんなことをぼんやり考えつつ、積み重なっていた書類を片づけていった。
1時間半ほど残業し、今日処理すべき分を無事に片づけられた。目の前に座る水野課長に三井商社の移入承認の進捗を報告し、三木ちゃんとあのふたりの教育方針などを話しながら女子社員の更衣室に向かう。
横並びに歩きながらシックな色の壁紙の廊下を歩いていると、お手洗いの角に、定時で上がらせたはずの南里くんが壁に凭れかかっていた。
「三木さん」
南里くんが、くりくりとした目に強い意志を宿して、三木ちゃんを真っ直ぐに見つめた。その声に、三木ちゃんがきょとんとした表情で南里くんを見上げている。
「南里?まだ帰ってなかったの?どうしたの?」
そうして。南里くんが、廊下に響き渡るような大きな声で、叫ぶように声をあげた。
「俺、あなたに一目惚れしました!!俺と付き合ってくださいませんか!?」
一瞬、時が止まった気がした。まさか、他人の告白シーンに、こんな形で遭遇するなんて思ってもいなかったから。
驚きのあまり、あんぐりと口を開けて南里くんのくりくりした瞳を見つめていると、真横から困惑したような三木ちゃんの声が響いた。
「……南里、あのね。まず、そういう話しをする時は人気のないところに呼び出すものよ」
三木ちゃんの声にはっと我に返り、隣の三木ちゃんの顔を見つめる。いつもの勝気な瞳で真っ直ぐに南里くんを貫いていく。
「……あと、私、好きな人がいるから、無理。ごめん」
そう、三木ちゃんは……この前、その人に振られてしまった、と言っていた。振られてしまったとはいえ、その人を今も想い続けていることを知っているからこそ、三木ちゃんがこの場で南里くんの言葉に応えないのは、ある意味当然のこと。
強い意志を宿した三木ちゃんの横顔を眺めていると、南里くんのはっきりとした声が再度響いた。
「その人と付き合ってるわけじゃないんですよね?じゃぁ、俺にもチャンスはあるってことですよね」
……この言葉。すごく聞き覚えがある。片桐さんが私を待ち伏せしていた時に……智に向けていた言葉だ。
(……これ、ちょっとマズいやつ)
直感的にそう思った。今、なんとかして止めないと三木ちゃんが私の二の舞になってしまう。
私がその答えに辿り着くよりも、南里くんの方が行動が早かった。気がついたときには、南里くんが一歩を踏み出して三木ちゃんの手を取っていた。
「俺、仕事頑張って覚えます。絶対に俺に振り向かせてみせますから。だから、」
「おおっと……そこまでだよ?」
ふわり、と。シトラスの香りが漂って。
南里くんの言葉を遮るように飄々とした声が響き、三木ちゃんと南里くんの間に黒い背中が割り込んだ。
「真梨ちゃん、好きな人がいるって言ってたよね?聞こえなかった?それにこんなオープンな場所で迫って……ちょ~っと、ナイと思うよ?」
土曜日振りにみる、人懐っこい笑みが目の前にあった。
南里くんが三木ちゃんに伸ばしていた手は、今は片桐さんが掴んでいる。三木ちゃんが唖然とした表情で背の高い片桐さんを見上げていた。
「………えっと…片桐さんが…それ言います?」
この場の空気も読まず、片桐さんをチクリと刺していく。嫌がる私に休憩中はガンガン迫ってきていた人が……しかも、あんな手段を使った人がその言葉を口にしたところで、説得力は皆無だ。
私の言葉に片桐さんが困ったようにヘーゼル色の瞳を歪ませて笑った。
「ん~~、それを言われると何も返せないんだけどさぁ?……俺なりの、彼への償いなんだ、許してよ?」
「……」
片桐さんがそう言葉を紡いで、こてん、と、首を傾げ、いつものようにへにゃりと笑った。明るい髪がふわりと揺れる。
……彼。それは、きっと、智のことだろう。智への償いとして、数ヶ月前の自分と同じ行動を咎めた、ということ…なのかもしれない。
「……それはさておき。君が通関部に配属になった新入社員くんかなぁ?」
すっと。片桐さんの瞳が、南里くんを真っ直ぐに見つめて……獲物を捕らえたように歪んだ。横からみている私からでも、はっきりと分かるような変化だった。
「……すみません、どこのどなたかは存じませんが、無関係の方が首を突っ込むのはやめていただけませんか」
南里くんが、片桐さんに手を掴まれたまま、ぐっと威嚇するように片桐さんのヘーゼル色の瞳を見上げる。そこには、第一印象で抱いたような、チワワのような可愛い雰囲気は全くなくて。
「強気だねぇ?俺、これでも一応ね、先週まで通関部所属だったんだ。無関係ではな~いよ?」
ゆっくりと。片桐さんの口元が、まるで南里くんを嘲るように歪んでいく。
「一緒に働いてた仲間が無理に言い寄られている。これはちょ~っと見逃せないなって思ったんだ。……ね、だから俺、無関係じゃないでしょ?」
そう言葉を紡いで、へにゃりと笑った。
(……いや、だから片桐さんがそれ言う…?)
どうせだったらあんな事を起こす前に、そういう気持ちになって欲しかった。そうすれば、智も負の感情を持ち続けることも無かったのだから。
自分がひどく無防備だったから、ということを棚に上げて、心の中でひたすらに片桐さんのセリフをあげつらっていく。
南里くんが威嚇したような視線を緩めて、片桐さんの後ろに茫然と立ったままの三木ちゃんに声をかけた。
「……三木さん。もしかして、あなたが好きな人ってこの人ですか」
「………はい?」
三木ちゃんが、今まで聞いたことの無いような素っ頓狂な声をあげた。それもそうだろう。どうやったらそんな結論に辿り着くのか、私にもさっぱりわからない。
「三木さんのことを下の名前で呼ぶくらい親しい。おまけに、この人は先週まで通関部所属なのでしょう。こんな性格の悪い人のことを想ってるなんて、勿体無いです。俺にしませんか」
南里くんが挑むような視線を浮かべて、背の高い片桐さんを下から睨み付けている。
「あはは、面白いね、キミ。俺の発言への着眼点も悪く無いし?頭は切れるタイプだ。……でも、残念。真梨ちゃんが好きなのは俺じゃないし、俺、むしろ真梨ちゃんに嫌われてる方だよ?」
「……では、逆にあなたが三木さんを想いを寄せている。……要は俺のライバルってことですね。そうすればあなたの行動に辻褄があう」
南里くんの言葉に片桐さんがくっと喉の奥を鳴らして視線を私に向けた。
「それは見当違いだよ?俺はそっちの……知香ちゃん狙い」
そう言葉を紡いだ片桐さんが、愉しそうな笑い声をあげた。その声が一瞬で、すっと低くなる。
「あんまりオイタすると、痛い目みるよ?」
くすり、と。片桐さんが声をあげて笑った。
掴みどころのない、いつもの飄々とした雰囲気が消え失せている。口元は笑っているのに、目は笑っていなくて、ひどく冷たい。ぞわり、と、無関係の私ですら、背筋が凍る。
しばらく睨み合っていた南里くんと片桐さん。南里くんがすっと視線を外して、片桐さんに掴まれていた腕を勢いよく振り払った。
「……あなたが極東商社でどれくらいの権力を持っていらっしゃるのか存じませんけど、今の言葉はパワハラですからね」
「おおっと。確かにそうだね」
戯けたように片桐さんが両手をあげて肩を竦める。
「これは一本取られちゃった。ごめんね、南里くん?」
降参、というジェスチャーを取りながらも、くすくすと笑い声をあげる片桐さんを睨みつけ、南里くんが三木ちゃんに視線を合わせて。
「……三木さん。俺、諦めませんから」
くりっとした瞳に強い意志を宿しながら言葉を紡いで、南里くんがくるりと踵を返した。
その言葉に、三木ちゃんがぽつりと呟いた。
「……ふざけんじゃないわよ。誰があんたなんか」
小さく呟いた言葉がゆっくりと消えていった。
0
よろしければ感想などお気軽にお寄せください♪
メッセージフォーム
お気に入りに追加
1,544
あなたにおすすめの小説
身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~
椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」
私を脅して、別れを決断させた彼の両親。
彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。
私とは住む世界が違った……
別れを命じられ、私の恋が終わった。
叶わない身分差の恋だったはずが――
※R-15くらいなので※マークはありません。
※視点切り替えあり。
※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。
敏腕ドクターは孤独な事務員を溺愛で包み込む
華藤りえ
恋愛
塚森病院の事務員をする朱理は、心ない噂で心に傷を負って以来、メガネとマスクで顔を隠し、人目を避けるようにして一人、カルテ庫で書類整理をして過ごしていた。
ところがそんなある日、カルテ庫での昼寝を日課としていることから“眠り姫”と名付けた外科医・神野に眼鏡とマスクを奪われ、強引にキスをされてしまう。
それからも神野は頻繁にカルテ庫に来ては朱理とお茶をしたり、仕事のアドバイスをしてくれたりと関わりを深めだす……。
神野に惹かれることで、過去に受けた心の傷を徐々に忘れはじめていた朱理。
だが二人に思いもかけない事件が起きて――。
※大人ドクターと真面目事務員の恋愛です🌟
※R18シーン有
※全話投稿予約済
※2018.07.01 にLUNA文庫様より出版していた「眠りの森のドクターは堅物魔女を恋に堕とす」の改稿版です。
※現在の版権は華藤りえにあります。
💕💕💕神野視点と結婚式を追加してます💕💕💕
※イラスト:名残みちる(https://x.com/___NAGORI)様
デザイン:まお(https://x.com/MAO034626) 様 にお願いいたしました🌟
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ネカフェ難民してたら鬼上司に拾われました
瀬崎由美
恋愛
穂香は、付き合って一年半の彼氏である栄悟と同棲中。でも、一緒に住んでいたマンションへと帰宅すると、家の中はほぼもぬけの殻。家具や家電と共に姿を消した栄悟とは連絡が取れない。彼が持っているはずの合鍵の行方も分からないから怖いと、ビジネスホテルやネットカフェを転々とする日々。そんな穂香の事情を知ったオーナーが自宅マンションの空いている部屋に居候することを提案してくる。一緒に住むうち、怖くて仕事に厳しい完璧イケメンで近寄りがたいと思っていたオーナーがド天然なのことを知った穂香。居候しながら彼のフォローをしていくうちに、その意外性に惹かれていく。
腹黒上司が実は激甘だった件について。
あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。
彼はヤバいです。
サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。
まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。
本当に厳しいんだから。
ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。
マジで?
意味不明なんだけど。
めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。
素直に甘えたいとさえ思った。
だけど、私はその想いに応えられないよ。
どうしたらいいかわからない…。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
上司は初恋の幼馴染です~社内での秘め事は控えめに~
けもこ
恋愛
高辻綾香はホテルグループの秘書課で働いている。先輩の退職に伴って、その後の仕事を引き継ぎ、専務秘書となったが、その専務は自分の幼馴染だった。
秘めた思いを抱えながら、オフィスで毎日ドキドキしながら過ごしていると、彼がアメリカ時代に一緒に暮らしていたという女性が現れ、心中は穏やかではない。
グイグイと距離を縮めようとする幼馴染に自分の思いをどうしていいかわからない日々。
初恋こじらせオフィスラブ
最後の恋って、なに?~Happy wedding?~
氷萌
恋愛
彼との未来を本気で考えていた―――
ブライダルプランナーとして日々仕事に追われていた“棗 瑠歌”は、2年という年月を共に過ごしてきた相手“鷹松 凪”から、ある日突然フラれてしまう。
それは同棲の話が出ていた矢先だった。
凪が傍にいて当たり前の生活になっていた結果、結婚の機を完全に逃してしまい更に彼は、同じ職場の年下と付き合った事を知りショックと動揺が大きくなった。
ヤケ酒に1人酔い潰れていたところ、偶然居合わせた上司で支配人“桐葉李月”に介抱されるのだが。
実は彼、厄介な事に大の女嫌いで――
元彼を忘れたいアラサー女と、女嫌いを克服したい35歳の拗らせ男が織りなす、恋か戦いの物語―――――――
過去1ヶ月以内にエタニティの小説・漫画・アニメを1話以上レンタルしている
と、エタニティのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にエタニティの小説・漫画・アニメを1話以上レンタルしている
と、エタニティのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。